Road to FRANCE PART2 【1998ワールドカップ本大会篇】

出発4日前

ワールドカップまで、あと2週間を切った。結局、エアーと観戦チケットと保険のみの依頼しかしていない。フランス政府観光局から地図とホテルリストをもらわないといけない。トマス・クックの時刻表も買わなきゃ。インターネットでも情報を集めよう。必要なリストを作り、手帳に記録していこう。と、やることは思いつくのだが、忙しいのと落ち着かないので、なかなか手に着かない。

5月31日(日)

銀座へ出かけた。映画「ビヨンド・サイレンス」のためだったのだが、せっかくなのでイエナに行ったら最新のトマス・クック時刻表を買えた。手帳はITO-YAで、オリジナル130円を2冊。よしよし。家へ帰ってさっそく時刻表を見たら、ワールドカップ臨時便は掲載されていなかった。そんなもんだろうなあ。時刻表を読んで緻密な計画を立てるのは日本人だけかも。大体、金曜は運休とか、30分遅れとか、日常茶飯事だもんな。

オークス、あえて賭けず。こんなところで運を使ってはいけない、ということで。

6月1日(月)

旅行後半はパリに滞在することを決定。とにかく、21日の午前中の便でパリを発つためには、20日夜にはパリに戻っていたいし、ホテルの確保と他試合を勘案。ナント周辺にはどうしても行きたいというところはないし、試合当日に往復しよう。問題は20日のパリ-ナント往復便の確保にある。ここだけは事前に安心しておこうか。

旅行代理店へTGV予約の依頼をFAX。SNCFのホームページからパリ-ナント間の時刻表を検索・プリントして添付。ところで、以前に頼んだフランス・ヴァカンス・パスの料金表がまだ来ていないが、どうしたんだろう?

帰りに新調したメガネを受け取り。少し度を上げて丈夫なものにしたし、今まで使っていたのは予備にするので、これで安心。

6月2日(火)

コンクのホテル予約がネット上からできることを発見。まともなホテルってオテル・サント・フォワ(聖堂の隣)しかないのだ。さっそく送信。ところが、宿泊希望日を間違えて5月で送ってしまってやり直し。不安にかられて、さらにメールを送った。

Dear Sirs,

Bonjours!

I'm sorry to write in english, because my french is too poor for communication.

Now, I'm planning to stay in Conques after the game of "Le Coup de Monde", Japan vs. Argentina in Toulouse on the 14th of June.

Visiting the treasures of Romanesque Art is my life-work, so I travelled along Burgogne including Autan, Vezelay, Fontenay in 1995. But my main focus is always on the magnificance of Tympanum on Eglise Sainte-Foy, Conques.

Knowing the Japan's first game will be held in Toulouse, I decided to visit Conques and Moissac.

Then, I would like to stay at your hotel on 16th of June or 15th, Single-room (or single-use), one night, with shower and WC.

I also sent a reservation enquiry via "Conques" homepages on internet, and at first missed periods as "98/16/May or 98/15/May", so re-sent it.

Please let me know whether I can book a room as soon as possible.

If you want, I am ready to inform you my credit card number (VISA) by fax.

Merci.

KANEYAMA Takashi

旅行代理店から電話があった。「フランス・ヴァカンス・パスはどうしますか?」 え? ファックスを送ったって? 来てないよ。ここで押し問答してもしかたないので、5日間で31,100円というのにする。これは、使用日だけで5日間使えるもので、ユーレイルパスのように、使用開始したら、乗ろうが乗るまいが期限がきてしまうものとは違う。TGVは、やはり臨時便が運行されるらしく、なんとか予約が取れそうだという。ただし、チケットの受け取りは来週に延びる。これはまあ仕方ない。

夜、カズ、北沢、市川が落選。

6月3日(水)

観光局へレターを投函。切手を同封。あまりにも遅いが、とにかくやることはやろう。帰宅したら、自宅にコンクのホテルからファックスが来ていた。15日でも16日でもOK。やった! 

