放射能検出器

ー食品安全チェックー

 

2009年8月11日早朝5:07に地震で目が覚めた。かなり強い(震度4)。10日7:57にも東海道南方沖の深さ340kmを震源とするM6.9の地 震(鎌倉は震度3)があったのでその余震かなと思いながら又寝てしまった。

7:00の起き抜けに台風9号の雨が降っている中、新聞を取りに外にでて結構濡れた。TVをつけると震源は駿河湾でM6.5であるという。浜岡原発の至近 距離である。TVはなかなか浜岡原発について報道してくれない。報道管制が敷かれているなら自衛のためにシャワーを浴びてもしかしたら雨に含まれている放 射能を洗い流したほうがいい。逡巡しながら1時間待った。ようやく浜岡原発は震度6弱の地震で420ガルが観測された。運転中の4号と5号炉が自動停止し た。発電所内の放射能は場所によって高くなったが外部には漏れていないという。これでシャワーを浴びないですんだ。

この地震はプレート境界で発生するM8クラスの巨大地震ではなく、境界より深いところにあるフィリピンプレート内部で発生したもので、依然として東海地震 はこれから来るということになる。前から携帯型の放射能検出警報器の購入を検討していたのだが2.2万円もする。 そろそろ東海地震も近いと感じる。M8はM6.5の200倍のエネルギーだ。早速 12日には注文した。

注文後の13日の早朝には八丈島付近でM6.5の地震が発生した。いずれも早朝である。これは太陽の引力が地震のきっかけになっていると感ずる。


NUK ALERT

購入した警報機はちょうどキーホルダー型なので常時持ち運びができる。警報穴から常時カチカチ音が聞こえる。これはサンプリングの作動音だという。

購入した携帯型の放射能検出警報器急性放射線障害がでる1mSv/h(1,000μSV/h)が最低の警報点なのでメルトダウンした福島第一原発1号炉の格納容器のベント開放時の境界モニ タリング値に達しないと警報しないレベルである。 米国製でガンマ線とX線に反応しアラームを一定時間ごとに鳴らす。被爆量はアラームの数で表現される。センサーは、希土類蛍光体(タリウム活性化ヨウ化ナ トリウム結晶、(NaI)が発する光を受け取る硫化カドミウム光電素子で作られているとのこと。 この仕組みはシンチレーション・カウンターといわれる。24 時間いつでもスイッチオン状態で、周囲の環境を監視し、長寿命の電池によって、最低10年の連続的な監視が可能であり、長期にわたる放射能の危機に対応す るのに十分なパワーを持っているという。強い被爆を検出して最大レベルの連続アラームが鳴り続ける状況下でも、電池は最低1ヶ月持続する。0.1レントゲン/時間(1mSv/h=1,000μSv/h)の放 射線量のガンマ線またはX線に当てるとアラームが1回鳴る。急性放射線障害は1,000mSv、死亡率 50%は4,000mSv、死亡率100%は7,000mSvであるからこれが鳴ったら即その場を離れなければならないというあくまで最後通牒をつきつけ るような機器だ。その後35秒毎にこの1回のアラームが繰り返される。放射線量が2倍になる毎にアラームの回数が 1増える。最大である50レントゲン/時間以上の場合アラームは休みのないサイレンに変わり、放射線量が強くなればなるほど間隔が短くなり頻繁に鳴るよう になる。

1R=8.77mGy(ガンマ線なら8.77mSv)

だから正確には

0.1レントゲン/時間=0.9mSv/h=877μSv/h

NUK alertをもって「もんじゅ」の格納容器に入ったが警報はでず。

蛍光燈のグローランプの中には、微量の放射性同位元素プロメチウム-147が塗布されていて、これから出るβ線の 電離作用によって放電がすばやく起こり、蛍光灯が点灯しやすくなっている。NUK alertをグローランプに近づけたが警報はでず。

煙感知器には、アメリシウム-241が使われている。アメリシウムから放射されるα線の電離作用によって、小さな 隙間に電離電流が流れている。ここに煙が入ってくると流れる電流が小さくなるので、火災による煙を検知することができる。NUK alertを煙感知器に近づけたが警報はでず。


