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暮らしWORLD・からだ百科:筋肉の可能性
毎日新聞 2005年6月23日
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◇力引き出し、寝たきり予防
筋肉は驚異のマシンだ。体が動くのも筋肉のおかげだが、その力の限界はどこにあるのか。筋生理学者で、日本を代表するボディービルダーでもある東京大学大学院・石井直方(なおかた)教授(50)と考えた。【大森泰貴】
●17トンの潜在能力
陸上競技の男子百メートルで14日、3年ぶりの世界新記録となる9・77秒を出したジャマイカのアサファ・パウエル(22)。その筋肉のパワーを時速にすると約36・84キロとなる。やはり脚力勝負の自転車では、95年にオランダのフレッド・ロンペルバーグ(当時50歳)が樹立した瞬間時速268・831キロが平地での最速記録。自動車が風よけになったとはいえ、新幹線並みのスピードだ。「筋肉がいかに効率的なエンジンか分かりますね」と石井教授。筋肉のメカニズムを研究する一方、ボディービルダーとして81、83年の日本選手権、82年のアジア選手権に優勝し、81年の世界選手権で3位に入った実績を持つ。
筋肉の最小単位・ミオシン分子は自分の重さの約1億倍の力を出すという。「体重70キロの平均的男性の全身の筋肉(約28キロ)が生む力は約17トンに達します」。スポーツマンは全身の筋肉を協調して動かし、驚異的な記録を生むのだ。普段鍛えていない人が効率的にトレーニングした場合、全身の筋量は約2倍に増やせる。筋力は筋量に比例するため、筋肉の限界は理論上はそこまでだ。
ここ10年ほどで遺伝子レベルの研究が進み、筋肉の成長にかかわる因子が次々発見された。注目株は「ミオスタチン」という筋肉の成長を抑制するたんぱく質。「ドイツの医師が通常の2倍の筋量がある幼児を発見しました。レスラーのような体格で、5歳ぐらいなのに3キロのダンベルを軽々上げたそうです。ミオスタチンにかかわる遺伝子に変異があったようですね」
よくドーピング(禁止薬物使用)で問題になるステロイドは、筋肉のたんぱく質の合成をうながし肥大させる。だが、ミオスタチンを抑制する方が筋肉増強効果は大きいという。先天的にミオスタチンが少なければ、鍛えなくてもボディービルダーのような肉体になる。では、遺伝子操作によって通常の2倍の筋肉を持つ人が誕生し、猛烈にトレーニングしたら……。石井教授は「あくまで仮定ですが、身長190センチ、体重200キロとしてベンチプレスで500キロ、スクワットで1トンを持ち上げる怪物が生まれるかも」。
●力だけではない
トップアスリートでも、筋肉をフルに使ってはいない。過度の力を出すと骨折などの恐れがあり、出力70%程度に脳が抑制するからだ。「火事場のバカ力」という言葉もあるが、訓練したり、かけ声をかけることなどで、発揮する力の上限を高めることはできる。だが、実際の競技では筋力だけに頼ることは少なく、上級者ほど反動を利用して最小の力で最大の効果を上げている。「野球の投手は、かかとから腰、上体、腕へ反動を使ってうねり上げる動作をする。江川卓投手ら速球派の腕は決して太くありません。筋力だけに頼っていない証しです」と石井教授は言う。
力と速度の源泉は筋肉なので筋力トレーニングは大切だが、競技ごとに必要な筋量と体形は異なる。投手より打者、打者より砲丸投げと、担う重量が大きくなり、動作が遅くなるほど競技者の腕は太くなる。「スポーツの記録向上には筋量だけでなく、筋肉をどう使うかというスキルの進歩が非常に重要です。水泳を見れば分かるように、わずかなフォームの違いで劇的に記録がよくなる。トレーニング法はまだまだ進化しますよ」
●加圧リハビリ
今、注目されているのが「加圧筋力トレーニング」だ。サトウスポーツプラザ(東京都府中市)代表の佐藤義昭さんの発案で、特殊なベルトで上腕や太ももの付け根をしばり、血流を適度に制限して行う運動法。筋肉が低酸素状態になり、乳酸が蓄積される。すると、脳は筋肉にきつい負荷がかかったと勘違いして成長ホルモンを分泌させる。短時間で比較的軽い運動でも筋力増強できるため、プロゴルファーの杉原輝男さんら多くのスポーツ選手が取り入れている。
川崎市中原区の小田切病院はこれを医療に応用し、5年前から約1万人の患者のリハビリに利用してきた。「大腿骨頭壊死(だいたいこっとうえし)など難病の治療に使えるほか、脳血管障害による手足のまひも今までのリハビリとは違い改善できます」と小田切研一院長。高齢者でも成長ホルモンが分泌され、筋量が増えて寝たきりを予防できる。
