8月19日(奥白滝→丸瀬布) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
全駅間歩き4日目(30.5km) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
しかし、この日は朝からあまり天気が思わしくありませんでした。雨は降っていませんが、厚い雲が漂っていました。 朝食を済ませ、管理施設のポストにバンガローの鍵を返却し、キャンプ場を後にしました。 上川のキャンプ場と同じく、このキャンプ場もこの日の利用者は、私の他には1〜2組ほどしかいませんでした。 いくら平日とはいえ、お盆を過ぎると、ここまで利用者が減ってしまうものなのでしょうか? |
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キャンプ場を出ると、畑の中をひたすら下ります。 道はまっすぐ続き、見晴らしも良好です。 晴れの日であればすごく景色がよかったことでしょう。 でも、雲を見下ろすことだってそんなに経験することではないと思えば、良い経験なのかもしれません。 …何というか、別世界にいるような気分でした。 気持ちいいくらいの下り坂を文字通り、転がり落ちるように下っていきます。 間違っても、昨日この道を登ることにならなくてよかった…。 牧場地帯を進み、石北線をいったんくぐり、国道に合流します。 その国道で石北線を跨ぐと、ようやく上白滝の駅と集落が見えてきました。 実に、40時間ぶりの現存駅との再開です。
上白滝駅は、片面のホームと木造駅舎を備える駅です。 しかし、上白滝駅を有名にさせているのは、当駅に停車する列車の本数です。なんと、この駅に停車する列車は1日に1往復しかないのです。 上白滝駅そのものは、今回で3回目の訪問でした。ただし、前の2回はいずれも白滝駅から歩き、夕方の旭川行きで上川を目指すという形で訪問しました。 雪のない時期に訪問したのは、今回が初めてでした。 駅舎の中には、1日1往復しか記載されていない時刻表のほか、誰かが持ってきたと思われる石北線のダイヤグラムが掲示されていました。 次に止まる列車は8時間以上も後、待っていると本当に陽が暮れる(笑)ので、次駅を目指します。
上白滝集落を離れると、また民家もまばらな農村地帯を通りますが、白滝駅が近くなるとじょじょに民家が見えてきます。 商店も建ち並ぶようになると、白滝の中心部…なのですが、駅は主要道路から少し脇道(というか、広めの駅前広場があるという感じか)に入ったところにあります。 以前は、白滝駅から上白滝駅に向かったため、駅の場所が分かりにくいなどという感覚はなかったのですが、今回は一度通り過ぎてしまい、慌てて戻り、駅にたどり着きました。 このように書くと、白滝駅が小さい駅なのかと思われるかも知れませんが、駅は決して小さくはありません。 無人駅ながらも立派な駅舎を持った駅です。旧白滝村の中心駅にふさわしい駅舎です。 白滝駅に止まる列車は、特急を含めても旭川方4本、遠軽方7本ですが、前駅の上白滝駅を見てからこの時刻表を見ると、たくさんの列車が止まるように見えるので不思議です。
今日は上白滝の手前から歩いている国道333号は、旭川紋別道と並行しているため、交通量は少なめでした。 しかし、中心部の外れに位置する白滝インターを通過すると様子が変わりました。当時は、白滝インターから旧白滝出入口(当時・現在廃止)までが工事中で、旭川紋別道を通ってきた車が国道に合流してきたためです。 再び道路の交通量が増える一方、歩道は白滝を出るとまもなくなくなってしまいました。 山間の牧草地帯をしばらく歩きます。 このあたりの牧草地帯では、牧舎が近づくと独特のにおいが漂ってきます。 しばしば大型トレーラーが通過する国道を歩くこと1時間余、右手に待合小屋とプラットホームが見えました。 旧白滝駅です。 旧白滝駅は、国道からでもその姿を容易に確認することができます。 待合室と片面だけのホームがある駅ですが、田舎の無人駅という雰囲気が出ている駅だと思います。 次の下白滝駅で現存する「白滝シリーズ」の駅はすべて巡ったことになります。 相変わらず歩道もなく、左側から山が迫る中を歩きます。
