映画「インサイダー」を観て、急に南の島へ行きたくなった。誰もいない浜、小さなバンガローが1軒。サーフィンもダイビングもせずに、波と遊んでぼーっとしたい。

いや、映画のなかのアル・パチーノは無理矢理とらされた休暇という失意のどん底から、着々と打つ手を打って逆転に持っていくわけだが、私はただただ脳が溶けるような曖昧で怠惰な夏を過ごしたかっただけなのであった。

いろいろ調べて考えてみた結果、実は仕事上、行かねばならないところがあったことを思い出した。バリ島のウブドである。しかし、ウブドは内陸で海に面してはいない。いいや、バリ島のどっかのビーチでぼーっとするのと、アートやら芸能やらを堪能するのと、緩急がついていいじゃないか。

アジア初心者としては、乾期のバンコクという線もあったのだが、なにしろウブドは仕事絡みでもあり、行きたい気分が盛り上がったらもう、それで止まらなくなってしまった。

例によって航空券のみの手配。さすがに8月はどこも高い。ガルーダもコンチネンタルも10万円を超す。日系はさらに高い。しかも長くても21日FIXしかない。こんなのなら、15年勤続でもらったJTBの旅行券を使おうか、と思ったくらいである。

だがシンガポール航空のオープンを発見して、いくつかにメールで空席情報を問い合わせ。どこも「満席でキャンセル待ち」という返事なのだが、そのキャンセル待ちの見通しが全然食い違う。 結局、いつものエアー＆シー・サービスに電話したら30日OPENが8万円で、その場で20日の成田→シンガポールと22日のシンガポール→デンパサールならOKが取れたので決めてしまう。トランジットで行ける21日のシンガポール→デンパサールの便をキャンセル待ちにしていたら2日後にOKになった。よしよし。

宿は・・・本とネットで眺めただけ。メモも取らず。なんとかなるだろ。旅行代理店経由だと大幅なディスカウントがあるのは、他の東南アジアと同じらしい。

さて、準備の要点は＜虫対策＞と＜電源対策＞である。虫さされの薬と防虫スプレーをいつもの薬セットに追加。それにもちろん蚊取り線香。現地でさらに補充する予定。また、電源がない場合のために、照明から電源を取る「二股ソケットで片方は電源」というブツを秋葉原で物色。

通信は・・・運を天に任せるしかないかもしれない。おおそうだ、今回はトイレットペーパーを忘れてはいけまい。芯を抜いて折ると驚くほど薄くなるのだ（しかし、日焼け止めを忘れていて、成田空港で買った） 。さらに乾きやすいナイロン製のショートパンツとか、スポーツサンダルとか、日除けのキャップとか、折り紙も買っておいた。でも、いまだに鶴を折れない。

お金はドルのキャッシュを10万円≒900ドル用意し、あとは非常用の円の現金と。基本はPLUSネットワークのATM引き落としにすることにした。ちゃんとデンパサールのングラライ空港にもウブドにもATMがあることになっている（web上では）。少なくともデンパサール市内にはVISAのキャッシングが出来る場所があるはずだ。

あとは・・・と。しょうゆとかわさびは持っていかない。傘は土砂降りでは役に立たないし、小降りならバンダナでいいのでいらない。着替えはTシャツと長袖シャツでいいから上着なし。サンダル中心だから靴下も2足。 というわけで、荷物は頼りないくらい軽くなってしまった。

あ、海水パンツも入れておこうっと。

出発前にやることがあったのだが・・・

みなさん、許してね。

生命保険の払い込みが間に合わなかった。国民年金もまだだし。

マンションの総会には出席できないし（いちおう理事なんだけど）。9月の山荘行きはなんにもしていないし。

なにより、肝心の仕事の企画書が未完成だ。う〜ん、これは現地で書き上げるしかあるまい。

行き先と期間を実姉に知らせないといけないし。留守中に観葉植物を観てもらったりするための手配もしないといけないし。管理人さんに不在の告知しないといけないし、郵便局に行って郵便物留め置きしてもらわないと。新聞も止めておかないと。

わわわわわわ・・ぎぎぎっぎぎ・・（壊れてきたらしい）。