Bon Voyage! HOMEMOVIE REPORT > 2000年6月

「インサイダー」

マイケル・マン監督、アル・パチーノ、ラッセル・クロウ、クリストファー・プラマー、ダイアン・ベノーラ、フィリップ・ベイカー・ホール、リンゼイ・クルーズ、デビ・メイザー

★★★★

この映画を観て私は南の島へ行きたくなったのだった。メインのストーリーには何の関係もないが。

(そのへんの話はココを参照)

要するに、タバコ会社の元重役がテレビのインタビューで重要な証言をする。抵抗勢力(註:2001年の日本政治での流行語)は、テレビ会社に圧力をかけ、元重役を脅し、それでダメならと信用失墜を狙う。

アル・パチーノはテレビのプロデューサー、ラッセル・クロウが元重役。なんといっても見どころはあきらめないアル・パチーノの執念。その逆転のさまがラストのカタルシスへと向かうあたりは実に爽快。ラッセル・クロウの小市民ぶりもなかなか。結局エグセクティブから高校教師になり、離婚して子どもとも別れるわびしい中年になっちゃうのだが、最後の矜持だけは失わないのだ。

個人的には安易にラブストーリーをからめなかったのが好み。興行的にはともかく。

それにしてもタバコ会社の悪辣ぶりが際立つ。しかも実際にこの通りらしいし。アメリカ各州で、「健康保険財政に損害を与えた」ということでタバコ会社が続々と敗訴して巨額の賠償が現実のものになっており、タバコ産業の見通しは実に暗い。まだマリファナの方が健康にいいらしいぞ。

そういうわけで、JTは早急に業態変換した方がいいと思うな。

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「エニイ・ギブン・サンデー」

オリバー・ストーン監督、アル・パチーノ、キャメロン・ディアス、デニス・クエイド、ジェームズ・ウッズ、ジェイミー・フォックス、LL COOL J、マシュー・モディーン、チャールトン・ヘストン、アン・マーグレット、アーロン・エックハート、ジョン・C.マッギンリー、ジム・ブラウン、ビル・ベラミー、ローレンス・テイラー、ローレン・ホリー、リーラ・ローション、アンドリュー・ブライニアースキー、ジェームズ・カレン、エリザベス・バークリー、ジャンニ・ルッソ、クリフトン・デイビス

★★★☆

NFLにおいて日曜日はMatch day、つまり試合日だ(もちろん例外はあるが)。アメリカにおけるアメリカン・フットボールの試合は原則として金曜夜にハイスクール、土曜にカレッジ、日曜にプロ、シーズンは9月から翌年1月まで。その間の「与えられた日曜日いずれにおいても」全力を尽くせ、そんなプロのペップトーク(ロッカールームで選手に飛ばす檄)がタイトルの由来だろう(すみません、調べてません)。

で、最大の山場はアル・パチーノ演じるロートル・コーチ一世一代のペップトークだ。この盛り上げ方はす、すごい。映画であることを忘れて感動してしまった。

NFLのインサイドを描き過ぎたのか、設定では架空のチーム、架空のリーグになっているが、内実はほとんどNFLそのもの。試合場面の骨がブチ当たるような音とか、汗と血が(実は眼玉も)飛び散るさまはまるで戦争映画以上の迫力。

キャメロン・ディアスのいけずなオーナーも好演。エピローグの記者会見のオチも秀逸。フットボール好きに限らず、この映画の描写テクニックは一見の価値あり。しかしまあ、ただ撮っただけという気がしないでもない。他意はないが。

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Text by (C) Takashi Kaneyama 2000-2001