ヨー化セシウム結晶(CsI)シンチレーションカウンター

2011年3月11日の福島原発事故後、過去10年間、原発事故に備えよと警告してきた森永先生が「紺屋の白袴」ではいけないと購入されたのはヨウ 化セシ ウム結晶(CsI)をガンマ線→可視光変換結晶につかうものだそうだ。潮解性がある結晶で寿命が気がかりであるとい う。光電倍増管をつかうとことは同じ原理。PCに接続してスペクトル図も描けて80万円するという。スペクトル図がなぜ描けるかというと、ガンマ線の強度 keVに比例して発光輝度が変わるので半導体光センサーで測定した輝度を横軸に、1000秒間の発光回数を縦軸にプロットすると下図のようなスペクトル図 がPC上に描け るのだそうだ。



私が購入したのはもっと安いセシウムだけを高感度で測定できる日本の堀場製のRadiだ。これはカウント10CPM=0.01μSV/hの感度で測定範囲0.001−1SV/h (1-10,000CPM)セシウムの放射線強度662keVの0.5-3倍のエ ネルギーのガンマ線を測定できる。この機種は価格の割に高精度で世田谷や杉並で放棄ラジウムを見つけるという成果を上げている。

シンチレーションカウンターはヨウ化セシウム結晶が放射線を光に変換し、この光の発光回数を光ダイオードで測定するしかけ。12.5万円、ただし納期は 2ヶ月 かかった。


内部被曝をさけるための食品スクリーニングはバックグラウンド放射線(無論今東日本は汚染でたかくなっていて横須賀で0.05μSV/h即ち50CPM)をまず計り、そのメーター値を見ながら食材にセンサーを近づけて増える分が食材 の放射能ということになる。この差が出れば良いわけで、出なければ食べてよしとするという使い方。感度がよくないとこの差は出ないから小型ガイガーカ ウン ターではだめ。

シンチレーションカウンターは経年変化でカャリブレーションしないと狂うが、まだ新品のため、今のところ正しい数値を示している。古くなっても相対値 を使う程度なら問題なく使える。

測定結果例

(1)鎌倉市七里ヶ浜自宅内、食品および周辺の測定結果は下表の通り(2011/10-11)


μSv/h
居間食卓上(背 景放射) 0.038
100gの玉ね ぎ、米、豆腐、キャベツ、豆腐、 ダイコン、さんま 0.038
500gサツマ イモ(水洗済み) 0.043
500g国産豚 肉 0.044
塩化カリ(減塩 塩) 0.044
階段付近の屋内 鉢植え植物 0.040
階段と常時開け ている窓際、トイレ、バスルーム 0.054
屋外手持ち(地 上1m) 0.050
煙感知器直近 (アメリシウム-241) 0.068
庭の芝生(直置 き)、七里ヶ浜住宅街(地上 1m) 0.080
ガレージ出口道路脇の側溝から回収した土砂(直置き)
0.115
鎌倉広町緑地峰すじ(地 上 1m) 0.033
鎌倉広町緑地谷すじ(地 上 1m) 0.062

これで判明したことは食品は重量のある国産豚肉とサツマイモを除き、サンプル量が小さいため、バックグランド(背景)との差異は計測されない。すな わち0.001μSv/h以 上の汚染はサンプルが多量にないと計測できないということになる。500gの国産豚肉ヤサツマイモのバックグランドとの差は0.005μSv/h となる。重量当たりの汚染度は0.8Bq/kg となる。

夏の間、南の窓は閉め切ってクーラーを24時間稼働させたので居間や寝室の汚染は少なく0.038μSv/h 位。しかし北のトイレや階段の 窓は開けっ放しなので0.05mSv/h、落葉を清掃した屋外手持ち0.05mSv/hとなっている。だから屋内の汚染は3月15日と 21-22日の降雨のものというより常時窓を開けておくことにより周辺の土壌から風で飛んでくる粒子による汚染と考えられる。これらの掃除は掃除機だけで はだめで雑巾がけしないと汚染は除去できない。カーペットなどは 使うべきでないとわかる。町内を歩くと安山岩の石積みの周辺では低く、大谷石の周辺では高い。これはセシウムが吸着されているからだろう。我が家は落ち葉 など取り除いたため か汚染度は低い。雨水の貯槽も完全ドレインしたため、汚染は検出されない。

