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本州最南端の潮岬に隣接する古座川は、大塔山を源として延々60余kmを流れている。流域のいたるところに奇岩奇峰が顔を出し、中でも国指定天然記念物の一枚岩は高さ100m、幅500mでその雄大な景観は訪れるものを驚嘆させる。 流域には古座川町と古座町があり、いずれも観光の町として新しく脚光を浴びている。上流にある七川ダム湖は、大型のブラックバスが釣れる関西屈指のポイントとして注目を集め、休日にはたくさんのバサーが思い思いにバスフィッシングを楽しんでいる。さらに古座町はスキューバダイビングが新しい観光として盛んとなっている。 人家が少ないので、自然が豊富で水も美しい。魚も豊富で川からの恵みは十分に受けることができる。司馬遼太郎先生もこの川筋の渓谷美が気に入り別荘を購入したほど。 スケールは少しちがうけれど中国の桂林のような風情がある。源流近くの川筋に、絶滅危惧種を探す会のようなものが、カワウソを探すチラシを張っていた。私は、狼もカワウソもいると信じている。 古座川の源流にはそう思わせる何かがある。平井川の上流は国の特別天然記念物のオオサンショウウオが増えているとか。それほど綺麗で奥深い川なのである。 私は、カヌーを始めてから毎年何回か下っている。カヌーツーリングを楽しむ川としては、ちょうどいい川で危険も少なく、初心者でも十分楽しめる。ただし、ところどころに沈しやすいエディーがある。それがまた面白い。 古座川ツーリングの際注意しなければいけないことは、水量が少ないときは岩に船底をぶつけることである。 水量によっては隠れ岩になっていたりして危険で、ファルトボートなどは、穴があく可能性がある。 渇水時は、それらの岩が邪魔をして、フネを引いていくことになる。瀬はカーブの度に1級未満〜1.5級程度あり、沈の可能性がある。その分面白いとも言える。沈する場所はほとんど決まっていて、そこで待っていると絵に描いたようにひっくり返る。人が沈してひっくりかえるを見るのは楽しい。私の沈暦3回は、いずれも古座川である。 川を下り終わってから、300メートルほど沖に浮かぶ九龍島へ漕ぎ出すのも一興である。 そのままもう少しシーカヤッキングを楽しみたいと思えば、橋杭岩を見ながら串本港まで約2時間である。 カヌーで下ると岸からではなかなか見ることのできない角度で景色が移り変わる。いろんな岩を見ているとどうしてこうなったのだろうかと様々な空想が浮かんでくる。ウグイス、ホトトギスなど、野鳥の声がよく聞こえる一枚岩の前で。 この辺はキャンプ場やきれいなトイレもあり、昼食を兼ねた休憩にちょうどいい場所である。 しかし、この前を漕ぐときは、ギャラリーが多いので、沈をしないように気をつける必要がある。 |
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