わんだふる ネパールヒマラヤ (4)


  
1.プロローグ 
  2.ネパールへ向けて出発 : 12月26日(金)、27日(土) 
  3.クーンブ・ヒマール入口 ルクラ、パクディンへ : 12月28日(日) 
  4.シェルパの里 ナムチェ・バザールへ : 12月29日(月) 
  5.クーンブ・ヒマール展望1 クムジュンへ : 12月30日(火) 
  6.クーンブ・ヒマール展望2 ゴンゴ・リ登頂と帰路1 : 12月31日(水) 
  7.帰路2(モンジョからルクラへ) : 01月01日(木) 
  8.ルクラからカトマンズへ(市内観光) : 01月02日(金)、03日(土) 
  9.さよならネパール・ヒマラヤ : 01月04日(日)、05日(月) 
     *トレッキング留意事項(感想)* 
 

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5.クーンブ・ヒマール展望1 クムジュンへ : 12月30日(火)

5.1 ナムチェ・バザール−>キャンズマ (12月30日(火):その1)

 今日の行程は短いということで、いつもより30分遅く、6時30分に起床した。昨日は、夜中に高山病の兆候が出るのではないかと心配したが、今朝は気分は爽快であった。今日も快晴の天気であったが、ナムチェ・バザール(3,440m)は、高地にはあり、南側に向いた馬蹄形の山腹に位置するため、日の出は遅く、8時頃であった。

 日の出の写真を撮ろうと思ったが、技術が未熟で、撮ることができなかった(左の2枚の写真)。8時に昼食を食べ、8時45分ロッジの前庭に集合。前庭では、ロッジのお母さん?がヤクの乳搾りをしていた。お母さんにお別れを言い、気合を入れてクムジュンへ出発した。


Mt Thamserku (6,632m) Mt Kusum Kangur (6,367m) 朝のヤクの乳搾り

 今日の行程は、ナムチェ・バザール(3,440m)から、ドードゥ・コシ川(Dodh Koshi)の深い渓谷を右側に見ながら、山腹を左に巻いて進み、エヴェレストの展望が素晴らしいキャンズマ(Kyangjuma)に行く。ここから左に折れ、シェルパ族の村のひとつであるクムジュン(Khmjun:3,790m)に向かう。その後、エヴェレスト・ビュー・ホテルを往復する予定になっている。クムジュンまでは、3時間半くらいである。

 最初は、ロッジの上の道を、ナムチェ・バザールの村落を右に見ながら、馬蹄形の山腹の道をカーブしながら歩いて行く。最初は寒そうなので、防寒義を着ていたが、すぐに暑くなってきたので、村のハズレでは防寒義は脱ぎ、長袖シャツ姿になった。
 ここで南方面を見ると、昨日歩いてきた、ドードゥ・コシ川の深い渓谷とエヴェレスト街道を見下ろすことができた。また、南西方面には、コンデ・リ(Kongde Ri:6,187m)の雪に覆われた大きな岩峰が、青空をバックにして輝いていた。壮大な姿に、皆感激である。皆、カメラをパチ・パチであった。

エヴェレスト街道(南へ) Mt Kongde Ri (6,187m)
 小休憩と写真撮影の後、北に向きを変え、右下にドードゥ・コシ川の深い渓谷を見ながら山腹の山道を歩く。山道といっても、昨日のエヴェレスト街道と同じような道で、更に北の村々まで通じており、現地の人々の生活道路でもある。しばらく歩くと、山間からあのエヴェレスト山群が見えてきた。すばらしい。大感激である。
 左から、タウェッツェ(Tawetse:6,501m)、ヌプツェ(Nuptse:7,855m ;エヴェレストの手前の壁のような尾根状の山)、エヴェレスト(Everest:8,848m)、ローツェ(Lhotse:8,516m)、アマ・ダブラム(Ama Dablam:6,812m)の高峰が、1枚の絵のように展開していた。
 エヴェレストとローツェからは、強風で雪煙がたなびいていた。東方面には、ナムチェ・バザールから見た姿とは違う、タムセルク(Thamserku:6,623m)とカンテガ(Kantega:6,799m)が大きくそびえていた。
エヴェレスト山群
 Mt Tawetse (6,501m) Mt Everest (8,848m)
  &Mt Nuptse (7,855m)
Mt Lhotse (8,516m) Mt AmaDablam (6,812m)
 ここからはエヴェレスト山群を正面に見ながら、山腹のほぼ水平な道をのんびり歩く。本当に”エヴェレスト・パノラマ・トレッキング”であった。途中、カラフルなタルチョーをたなびかせた仏塔があった。
 そこを通り過ぎ、しばらく行くと、11時20分頃、ロッジのあるやや広い草地に出た。キャンズマ(Kyangjuma)である。ロッジの前のテラスでは、大勢のトレッカーがデッキ・チェアに座って、小休憩をしていた。我々もここで小休憩となった。このテラスからのエヴェレスト山群の光景もすばらしく、エヴェレストやローツェが大きく見えた。双眼鏡で見ると、エヴェレストとローツェの地層がくっきりと見えた(イェロー・バンドといわれる黄色の地層もよく見えた)。ヒマラヤ山群が、ユーラシア大陸とインド大陸が衝突して、海の地殻が隆起して出来たものであるということが、実感できるようだった。



