これまでの「asktaka の独り言」





  • 3月〜6月の「独り言」(第35回〜第45回)です。ご覧になりたいテーマをクリックしてください。それ以前の「独り言」はこの下をクリックしてご覧ください。

    00年1月&2月99年11月&12月99年10月99年9月までの「独り言」


  • 第45回:嗚呼、中年ビジネスマン!

  • 第44回:グルメの話・その他の和食(その2)編

  • 第43回:鮨屋と本屋

  • 第42回:れいさんの独り言「ラリー・キング・ライブ」

  • 第41回:ユージン・オニールのお芝居と客層

  • 第40回:スポーツ選手と選考基準

  • 第39回:グルメの話・その他の和食(その1)編

  • 第38回:早稲田の雄弁会人脈

  • 第37回:漫画と私

  • 第36回:“文明の衝突”と日本の生き方

  • 第35回:退屈したことがない私




  • 以下は3月〜6月の「独り言」(第35回〜45回)です。


  • 第45回:嗚呼、中年ビジネスマン!

    最近、JRの駅員を殴る乗客が増えているそうです。40代から50代が多いそうで、ここはいつものビジネスパースンという言葉よりも中年ビジネスマンといった方が明快です。世の中に何ともやり切れない思いを持つ人が増えている証のようですが、理由はともかく抵抗できない人間を殴るのはちと卑怯ですぞ。

    さて、明日29日は株主総会のピークを迎えます。この総会では取締役の選任についても決議するわけですが、この裏には多くの涙が隠されているのです。つまり、取締役になれなかった人や今期限りで退任する人達です。

    これまで入社同期が役員になるには2回のチャンスがあるといわれていました。言い換えると、同期が役員になって1期遅れで選任されなければ、役員の目はないということです。今、合併や執行役員制の導入で役員数自体が減少していく中で、従来は役員になれた人でも涙を飲むケースが増えています。

    それから、リストラや役職定年、成果主義報酬など、これからいい目をみれると思っていた人たちの期待を裏切る制度の導入や改革が行われています。これもトップからみると、会社はゴーイング・コンサーン、つまり永遠なる存在である以上、止むをえない選択なのです。が、当のご本人にとっては、まさに身を切られるわけですから、ストレスはたまりますね。

    asktakaの友人・知人の中にも、今回の総会で取締役に選任される人もいる一方で、取締役を退任したり、取締役になれず子会社に去った人達が多数います。印象としては、これまでよりも早く第二の人生を歩むことになるようです。

    考えようによっては、子会社に行くにしても、リストラで次の職場に移ったとしても、50前後から50代前半で第二の人生を歩んだ方が仕事ができるのではないでしょうか。いや、もっと早い時期から、全員が社長を目指す組織ではなく、自分の進路を自由に選択できるようなシステムにすべきですね。そうすれば、過剰な期待感が払拭され、ストレスも減少すると思います。

    さぁ、人生二毛作、三毛作を目指して、皆さんは何をやろうとお考えですか。20代の若い人達でも、就社意識を捨てて、今から会社に依存しない生き方を模索すべきだと思います。中年ビジネスマンの姿を見て、ふとこんなことを思うasktakaでした。


    (2000年6月28日(水))

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    第44回:グルメの話・その他の和食(その2)編

    「グルメの話」もなかなか進みません。27回はお鮨、28回は鍋料理に続いて、39回は“その他の和食”として食事や一杯飲めるお店を取り上げました。今回は和食の専門店をご紹介しましょう。

    asktakaはどちらかというと蕎麦よりもうどんが好きで、そのため美味しそうなお蕎麦しか食べる気がしません。お蕎麦も更科という白っぽいおそばと田舎風の色が濃い固めのそばが好きです。

    先ず、更科そばを食べるときは麻布十番の「総本家更科堀井」に行きます。一の橋のそばから十番商店街に入ると麻布十番温泉があり、その斜め前にあるお店です。この周辺には有名な蕎麦屋が3軒あって、同じ商店街のなかにある「永坂更科」も人気があります。asktakaはどちらの店にも顔を出していましたが、「総本家更科堀井」の風味と旨みは秀逸だと思います。鍋料理編でも書きましたが、冬場は“八代鍋”といううどんすきもいけますよ。

    固めの田舎風のそばは、白金の「利庵(としあん)」や湯島天神のそばにある「古式蕎麦」がお気に入りです。堀井もそうですが、週末のお昼などに、つまみを食べながら一杯飲んでお蕎麦で締めるというパターンがお薦めです。蕎麦屋のおつまみの定番は卵焼きですが、その他堀井では鳥わさ、利庵では豚の角煮などをいただきます。それにしても美味しい蕎麦屋は日本酒もいけますね。

    それと番外編ですが、山形の蕎麦屋は粒ぞろいですね。店の名前はよく覚えていないのですが(足が覚えているのです)、山形市内で3軒ほどたまに顔を出す店があります。いずれもお酒と蕎麦と酒の肴がA級で、東京ではトップクラスに入ると思います。地元の旅行案内やタウンガイドに市内の蕎麦屋の一覧がありますから、気に入ったお店を嗅ぎ分けて行ってみるのも一案です。山形駅から少し離れた「梅蕎麦」でしたか、梅がついたお店が一番のお気に入りでした。

