(98/12/2) 初めてe-mailをさしあげます。(たぶん昨年、7月のリピドーシス研究会でパソコンを打っていたのが高橋さんだと思いますが) 私はジェンザイム・ジャパンという米国のバイオテクノロジー企業の日本法人に勤務しております藤原と申します。@ご存じの通りゴーシェ病治療薬の薬を開発・販売している会社です。 私どもの会社は、ゴーシェ病のみならず、会社の経営資源を先天代謝異常症の治療薬開発に集中しております。 下記の通り、すでに数多くの治療薬が臨床試験の最終段階または中期段階にあります。 1.ムコ多糖症 I型治療薬 他いくつかの組み替え酵素が研究段階にあります。 MDLのホームページを拝見してその内容の濃さに驚きました。 またさらにそれを先天代謝異常症まで拡大なさった高橋さんのご尽力に敬意を表します。 国内専門医の意見、上記疾病の海外での治療薬開発などの情報や、IPAA会長Lenny
Van Peltとのコンタクトなどが必要でしたら是非私までご一報下さい。 先天代謝異常ネットワークの更なる発展のためにできる限り協力させていただきます。 (98/12/3) MLDは病気の性格上、治療薬の開発は非常に困難だと思いますが、10年前には食事療法程度しか対処法がなかった先天性代謝異常症に次々と治療薬が開発されているという状況は、非常に喜ばしいですね。リピドーシス研究会に参加して強く感じましたが、単に治療薬が発見されれば、すぐにすべての患者が恩恵を受けることができるわけではなく、たくさんのステップを踏む必要があるんですね。我われ患者の家族は、治療薬の開発そのものには協力することができませんが、それをスムーズを受け入れることができる社会の態勢を作ることについては、なにかできるのではないかと考えています。 治験をとってみても、患者と家族がどれだけその病気について理解しているか、医師から患者と家族に対してどれだけ情報が公開されているかによって(特に先天性代謝異常症のように患者総数の少ない疾患の場合)、やりやすさがずいぶん変わってくると思います。実際には、ある程度治療法のめどがたったところで、リピドーシス研究会でも報告のあったファブリー病のように全国調査が行われるということになるのでしょうが、その段階になってはじめて全国で患者が何人くらいいて、どういう状況なのかがわかる、というのもなんだかなぁ、と思ってます。「先天性代謝異常症ネットワーク」なり「MLD患者と家族の会」が、そういう状況を変えるのに少しでも役立てばいいのですが。逆に、こちらでなにかお手伝いができそうなことがあったら教えてください。 MLD HomePageは、なにぶん素人が独力で勉強しながらやってることなので、専門家の目から見れば間違っている、あるいは問題のある部分がたくさんあると思います。お気づきになりました点からどんどんご指導ください。 (98/12/5) 高橋さんのmailを読ませていただいて、私ども製薬会社も薬を売る以外に、「患者さんのために何ができるか?」をよく考え、「出来ることから実行していかなければ。」という念にかられました。 私の大切な友人Lenny VanPeltが提唱しているように出来る限り医療情報を (取りあえずはライソゾーム病の)患者さんにお届けしたいと思っております。 高橋さんのhomepageがその窓口となっていただければ力強いかぎりです。 現在、ジェンザイムでは、、ジェンザイム・ゴーシェ・サービスという患者サポートプログラムを開始しております。 これは「すべてのゴーシェ病患者が専門医に治療をしていただいていない。」 また「それぞれが、病気や遺伝、就学、就職といったものに様々な悩みをもっいる。」 という現状があり、それをすこしでも解消するために、私どもが患者の様々な相談を電話、ファックスで受付、それを慈恵医大の衛藤教授、井田先生、岐阜大学の折居名誉教授など先天代謝異常が専門の医師にコンサルティングしていただくというプログラムです。 高橋さんもご存じのように、私どもジェンザイムのコンタクト医師はほとんどが先天代謝異常の専門医ですので、このサービスを他の同様な疾患にも拡大したいと思います。 ぜひ利用してください(パンフレットを郵送いたします。) 来年2月頃、弊社独自にムコ多糖症やポンペ病の全国調査を行う予定ですが,MLDも調査の対象に入れましょうか? もしご希望であればご一報ください。
|
※このWebサイトはあくまで患者の家族が個人的に作成したものです。医学情報の扱いにはご注意ください。 |