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22.荒海ノ津−居眠り磐音江戸双紙22.− 23.万両ノ雪−居眠り磐音江戸双紙23.− 24.朧夜ノ桜−居眠り磐音江戸双紙24.− 26.白桐ノ夢−居眠り磐音江戸双紙25.− 27.紅花ノ邨−居眠り磐音江戸双紙26.− 28.石榴ノ蝿−居眠り磐音江戸双紙27.− 29.照葉ノ露−居眠り磐音江戸双紙28.− 30.冬桜ノ雀−居眠り磐音江戸双紙29.− |
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無月ノ橋、探梅ノ家、残花ノ庭、夏燕ノ道、驟雨ノ町、蛍火ノ宿、紅椿ノ谷、捨雛ノ川、梅雨ノ蝶、野分ノ灘 |
侘助ノ白、更衣ノ鷹(上下)、孤愁ノ春、尾張ノ春、姥捨ノ郷、紀伊ノ変、一矢ノ秋、橋の上、東雲ノ空、秋思ノ人 |
春霞ノ乱、散華ノ刻、木槿ノ賦、徒然ノ冬、湯島ノ罠、空蝉ノ念、弓張ノ月、失意ノ方 、白鶴ノ紅、意次ノ妄、竹屋ノ渡、旅立ノ朝 |
声なき蝉(上下)、恨み残さじ、剣と十字架、異郷のぞみし、未だ行ならず(上下)、異変ありや、風に訊け、名乗らじ、荒ぶるや、奔れ空也 |
●「居眠り磐音江戸双紙21. 鯖雲ノ城」● ★★ |
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2007/11/03
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“居眠り磐音江戸双紙”シリーズの第21巻。 磐音とおこんの乗った正徳丸は、30余日の航海を経てようやく関前湾に入ります。 おこんの美しさに皆が驚き、おこんは坂崎家に温かく迎え入れられて感動。そして、磐音の出奔という坂崎家にとっての大事件は6年を経てようやく落着し、坂崎家と親しい人々との間では一気に幸福感が盛り上がるというストーリィ。 本書ストーリィの中で現代的な視点から私が注目したのは、磐音の父・正睦の勇気ある決断のこと。 白萩の寺/中戸道場の黄昏/三匹の秋茜/長羽織の紐/坂崎家の嫁 |
●「居眠り磐音江戸双紙22. 荒海ノ津」● ★☆ |
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2007/11/10
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“居眠り磐音江戸双紙”シリーズの第22巻。 磐音とおこんは、福岡藩(黒田氏)五十二万石を支える大商人・箱崎屋次郎平に招かれ、一月余り滞在した豊後関前城下を旅立って博多に立ち寄る。 博多では、磐音は藩の剣術道場および前国家老の吉田久兵衛に歓迎され、おこんは箱崎屋の末娘=お杏に親しんでもらってあちこち案内されるといった、旅ならではの一幕。 品川家では当主と嫡男の両人ともが食売女に入れ込んで家を出て行ったままとなっており、品川家廃絶の危機が目前という状況。 隠居老人/博多便り/大股の辻/恋の芽生え/幸せ橋 |
●「居眠り磐音江戸双紙23. 万両ノ雪」● ★☆ |
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2007/11/11
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“居眠り磐音江戸双紙”シリーズの第23巻。 南町奉行所の笹塚与力が6年前に解決しきれなかった“万両の親方=大次郎”事件。 磐音とおこんが江戸に帰着したのは大晦日。新年早々から2人はあちこちへ挨拶回りと慌しく過ごします。 なお、本巻で一旦区切りをつけ、著者の佐伯さんは暫く休養をとるとのこと。 ※「あとがき」はスペインの闘牛士をめぐる記。文中にも引用ありますが、ヘミングウェイ「危険な夏」を思い出させられる一篇です。 明和八年のおかげ参り/安永六年の島抜け/子安稲荷の謎/元日の道場破り/跡取り披露/あとがき |
●「居眠り磐音江戸双紙24. 朧夜(ろうや)ノ桜」● ★★ |
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2008/01/14
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“居眠り磐音江戸双紙”シリーズの第24巻。 冒頭、将軍家御典医にして蘭方医の桂川家4代目=甫周国瑞と因幡鳥取藩寄合職・織田宇多右衛門の息女=桜子の祝言に始まり、ついに佐々木磐音とおこんの祝言の成就をもってして終わる巻。 しかし、そんな祝いの日においてさえ両者に襲い掛かる不埒者、刺客が登場するのですから、恒例のパターンとは言え、流石になんともはやと感じる次第。 2人の祝言の準備が着々と進む一方で、田沼家剣術指南役が西国をめぐって集めた伝説的な手練れ剣客5人が、磐音を倒すため江戸に送り込まれます。彼らとの5番勝負が始まる巻ともなっています。 白梅屋敷の花嫁/偽銀遣い/小さ刀吉包/三味芳六代目/尚武館の嫁 |
●「「居眠り磐音江戸双紙」読本・跡継ぎ−居眠り磐音江戸双紙番外編−」● ★★ |
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2008/01/15