    和食の専門店といえば鰻を忘れるわけにはいきません。実家がある大森には東麻布の「野田岩」の先代の弟が開いた「大森野田岩」があり、子供の頃から出前で食べていました。20代過ぎから東麻布の店に顔を出したのですが、 運がよければ天然物の鰻にありつける点と、酒の肴の白焼きのキャビア添え があるのがお気に入りの理由です。ワイフに言わせると、最近ご飯がやわらかすぎて不満のようですが。

    銀座周辺では松屋の中にある「宮川」と4丁目交差点のそばにある「竹葉亭」によく行きます。いずれも本店は築地の方にあるのですが、asktakaは出店しか行ったことがありません。もっとも竹葉亭は昼食に鮪茶漬けか鯛茶漬けを食べることが多いですね。

    鰻とくれば泥鰌(どじょう)ということになりますが、asktakaはあまり泥鰌を食べる習慣がないのです。浅草の「駒形どじょう」は有名ですが、asktakaは同じ浅草でも国際ホテルの方にある「飯田屋」の方が好きです。お付き合いで何回か行ったことがありますが、ちょうど7、8月は子持ち泥鰌になるので、この時期が食べごろだと思います。

    とんかつや天麩羅は、理由があって10年程前から年に何回かしかいただきません。だが、たまに無性にとんかつが食べたくなる時があります。その時は、こげ茶色の本来のとんかつを食べる場合、御徒町の「蓬莱屋」か目黒の 「とんき」に行きます。「とんき」の近所に実家がある親友は、最近は神田須田町の「万平」が贔屓だそうです。asktakaはまだ食べていないので何ともいえませんが。

    そして低温で揚げた白っぽいとんかつを食べたいと思うときは蓬莱屋のそばの「本家ぽん多」へ行きます。以前は上野駅前の丸井の裏にある「平兵衛」に行っていましたが、親父が亡くなって後継ぎになってからは二度と行きたくありません(この理由は「asktakaのお楽しみリンク」から「レストランガイド」に飛んで97年9月21日の書き込みをご参照ください。「Tokyo東京」から「へいべい」(こちら)で検索できます。asktakaが匿名で書き込みしています)。

    あと天麩羅のお店を紹介したいのですが、この10年で2、3度しか食べていないので割愛します。なんだか単なる紹介だけの書き込みになりましたが、今回はこのへんで失礼します。次のグルメ話は、すき焼き、ステーキの予定です。お肉好きの皆さんはもう少しお待ちくださいね。


    (2000年6月17日(土))

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    第43回:鮨屋と本屋

    鮨屋と本屋と書くと、何事だと思われる方も多いと思います。だが、今この二つに共通しているのは廃業が多い点です。asktakaの身近なところでもこの現象が目立つのです。

    先ず、鮨屋については友人とよく行っていた秋葉原にある店が5月末で閉店しました。また、実家のある大森の鮨屋も今年に入って2軒店を閉めたそうです。こうした店の特長は、いずれもB級ということです。つまり、味というかネタは普通で、値段も居酒屋よりは少し高めといった店です。

    どうも鮨屋の廃業をみると、中途半端なポジショニングの店が問題がありそうです。家族向けでは安くて結構美味しい回転寿司や立ち食いの店が繁盛しています。一方、asktakaがこの欄で紹介したお店などは相変わらず盛況です。その他の名の知れた鮨屋の話を聞いても、バブル期とは比較はできないですが結構混んでいます。名店で廃業したのは、店主がギャンブルに狂った根岸にあった有名な鮨屋などごく少数です。

    本屋をみると、中小の店が閉店するケースが多いようです。これは商業統計をみると他の小売業でも同様な傾向が見られます。つまり、従事者が3、4名の小さな店が減少し、業種によっては大規模店は増加しているのです。 皆さんもお気づきのように、ビジネス街や繁華街、駅のコンコース内などに比較的大きな本屋が増えているのです。

    本はどこで買っても値段は変わりませんが、本の品揃え、在庫量の差が大きいですね。それとベストセラーなどは中小店になかなか入荷しないといった不便さもあります。いずれにしても本屋の場合、都心、郊外を問わず大規模書店の集客力が目に付きます。今後はネットによる販売が増加するでしょうから、ネットでは味わえない目でみてワンストップ・ショッピングできるという 特長が効いてきます。

    このように同じ減少傾向がみられるものの、その背景は異なります。鮨屋のようにポジショニングが明確でない店は淘汰されます。要は“安くてそれなりに旨い”路線か“名店の味”かのポジションを取ることが成功の決め手です。

    本屋の場合は、大規模店、チェーン店が今後も出店を加速し、中小店は廃業を余儀なくされるでしょう。今後は、大規模書店かネット書店に2極化するものと思われますから、中小もネット販売で生き残る可能性もみえてきます。

