Ortofon T-20

オルトフォン MCトランス

 

 

 1980年代から永年使ってきたMCトランス、オルトフォンのT-20です。はじめてオルトフォンのMC-20(初代のMCシリーズ)を買った時、同時に入手したと記憶しています。当時は、出力が小さいオルトフォンのMCカートリッジをフォノアンプで鳴らすのは、S/N的にやや難しかったのです。

 それ以後、T-20はずっと私のアナログディスクの入口にいました。トーレンスTD-126Mk3よりお付き合いは古いのです。MC-20シリーズは、覚えている範囲で、MC-20Mark2、MC-20S、MC-20super2、などと替わり、最終的にはワンランク上げて、2007年にMC-30ω(針交換1回)、2020年にはMC-Q30Sまで来ました。そして、その間、トランスのT-20 は2011年まで使いました。

 その後のアンプ系のアップグレードに伴い、さすがにT-20 はアンバランスかも知れぬと考え始め、2011年6月に、フェーズテックの半導体フォノイコライザ EA-5を導入し、T-20はついに引退しました。ただ、実のところ、これは成功ではなく、その後すぐにEA-3 II導入。スペック上は高性能でしたが、アナログらしさは減退してしまったので、結局、いまは、やはりMCトランス式のEAR Phonoboxと、半導体式のほうも、Octave EQ.2 に到り、ようやく、落ち着きました。

 T-20の音は、確かに少し古い音かもしれませんが、中域のメリハリ感がよく、アナログらしいと感じる人も多いと思います。現代のMCトランスに比べれば、いくらか左右の分離が劣っているのも感じ取れますが、それでもいまでも十分に通用する音でしょう。やはり銘器であると思います。

2011/7/15記
2023年2月20日改定

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