洛東:知恩院〜清水寺・概略

 

このあたりの概略

ドル箱観光コースでは一番有名な地域。「金・銀・清水」の清水寺を含み、特に清水寺周辺はお土産物を販売する店が密集しています。遊びに来るならむしろ、こちらが王道でしょう。京都駅からも近く、三十三間堂を起点に北上して南禅寺まで、というコースも可能です。

ここでは平安神宮から南下して、青蓮院〜知恩院〜円山公園・八坂神社の連続を見ます。さらに、八坂神社から高台寺を経て清水寺まで。京都テーマパーク最大のエリアです。

知恩院から円山公園まで

南禅寺周辺を終えると、南禅寺の参道を西へ進んで神宮道へ出ます。北に平安神宮、そちらへ行かず南下して、三条通りの横断歩道を渡ってから坂を上って行くと、まずは青蓮院。ちなみに、地下鉄東西線(もちろん東京の営団東西線とは全然違う)の東山駅へは、三条通りを西へ5分ほど。

青蓮院からゆるゆると歩いていけば、もう知恩院が見えてきます。ただし、大きな山門はもう少し先、そこから入山します。この山門から先は、すぐに円山公園です。青蓮院から円山公園までは、一筆書きのように歩けます。

なお、神宮道から一つ西を、南北に通る道は、東大路通。バス通りです。知恩院前のバス停はこの通り沿いです。降りたら、東への坂道を上がっていけばいいわけです。東大路通は一澤帆布や骨董屋も軒を連ねる商店街です。

山が一歩せり出してきて、街に接しています。このあたりが観光に好まれる由縁でしょう。

円山公園周辺

知恩院の山門から円山公園はすぐ。入るといもぼう平野家本店が右手、まっすぐに有名な枝垂れ桜が見えます。枝垂れ桜の近くは、花見の名所。ここから祇園山鉾を保存している祇園山鉾保存館を見つつ、西へゆるやかに下ってゆくと、もうそこは八坂神社の境内です。

円山公園の公園らしい場所は、枝垂れ桜が見下ろす池から、東山の斜面を利用した遊歩道。それ以外の場は、八坂神社に溶け込み、また南北を連なる遊歩道のように見えます。

枝垂れ桜から南へ出るとすぐに、長楽館という洋館(レディスホテル、1階はレストラン・カフェ)が見えてきます。そのまま進めば、高台寺方面。左の坂を上がってゆくと、長楽寺(円山公園から廻っていくことも可能)。いずれにせよ、このあたりから高台寺〜清水寺へと向かいます。

また、八坂神社境内へ下って参拝を済ませてから、正門の東大路へ出ず、また円山公園にも戻らないで、南下する手もあります。本殿正面が南向きで、まっすぐ線を引くように門から道が伸びています。この道は八坂神社参道として、名産品を扱う店や、料亭などが並びます。

高台寺〜清水寺

長楽館からまっすぐ進み、突き当たりを右へ。さらにすぐに交わる道を左へ。ここをまっすぐ進むと、高台寺が見えてきます。周辺は料理旅館や料亭がオンパレード。最近はこの高台寺へ至る道を「ねねの道」と呼びます。

ねねの道と高台寺周辺は近年、テーマパークと化しております。このあたりは、清水寺周辺の喧騒から一歩引いた、風情のある空気を1990年代後半まで残していました。夜の拝観で人が集まるようになり、観光地としての整備が進むにつれて、変わってきました。

ねねの道を突き当たってから、主に二通りのルートが。

 a)左手、少し坂を上り、二年坂から産寧坂(三年坂)を通って、清水寺へ

 b)右手に下り、八坂の塔を見てから、産寧坂を通って、清水寺へ

どちらもそれなりに楽しめます。夜の拝観ならaコースを、昼の拝観で八坂の塔を見たいならbコースを、ととりあえずは言えますが、その場の流れでどちらへ進んでも楽しいでしょう。

産寧坂から清水坂を上って行けば、清水寺。銀閣寺から南下してくると、広い境内と見晴らしのよい舞台で、最終地点の解放感を味わえます。また、清水寺を出発点とすれば、ここでとりあえず東山南部の開けた空気を吸ってから、北へ上がるにつれて蒼く深い気配が徐々にかぶってくるのを味わうことも出来ます。

ここは修学旅行、団体旅行のメッカとあって、名物の販売店の数も、観光客の数も半端でないです。車もその分、多いので、気をつけましょう。

清水から下りる時は、清水坂五条坂の2つの道があります。清水焼の店が並び、五条坂は特にギャラリーや陶磁器会館もあります。坂を下りきった先は、東大路。清水坂を下ると清水下、五条坂を下ると東山五条の交差点。ここから街に戻っていきます。

次のゾーンへ

東山観光地区としては、清水寺はラストポイントです。洛中方面か、まったく別のゾーンへ行くことになります。

東山観光一日踏破をやらず、まだ時間がある場合。たとえば、東大路と川端通りの間にある六波羅密寺周辺〜建仁寺・祇園に行くこともできます。

もっとも、祇園周辺に行くなら、八坂神社の西の門を出た先が東大路四条、目前に祇園の商店街が広がっています。円山公園や高台寺あたりを終点にして、八坂神社から祇園に入っていくのもいいでしょう。

その場合、別の日に清水寺から三十三間堂周辺東福寺界隈などを、京阪電車でつないで行くことも出来ます。そこから戻る際には、京都駅北側の本願寺方面も視野に入れられます。

(ちなみに、清水寺を背に町中へ下りてきた東山五条から、智積院方面へ東大路通を下るとたどり着く三十三間堂周辺までは、徒歩移動も不可能ではない。組み合わせのバリエーションは豊富。)