    身近な鮨屋や本屋の世界でも、戦略の差が企業(店)の盛衰を左右するようになってきました。asktakaが20年来指摘してきた“戦略の差”の重要性が、今やっと認識されてきたように思われます。それは横並びを廃し、“他社とは異なる行動”をとることからはじまるのです。

    なんだかもっとリラックスした話の予定でしたが、「今日の話題」のようになってしまいました。肩がこった方はごめんなさい。


    (2000年6月10日(土))

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    第42回:れいさんの独り言「ラリー・キング・ライブ」

    先ほど風間れいさんから、今朝(米国時間3日夜)のラリー・キング・ライブを題材にしたエッセイがメールで届きました。asktakaも同感する部分が多いので、以下にそのままほぼ全文を掲載します。

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    CNNは今年の6月で20周年を迎え、その特別企画としてアブドゥラ王とラリー・キング氏の一対一のインタビューの様子が放送されたました。アブドゥラ氏は現ヨルダンの国王として責務をこなしているわけですが、先代の国王が癌で崩御されるまで自分が国王になるとは全く分らず、ほんの2年前には家族でアメリカ大陸をレンタカーを借りて気侭に旅行したという経歴の持ち主です。青年時代はアメリカとイギリスで教育を受けたそうですが、自国でも「自由の国で教育を受けた国王」として見られているようです。混乱の中東情勢には深く触れなかったものの、彼の個人的な身近な話題は親しみ易く、また非常に分り易い英語でした。

    そこで、もし日本の首相がラリー・キング・ライブに出たとして、国王のようにきちんと自分のいいたいことを話せるのか?と思ったのです。故小渕首相が生前発表した将来の日本の教育制度の指針 (確か『21世紀の日本の 構想』の中だったと思います)として、社会人になるまでに全員が実用英語を使いこなせるようにし、更に英語を第二公用語とすることを視野に……というのがあります。

    英語というのは、自分の意見を述べるという意味ではあくまで「ツール」です。語彙や文法や言い回しなどの知識が豊富であればあるほど更に便利なものになるでしょう。でもツールが自分勝手に意見を作ってくれるわけではなく、このようなインタビューで自分の意見を述べるには、先ずアイデアがないと何も話せません。私が携わるデザイン界でも、マックと便利なグラフィック・ソフトが登場して以来、猫も杓子も「いかにもマックを使ってデザインしました」というものが大流行りしました。だけど意味無く乱用し過ぎて「だから一体何が表現したいの?」というデザインが急激に増えたのです。マックはただの道具であって、マックが素晴らしいアイデアを産んでくれるわけではなく、デザイナーがアイデアを持って初めて「いいデザイン」が生まれます。

    さて日本の首相が英語というツールを使って自分の意見を述べられるか、という話題に話を戻しますが(一部の政治家を除いて)日本語でも何が本当に述べたいのかが不透明なのに、彼等は英語で何を述べるというのでしょう? よく日本の政治家が「アジアや欧米の政治家がとうとうと自分の言葉で国策をしゃべる」と言い、「言語能力の面で政治家が国際競争力を持たねば、国際関係をこなすことは難しい」とも言っていますが、何とか彼等がツールを学んだと して、一体日本の政治家がその英語を使って何を話せるのか思ったのです。だから上記の政治家達のつぶやきは「単に英語力不足に原因を擦り付けてるだけで、本当は話したいことが無いだけなんじゃないの?」と言いたいのです。ソニーの故盛田氏は60歳になってから英語の勉強を始め、今から10年程前に"60 Minutes"に登場されていましたが、通訳は殆ど通さず御自身の言葉でインタビューを堂々と受けておられましたっけ………

    とても当たり前で基本的な考えですが、ヨルダン王のインタビューの様子を見ていて、「日本の政治家が海外プレスのインタビューショーに招待されるのは何時のことやら」と思った食後の一時でした。

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    asktakaも英語に関しては「今日の話題」などで何回か触れています。問題は話の中身で、必ずしもツールである英語のせいでないという点は、れいさんのご指摘に全く同感です。このへんはよく指摘される点でもあり、aasktakaも以前に同様な趣旨で述べたことがあります。だが、韓国や台湾などの非英語圏の東アジア諸国に比べて、TOEFLの成績を見ても見劣りする現状を見ると、やはり英語教育の問題を考えざるを得ませんね。

    確かにビジネスの世界でも、韓国や台湾のビジネスパースンは英語が上手くなっています。もっともasktakaが接している人たちはエリートでしょうから、日本人も同じクラスだと結構いい勝負かもしれません。しかし、日本人が得意の平均値が低い点が問題だと思います。そのうちデジタル・デバイドならぬ英語デバイドが話題になると思いますね。

    ところで、asktakaも週末の午前中にCNNのラリー・キング・ライブを見ることが多いのです。日本の政治家の名誉のために付け加えると、何年か前、自民党の加藤紘一氏がこの番組に出演し、堂々とラリーのインタビューに答えていました。あと宮沢さんも英語使いとして有名です。日本ではこうした方々が政治家として必ずしも評価されていない点が問題ですね。あまり、政策やインテリジェンスが評価されないという意味では、ビジネスの世界も同様な気がしますが・・・。