(2)東京都小平市集合住宅屋内は0.08μSv/h、屋外手持ち0.08μSv/hで差がな い。これはできるだけ空調を使わずに節電に努めた生活スタイルのため。もっと窓を閉め 切って空調機を使う生活スタイルに改めな ければいけない。グリーンな生活とか節電などということは政府がなんといおうとしばらく忘れるこ と。そして床は頻繁に雑巾がけすること。セシウムは塩と考えればよく、水に溶けるのでシーツ・布団類も水洗すること。玄関のカーペットは取り外してリノ リュームにすること。冷蔵庫の中も雑巾で定期的にぬぐう。さて屋外玄関先の落葉地面直置き0.25 microSv/hもあった。これでは国の除染目標の年間累積1mSvを超えてしまう。秋には落葉のクリーニングするというが、早くしなければいけない。 したがって子供は水たまりではあそばせないこと。近くの公園は凸の地形で汚染物質は洗い流されたようだ。しかし集合住宅の北 側の低地は危ない。ここに流れてきて濃縮している。(2011/10/16)

(3)東京都白金台屋外1m空間線量0.08μSv/h、植え込み至近距離0.14μSv/h、 駐輪場屋根の雨樋下の苔0.16μSv/h、 コンクリート建て集合住屋内0.075-0.085μSv/h。1年の半分しか使ってないので あまり窓は開けていない。玄関口、通路の汚染がみられる。

(4)銀座の喫茶店のテーブルトップは0.073μSv/h、その下の床の隅は 0.09μSv/h

(5) 地下鉄やJRの車両 はリノリュームの床をモップがけしているためか室内と同0.04μSv/hのレベル。

(6) 品川から藤沢までの旧東海道沿い路 上放射線量

(7) 神田神保町学士会周辺0.134μSv/hのレベル。(2011/10/30)

(8) 千葉県津田沼千葉工業大学キャンパス内0.25μSv/hのレベル。(2011/12/23)

(9) 藤原新也が沖縄の八重山列島の竹富島で測ったら0.08μSv/h、海上30kmで0.04-0.05μSv/hであったそうだ。 我が家とほぼ同じ。どうなってるの?

(10) 新潟県知事が新潟県の汚染マップに苦情を呈した。花崗岩地帯とマップが一致するので花崗岩のラジウムかカリウム40の放射線を計測しているのではな いかという疑問だが、これはスペクトル図を描けば原発由来のセシウムと天然のラジウム、カリウムの違いははっきりする。

背景放射遮断法

手持ち計器は0.001mSv/hを計測できるが背景放射と区別できないため、飲料水や食品の汚 染を計測す るには分厚い鉛の箱に水1kgと一緒に数分入れて お かなければならない。水が一番きれいで、環境より放射線が少ないためだ。市場に責任持って売る水産会社の魚介類の計測には背景放射を遮断できる250万円 程度の装置が使われている。

代替品としてヨシザワLD株式会 社のB型鉛レンガ8個で厚さ5cm、内容積1literの暗箱を作れる。鉛建値@203yen/kgで運賃・消費税込で@725yen/kg。ち なみに鉛重量 は68.2kg。パレットに乗せられて配達された鉛ブロックは重いので2日間ガレージ前に放置したが盗難には合わなかった。重す ぎて持ち運びできないのである。



パレットに乗せられて配達された鉛ブロック

8個の鉛レンガは一個一個段ボールの箱に入れられていた。輸送中に摩耗させない配慮と考えた。これらをパレットの上で組 み立てると下図のようになる。1リットルの空間にサンプルとセン サーを入れて、密閉し、計測するという算段だ。鉛は裸のため白手袋で扱ったが手袋に灰色に鉛が付着する。このままでは重くて移動もできない。移動は1個 10kgに達するレンガを解体して運ぶしかない。この過程で鉛中毒にならぬようにしなければ。



さてこの鉛遮蔽の中の放射線量は0.003-0.00Sv/h であった。厚さ5cmの鉛ブロックでガンマ線は1/10になるという。ガレージ内のガンマ線は0.035μSv/h だから暗箱内は0.004μSv/hとなるはず。宇宙線は鉛でも遮蔽でき ない。 森永先生はセンサー1cm2当たり2CPM位あるだろうという。センサー面積が0.5cm2なら宇宙線は 1CPM=0.001μSv/hとなる。合計0.005μSv/h となり、ほぼ実測値と一致する。


