インターネット経由のリモート監視

警備保障会社によるリモート監視

火災・盗難対策としてのリモート監視はSECOM等と契約する方法が一般に普及している。SECOMシールは強力な警告効果が期待できるが、月当り約1万円の経費がかかる。この経費が理由でながらく契約をためらい、下記に述べるようなインターネット経由のリモート監視を試みて来た。

しかしPCとインターネットに依存するシステムは不安定で、旅の途中どこでもアクセスできるわけでもない。結局、機器買取方式で月々の経費を削減する方式で2006年、SECOMと契約することにした。

記録型監視カメラ

インターネット経由のホームセキュリティーではないがビデオカメラで動画を録画する方式である。

赤外線センサーで自動起動する専用ビデオデッキにビデオカメラで動画を録画する方式もあるが高価。

2005年に日本セキュリティー機器販売よりNS-200CISというCS/BS連動予約機能付の家庭用ビデオデッキ背面入力端子(L-1)に接続できるカメラが手ごろな価格で発売された。このカメラは熱感知センサーで自動起動して映像信号をビデオデッキに送り始める。ビデオデッキ側のCS予約ボタンを押しておくとカメラからの映像信号を検知して予め設定した時間だけ カメラが映像シグナルをビデオデッキに送り録画する仕組みである。したがってテープには無駄な隙間ができないので後でレビューが簡単。ただし録画開始までに最大数秒の遅れがあるので横切る影像は記録されない。カメラに向かって歩く人物の影像を残すに最適である。夜は赤外線照射による暗視カメラ(暗視距離2-3m)になる。27万画素のカメラとビデオデッキは20mのケーブルで接続する。

熱感知センサー付きカメラ

ソニーとパナソニックのデッキは使えないそうだが、その他メーカーはOK。我が家のビクターのデッキのビデオカメラを接続し、デジタルCS予約ボタンを押してからビデオカメラのスイッチをオンにすると録画を開始し、オフにしたら停止することを 事前確認した。2005年6月NS-200CISを買って来て20mのケーブルで接続して試験した。熱感知センサーはガラス窓越には検知しないので屋外の監視には屋外にセンサー付きカメラを設置する必要がある。持ち合わのビデオデッキの有効利用のため、最も安価な記録型監視カメラシステムである。 インターネットを使ったリモート監視はできない。

取り付け工事は石綿ボード壁を貫通する穴を穿たねばならない。コンクリート用振動ドリルで防塵マスクをつけて難なく突破。道路を通過する自動車で誤動作しないように角度の調整に手間取った。

熱感知センサーが道路を通過する車に反応してしまうため取り付け角度の調整に苦労した。センサーとカメラが別々の角度調節できるようにしてくれればともっとよく作動するのにと機器設計の未熟さを思う。

5年後の2010年6月、内装工事の時、撤去。カメラの支持金具が腐食で限界にきていた。

ダミーの監視カメラ

にせ監視カメラは沢山売られている。素人には十分効果があるがプロにはどうだろうか。

アナログ電話回線を使うリモート監視

赤外線センサーで不法侵入や火災を検知すると携帯を含む指定の電話番号に自動的に電話する装置である。電話番号は10箇所登録できる。装置は優先順位の高い順に順次電話を掛けてくれる。電話内容は事前に録音しておく。警察や消防署には事態を判断してから連絡する。

少しコストがかかるが、赤外線センサーで不法侵入や火災を検知し、サイレンを鳴らし、指定の電話番号に自動的に電話したあと、通報を受けた電話機で侵入された部屋の音を聞き、室内の設置したスピーカーから発声できる装置がある。オプションで赤外センサーと連動する ビデオカメラの静止画像を42枚メモリーに保存してくれる。

この方法は日本の携帯電話が国内独自システムのため海外旅行中には使えないという欠点がある。

インターネット経由のリモート監視

自宅不在時のPCの有効利用としてモニターを除くPCの消費電力費負担のみのコストで実施可能な方法である。利用の仕方に2通りある。

<可変IPアドレスによる常時接続環境下>

リストカムという シェアウエアの動体検出・影像処理・自動アップロードソフトとロジテックビデオカメラを組み合わせれば有料の指定ウエブアサイトを使わずとも、常時使っているプロバイダーのサーバーの非公開ファイルに自動アップロードができる。 「七里ガ浜ライブ」と同じラインアップである。 むろんGoogleなどに補足されるがjpgファイルだけだからかまわない。それを旅先に携行するiモード 携帯F505iGPSClieのブラウザーNetfrontなどで時々覗きにゆく わけである。 携帯の縦型の画面一杯に画像が表示できるように90度回転させた映像をアップロードする。履歴画像ファイルもHDに保存できるため、犯罪捜査資料として警察に提供できる。