    ちょうど今、日本は政治の季節です。政策とインテリジェンスのある人を選ぶことで、国民の皆さんのインテリジェンスが問われていると思います。 今回の総選挙の投票基準は“インテリジェンス”ということでいかがでしょうか。そうすると該当者無しの地域も多くなるかもしれませんね。

    話題を戻して、れいさんの話の中にソニーの故盛田氏の60の手習いの話がありました。皆さんも想像されているように、盛田氏は戦後単身で渡米してソニー製品を売り込んだ企業戦士です。ブロークンな(失礼!)、しかし意図が明確に分かる英語で丁丁発止とやられていたと聞いています。60歳で英語の勉強をはじめたという意味は、実務で使うレベルを超えて更に磨きをかけるために正規の勉強をはじめたと考えるべきだと思います。こうした話を聞くと、なんだか元気が出ますね。asktakaもこれからもっと英語の勉強をしようと思っています。


    (2000年6月4日(日))

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    第41回:ユージン・オニールのお芝居と客層

    ゲストブックにも書きましたが、昨日久しぶりにお芝居、演劇を見に行きました。友人からチケットをもらったもので、最後に演劇を見たのは、渋谷のジャンジャンでやっていた中村伸郎の「授業」か吉行和子が演じた「蜜の味」かそれとも俳優座で観たチェホフのお芝居か、と思い悩むぐらいです。なんとこの手の演劇は四半世紀ぶりだと思います。

    ユージン・オニールのお芝居「夜への長い旅路」を観て、asktakaは次の2点に興味を持ちました。第一点は、なんとせりふの長いお芝居だということ、第二点は、観客の7、8割はasktakaよりも上の世代、つまりシルバー層である点です。

    ユージン・オニール(1888-1953)は20世紀の米国を代表する劇作家として、ノーベル賞受賞作家でもあります。「夜への長い旅路」は自叙伝としては演劇史上最高 傑作といわれているもので、オニールの死後発表されて、4度目のピュリッツァー賞に輝きました。オニールの作品は映画化されたものも多く、主なものは次のとおりです(オニールの簡単な紹介はこちら(英文)をご覧ください)。

    1.「アンナ・クリスティ ANNA CHRISTIE」(1930(米)、グレタ・ガルボ主演)

    2.「噫,初恋 Ah, Wilderness」(1935(米))

    3.「喪服の似合うエレクトラMourning Becomes Electra」(1947(米)、ロザリンド・ラッセル、マイケル・レッドグレーヴ出演)

    4.「サマー・ホリデイ Summer Holiday」(1948(米))

    5.「楡の木陰の欲望 Desire under the Elms」(1958(米) 、ソフィア・ローレン,アンソニー・パーキンス出演)

    6.「夜への長い旅路Long Day's Journey Into Night」(1962(米)、キャサリン・ヘプバーン、ラルフ・リチャードソン出演)

    7.「氷人来たるThe Iceman Cometh」(1973(米)、リー・マーヴィン、ジェフ・ブリッジス出演)

    asktakaは上記のうち作品名を知っていたのは、長い旅路以外は「楡の木陰の欲望」と「アンナ・クリスティ」ぐらいでした。

    お芝居の登場人物は、モルヒネ中毒の母親と19世紀の著名な米国の俳優であった父、放蕩息子である兄、そして肺結核を患うエドマンド(オニール本人)、メイドの5人で、エドモンド役は段田安則が演じていました。ストーリーは、モルヒネ中毒の母親が退院して、再び麻薬に手をだして幻覚に悩まされる情景のなかで、親子、兄弟の愛憎と葛藤が描き出されています。凶器ともいえる鋭い言葉でのやり取りが、この芝居の真骨頂といえます。

    それにしても、せりふが長くて複雑で俳優泣かせの芝居ですね。俳優の方々ご苦労様です。そして演出家の栗山民也さん、緊張感のある見ごたえのある芝居でした。適役選びにご苦労された点はよく分かります。

    asktakaは、事前に本を読んで観劇すればもっと味わい深かったと思っています。しかし、テンポの速い、緊張感あふれる演出で、正味3時間強のお芝居はあっという間に終幕を迎えました。久しぶりに演劇の醍醐味を味わいました。今度はシェークスピアを観ようかな、と胸をときめかせているasktakaでした。

    次に、観客の話です。会場の新国立劇場の小劇場に到着するまでは、比較的若い人達が多いのだろうなと勝手に思っていました。ところが、50代後半から60代の男女が圧倒的に多いのです。asktaka夫婦は若い部類に入ってしまうのですから、団塊世代も形無しです。

    彼・彼女達を観察していると、男性一人、夫婦、女性グループに大別されます。さすが男性のグループは少なかったですね。内訳は夫婦が4割から半分、3割ぐらいが女性グループでしょうか。予想以上に夫婦で観劇されている姿をみて、なかなかほほえましく思いました(失礼)。

