5.腹切り
何から何まで鮭尽くめのごはんを終え、お腹をさすりつつ女将に見送られて玄関へ。
…あれ??軒先に何か干してあるぞ??
今さっきまで食べていた鮭ではありませんか!?
鮭は手際よく裂かれ、体重を書かれた赤い紙切れとともに軒先に頭を下にして干されている。
村上では昔、立身出世した人のことを「鮭の子」と呼んでいたそうだ。…というのも、鮭の育養所が利益の一部を子弟教育に投入していたからだ。
そんなに大事にしているのだし、武士にとっても大事な財源であったことから、彼らに顔向けするために首吊り・腹切りをしないという風習が残っているそうだ。
首吊りというのは、頭を上にして、つまり首をくくるような形で吊し干しにすること。
腹切りというのは、おなかを一直線にかっさばくこと→これらをしないのだ。
見て!左のアップの写真を!お腹の皮が一部分、つながっているのがお分かり頂けるだろうか??
あ、ちなみに、白っぽいのは、割り箸のつっかえ。
これをしておかないと、身がひっついちゃって、きれいに乾いてくれないのだ。
職人の技と、村上の人の我慢強さ・心優しさに支えられた料理だったのだ。
…女将の説明を聞きながら、感動!うぅむ。美味さも倍増した気がする(あー、どうせ単純ですよ。私は)。
お腹いっぱい、胸一杯の村上・粟島旅日記でした。
毎度、ご愛読感謝!