日本対ユーゴスラヴィアは0-1。

6月4日(木)

コンクへ返信をファックスで送る。カード番号も。考えたすえに、15日の宿泊、2食付き850フランをオファーした。聖堂が見える部屋はさすがに高いので、パス。

今日は、旅行代理店から、受け渡しの日時の連絡が入るはずなのだが、なし。あんまり気にとめずにいたのだが、実は大変な事態が進行していたのだった。

日程ともしもの時の連絡先をまとめて、上司にわたした。この日程はすごいぞ。


6月12日(金) 東京 → パリ 機内泊
ユナイテッド852便 東京(成田)1600 → サン・フランシスコ0900(同日)9時間(時差-16時間)
ユナイテッド202便 サン・フランシスコ1125 → ワシントン(ダレス)1923 4時間58分(時差3時間)
ユナイテッド912便 ワシントン(ダレス)2125 → パリ(CDG)1040(翌13日)7時間15分(時差6時間)
*ちなみに東京とフランス(夏時間)は時差7時間
6月13日(土) パリ → モワサック モワサック泊(予定)
シャルル・ド・ゴール空港 →(RER) モンパルナス
モンパルナス1245 →(TGV) ボルドー(サン・ジャン)1551
ボルドー(サン・ジャン)1630 →(SNCF在来線) モワサック1830ごろ(未定)
*TGVがダメなときはオステルリッツ(2248発)からトゥールーズ(翌14日0715着)方面→モワサックへ(車中泊)
6月14日(日) モワサック → トゥールーズ → モワサック モワサック泊(予定)
モワサック1030ごろ →(SNCF在来線) トゥールーズ1124
1430〜1630 日本対アルゼンチン(スタディアム・ミュニシパル)
トゥールーズ1910 →(SNCF在来線) モワサック2000ごろ(状況次第)
6月15日(月) モワサック → コンク コンク泊
モワサックのサン・ピエール聖堂
モワサック1330ごろ →(SNCF在来線) トゥールーズ1416
(または 1600ごろ →(SNCF在来線)       1708)
トゥールーズ1557 →(SNCF在来線) ロデズ1809
(または  1722 →(SNCF在来線)    1935)
ロデズ →(タクシー) コンク1900または2030ごろ
6月16日(火) コンク → モンペリエ モンペリエ泊(予定)
コンクのサント・フォワ聖堂
コンク1100ごろ →(タクシー) ロデズ
ロデズ1215 →(SNCF在来線) トゥールーズ1433
トゥールーズ1515 →(SNCF在来線) モンペリエ1724
*モンペリエでホテルが見つからない場合は近郊へ移動する場合も。
6月17日(水) モンペリエ滞在 モンペリエ泊(予定)
2100〜2300 イタリア対カメルーン(スタッド・ラ・モッソン)
6月18日(木) モンペリエ → パリ パリ泊
モンペリエ0842 →(TGV) パリ(ガル・デ・リヨン)1258
(または 1225 →(TGV)             1646)
(または リヨン乗り換え)
パリ市内1800ごろ →(RER) サン・ドニ1900ごろ
2100〜2300 フランス対サウジアラビア(スタッド・ラ・フランス)
サン・ドニ2330ごろ →(RER) パリ市内0030ごろ
6月19日(金) パリ滞在 パリ泊
1730〜1930 ナイジェリア対ブルガリア(パルク・ド・プランス)
6月20日(土) パリ → ナント → パリ パリ泊
モンパルナス0930 →(TGV) ナント1137
1430〜1630 日本対クロアチア(スタッド・ラ・ボジョワール)
ナント1945 →(TGV) モンパルナス2200
6月21日(日) パリ → 東京 機内泊
ユナイテッド943便 パリ(CDG)1155 → シカゴ(オヘア)1340  8時間45分(時差-7時間)
ユナイテッド883便 シカゴ(オヘア)1530 → 東京(成田)1810(翌22日) 12時間40分(時差14時間)
6月22日(月) 東京到着
東京(成田)着 1810 → 推定自宅到着時刻 2130