    世の中ではシニア・マーケットのメーン・ターゲットは団塊世代だと言われています。だが、まだ団塊世代は現役で何かと苦労の多い時期です。シニアを含めた高齢者市場を考えた場合、やはり当面は元気な60代以上の層がメーンですね。夫婦や個々人での余暇活動は、団塊の世代よりも案外上手なのかもしれないと思った次第です。

    介護やケア市場が話題になっていますが、もっと元気な高齢者夫婦向けの ビジネス、マーケットが注目されていいと思います。劇場での中高齢者の熱気と元気を感じて、その感を強くしたasktakaでした。


    (2000年5月28日(日))

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    第40回:スポーツ選手と選考基準

    スポーツ界は摩訶不思議な世界のようです。どうも選考基準や昇格基準があっても、運用でどうにでもなる世界のようです。それじゃ、協会の年寄りのご機嫌取りに精を出せということなのか、と啖呵の一つもきりたくなりますね。

    雅山が大関になってasktakaは個人的には嬉しく思っています。ところが、世の中では、というか相撲協会の中では、昇格にあたって賛否両論があったようです。協会の内規では3場所で33勝以上であれば大関昇進と決まっているのになぜでしょうか。

    新聞報道によると、11勝をあげて34勝に達したものの大関横綱に1勝(負け越した貴ノ浪にのみ勝つ)しかしていないからだそうです。でもそれは昇格させないための嫌がらせにしか聞こえません。関脇の地位にいて11勝4敗は立派な成績です。

    ですが、まだ相撲協会は前代未聞の多数決で大関に昇格させたから良しとしましょう。問題なのは協会幹部の顔色をうかがって提灯記事を書いた記者連中です。協会の古い体質を批判して、出る杭を伸ばすよう苦言を呈するようなつわものはいないのでしょうか。こっちの方が先を思いやられますね。

    似たような話が水泳にもありました。皆さんもご承知だと思いますが、千葉すずの件です。彼女の場合も、オリンピック選考基準をクリアしているにもかかわらず、選からもれたのです。

    彼女の場合は、無我夢中で練習して是が非でもというガンバリズムが感じられないというのが理由のようです。何でも水連の会長が彼女のことをお気に召さなかったようです。どうも笑顔で楽々選考基準をクリアするというのは、古い体育会体質には合わないようです。

    これらのケースはスポーツ界のお話ですが、実はビジネスの世界でも結構同様な話がありますね。能力に応じて基準を明確にして、選ぶ方も選ばれる方も納得づくな社会、こうした社会にならなくちゃいけませんね。


    (2000年5月27日(土))

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    第39回:グルメの話・その他の和食(その1)編

    もうすぐゴールデン・ウィークです。今年の正月は2000年問題で海外旅行を断念した人が多かったせいか、今月末から来月にかけて随分海外に出かけるようです。私は昔からこの時期に東京にいると、通常より車が少ないせいか空気がきれいになるので、よく食べ歩きにでかけます。連休はアーバン・リゾート気分でグルメもいいと思いますよ。

    そういうわけで、今回は27回のお鮨、28回の鍋料理に続いて、その他の和食を取り上げたいと思います。ほとんどが二十数年前から通っている、asktakaのお気に入りの店です。

    asktakaは居酒屋へはめったに行かないのです。飲むよりも食べる方が好きなので、どうも足が向かないのです。それと居酒屋は禁煙席がない店が多く、煙いのがいやなせいもありますね。それと掘り炬燵式ではない座敷に弱いせいもありますね。

    その点、家族や友人、あるいはクライアントなどと日本料理を食べに行く時は、品川駅前のパシフィックホテルの中にある「大志満」がお薦めです。テーブル席が主体で庭園を見ながら、加賀料理のコースからすき焼き、別コーナーでお鮨や天ぷらなどをいただくことができます。個人的には鮨コーナーを利用することが多いのですが、天ぷらの好きな人は入って右手のカウンターでお好みで注文できます。この店の天ぷらは意外といけますよ(私はわけあって揚げ物は敬遠していますが)。

    予約をすれば離れ風の座敷も使えますから、4、5人の小グループから20人ぐらいまでの食事会にはこちらがお薦めです。「大志満」は一人一万円ぐらいの予算でよそ行き気分で食事をする際に便利です。

    銀座の松屋の前にある「らん月」はすき焼き、しゃぶしゃぶ、蟹すきから懐石料理まで、比較的リーズナブルな値段で食べることができます。近くにしゃぶしゃぶの「ざくろ」などもありますが、「らん月」の方が個室のように区切られているので落ち着けます。料理は飛びぬけて美味しいということではなく中の上ですが、asktakaは子供の頃から慣れているせいか、買物帰りの家族との食事などで利用します。

    銀座にあるもう少し手頃なお店として、「大増」や「御蔵(みくら)」があります。「大増」は小松ストアの少し新橋よりにあり、懐石弁当や季節のコースなどを一人5千円以内の予算で食べることができますから、お昼などは女性で賑わっています。3千円前後の弁当風のメニューやミニ懐石などが揃っているのが人気の原因ですが、どちらかというと年配の人が多い店です。

