日本海オロロンライン



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宗谷岬
サロベツ〜幌延
帰路


宗谷岬から石狩地方までの復路、手塩町までは内陸を走る国道40号(稚内国道)で南下することにしました。

サロベツ原野に近づいた所にある『宮の台展望台』。天気がいまいちでしたが、目の前にサロベツ原野が広がる向こうに、遠く霞んだ利尻富士が見えました。

展望台から少し南西に行った所、上サロベツ原野と下サロベツ原野を分ける北三十号線沿いに、サロベツ原生花園があります。

北三十号線は、豊富町中心部とオロロンラインを結んで東西に走っていて、道の両側にサロベツ原野が広がっています。

サロベツ原野は広さ2万3000haの広さがある泥炭地で、約2万年前から1年に1mmというゆっくりした速度で堆積していっています。湿地保護のため、原野に一般の人が立ち入ることは出来ません。

唯一北三十号線沿いにあるサロベツ原生花園には原野に突き出す形で遊歩道が整備されていて、この歩道から原野を間近に観察し、また360°を見渡すことが出来ます。

↑遊歩道からの360°の眺め。見渡す限り原野が広がっています。

遊歩道の傍に咲いていた花。本来であれば、この時期(7月上旬)には左の花で原野が埋め尽くされているはずなんですが、今年(2003年)はあいにく5月頃の遅霜のため花が全滅に近い状態。残念ながら黄色く染まった原野を見ることは出来ませんでした。

この日、たまたまサロベツ花まつりが開催されていて、地元幌延町を始め道内各地の和太鼓チームが演技を披露していました。

力強い太鼓演奏や、軽快な鐘を鳴らしながらの演技などなど。

このままゆっくり祭りを楽しんで行きたい所ですが、ここはサロベツ。あんまりゆっくりするわけにもいかないので、次の目的地に向かうことにします。

豊富町の南隣にある幌延町に、トナカイを飼育している観光牧場があります。
せっかくなので、ここに立ち寄ってトナカイに挨拶をしていくことにしました。

豊富町中心部から道道84号→道道121号と走っていくと、「幌延町 トナカイ観光牧場」の大きな標識があります。

駐車場のおくには、ログハウスのような外観の管理棟があります。中には売店・レストランがあり、ここで通り抜けたところにトナカイ牧場と『北方圏の花園』があります。

この建物の奥、左手にトナカイ牧場、右手に『北方圏の花園』があります。

管理棟で餌を買い、早速トナカイ牧場に向かいました。一番手前にある飼育場では、オスのトナカイが飼育されています。

餌を持って柵に近づくと、1頭のオスが水飲み場からトコトコとやってきました。
それにしてもデッカイ角!
まだ夏前で毛皮に覆われていますが、近づいてくるとすごい迫力でちょっと怖いかも。。。

ここで、トナカイについて。
場内にあった説明板から抜粋します。

分類
偶蹄目 シカ科 トナカイ属
生態
コケ・草・木の葉等が主食です。
稀にレミング(ネズミの仲間)などの小動物や鳥の卵を食べることがあります。
数頭から数万頭の群れで行動します。
分布
トナカイの生息分布は、大きく2種類に分かれます。
ユーラシア大陸に生息するReindeer(ツンドラトナカイ)と北米大陸に生息するCaribou(シンリントナカイ)です。
Reindeerは、英語で「人に馴れている鹿」という意味です。
Caribouは、ミクマクインディアンの言葉で、「地面をひっかくもの」の意味です。
トナカイは、日本語では「馴鹿」(じゅんろく)といい、英語を直訳したものといわれています。日本で一般に使われている「トナカイ」は、アイヌ語です。
ここのトナカイは、フィンランドから輸入されたツンドラトナカイです。
特徴
☆形態上の特徴
生時体重は4〜6kgで、成長するとオスは体高が110〜130cm、体重は150〜250kgほどに、メスは体高が90〜110cm、体重は70〜110kgほどになります。
寿命は、平均15年くらいです。
☆丸くて大きな蹄
北欧では、古くから冬場にソリで荷物を運ぶ家畜として役立っています。大きな蹄は、雪上や沼地を歩くときに、この指が大きく広がり、足がもぐり込むのを防ぐ役割をします。
☆オス・メス両方に角
鹿は、メスには角が生えないが、トナカイのメスには、角が生えます。
トナカイの角は、毎年生えかわります。3月頃から成長が始まり、大きいものでは、10kgにもなります。成長期の角は、袋角と呼ばれ、角に毛皮が被った状態です。8月下旬になると、角の毛皮を自分ではがし、袋角から研ぎ澄まされた白い枯れ角になります。枯れ角になる9月から10月にかけて繁殖期を迎えます。角が落ちる時期は、オスとメスでは異なり、オスは繁殖期の終わる11月ころ、メスは出産時期の5月ころです。
オスの角は、メスを獲得するための闘争用、メスの角はお腹の子供を守るための護身用と思われます。

オスの飼育場のやや奥に、メスの飼育場があります。

メスのトナカイも立派な角を生やしています。
おかげで、オスとメスの見分けがつかん・・・(-_-;;

トナカイの飼育場を一周した後、北方圏の花園にも行ってみました。ここでは、北国の花がちょうど開花時期を迎えていました。

上の2種類の花は、名前をメモるの忘れてました・・・(いつか調べよう)
サルビア プラテンシス
シソ科/宿根草
原産地:欧州中南部
花:6〜7月
ハナシノブ 紫
ハナシノブ科/宿根草
原産地:北米
花:6〜7月
青いケシ(ブルーポピー)
ケシ科 メコノプシス属
トロリウス ヨーロッパナム
キンポウゲ(金鳳花)科/宿根草
花:6〜7月

初めてトナカイも見たし、珍しい花も見たし。
そろそろ南に向けて出発しましょー。



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