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1.楽しい古事記 3.コーヒー党奇談 6.街のアラベスク 8.佐保姫伝説 |
●「楽しい古事記」● ★★ |
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2003/08/11 |
日本人なら一応読まなくっちゃ、と思いつつ、読まないで終わる本の代表例が「古事記」と「源氏物語」ではないかと思っていました。 この章から「海幸彦山幸彦」までの上巻が、神話時代とのこと。 国の始まり(イザナギ・イザナミによる建国)/岩戸の舞(アマテラス大御神、岩戸に隠れる)/神々の恋(八俣の大蛇退治と因幡の白兎)/領土問題(オオクニヌシの治世)/海幸彦山幸彦(兄弟の争い)/まぼろしの船出(神武天皇の東征)/辛酉にご用心(崇神・垂仁天皇の治世)/悲劇の人(ヤマトタケル伝説)/皇后は戦う(仲哀・応神天皇の治世)/煙立つ見ゆ(仁徳天皇の権勢)/殺して歌って交わって(雄略天皇の君臨)/女帝で終わる旅(返り咲いた顕宗・仁賢天皇) |
●「シェイクスピアを楽しむために」● ★★ |
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2003年01月 2000/06/17 |
シェイクスピア劇の面白さを存分に判り易く、かつ読み易く案内したエッセイには、中野好夫「シェイクスピアの面白さ」(新潮選書)と小田島雄志「シェイクスピア遊学」等(白水社等)の著書があります。 それに対して、本書はシェイクスピアをまるで読んでいない人にも、格好の案内書となるように書かれている、という本だと思います。 なお、本書中「ジュリアス・シーザー」を語る章の中で、阿刀田さんは何故「ブルータス」という題名にならなかったのかという疑問を付されていましたが、当時は登場人物のうち一番地位の高い人物の名前を題名とするのが慣習だったそうです。 ハムレット、ロミオとジュリエット、オセロー、夏の夜の夢、ヴェニスの商人、ジュリアス・シーザー、ヘンリー四世、ウインザーの陽気な女房たち、リチャード三世、マクベス、リア王 ※1.
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●「コーヒー党奇談」● ★☆ |
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2004年08月 |
JTB出版刊の雑誌「旅」に“あなたに似た町”という題名で連載された短篇集。 コーヒー党奇談/霧を見た男/橋のたもと/青い箱/水の流れのように/父に会う/砂の時間/地の果て岬/横書きの封筒/田沢湖まで/守り神/土に還る |
●「コーランを知っていますか」● ★☆ |
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2006/06/02 |
「コーラン」、正しくは「アル・クルアーン
Al-Quran」と言い、今更言うまでもなくイスラム教の聖典。 イスラム教は知っているけれど、コーランがどういうものなのかは知らなかった。そのことが本書を読み出した理由です。 扉を開けると/象の年に生まれて/アラーは駱駝を創った/預言者たちが行く/妻を娶らば/<コーランの構成一覧表>/神は紙に描けない/砂漠のフェミニズム/救世者の称号君去りし後/<イスラム諸国会議機構(OIC)加盟国一覧>/<イスラム関係大小いろいろ大ざっぱ年表>/聖典の故里を訪ねて |
●「チェーホフを楽しむために」● ★★ |
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2009年01月 2006/08/12
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ロシアの作家チェーホフを読む人のための親切な手引書。 本書はチェーホフの生い立ち、家庭環境から書き始められています。祖父は農奴出身ながら兄弟は各々作家、画家、教師を志す等その方面への関心が高い家族であったこと。そしてチェーホフ自身は医者をめざす一方で小遣い稼ぎのために短篇小説の投稿を始めたと、説明はとても判りやすい。 本書を読んでチェーホフをよく理解できたかというと、手がかりはつかめたものの、どこが面白いか判らないという意識はまだ半分残ります。 小遣い稼ぎから/工房の秘密を捜して/恋と時間のたわむれ/長編への迷い道/短編小説の名品たち/おしゃべりな助走/<かもめ>は演劇<ワーニャ>は人生/<三人姉妹><桜の園>の兄と弟/チェーホフの周辺飛行 |
●「街のアラベスク」● ★☆ |
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2010年07月
2008/01/21
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東京のいろいろな街を舞台にした恋愛物語、12篇。 場所は、町屋、井の頭公園、東五反田、麻布、神楽坂、浅草、新宿、蒲田、銀座、江戸川、北沢、善福寺。 とくに気に入ったのは次の2篇。 他にも面白かった篇は、 黒地に赤く/ほくろ慕情/美しい人/暗闇坂/真面目な関係/左掌の記憶/喋らない女/六郷橋まで/銀座の敵/美人の住む町/公平さの研究/夜に飛ぶ |
●「やさしいダンテ<神曲>」● ★☆ |
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08/02/22
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欧米の小説等を読んでいると時々引き合いに出される古典的名作のひとつが、ダンテ「神曲」。 さて中身。まずはローマ時代の詩人ウェルギリウスの案内で地獄めぐりするところから始まります。 ところで肝心の地獄、その阿鼻叫喚はなぁ・・要は脅しでしょ。 原典はもっと麗々しく謳い上げられているのでしょうから読んでの印象は違うのでしょうけれど、こうして砕いて語られると本質がはっきり見えてきます。 崇高な片思い/地獄の門を抜けて/ギリシャ神話を交えて/亡者がウジャウジャ/予言のからくり/三人の極悪人/煉獄の丘を越えて/愛と自由な意思/ベアトリーチェの怒り/魂は輪になって踊る/神学の見た宇宙/薔薇の円形劇場へ |
●「佐保姫伝説」● ★★ |
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2012年04月
2009/05/02
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いずれの作品もあっさりとした味わいの短篇集。 表題作「佐保姫伝説」は、小学生の時に出会った満開の桜という絶景を再び見たいと分け入った山中での出来事を描いた篇。 過去に関わりがあった女性のことを思い出すといった作品が、「初詣で」「象は鼻が長い」「恨まないのがルール」「赤い丸の秘密」「やきとりと電話機」と12篇中5篇。 初詣で/紅の恐怖/大きな夢/佐保姫伝説/ちょっと変身/象は鼻が長い/恨まないのがルール/海を見に行く/赤い丸の秘密/五色の旗/やきとりと電話機/カーテンコール |