    「御蔵」は銀座1丁目にあるリーズナブルな京料理の店で、やや量は少ないですが3,800円からのコース料理は納得できます。女性の人気が高く予約した方が無難です。目黒の目黒川沿いにある「牛山」も女性が多い店で、手頃なコース料理が売りです。「御蔵」「牛山」は比較的若い女性向きという感じでしょうか(「御蔵」と「牛山」はまだ新しい店で、3、4年前からたまに通っています)。

    以上は男同士で飲むというよりも、家族やグループで利用するお店です。今度は、美味しい料理を食べながらゆっくり飲める店を二店ご紹介しましょう。

    先ず、「安兵衛」は新宿西口の線路脇にある料理屋です。入り口が二つあって、白木のカウンターとテーブル席の飲み屋風の店と会社ユースの座敷の店 に分かれています。asktakaは友人などと気軽に飲むには飲み屋風の方へ、お客さんなどとの会食には座敷の方へ案内します。この店は十数年前にあるクライアントの方にご招待されて以来、個人的にも利用しています。春夏の季節は旬の魚の焼き物や野菜の煮物を追加注文したりしますが、秋から冬にかけては松茸の土瓶蒸しや白魚の卵とじ鍋がお気に入りです。新宿で飲むのはこの店が多いのですが、カウンターだと二人で1万円ちょっと、座敷のコース料理で飲み物をいれて一人1万2,3千円でしょうか。

    もう一軒は末広町の「花ぶさ」で、銀座線の末広町駅から上野方面に向かってすぐ角を左に曲がり、また右に行くと左手に学校があり、その前になります。池波正太郎のエッセイなどにも出てくる有名な店ですが、今でも風格のある女将が仕切っています。1階はカウンターとテーブルで2階は座敷になっています。職人がつくる料理はなかなかですが、少しお値段は高いですね。でもふぐ鍋などを食べなければ、「安兵衛」の1.5倍ぐらいですね。そういえば、女性客が懐石弁当のようなものを食べているのを見かけますから、食事だけであれば手頃だと思います。asktakaは秋葉原でパソコンを見て、少し足を伸ばして「花ぶさ」で一杯飲むというパターンです。一人で飲むともちろん1万円でおつりがきます。

    和食といえば、この他に蕎麦うどん、鰻、とんかつなどがありますが、 長くなるのでこの次にしたいと思います。皆さん、asktakaの偏ったグルメ話にお付き合いいただき有難うございました。ではまた。


    (2000年4月23日(日))

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    第38回:早稲田の雄弁会人脈

    最近早稲田の雄弁会が話題になることが多いですね。それもそのはずで、小渕前首相も、先日就任したばかりの森首相も雄弁会出身だからです。 おまけに青木官房長官をはじめ現閣僚のうち何と7、8人もこの会に属して いたそうです。また、竹下、海部元首相も雄弁会ですから、大隈重信候も草葉の陰でさぞお喜びでしょう。

    それに比べて政界の三田出身者、いわゆる塾員は、橋本元総理が味噌をつけて以来部が悪く、自由党の小沢党首も絶対絶命の危機にあります。もっとも橋本さんは法学部出身なのが救いで、これが経済学部であればどうも具合が悪いですね。三田の丘の上には福沢先生ゆかりの演説館がまだ残っていますが、きっと悔しい思いをされていることでしょう。

    さて、本題に戻って、よく世間では早稲田について、“学生一流、設備二流、教員三流”といわれます。最近は教員も拡充していると思いますが、 こと経済学に限ってみてもあまり教師のレベルは高くなかったのは事実です。むしろ、早稲田は学生に勉強させるというよりも、お酒の飲み方を含めて人間教育を重視している風でした。

    私のかっての部下などを見ても、本人は優秀ですが、結婚式などで先生とお話するとお酒が好きで、“お酒の飲み方しか教えなかった”という方が多いのです。こうした少ない事例を一般化することの危険を顧みず、独断と偏見を承知であえていえば、早稲田は人間関係、人間教育を重視した教育をしていると思えるのです。

    こうした伝統は雄弁会出身の政治家にも現れていると思います。どうも早稲田の雄弁会人脈につながる人達は、知性というよりも調整型の人が多く、裏で何かよからぬことを企むタイプが多いのではないでしょうか。理念やポリシーよりも人間関係で決まる、これは政治のみならず企業の人事を見ても同様なので、日本の人間社会の性なのかもしれません。

    しかしながら、現職の首相が倒れるという突発的出来事の中で、密室でことが運ぶ、調整型の意思決定のあり方は問題です。もともと雄弁会は、頭はあまりよくないが政治好きの学生が多く集まるところだといわれています。そこで学ぶことは、演説の技術と寝回しの仕方だとすれば、あまりにも貧弱だと思います。

