8月20日(丸瀬布→遠軽) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
全駅間歩き5日目(19.6km) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
昨日からの雨は、朝までにはやみ、キャンプ場を出る頃には、昨日の雨が嘘のような晴天となっていました。 キャンプ場前の路上でバスを待つ間にも、厳しい日差しが差し込んできました。 ![]() 昨日乗ったバスで丸瀬布駅まで戻り、全駅間歩き再開です。 丸瀬布駅から西に進むと、まもなく人家もまばらとなりました。 そんな場所を通る道にも、人一人が歩けるだけの狭い歩道が続いていました。しかし、石北線を陸橋で越える頃には、その歩道もなくなってしまいました。 決して交通量が多いとはいえないのですが、高速道路もないため、時折大型車が自分のすぐ横を走り抜けていきます。 途中、伊奈牛というバス停を通過しました。 このあたりには、かつて石北線の駅が存在したらしいのですが、今では廃止となっています。 周囲に民家はほとんど見あたらない地帯です。 しばらく歩くと、ちらほらと民家が現れ、小さな集落が見えてきました。 瀬戸瀬の集落です。 小さいとはいえ、駅近くには郵便局もある立派な集落です。 瀬戸瀬の駅は、コンパクトな駅舎に建て替えられたものの、駅舎の前には一本の木を取り囲むロータリーもあり、昔から駅が集落の中心にあったことがうかがえます。 |
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瀬戸瀬駅を出ると、すぐに石北線の立体交差を通過します。 このあたりでは、国道などの主要道路と交差する部分は、ほぼすべて立体交差となっています。 立体交差を越えたところで左に曲がり、国道と別れます。 この国道を進んでも遠軽に向かうことができますが、新栄野駅の跡に寄るために道道に入ることにしました。 道道にはいってまもなく右手に見えるパークゴルフ場では、何人かの住民がゴルフを楽しんでいました。 ![]() この道道をしばらく進むと、右手から続く民家に続く道に踏み切りが見えました。しかし、このあたりでは石北線は左手側を走っています。 よく見ると、踏切の警報機だけが、右手から続く道の傍らに設置されていたのです。 手持ちの5万分の1の地図で確認すると、石北線が道道の右側を走っていました。この地図が発行された頃には、丁度警報機が見える場所を石北線が走っていたようです。 …でも、なぜ警報機だけ残ったのでしょうか? しばらく歩くと、新栄野駅があった場所に着きました。 新栄野駅は、板張りのホームがある駅でしたが、かつてそこに駅があったことをしのばせるものはほとんど見あたりません。
この駅の場合は、唯一、「駅前」に位置する踏切の表示に「新栄野構内」と記されていることで、かろうじでこの位置に駅があったことに気づかされます。 しばらく駅があった場所にたたずんでいると、特急オホーツク号が遠軽方面に向けて走り抜けていきました。 いよいよ、今回の全駅間歩き最後の区間に入ります。 新栄野から石北線に沿って進むと、左手から丘が迫ってきます。丘と川に挟まれた林の中を歩きます。
空はすっきりと晴れ渡っています。 林を抜けると日差しを遮るものはありません。これが歩き始めたころであれば、北海道らしい景色だ、ということになるかもしれません。しかし、疲れた身体には相当こたえました。 気温はそれほど高いというわけではないはずなのですが、足の痛さも手伝い、体力がみるみる奪われていきます。空き地で一休みするも、なかなか立ち上がれませんでした。 これが最後と黙々と歩いていると、民家が増えていくと同時に、視界の奥に特徴的な断崖が見えてきました。これが遠軽という地名の由来ともなった瞰望岩(がんぼういわ)です。 |
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道の左右に民家が増えてくると、瞰望岩も大きく、そして目前に見えるようになります。 いよいよ今回の終着点、遠軽の街中に足を踏み入れます。 石北線の踏切を越えると、遠軽の中心市街に入ります。 遠軽は「町」ではありますが、今回通過する町の中では旭川に次ぐ規模を誇る町です。 中心部の商店街を横切ると、左手に駅舎が見えました。遠軽駅です。 遠軽駅はスイッチバック駅です。 網走方面から来た列車も、旭川方面から来た列車も、この駅で進行方向を変えます。 今回の全駅間歩きはここで終了です。 さっきまでさんざん疲れていたのに、最後の駅の駅舎が突如見える形で終わると、なんだかあっけないようにも感じてしまいます。 遠軽駅で遠軽駅名物のかにめしを求め、待合室で昼食をとります。 その後、ちょっと足を伸ばして、駅からも見える瞰望岩の上に行ってみることにしました。
瞰望岩は、右の写真でも見て分かるとおりの断崖絶壁です。ところが、その頂点には安全柵らしい柵はありません。崖の真上まで行くことができるのです。 市街地にある観光地にしては、随分とまあワイルドです。 崖の真上は、遮るものがないため、強い風が吹いています。思わず足が震えてしまいます。 しかし、ここから見る景色は格別です。 遠軽市街を一望のもとにすることができます。登る価値は十分にある景色です。 古くから当地に住んでいたアイヌの人たちは、この岩を「インカルシ(見晴らしの良いところ)」と呼び、戦争の際は、この岩の上に砦が築かれたそうです。この「インカルシ」がなまって「遠軽」となったようですが、昔からこの岩が当地のシンボルになっていたことは間違いありません。 全駅間歩きの最後に良いものを見ることができました。 来年は、ここからさらに東を歩いて目指すことを誓い、遠軽を後にしました。 |
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