遊歩道はすぐに行き止まりになりました。終点から下を覗くと、並行していた川が滝となって下り落ちていました。白滝の始まりです。 地名の「白滝」はこの白滝に由来するようです。白滝の全景が拝めないのは残念な限り…。 遊歩道を駐車場まで戻った頃には、とうとう雨が降り出しました。 雨脚はだんだん強くなっていきます。 目指す下白滝駅は、白滝の下流、眼下に見えていました。急いで駅に向かうことにしました。 下白滝駅の入口は、一般民家の入口と勘違いしてしまうような場所にあります。 目の前に駅が見えるのですが、続く道は砂利道で、すぐ横には民家と牧場もあります。 思わず足を踏み入れるのを一瞬ためらってしまいます。 しかも、砂利道に足を踏み入れると、民家にいる番犬(鎖につながれていない!)が近づいてきます。 番犬は私の近くまで近寄り、ウォウ、ウォウと低いうなり声を上げます。 なんとか、無事に下白滝駅の駅舎にたどり着きました。
切符売り場などの窓口が塞がれた格好になっているので、中に入ると外観よりも狭い感じがします。 ここで雨宿りも兼ねた昼食タイムをとることにしました。 雨脚はだんだん弱くなりましたが、なかなかやんでくれませんでした。 ようやく雨がやんだので、今日最後の駅を目指すことにしました。 |
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![]() ![]() ![]() 左:七号駅逓の碑 中:丸瀬布市街 右:丸瀬布市街の街路灯に飾られたSLのオブジェ |
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雨は上がったものの、天気はあまりよくなりません。 時折ぱらぱらと雨粒が顔に当たります。 さらに、4日目の後半ともなると、足の痛み、肩の痛みなども出てきます。 足まめが出来ている部分をかばうと、他の部分に負担がかかり、足が余計に痛くなってしまうという悪循環です。 行程の約半分の地点に位置する七号駅逓の碑の前で一旦休憩しました。 駅逓とは、(特に)明治期の北海道の街道沿いに設けられた宿泊施設兼連絡所です。 現在、この碑のあるあたりに民家は一軒もありません。 当時は、このあたりに宿場町が形成されていたのか…と思いきや、 碑文の中には、駅逓の利用者は月数人程度で、隣の駅逓まで5里(20km)近くある未開の地だったということが記されており、今も昔も当地周辺の状況はあまり変わりがなかったことが伺えます。 さらに先を目指して足を進めます。
雨具を必要とするくらいの雨脚になりましたが、雨装備に切り替えなかったため、随分とぬれてしまいました。 丸瀬布の町の入り口に位置する道の駅にも立ち寄ったのですが、本館は靴を脱いで入館する決まりになっており、靴の中まで濡れてしまったため、靴を脱ぎ履きするのに随分難儀しました。 さて、ようやく丸瀬布の町に入りました。 町の中には街灯も設置されているのですが、その街灯をよく見てみると、その上にSLのオブジェが乗っかっています。これは、丸瀬布の外れにある「いこいの森」で保存運転されているSL、「雨宮21号」を模ったものと思われます。 丸瀬布の駅は生涯学習館と一体化され、待合室は大変きれいになっていました。 今日の駅間歩きはここで終了です。 |
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さて、今日の宿へ向かうことにします。 今日の宿は、先ほども出てきた「いこいの森」の中にあるキャンプ場です。今回はキャンプ場3連泊です。
「いこいの森キャンプ場」は、悪天候にも関わらず、多くの利用者がいました。 食事と風呂は、道路(道道)を挟んで向かいにある日帰り温泉「やまびこ」で済ませることにしたので安心です。 バンガローにいてもすることはなく、一休みしてから日帰り温泉に行きました。 風呂と休憩室のござと畳の感触があまりにも気持ちよく、終了時間(22時)ぎりぎりまで滞在していました。 明日は、いよいよ遠軽到着です。 |
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