食品の測定法

サンプルは5x10x10cmの形にして遮蔽箱に入れ測定法する。それに接して計測器を入れ密閉し、数分後のμSv/h を読む。数回行って平均値をとる。
産業技術総合研究所によればISO7503-1 or JIS Z 4504規定に従うと放射能面密度4Bq/cm2の10cmx10cm標準面線源の直上5mmに有効窓面積20cm2の ガイガー計数管をおいて置くと係数率1,000CPMになるという。

Radiでは10CPM=0.01μSV/hと表示されるので。有効窓面積0.5cm2のRadi では0.025μSV/hと表示されるはず。10cmx10cm標準面線源は400Bqの放射能 を含む。有効窓面積0.5cm2Radiの計測値 0.001μSv/h のとき、16Bqが遮蔽箱内にあることになる。


カリウム40による測定法の検定

カリウム40は天然に存在する代表的な放射能で、太陽系がつくられた時から存在している。同位体存在比は0.0117%である。 カリウム40の放射線強度は260,000Bq/gであるから、カリウム塩の放射能強度 は 30.4Bq/gとなる。カリ元素当たり21.2Bq/gということになる。したがって減塩塩100g中 27.6gのカリ元素を含む減塩塩の放射能は27.6x20.1= 555Bq/0.1kg すなわち5,550Bq/kgということに なる。

減塩塩の測定法だが156gしかない。これを10cm2に薄く広げて計測すると0.01μSv/h である。直径6.6cm深さ4.1cmのプラ スチック容器に入れて測定すると3回の平均値が0.0125μSv/h、 直径6.3cm深さ4.6cmのプラスチック容器に入れて測定すると3回の平均値が 0.0117μSv/hとなる。直径6.6cm深さ4.1cmのプラス チック容器に入れて測定した値が最大値のため、以後サンプルの形状はこの形状を採用して測定し、同 じ換算係数を使うと872Bq/kgとなる。両者は一致しない。


背景放射遮断下で測定した食品の汚染


下のベクレル換算値は
計測値0.001μSv/h のとき、16Bqが遮蔽箱内にあるとしたときのkg当たりに換算した値である。

食品 サンプル量 サンプル放射 遮蔽箱内背景放射 正味サンプル放射 サンプル放射能 セシウム暫定基準値 新基準 食品中のカリウム40の放射能
  kg or liter μSv/h μSv/h μSv/h Bq/kg or liter Bq/kg or liter Bq/kg Bq/kg
鎌倉の水道水 (litter) 浄水器の有無に無関係 0.5 0.004 0.003 0.001 32 成 人200、幼児100 10 0
日田天領水 (litter) 0.5 0.003 0.003 0 0 成 人200、幼児100 10 0
サントリー南アルプス天然水(litter) 0.216 0.003 0.003 0 0 成 人200、幼児100 10 0
ミルク 北海道乳業函館工場(litter) 0.5 0.006 0.004 0.002 64 成 人200、幼児100 50 50
生協ミルク 塩原市下野田新生酪農製 (litter) 0.5 0.007 0.004 0.003 96 成 人200、幼児100 50 50
生協スキムミルク 横浜パイオニア企画 0.105 0.008 0.0043 0.0037 564 成 人200、幼児100 50 200
生協伊那産コシヒカリ無洗米 2010年産米 0.5 0.005 0.004 0.001 32 500 100 30
生協伊那産コシヒカリ無洗米 2011年産米 0.208 0.003 0.003 0 0 500 100 30
日清強力粉(輸入小麦) 0.4 0.006 0.004 0.002 80 500 100 30
生協国産ベーコン 0.222 0.003 0.003 0 0 500 100 100
コーナンのプリマハム製ホワイトロースハム 0.2 0.0053 0.00043 0.00487 390 500 100 100
生協栃木県産ゴボウ 0.32 0.004 0.004 0 0 500 100 200
生協長芋 茨城県霞ケ浦市下稲吉 0.406 0.005 0.005 0 0 500 100 200
有機栽培ニラ 瀬谷市綾瀬西沢農場 0.31 0.005 0.005 0 0 500 100 200
有機栽培ダイコン 瀬谷市綾瀬西沢農場 0.29 0.004 0.003 0.001 55 500 100 200
有機栽培サツマイモ 瀬谷市綾瀬西沢農場 0.25 0.0053 0.004 0.0013 83 500 100 200
有機栽培サトイモイモ 瀬谷市綾瀬西沢農場 0.23 0.005 0.005 0 0 500 100 200
有機栽培ショウガ 瀬谷市綾瀬西沢農場 0.132 0.0037 0.0037 0 0 500 100 200
有機栽培乾燥ウコン 瀬谷市綾瀬西沢農場 0.042 0.0067 0.0057 0.001 381 500 100 200
有機栽培ニンジン 横浜市瀬谷区岩崎農場 0.348 0.0097 0.004 0.0057 262 500 100 200
生協のタマネギ 北海道産 0.394 0.0077 0.005 0.0027 110 500 100 200
味の素製減塩塩  カリ塩27.6wt% 0.156 0.0125 0.004 0.0085 872 - - -
除染後の自宅庭の土(地表 0.06microSv/h) 0.19 0.008 0.0047 0.0033 278 8000 (セメント100) 8,000 -