6月5日(金)

日程表の簡略版を同僚などに配布。しばし波紋を巻き起こしてしまう。「え! 行っちゃうの?」「いくらかかるの?」「ねえ、この届け出ってフォーマットあるんですか?」(ない、ない。私の習慣というだけ)。もうこれで、後戻りはきかない。

6月6日(土)

「【シミュレーション】トゥールーズの奇跡」をアップロードして、しばらく眠りこけていたら、衝撃の速達が代理店から届いた。アルゼンチン戦の偽造チケット騒ぎでFIFAが発券を止めたため、出発前のチケット渡しが不可能になった。月曜16:00までにパスポート番号などをファックスせよ。キャンセルなら返金。もしも、ぴあで3万円で買えれば、節約できるが。しかし、動かず。とにかく、クロアチア戦のチケットについて記載がなく、問い合わせようにも、月曜にならないとわからない。

6月7日(日)

ダービーは、買わないわけにはいかない。観戦チケットの手配を悩むには今日の予定は忙しすぎる。どうせ、ぴあも売り切れだろうし、と投げやりなまま馬券を買いに出かける。帰りにフィルムを買う。AGFAのISO400の36枚撮りを10本で2,800円、現像料無料。金券ショップでは、アルゼンチン戦のVIP席が12万円。パーティやプログラムや飲み物がついてくる豪華版なのだが、窮屈だろうなあ。私はゴール裏で熱狂したい。

ダービーは、やっぱりはずれる。そりゃあ、全然研究していないもんなあ。

6月8日(月)

午前中、@ぴあ(インターネット)で、ワールドチケットぴあの電話番号を確認して電話してみたが、つながらない。e-mailでアルゼンチン戦だけ申し込んでみる。ほとんどあきらめモード。折り返し、確認の電話が来るはずなのだが、来ない。

クロアチア戦のチケットについて代理店に電話で問い合わせ。これも、なかなか通じない。やっとつながったが、やはり、クロアチア戦も現地で引き渡しになる。受け渡し場所は駅になるらしい。

ぴあはあきらめて、15:20にファックスを旅行代理店へ送る。なぜか、なんど送っても不達通知。結局ファックス番号のミスプリントだった。16:00を25分も過ぎてようやく気づいた。一応、電話してみたところ、さっきと話が違う。スタジアムで受け渡しと言う。結局、場所は駅らしいのだが。11日に、現金と引き換えで、航空券、フランス・ヴァカンス・パス、TGV予約券を受け取ることに。

16:45、やっとぴあから電話。なんと、アルゼンチン戦もクロアチア戦も1枚ならある! どうしよう。これが1時間前なら、迷うことなくぴあにするのだが、もう旅行代理店に確認の電話を入れちゃったじゃないか。しかし、計5万円も安いのだ。ええ〜い、頼んでしまえ。受け渡しは、駅の近くのホテルで、必ず2時間前までに。受け渡し場所のマップと予約引換証は10日以降に渡す。お金はあすの午前中までに銀行振込。パスポート番号とパスポート名をファックスすること。

すぐに、旅行代理店に電話。苦しいがキャンセルを願い出る。さすがに、「はい、そうですか」とは言わない。折り返し電話します、と言って切れた。17:00。

それから、なかなか電話がかかってこない。18:10、電話だ! 無事にキャンセルできたが、なんとも申し訳ない気持ちになってしまう。もっとうまくやれたのだ。もっとすばやく行動しないといけない。反省しつつも、節約できたのが嬉しい。でも、チケットが手元にないまま旅立つことになってしまった。日本から行く人はほとんど現地引き換えらしいから、当日は想像を絶する混雑になるだろうなあ。さあ、出発の金曜日まであと4日。

text by Takashi Kaneyama 1998

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