奥多摩

雲取山

wakwak山歩会は2002年4月の定例登山に東京都の 最西端、最高峰の雲取山(最高地点 2,017メートル)を選んだ。日本百名山の一つでもある。4月初旬で暖かい日が続いたとはいえ、残雪が予想されたため、北面を登る埼玉県側からの登山は 採用せず、鴨沢(かもさわ)から登り、三条の湯に下るルートを選んだ。総距離24.84km、累積登り2,220m、累積下り2462m。


第1日

奥多摩駅でタクシーと交渉し、鴨沢からできるだけ小袖集落に入る道を入ってもらう。あとは尾根の中腹のなだらかな坂を登 るだけである。3時間登ってようやく堂所(どうどころ)に到着。ここで昼食。尾根の上は日本海にある高気圧 から吹き出す北風が強い。七ツ石山は敬遠してまき道をとりブナ坂につく。ここから山頂までの尾根は東京都と山梨県の県境となっている。山梨側数十メートル は防火帯とするため木が伐採されていて眺めはよい。空は雲ひとつ無く、富士山はその全容をあらわにしている。

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浅間嶺から遠望した雲取山の石尾根

左端が雲取山、中央が七ツ石山、右端が鷹ノ巣山

七ツ石山から雲取山に至るブナ坂と防火帯が見える

五十人平ヘリポート、奥多摩小屋を過ぎ、小雲取山前から雲取山のまき道で雲取山荘に向かう。北斜面に入ったとたんアイス バーンと化した残雪に出会う。初めて軽アイゼンを装着して歩き始める。メンバーの一人コンチャンが軽アイゼンの片方を失うがなんとか山荘着。(Hotel Serial No.239)

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雲取山荘

雲取山荘は数年前新築され、個室で食事もよい。ビールに自販機もある。ただ給水システム凍結のため、洗面所は使えず、水 の補給もままならない。担ぎ上げたバーボンを飲んで20:00には就寝。

第2日

5:30起床。食堂の窓から三重の火口を見せた浅間山のめずらしい 姿を見る。

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雲取山荘から見た浅間山、手前は両神山の西尾根

軽アイゼンの片方を失ったままのコンチャンの不安をのこしたまま凍結した北斜面を雲取山 頂に向けて登坂開始。山頂まで200メートルである。滑落もせず無事山頂に到着。そこは零下2度ではあるが、雪も無く、陽光が燦燦と降り注ぐ場所であっ た。雪をかぶった富士山がその雪の斜面に陽の光を反射して輝いている。気温は零下2度。昨夜来の北風は強い。

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雲取山頂から見た富士山

富士山から右に目を転ずれば大菩薩嶺のなだらかな山が見える。その右手遠方に赤石,、荒川、塩見、農鳥、間ノ岳、北岳仙丈、甲斐 駒ケ岳の南アルプスが全容を現している。その手前には鳳凰三山、眼前には飛竜山(大洞山)が控え、更に右には国師ヶ岳、甲武信ヶ岳が見える。国師ヶ岳の後 には金峰山(きんぷさん)大弛峠が あるはず。北側は林にさえぎられているが、北西には浅間山が見える。南東に目を転ずれば、東京湾がかすみのなかに光っている。しかし東京の町並みはスモッ グの中によどんでいて見えない。この山はかって鶴ヶ島カントリークラブ (Golf Club Serial No.5) から見たことがあるが、東京から見えないのはスモッグのためであろう。その右遠方に丹沢山塊、そして近くに三頭山が見え る。ここに40分とどまって景色を堪能。

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雲取山頂から見た南アルプス 左から荒川、塩見、農鳥、間ノ岳、北岳、仙丈  手前は飛竜山

山頂の360度パノラマ

雲取避難小屋から三条ダルミに向けてよこなぐりの北風を受けながら急斜面を下る。三条ダルミは西隣の飛竜山に連なる尾根 の鞍部である。ここから南斜面をだらだらと下る。北風もここまでは来ず急に暖かくなる。嫌になるほど歩いてようやく三条の湯に到着。

三条の湯と後山林道を連絡する急斜面の中腹に作られた狭い登山道で土砂崩れが発生し、山小屋の管理人はその修復工事のた め出かけて無人であった。その土砂崩れの現場は乾いた土砂が途切れなく斜面を崩れてくる状態であった。一瞬その流れが止まった時に膝まで土砂に埋まって、 横すべりしながら横断する。この登山道はもう一箇所土砂崩れのため迂回路が用意されていた。後山林道に入ってしまえばお祭りまで8キロのを歩くだけであ る。2時間に1回しか来ないバス時刻に合わせるべく、昼食を入れて早足で3時間歩き通した。NHK-TVで紹介された奥多摩温泉もえぎの湯で汗を流す。

雲取山はその奥行きが深く、歩きに歩いたわけで、数日間、体中が痛んだ。また強風、温度変化の幅の大きさがあったため装 備の重要性を再認識した。当初の計画では後山林道をタクシーで入る計画であったが、もしタクシーに断られればとても登山どころでなくなるとして逆コースと したのである。自家用車乗り入れは禁止されていないので、後山林道に乗り入れ三条の湯から登るのが賢い方法であろう。

今回はじめて雲取登山を小型デジカメを使って数分間のビデオ撮影を試みた。これをカット・編集・タイトルと音楽を付けて 2分35秒のビデオを作り、CD-Rに焼いて参加者にプレゼントしたところ好評を得た。サイズが大きいためここではご紹介できないが、そのイントロ部をビ デオクリップでちょっと紹介する。

第1日4月4日(木)                         

7:40八王子駅→9:05奥多摩駅→(タクシ−)→9:50鴨沢→小袖乗越→12:00堂所(昼 食)→ブナ坂→奥多摩小屋→小雲取山→雲取山まき道→16:30雲取山荘 ( 17,000歩、泊)

第2日

7:10雲取山荘→8:00雲取山→三条ダルミ→11:00三条の湯→青岩谷出会→(途中で昼食) →13:45お祭→バス→奥多摩駅→奥多摩温泉もえぎの湯→町田にて乾杯 (2日間の累計46,000歩)

装備・食糧

雲取山荘  TEL:0494-23-3338、1泊 7,000円, 弁当代 1,000円

2002/4/6

Rev. November 14, 2017


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