水道水の汚染

鎌倉の水道水は浄水器の有無に関係なく暫定値を上回る程度検出される。これは丹沢に降った雨が山野のセシウムを集めてくるためと考えられる。この水の一部 はわれわれが摂取するが大部分はトイレのフラッシュ28%、風呂24%、キッチンシンク23%、洗濯17%、洗面他8%に使わる。(堀居氏調べ)これが雨 水とは完全に隔離された鎌倉市の下水処理施設の活性汚泥に吸 収蓄積されて汚泥焼却灰 は管理基準を超す線量となっている。この汚泥焼却灰は一ヶ所に集めて集中管理する必要があろう。集中管理法については元理研主任研究員の野崎正氏が名案を提案されて いる。

さすが日田天領水やサントリー南アルプス天然水からは検出されず。子供にはボトルで購入する飲料水を与えることが推奨される。

大気中の放射性物質ラドン-222は時間が経つと鉛-214(半減期27min)やビスマス-214(半減期20min)となり、雨滴や雪に付着して地表 に落下し、水道水に入ったということでは半減期が短くて説明できない。

ミルクの汚染

ミルクはコーナンで購入した北海道産函館も生協の塩原市下野田産も幼児には危険レベル。乾燥商品はどうしても濃縮されるため、 生活クラブ生協のスキムミルクは暫定値 近く高い。

穀物

生活クラブ生協から購入している2010-11年伊那産のコシヒカリの無洗米は少ないかゼロ。輸入強力粉が意外に多い。パン用小麦粉は農水省が一括してカ ナダから輸入しているという。


肉類

生活クラブ 生協の国産ベーコンは不検出。コーナンの安いプリマハムは結構汚染されている。どうもコーナンは安かろう悪かろう商法であるので用心しなくては。


乾燥食品

有機栽培・乾燥・粉末にしたウコンは濃縮されて線量は高い。お茶や乾燥シイ タケと同じだ。いずれにせよ一日の摂取量がすくないから問題ない。


北海道産食品の汚染について


北海道の食材なら安心だろうと
北 海道産の 牛 乳と 生活クラブ 生 協の栃木産ミルクは同程度に汚染されている。 生活クラブ 生 協の北海道産タマネギを測定したところ無視できない量が検出された。

北海道は汚染もないのにと不思議に思っていたところ 2011/11/16に名古屋大学
の 安成哲三教授ら の国際研究チームが事 故で放出されたセシウム137の一部は、北海道や中国・四国地方にまで拡散し、雨などの影響で土壌に沈着した可能性 があることが分かったと発表。原 発事故のあとの3月20日から1か月間、各地で実際に計測された放射性物質のデータを地球全体の大気輸送モデルと組み合わせ、シ ミュレーションを行った結果という。

文 部省は除染の必要ない程度というが、外部被ばくはそのとおりでも、内部被ばくは別の問題。ヘリによる測定は北海道や西日本を除外しているため詳細不明。



根の深い作物は汚染が少ない

セシウム汚染は深く土を耕さないと地表5cm程度にとどまる。したがってダイコン、ゴボウなど根の深い野菜の汚染は少ない。栃木県産ゴボウは土付 では屋外程度の線量を示したが、洗ってカットし、水に浸漬した後、線量はゼ ロに なった。 瀬谷市綾瀬の漬物会社の野菜屑を使う有機栽培ダイコンは暫定値程度であった。