Kyangjuma Logde
 Mt Tawetse (6,501m) Mt Everest (8,848m)
  &Mt Nuptse (7,855m)
Mt Everest (8,848m)
  &Mt Lhotse (8,516m)
Mt Ama Dablam (6,812m)
 11時40分、クムジュンに向けて出発した。方角は、今までと90度左に折れ、西方向に向かう。前方には、シェルパ族の神の山クーンビラ(Khumbila:5,761m)が見えた。樹林帯の中の雪道をゆっくりと登る。樹木では、モミ、マツ、ジュニバ(杉)、シャクナゲ、ヤマバラなどがあった。ただ、日本のような針葉樹林帯といったイメージではなく、やや低い疎林といった感じであり、マキとして使ったのか、木が少ないように思えた。そのためか、植林も見られた。
  雪の坂道を登りきると、クムジュンの村が見えた(左写真)。この村はクーンビラの広々とした南斜面に展開していた。


Khumbila(5,761m) Khumjun(3,790m)

 ゆるい下り坂を降りて、クムジュン(Khumjun:3,790m)の村に入った。村は道が整備され、石造りの2階建ての家が点在し、その周りには畑(雪で覆われていた)が配置されていた。村のつくりは広々としており、なんだか日本より良いような感じがした。
 クーンビラの斜面では、ヤクが放牧?されており、潅木の枝を食べているようだった?12時過ぎ、ようやく今日の宿泊ロッジ(サーダーの家)に到着した。高山病の症状もなく、極めて快調である。

5.2 クムジュンとエヴェレスト・ビュー・ホテル (12月30日(火):その2)

 ここで食事をし、荷物を部屋に置いた後、1時45分頃、ホテル・エヴェレスト・ビュー(ホテルEV)への散歩?にでかけた。ホテルEVは、クムジュンの東に位置する小高い丘の上(3,880m)にある。樹林帯の中に隠れるように建っているので、クムジュンからは見えない。樹林帯の中をゆっくり登って、およそ35分くらいでホテルに着いた。ホテルは低層で、周囲のカラマツやシャクナゲに囲まれており、目立たないように建っていた。部屋は全部で12室とのことである。ホテル・ボーイが迎えてくれたが、トレッカーはすべて出かけているのか、客は我々だけのようであった。ちょっと寂しい感じである(このホテルは、ある日本の観光会社が1972年に作ったとのことだが、クムジュン村の人々には評判があまりかんばしくないとのことであった)。

 すぐにホテルのテラスへ案内された。テラスへ出ると、先ほど見たばかりのエヴェレスト山群の秀峰(タウェッツェ、ヌプツェ、エヴェレスト、ローツェ、アマ・ダブラム)が眼前に広がっていた。再び、感激、感激!!観光パンフレットにあるように素晴らしい眺めである。また、左にはクーンビラが、右にはカンテガとタムセルクも大きく見えた。

ホテルからのエヴェレスト山群 Mt Tawetse (6,501m) Mt Ama Dablam (6,812m) Mt Kantega (6799m)
 & Mt Thamserku (6,623m)
 皆でコーヒーを飲みながら、今日のすばらしい感動をわかちあった?サーダーと一緒に、全員の記念写真も撮ることが出来た。私は、この感動を絵に収めるべく、エヴェレスト山群のスケッチにトライした。4、50分休んで、再びクムジュンへ、来た道を戻った。南西方面には、コンデ・リの山群が壁のようにそびえていた。ちょうど4時、ロッジに戻った。
 夕食前、紅茶を飲みに2階のダイニング・ルームへ行ったら、そこは南側がガラス張りになっており、室内からアム・ダブラムとカンテガ、タムセルクがよく見えた。あわててスケッチ道具をとりに行き、懲りることもなく、それぞれのスケッチをした。これで、山岳スケッチが上達するかも??
 
Mt Khumbila (5,761m) Mt KongdeRi (6,187m)
 6時頃、夕日が沈み始めたので、ちょっと冷え込み始めたが、前庭(この片隅にいつものトイレがある)に出て、シャッター・チャンスを待った。その果報が、左の写真である。アマ・ダブラムの黄金色の輝きは、無神論の私にとっても、神々しさを感じるほどであった。すごい!すごい!!
 当然、夕食では、今日の感激について話し合いながらの食事となった。皆元気で、高山病の症状はあまりないようである(一部の人が軽い頭痛を感じているようだったが)。食後もすぐ部屋に戻ることもなく、皆で紅茶を飲みながら、会話を楽しんだ。



Mt Kantega (6,799m)
 & Mt Thamserku (6,623m)
夕日に映えるAma Dablam

 今晩は、3800m近くの高所での睡眠である。当然皆初めての体験となる。昼間は大丈夫でも、睡眠中は呼吸が浅くなるので、高山病の症状が出ることも考えられるそうだ。8時頃、部屋に戻り、明日のすばらしいトレッキングを期待しながら、かつ高山病の症状がでないようにと祈りながら、シュラフにもぐり込んだ。そして、シュラフの中で、何度も大きく深呼吸を繰り返した。そのうちに、Zu,Zu・・・・。
 この夜も、トイレに何度か起き、外へ出ることになった。でも、寒いといっても、マイナス10度くらいの感じで、山中湖(標高1000m)の寒さとあまり違わないように感じた(山中湖も冬の厳冬期は、マイナス10〜15度くらいまで下がる)。夜空は満天の星空で、驚くほどたくさんの星が見られた。

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