ジェンザイム・ジャパン
経緯 
このほど、ジェンザイム・ジャパン株式会社セラピューティクス事業部長、藤原聰氏から、このホームページの趣旨に賛同し、協力したいとの連絡がありました。ジェンザイムはリピドーシスであるゴーシェ病の治療薬、「セレザイム」のメーカーであり、藤原さんのメールによれば、他にもムコ多糖症I型、ファブリー病、ポンペ病、ニーマンピック病の治療薬などを臨床試験中とのことです。また、同社はトリプルマーカー検査の試験薬のメーカーでもあります。ジェンザイム・ジャパンのサイトはまだできていないようなので、現在Web上で参照できる関連情報も探してみました。
手紙 
藤原さんの最初のメール
こちらからの2度目のメール
藤原さんの2番目のメール
ジェンザイム社関連情報 
◆Genzyme
Corporation
ジェンザイム社はマサチューセッツ州ケンブリッジに本社を置く、バイオテクノロジー、ヘルスケア製品のメーカーで、特に稀少疾病薬部門の画期的な製品で注目されています。同社のサイトの情報によれば次の3つの部門があります。
・Genzyme General
遺伝子診断の検査薬、治療薬などを開発しています
・Genzyme Tissue repair やけどの治療などに使う人工皮膚を開発してます
・Genzyme Molecular Oncology 分子生物学の技術を使った癌の診断・治療技術を開発しています
子会社のGenzyme Transgenics Corporationは医療目的の遺伝子組み替え製品を開発してます。
なお、科研製薬株式会社のサイトの術後癒着防止材「セプラフィルム」に関しジェンザイム社と販売契約締結というニュースリリースの中に、ジェンザイム社、ジェンザイム・ジャパンの簡単な紹介が書かれています。
◆日経Bio
Technology Japan ジェンザイム関連記事リスト
【98/07/27】 生中継、日欧細胞工学会、Genzyme Transgenics社製のATIIIの臨床試験をわが国でも来年に計画
【98/05/15】SRL、トリプルマーカー名称使用に関する訴訟でジェンザイムが請求放棄と発表、裁判終了
【98/04/22】Genzyme Transgenics社、連絡事務所をわが国に開設、年内に日本法人設立へ
【98/03/13】中薬審、 エーザイの組換えTPA誘導体とジェンザイムの組換えゴーシェ病治療薬の認可を答申
【98/02/12】中薬審特別部会、ジェンザイムの組換えグルコセレブロシダーゼ製剤「セレザイム」が通過
【98/01/12】Genzyme Transgenics社、組換えヤギを用いたrhATIIIの生産施設を完成
【98/01/12】ジェンザイム、BML、出生前検査を行う「イデニクス・カンパニー」を共同出資で設立
【97/09/05】Genzyme Transgenics社、組換えATIIIのフェーズII臨床試験終了、来年初めにフェーズIIIへ
【97/09/03】ジェンザイム、組換えグルコセレブロシダーゼ製剤「セレザイム」を7月に既に申請
【97/09/02】ジェンザイム、ヒアルロン酸癒着防止剤「セプラフィルム」が認可、科研が今月にも発売
◆セレデース 中央薬事審議会の審議結果(1996/6/13)より
以下引用
参考資料1 中央薬事審議会常任部会で審議された新医薬品の概要
成分名 アルグルセラーゼ
販売名 [製剤] セレデース注50U、同400U〈輸入承認〉(ジェンザイム・ジャパン)
1.効能・効果
ゴーシェ病I型の諸症状(貧血、血小板減少症、肝脾腫及び骨症状)の改善
2.薬の特長
1.対象疾患のゴーシェ病は、細胞の糖脂質水解酵素グルコセレブロシダーゼの遺伝的欠損のため、その基質である糖脂質が臓器に蓄積し、主として肝・脾の腫大、骨髄・造血器の障害、神経障害などを引き起こす進行性の疾患である。予後不良であり、多くの患者は10歳以下の小児である。
2.本薬は、ヒト胎盤から抽出・精製されたβ−グルコセレブロシダーゼを酵素処理によって吸収性を高めた改良型酵素であり、ゴーシェ病患者における欠損酵素の補充療法として用いられる。
3.患者数は全世界で約5000人、国内では約50人と推定されている。
4.本薬は、平成5年11月15日に希少疾病用医薬品に指定されている。
3.臨床試験の結果
1.国内ではゴーシェ病I型患者6例を対象に臨床試験が実施された。有効性は、貧血の改善、血小板数の増加、肝・脾腫の縮小、骨症状の改善などを総合的に判定した結果、全例有効(著明改善5例、軽度改善1例)であった。副作用は、蕁麻疹(1例)、嘔吐(1例)が見られた。
2.海外(米国)ではゴーシェ病I型12例を対象に臨床試験が実施され、貧血の改善、血小板数の増加、肝・脾腫の縮小、骨症状の改善が観察された。副作用は、静注部位の不快感・腫脹及び灼熱感(7例)、悪寒(1例)、腹痛(1例)、吐き気・嘔吐(1例)、発熱(1例)であった。
※以下略(厚生省のサイトをご覧ください)
なお、答申の中で、製造方法に起因するウイルス混入の危険性があることから「遺伝子組換え製剤に出来るだけ早く切り替えられるように努める」という見解が示されていますが、実際に98年2月にセレザイムが中央薬事審議会を通っています。
◆セレザイム 岐阜薬科医師会ホームページより
スズケン 医療情報室 平成10年3月6日 薬価収載品目(緊急収載)
商品名 |
セレザイム注200U |
規格 |
200単位 1瓶 |
薬価 |
¥174,260 |
会社名 |
ジェンザイム・ジャパン |
一般名 |
イミグルセラーゼ(遺伝子組換え) |
薬効分類 |
395酵素製剤 |
効能効果 |
ゴーシェ病の諸症状(貧血、血小板減少症、肝脾腫及び骨症状)
の改善 |
備考 |
遺伝性代謝異常症であるゴーシェ病の治療薬。オーファンドラッグ。国内患者は推定約50人。従来品のセレデース注はヒト胎盤を原材料としていたため、遺伝子組換え製剤に切り換えた。
従来品はゴーシェ病の?型のみの適応であったが、本製剤は?型、?型を含めた全型に適応。 |
注) 上記ホームページでは「備考」の「型」のところが読めません(Macintoshの機種依存文字を使用?)。姪御さんが実際にゴーシェ病の酵素補充療法を行っている田中さん(ぽぽさん)の手紙から想像すると、「I型のみの適応が、II型、III型にも拡大」ということか?

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