有機栽培作物について


瀬谷区で3月に市内から集めた植木剪定枝、落葉を所有地で粉砕堆積し腐食させた堆肥を使った有機栽培ニンジンは汚染が高い。やはり神奈川県に降ったセシウ ム汚染の植木剪定枝、落葉を多量に使ったことが原因ではないか。 瀬谷市綾瀬の漬物会社の野菜屑を使う西沢農園の有機栽培ニラ、サトイモ、ショウガは無検出であった。

農薬は毒物だから使わないにこしたことはないのは当然だが、ここから誤解が生ずる。有機肥料が有効なのは土中のバクテリアなどの相互けん制力で農薬なしに でも作物が病気にならないところが合成肥料より優れているというだけで、化学合成肥料は毒物質ではさらさらないということを理解してもらわないといけな い。それに有機肥料を使っても害虫まで防いでくれないから物理的防虫が必要となり、金はかかるわけ。窒素肥料のやりすぎによる地下水汚染は外国で深刻な影 響がでている。これは地下水を飲料用水に使っているとき周辺で有機肥料、無機肥料に関係なく過剰に施肥すれば発生することだ。日本では表流水が豊富なた め、地下水を飲料に利用している例がすくないのと、水田で は過剰肥料は海に流れるため、外国ほど地下水汚染は深刻な問題とはならない。いずれにせよ、世界の70億人の人口を養うためには化学合成肥料なしには 無理ということを理解しなければいけない。有機栽培は満ち足りた人々のためのステータス食と位置づけられるのだ。

今回のような放射性汚染のあるときに汚染された落ち葉などの有機肥料を使うと放射能の汚染物質の拡散の原因となることだ。ここが一般に理解されていないで 漫然と有機農業が いいと思っている人が多い。こういう非常時は有機物は肥料にしてはいけないと思う。政府は知っていてだんまりを決め込む。生協もこれを知っているが急に有 機栽培農家を切り離すと有機栽培農家が絶滅してしまうことを心配して契約を継続しているわけ。消費者はそこらへんの事情も理解して自主判断する必要があ る。


カリウム40について

我が家では高血圧防止に減塩醤油をつかっている。塩分のうち50%は塩化ナトリウム、残り50%は塩化カリウムだ。塩化カリウムにはカリウム40という放 射性物質が含まれていてそちらの害の方が高いのではと疑ったが一日5g摂取として4Bq程度だから問題ないだろう。

免疫学者安保徹(新潟大学大学院医歯学総合研究科教授)氏が身体を飢餓状態に置くとミトコンドリア の電子伝達系が、カリウムの放射線や紫外線などのいずれも高エネルギーの電 磁波を使ってATPをつくるので有益などと喧伝している。仮に進化の過程でミトコンドリアがそのような使い方を学んだとしてもが、あくまで自然に食物から 摂取されるカリウムの放射線に限定されるものであり、人為的に増えたセシウムの放射線を使うとは考えられない。ここらへんを勘違いしてホルミシス効果を言 いふらす人もいて困ったものだ。


文部省のガイドライン

以上のような測定をして感ずることは文部省が2011/1/1打ち出した学校給食用素材の測定器の性能として40Bq/kgを測定可能なものとし た理由がよくわかる。40Bq/kg以上は廃棄せよということに等しい。これは正しい方向だ。


土地の汚染


福島県では1,000Bq/kgまたは空間線量が0.1μSv/hより高 い地域は米作の場合予備検査することにしている。では我が家の庭(除染済み)汚染程度は食品と同じ方法で測定すると278Bq/kgだった。側溝の土は もっと強い線量だったがまだ未測定。

ガイガーカウンター

ガイガーカウンターの原理はガンマ線がガスを電離させることをつかって高電圧で放電することをカウントする。

  市販品 自作
不活性ガス アルゴンやヘリウムガス 窒素
連続放電阻止ガス ハロゲンガス ブタン
内圧(atm) 0.1 1
印加電圧(V) 500-700 3000-5000
入射窓 雲母 ラップ材