    小渕前首相はこの点に気付いて、これから内に秘めた独自の理念を表に出して、将来のビジョンを描きながら日本をよくしようと思っていたところだと推測します。その矢先の入院とは、さぞ無念であろうと心中お察し申し上げます。せめて後継者には、雄弁会に対する毀誉褒貶を払拭するくらいの政策を実施してほしいと思います。ちょっと言い過ぎた点もあるかもしれませんが、早慶戦のよしみでお許しください(ここは人間関係重視でよろしくお願いします、と勝手なことをいっちゃいます)。


    (2000年4月9日(日))

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    第37回:漫画と私

    漫画が日本社会に真に根付いたのは、1959年に漫画週刊誌が発刊 されてからだと思います。これも「少年サンデー」や「少年マガジン」 というように、当初のターゲットは少年でした。それまでは子供向け として「小学○年生」とか少女向けの「マーガレット」や「りぼん」な どの雑誌のみだったと記憶しています。

    その後、少年・少女から大人まで読者層が広まって、ターゲット別に 多数の漫画雑誌が創刊されたものと思われます。電車の中で、堂々と 漫画を読むサラリーマンをよく見かけるようになったのは、早くて 70年代に入ってからで、もしかすると80年代になってからかも しれません。

    ところで、asktakaは小学校に入る前から祖父に米国や英国の漫画や 絵本を読んでもらっていました。そして自分では、“赤銅鈴之介”、 “鉄腕アトム”、“鉄人28号”、“ビリーパック”などを読んでい ました。しかし、それも小学校 1、2年の頃までで、その頃はまだ「少年サンデー」「少年マガジン」 が出る前でしたから、「大きくなって漫画を読むのはお馬鹿さん」と 親から言われていたし、私も年上の子供に向かって面と向かってそう いっていた覚えがあります。つまり、漫画は子供が読むものという考 え方が定着していたわけで、大人になっても漫画を読んでいるのは 無教養な人と相場が決まっていたのです。

    スーツを着た人達が漫画を読むようになったのは、漫画週刊誌の 貢献が大だと思います。子供の頃に漫画を卒業せず、学生時代まで 漫画を読んでいた世代は、社会に出てからもごく自然にそれを読み 続けていることは不思議な現象ではありません。何せ個人のライフ スタイルというものに溶け込んでいるわけですからね。

    かくいうasktakaも大学に入ってから友達に漫画好きがいて、“あした のジョー”とか星飛馬が主人公の“巨人の星”や“ブラックジャック”、 “ゴルゴ13”などを読んでいました。今でも年に何回かは、ワイフ の膨大な漫画の蔵書(?)の中から、“ブラックジャック”を取り出し て読むことはあります。しかしながら、公衆の面前で漫画を読む気は しませんね。

    やはり、育った環境や世代のせいか、漫画を読むという行動自体 が未成熟な大人を感じてしまうのです。そして、どう考えてもインテ リジェンスを感じないですね。それともっと重要なことは、仕事柄、 人前で漫画を読む気になりません。皆さんがクライアントの立場で考 えると、電車の中で楽しそうに漫画を読みふけっているコンサルタント に仕事を依頼しようと思いますか?

    asktakaは海外のビジネスパースンや専門家の歴史観や教養の深さ にしばしば驚かされます。それに比べて、日本人は平均的には諸外国 に比べて優れているかもしれませんが、上位何パーセントかを比べる と、劣っていると思うのです。これも戦後の悪しき平等教育が災いし ているのですが、今後はもっとエリート層を育てていく必要があると 思います。一方で、これからのビジネスパースンは一層の専門能力を 磨かなければ、昇給もままならない状況になるものと思われます。

    こう考えると、漫画を読む以外にやるべきことは山ほどあると思 います。そして電車の中では、一日のスケジュールの確認、アイデア の整理、自分や会社などの将来像の予想、原稿や企画書のプロット案 の整理、英文や英単語の暗記等など、頭を使うだけの方が目に良いこ とは確かですからね。

    それでも電車の中で漫画を読み続ける人、それはその人にとってれっき とした趣味だと思います。では、それをレジュメに書けますか、自信 を持って誇れますか?もっともasktakaの無芸大食も困ったものですが 。(笑)


    (2000年3月20日(月))

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    第36回:“文明の衝突”と日本の生き方

    出版不況の中で、手軽に読めるものと勘違いしやすく、値段も安 いせいか“新書”の人気が高まっているようです。そのため新書版に 力を入れる出版社が増えています。後発参入した集英社もそうで、 前回この欄で紹介した五木寛之の「知の休日」を始め、なかなか面白 い本が揃っています。

    サミュエル・ハンチントンの「文明の衝突と21世紀の日本」も その一つです。ハンチントンはハーバードの政治学の教授で、国家戦略 を含む政治学の権威です。93年に「文明の衝突」を読んだ際は、冷戦 後の世界のパワーの方向を示したものとして、新鮮な感動を覚えたもの でした。

