概略
円山公園から、洋館のレストラン/レディースホテルとして名高い長楽館の方へ出て、そのまま高台寺方面へ向かわずに左手の坂を上っていくと、小さなお寺が見えてきます。また、円山公園の枝垂れ桜や池のあたりから山のほうへのぼっていっても辿り着けます。
最澄創建と伝えられ、東山の天台宗寺院として長く続きました。有名なのは平家物語ゆかりであること。壇ノ浦でもはやこれまでと次々に平家方は入水しますが、助けられた建礼門院はここで髪をおろして仏門に入りました。洛西は嵯峨野の祇王寺、滝口寺などとともに有名です。
室町時代に時宗(踊り念仏が有名)になり、今に伝えられます。かつては広かった境内は、現在は小さな規模となっています。
名所の脇で有名なのに静か
建礼門院ゆかりであり、特別展にはゆかりの寺宝が展示されますが、それ以外の期間でも不思議に落ち着くところです。
円山公園を潤す水はこのあたりにも影響しているのかどうか、湿度があって夏は結構涼しいのです。また、庭も銀閣寺のための試作と伝えられているそうですが(つまり以前は広い寺域を誇っていた)、その頃の空気を受け継いでいるのか不思議と落ち着いた風情。人が集う円山公園の賑わいは、ここではほとんど影響していません。意外にここまで坂を上ってくる人も少ないからでしょうか。
私個人は、真夏に一人で参拝したとき、入り口で大きなゴキブリに遭遇した経験、あり(お寺ですし、何もせずにやりすごしましたけど)。たぶん人だけでなく、虫もすごしやすいのでしょう。
周辺の情報
実は東大谷祖廟が近いですが、観光としてはそう関係はないでしょうね。ここからまた坂を下りて、高台寺方面へ向かうなり、八坂の塔へ向かうなりするでしょうが、高台寺へ向かうなら寄り道して、小さな芭蕉堂を見ておくのも一興かも。
|