記念切手
Database HOME
弦楽四重奏曲第8番作品110−第3楽章
last updated: 2001.3.14

弦楽四重奏曲第8番概説 ▼第4楽章・第5楽章

第3楽章 Allegretto (引き攣った)DSCH によるワルツ−スケルツォ
35 A

高音で躓くようにDSCHが fff で演奏される。(これがワルツのモチーフとなる。)最後の音が引き延ばされて sfff へクレッシェンドした後、転がり落ちるように下降してワルツが始まる。

36 B DDSCHによるワルツの主部。第1楽章フーガ主題として低音でゆっくりと(考え込むような感じで)提示されたDSCHとは全く違い、高音でスタッカートがついた八分音符で5回も繰り替えして演奏されるため、おちつきのない感じとなる。


mid
後半は音を絞って(p)トリルを伴い半音で下降する。最後はピアニッシモになるが、突然フォルテで全音半音の上行で始まる動機が入る。 疑問の萌芽をすぐに否定するかのようであり、迷いと葛藤を感じる。

mid
これを繰り返した後、また転がり落ちるような下降旋律となる(37)。
DDSCH からこの動機までを繰返す(38)。
39 C 5度づつ連続4回の上昇に続いて、三連符を伴う音型を高音で4回繰り返す。
弦楽四重奏曲第8番第3楽章

mid
41 B' DDSCHに戻り、半音ずつの下降と転がりおちるような下降旋律がそれに続く。
42 D 2/2に変わり途切れ途切れに演奏されるDSCHGによるトリオ。 語尾の上昇に、強い疑問(あるいは反語)のようなものを感じる。


mid
チェロ協奏曲第1番第1楽章冒頭(最初の4音は十字架音型。 伴奏はこのテンポで聞くとウィリアム・テルのリズムに聞こえる。実はテンポを落とすと第4楽章の冒頭と一致する。)の引用(43)に続いて、
チェロ協奏曲第一番第一楽章冒頭


mid
バイオリンが半音で波のように上下する伴奏を伴って、チェロが高音で DSCH の音だけで始まる旋律を歌う(44)。(かなえられない)強い憧れのようなものを感じる。

mid
46 A  
47 B  
48 C  
49 B'  
50 D' 2/2に変わりDSCHGチェロ協奏曲第1番第1楽章冒頭と続くが、しだいに速度を落とす。最後は音も小さくなって DIES IRAEがそっと引用される。

Copyright (C) 2000,2001 kinton, All Rights Reserved.