ガイガーカウンターは安いもので2万円くらい。江東区の奇特な人が自作キットのガ イガーカウンターの読みをUSTREAMで常時放映している。 常時10〜20CPMという。このガイガーカウンターの1分ごとの放射線のカウント値CPM (count per minute)で100CPM=1μSV/h に相当する 。東京都日野市南平2丁目石川宏氏宅、木 造2Fの窓辺に設置したα, β, γ線測定ガイガーカウンターは米国のBlack Cat Systems社のGM-10で ある。

単位換算

こういう計測器は1つの放射性部物質が崩壊する時に出す、放射線の数と強さを数える。1つの放射性部物質が1Bqである。計測器の結晶面積に入る数当たり x Bq/cm2と数える。

物質が放射線から吸収したエネルギー量で測定する場合、線量率の単位は、Gy/h(グレイ/時)で表す。空気吸収線量率ともいい、表示単位は一般的に nGy/h(ナノグレイ/時)という。

生体(人体)が放射線を受けた場合の影響は、受けた放射線の種類(アルファ線、ガンマ線など)によって異なるので、吸収線量値(グレイ)に放射線の種類ご とに定められた放射線荷重係数(WR)を乗じて線量当量(Sv)を算出する。

Sv=WR×Gy

放射線荷重係数WRは、放射線種によって値が異なり、X線・ガンマ線・ベータ線ではWR=1、陽子線ではWR=5、アルファ線ではWR=20、中性子線で はエネルギーによりWR=5 - 20の値をとる。

Ci=37,000Bq

100rem=1Sv


世界の高自然放射線被曝量と癌発病率

現在の日本各地の自然放射線

地域
平均値(mSv/y)
最高値(mSv/y)
核種
影響
ラムサール(イラン)
10.2
260
イラン北部に東西に延びるエルブルツ山脈の北側の麓に位置するカスピ海沿岸の町。線源の主要核種は,226Raとその崩壊生成核種が原因。ラジウムそのものの崩壊ではアルファ線しか放出されないが、その後の娘核種の崩壊でベータ線やガンマ線なども放出される。
人家や畑とは離れている。高い放射線地域の住民に有害な 影響は認められない。高放射線地域でガンの発生率が高いというデータはない。むしろ発生率が低くなっている調査結果がいくつもある。これは、自然放射線 が、抗酸化酵素やDNA修復酵素を増加させ、染色体異常を減らし、ガン発生率を減少させているものと思われる。
ガラパリ(ブラジル)
5.5
35
チタン鉄鉱ジルコナイト・モナザイト鉱物が自然に分離し、細粒となった砂。ジルコニウムの代わりに数 %以下のトリウムやウランなどを含む。
電 力会社が自然放射線量及び原子力発電所の安全性を説明する場合において、この10万人都市を事例の一つに用いていた。内部被曝によるものと思われる末梢血 リンパ球の染色体異常や、対照地域に比べて癌の死亡率が高いとする調査報告もあるが、生まれる子供の性比、先天性異常、流産、死産、乳児死亡、受胎率、出 産率などは他の地域と差がなかった。
ケララ(インド)
3.8
35
ブラジル・ガラパリと同様にモナザイトの細砂。
この地域の住民のうち、男性は海上で漁師。海上では放射線量率は0.027μGy/hと低い。住民の癌罹患率が自然放射線による生涯累積線量と関連することを示す証拠は得られなかった。
陽江(中国)
3.5
5.4
村の農作地を粘土地層まで堀り、この土でレンガを製作。レンガ中の232Thおよび238Uの崩壊生成核種
この地域には7万人が居住。がんなどの発生率が近隣と変わらないことに加え、なぜか結核の死亡率が明らかに低い。
香港(中国)
0.67
1.0
自然に花崗岩に含まれるウランや、香港の建物に使われているコンクリートやタイルから空気中に流れ出ている

日本
0.43
1.26
岐阜県が比較的高い
平均値:0.43 x 1000/8760=0.049μSv/h
最大値:
1.26 x 1000/8760=0.14μSv/h
飯館の福島事故による汚染:33.3 x 1000/8760=3.8μSv/h


以上をみると10mSv/y(1.1マイクロSv/h)まではあまり気にすることはないと分かる。

100mSv以下も放射線と癌化率は比例するとするLNT仮説とは矛盾しない。

August 13, 2009

Rev. August 28, 2017

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