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“居眠り磐音江戸双紙”シリーズのガイドブック。 本シリーズの舞台となる両国西広小路を中心とした地図、各巻のひと言紹介、年表が整理されているので、本シリーズを今度も楽しんでいくにはとても便利な一冊。 しかし、何といってもファンとして嬉しいのは、本シリーズ番外編として収録されている書下ろし中篇小説「跡継ぎ」の存在。 巻頭カラー口絵/地図で楽しむ「居眠り磐音江戸双紙」の世界/「居眠り磐音江戸双紙」シリーズの書名と巻数(書名の由来)/絵と図で見る「居眠り磐音江戸双紙」の世界 |
●「居眠り磐音江戸双紙25. 白桐(しろぎり)ノ夢」● ★ |
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2008/05/03
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“居眠り磐音江戸双紙”シリーズの第25巻。 磐音は今や江都一と言われる直心影流・尚武館佐々木道場の後継者、おこんはその新妻。 新たな始まりであるのは結構なのですが、磐音の居場所はもはや江戸市中、深川六間堀の金兵衛長屋とも両国西広小路の今津屋ともいかず、神保小路の佐々木道場となります。 ストーリィとしては、殴られ屋稼業の浪人=向田源兵衛の登場、西の丸の将軍世子=家基に迫る田沼方乱破一味と磐音との闘い、竹村武左衛門の長女=早苗が家族のため奉公を決意するまでの経緯、等々。 殴られ屋/鰻の出前/武左衛門の哀しみ/西の丸の怪/穏田村の戦い |
●「居眠り磐音江戸双紙26. 紅花ノ邨(むら)」● ★ |
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2008/08/03
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“居眠り磐音江戸双紙”シリーズの第26巻。 白鶴大夫=小林奈緒を身請けした山形の紅花大尽、前田屋内蔵助になにやら危難が降りかかっているらしい。そしてそれには山形藩が絡んでいるらしいとの急報を四郎兵衛から受けた佐々木磐音は、吉原会所の2人と共に、奈緒の幸せを守るべく、奥州路を山形へ向かうという巻。 藩主の江戸在勤中という留守を狙って首席家老が藩による紅花の専売制を導入しようとし、前田屋が紅花商人の陣頭に立って反対したため、押し込めに遭っているらしい。 道中での揉め事はともかく、割とあっけなく藩内騒動が片づいてしまうこと、磐音が幕府御側御用取次・速水左近の力を振りかざすような面なきにしもあらず、といった観があって、読了後の気分はあまりすっきりしない。 老いた鶯/夜旅の峠/花摘む娘/籾蔵辻の変/半夏一ッ咲き |
●「居眠り磐音江戸双紙27. 石榴ノ蝿」● ★ |
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2008/10/25
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“居眠り磐音江戸双紙”シリーズの第27巻。 山形から帰った後の磐音らを描く巻。 考えてみれば磐音とおこんが神保小路の佐々木家に養子・嫁として入ってから3巻目。その点では、2人が佐々木家の人間として定着していく様子を描くことが本巻の主眼だったのかもしれません。ですから、小さな事件は幾つかあれど、大きな事件などそもそも不要なのでしょう。 長篇としての流れとしては、将軍世子である家基の江戸市中お忍び行に桂川国瑞、磐音、玲圓が協力して無事成し遂げる、というストーリィがあります。 紅板/利次郎の迷い/霧子の存在/二寸二分の見切り/お忍び船行 |
●「居眠り磐音江戸双紙28. 照葉(てりは)ノ露」● ★☆ |
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2009/02/04
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“居眠り磐音江戸双紙”シリーズの第28巻。 本巻での目玉は、「酒乱の罪」と「仇討ち」の2章にまたがるストーリィ。 それ以外の章については、格別のことはなし。長く続く「居眠り磐音江戸双紙」の一部を成すストーリィ、というに尽きます。 酒乱の罪/仇討ち/大川の月/真剣のこつ/四番目の刺客 |
●「居眠り磐音江戸双紙29. 冬桜ノ雀」● ★ |
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“居眠り磐音江戸双紙”シリーズの第29巻。 田沼意次の手先となったのか、将軍世子=家基とその家基を支えようとする佐々木玲圓と磐音父子の前に、伝説的な存在である剣客=タイ捨流丸目喜左衛門高継が孫のような娘に手を引かれる盲目の老剣士として剣技と妖術をもって立ち塞がります。その孫のような娘も相当な薙刀の遣い手。そればかりか、霧子が指摘するには忍びの技が入っているのではないかとのこと。 一方、江戸市中の捕物騒ぎに、笹塚孫一与力の勝手な囮作戦に磐音のみならず関前藩の新造船まで巻き込まれるのが「武左衛門の外泊」。 余談として、磐音・おこんの夫婦がそろそろ子が欲しいという気持ちを強くするところが描かれており、それは読者も待ち望むところだろうと思います。 鼠志野の茶碗/盲目の老剣客/武左衛門の外泊/師走の話/加持祈祷 |
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