    その後、恐らくハンチントンの主張にヒントを得たと思われる “7つ資本主義”論とか、エピゴーネンが続出しました。前著はそれ ほど世界に衝撃を与えたといえます。

    簡単に「文明の衝突」の論点を整理すると、次のようになると 思います。

    1.冷戦時代の自由世界、共産圏、第3世界という3グループから、 冷戦後は文明あるいは文化によって国家行動が決定される多極構造へ移行

    2.つまり、西欧文明、イスラム文明、東方正教会文明、中華文明、日本文明、 仏教文明などの文明毎に国家のグループが形成される

    3.冷戦時代の米ソ二極体制から、今日の世界のパワー構造は一極・多極体制 になり、世界の大国である米国と地域のナンバーワンとの対立をうながす

    実は、ハンチントンの本音は、アメリカのインテリ間でもてはやされている 多元文化主義(multi culturalism)に警鐘を鳴らし、西欧(米国)アイデン ティティを確立すべき、という点にあるようです。その上で、世界が多元的で あることを認め、西欧文化一色にすることの危険性を説いていると解釈でき ます。

    こうした点を踏まえて、新しい新書は21世紀の日本は将来について指針 を与えてくれます。日本は文化的には孤立している故に、他の文明のように ファミリーがいないとハンチントンは説きます。そして東アジアの安定にと って、“中国には寛容が日本には歩み寄りが、米国には後押しが必要”と述べ ていますが、この点は示唆に富む言葉だと思います。

    asktakaは21世紀の日本は、世界も認める文明・文化の独自性をもっと 認識すべきだと思います。それが“歩み寄り”を、“丸のみ”“言いなり”から解放する道でもあり、多文明社会で生き残るための基本だと思うから です

    それにしても文化的には“失われた50年”であったことは、米国の知識人も指摘しています。この意味で、戦前の資本主義のダイナミズムや企業文化をもう一度見直すことで、今後の“ネオ”日本的経営を探るヒントがあるような気がするのは、asktakaだけでしょうか?


    (2000年3月12日(日))

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    第35回:退屈したことがない私

    昔を振り返ってみても、現在でも、私は退屈だと感じたことが ないのです。ただ、まだ小学生になる前だったと思いますが、私は 一人っ子だったせいもあり、雨の日は家の中で母や祖父母に遊んで もらった記憶があります。きっと私が退屈そうな顔をしていたせいだ と思いますが、何せ記憶にはないですね。

    去年の暮れに出版された五木寛之の「知の休日」(集英社新書) が結構売れているようなので、年末に買ったのですが、そのままに なっていて、つい先日目を通しました。よく見ると。副題が「退屈 な時間をどう遊ぶか」になっているのです。ということは、世間に は退屈している人が多いらしい。

    全部で8つの遊びから構成されているのですが、最後は「何と でも遊ぶ」なので実質的には7つなんでしょうね。その7つは、 「本と遊ぶ」「体と遊ぶ」「アートと遊ぶ」「車と遊ぶ」「声と遊ぶ」 「靴と遊ぶ」「夢と遊ぶ」です。

    五木寛之はアナログ派のようで、「パソコンと遊ぶ」というのが ないですね。最近はシニアや70歳以上の方々もパソコンに親しんで いるので、必ずしも年のせいばかりでなく、昔の物書きのタイプなの でしょうか。そういえば、編集者の方々をみても未だにメールを使え ない(使わない)人達がいますからね。きっと執筆者の影響があると 思います。

    私がこのテーマで書くとすれば、更に「パソコンと遊ぶ」「ゲームと遊ぶ」 「風景と遊ぶ」「水と遊ぶ」「買物と遊ぶ」「人間と遊ぶ」「お酒と遊ぶ」 「映画と遊ぶ」等々を加えることになるでしょうか。人によって様々な楽しみ方ある はずなので、皆さんの遊び方も教えてくださいね。

    ところで、子供の頃の遊びは省略しますが、私は高校生になってから 、余暇は読書、音楽、映画、スキー、デートなどで過ごしました。これが 大学生・院生そして社会に出てからも基本的には変わりません。最近では 「本と遊ぶ」「パソコンと遊ぶ」「風景と遊ぶ」「体と遊ぶ」「買物と遊ぶ」 「人間と遊ぶ」がメインになっています。

    五木寛之の書いた書物の最後の章「何とでも遊ぶ」をみると、“何かと 遊ぼうという気持ちが大事なのだ”といっています。私が退屈した記憶が ないのは、子供の頃から何時も何かやりたいと思うものがあったからだと 思います。私の場合“何かやりたい”という背景には、“遊ぼうという気持 ち”よりも好奇心の方が強いと思いますが・・・。

    「知の休日」が売れているのは、退職などで時間はあるが、時間消費 のノウハウがない人が多いことを物語っています。これから高齢者社会を 迎えて、余暇をいかに過ごすかが大きなテーマになってくると思います。 それには“何かやりたい”ことをたくさん持って、時に応じて使い分ける ぐらいの気持ちが必要です。バリバリ働いている間に、やりたいことを少し ずつ探していけば、決して退屈することはないと思いますよ。


    (2000年3月5日(日))

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