ただし可変IPアドレス環境下ではカメラの角度を変えるという芸当はできない。

落雷などによる停電でPCがダメージをこうむらないためにも、バッテリーバックアップのあるノート型のPCを使ったほうが良いだろう。1週間連続して使うと、何らかの原因でソフトがフリーズしてしまう難点がある。

この他にも、可変IPアドレスをつかったインターネット常時接続のPCにUSB直結するロジテック社のビデオカメラを使うQcam Expressがある。 添付ソフトには撮影とアップロードを自動化させ、例えば15秒毎に静止画像をQcam Express指定の有料のウエブアサイトにアップロードしてくれる機能がある。利用者は外出先からパスワードを入力してこのウエブサイトを閲覧する仕組みになっている。 このソフトには動体検出機能もある。ビデオカメラの見ている画面の時間当たりの変化量がイキ値より大きくなると自動的に動画をハードディスクに記録する仕掛けとなっている。

<固定IPアドレスまたはDDNSによる常時接続環境下>

カメラの角度をリモートで操作するためには外部から内部LANに接続する必要がある。このためには固定IPアドレスサービスかDDNSサービスが必要となる。アサヒネットはフレッツADSL契約の時は有料で、NTT光ファイバー回線Bフレッツコースの時は無償で 、固定IPアドレスをくれる。イーアクセスコースの場合は固定IPアドレスはもらえない。無償固定IPアドレスの魅力にひかれNTT光ファイバーBフレッツファミリーコース契約+IP電話導入と比較してみた。通話相手がすべてIP電話としてもADSLイーアクセスコースが 経済的。 現在のADSLの1.5Mbの下り速度でもFM湘南のストリーミングを問題なく受信できているのでADSL以上の高速は今のところ必要ない。 光ファイバーのメリットは落雷の被害がないということ位か?

消費税込み費用項目 ADSLイーアクセスコース(円) NTT光ファイバーBフレッツファミリーコース(円)
プロバイダ支払い合計 3,731 1,995
NTT東日本回線使用料他 1,849 6,279
パワードコム利用料金(アナログ電話) 2,000 0
有線通信費合計 7,480 8,274

代替法としてDDNS (Dynamic Domein Name System)を使うことが考えられる。無料のDDNSサービスをつかって自宅サーバーを構築するという手法と同じ。カメラを自宅サーバーにつなぎこのPCに外部からアクセスするということになる。PCのセキュリティー確保が問題となる。ロジテックのネットワークカメラならCPU内臓だから使える。

DDNS環境下では外部から直接CPU内臓ビデオカメラにアクセスして動画をみながらカメラアングルも調節できるようになる。ナショナルがホームネットワークカメラとして商品化している。 マイクロフォンも標準装備。無線LAN接続も可能。ナショナルが提供するDDNSサービスは有料。

リモート監視以前にすること

リモート監視以前にすることがある。一番有効なのは門、塀、生垣等で家の周りを囲まないことである。塀で囲み死角をつくることはかえって不用心であることが証明されている。

つぎに自動点灯、照度切替の玄関灯や外灯を適所に設置する。省エネルギーも考慮して適所に赤外線センサー点灯のスポットライトを設置する。また電源の一部は自然エネルギー利用としている。スポットライトは強力なハロゲン球は球装着・交換時、指でガラスに触れると寿命が短くなるので注意が必要。交換用ハロゲン球どこでも売っているわけでないし、交換するにも中国製のネジの精度が低く、ハウジングがかじりついて開かない。

寿命で断線した棒状ハロゲン球

ハロゲン球程ではないにしても、外灯に10年使って寿命の来たT型蛍光灯もチョークコイルを内臓しない4本電極を持つタイプであるため、交換球の入手は容易ではなく、取り寄せに1週間かかる。そういえば、キッチンの作りつけの30w蛍光灯も容易に手に入らない。電気製品の製品寿命は短く、永く使っている者にとっては不都合である。

窓ガラスを自動車の風防ガラスと同じプラスチックフィルムをサンドイッチにした防犯用のガラスに替えるか、二重サッシとする。二重サッシの場合、外のサッシのガラスを破ってもサッシのノブを回すことができない。防犯用のガラスや雨戸より安上がりで、小エネ、防音効果大で、美観上もすぐれている。台風時に、風圧で雨水が敷居を越えて室内に流入する恐れもない。(実は二重サッシととしたのは防犯よりこちらの目的が先であった)二重ガラスは省エネには役に立つが、防犯には何の役にもたなない。このほかガラスを破っても外せない予備錠など手は沢山ある。

ドアのシリンダー錠のピッキング対策としてディンプルキーを使用する防犯錠を追加することである。これはドア脇のガラスを破って手をいれて中のノブを回しても合鍵がないかぎりドアをあけることはできない。ということは家の中に人が残っている時、出かける人は決してこの予備鍵をつかってはならない。残された人が火災時に逃げ場を失う。ピッキング対策以外に、カム送り開錠の不可能なタイプの鍵に交換することも重要。

2002/4/29

Rev. June 15, 2010


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