「ほぼ寝たきりだった104歳の女性に週5日、1日1回30分間、手足を動かす加圧リハビリを行ったところ、血液中に乳児や10代の100倍の値の成長ホルモンが分泌されていることがわかりました」。血液検査を依頼した会社から「104歳とあるが、4歳の間違いでは」という問い合わせまで来た。この女性は今は普通に歩き、日常生活でも不自由はないという。
一方、大腿骨頭壊死で通院中の公認会計士の男性(40)も「加圧トレーニングのおかげで、人工関節を入れるなど危険な手術をせずに済んだ。こういう治療法の存在を、同じ病気の人に知ってほしい」と話した。
加圧リハビリは東京大学付属病院の「22世紀医療センター」プロジェクトでも共同研究が進められるほか、米航空宇宙局などが無重力下での宇宙飛行士の筋力低下を防ぐトレーニングへの採用を検討中だ。石井教授が言った。「高齢でも成長ホルモンが分泌されるとあれば、大きな老化防止効果が望める。筋肉の研究は未開拓領域が多く、ほかにもさまざまなトレーニング法が開発中です」。筋肉の可能性は無限というわけだ。
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-人- 先端医療技術になりつつある加圧トレーニングを発明した
佐藤 義昭さん
神戸新聞 2005年月11日
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手や足の付け根を特殊なバンドで巻いて圧迫し、軽い運動をするだけで筋肉が短時間で付いてくる「加圧トレーニング」。十代初めから筋肉トレーニングに興味を持ち、スポーツジムの経営の傍ら、十六年間かけて工夫を重ね、編み出した。
「血流の圧迫で、脳が筋肉に大きな重量がかかったとだまされて、筋肉を救おうとあらゆるものを分泌してくる。世界中のドクターも勉強していなかった分野」
心臓病や糖尿病の治療に向け、東大病院「22世紀医療センタープロジェクト」にも取り入れられ、日本発の先端医療技術になりつつある。
最初は運動選手の間で広がり、現在は脳梗塞患者のリハビリなどにも応用されている。簡単で効果が高い。「介護予防にも大きく貢献できる。筋肉を付けたくて始めたが、ここまで来るとは夢にも思わなかった」
学会でも多くの成果を発表してきた。客員教授格で指導する東大病院では、来春の講座開設に向け共同研究が進行中。
ポイントは血流圧迫で百倍にもなる成長ホルモンや血管内皮成長因子など分泌の急増。これらが心筋に直接作用し、心筋収縮力の増強など多彩な効果がでるという。
「法事の正座で足がしびれ、筋肉を酷使した感覚に似ていることに気付いたのがヒントになった」。*血流を止め過ぎて倒れ、何度か肺血栓で死ぬ思いをしたことも。一つのことをやり遂げる執念が半端じゃない。
加圧トレーニング学会の会長も務める。東京都出身、五十六歳。
(*注:この試行錯誤が怪我の功名となり、安全かつ効果的な方法が確立し、現在の加圧トレーニングに通じる基本マニュアルが出来上がっていきました。)
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中高年の筋トレは 軽めくらいが効果的
東京スポーツ 2005年2月25日
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■目からウロコの健康ヒジョーシキ
「屈めよ屈め、屈みなさい」と、私は鏡を見ながら屈伸運動をしています。九六歳で筋力がアップした人がいます。筋トレは何歳でも効果があるのです。筋力トレーニング、略して筋トレですが、転倒や寝たきりの防止にも効果があるということで高齢者が取り組むケースが増えています。私も最近筋トレを開始しました。
中高年が筋トレを始める場合の注意点は無理しないことです。「こんな程度ででいいのかな」と思うくらいがちょうどいいのです。
軽い負荷で短時間、短期間にけがや病気のリハビリにも効果が上がると、注目されているのが「加圧トレーニング」です。手足の付け根を専用のベルトで適度に締めて血流を制限し、軽い運動をするトレーニング法です。
血流の制限で、筋肉に疲れた時にでる乳酸がたまり、激しい運動をしたのと同じ状態になります。これを脳が察知すると、成長ホルモンが分泌されます。ホルモンは骨や筋肉の成長を促すだけでなく、脂肪を分解し、しわを減らしたり毛髪を増やしたりする効果があるとされています。
転倒防止には、太ももの前やおしり、おなか、背中の筋肉を鍛えるのが重要です。それには背筋運動が家でも簡単にできてよいでしょう。両手足を自然に広げて、うつぶせになり、右手と左足を上げ、一秒維持して戻します、次に左手と右足を上げ、それを交互に繰り返すという簡単な方法ですが、これが転倒防止によいようです。
東京医科歯科大学教授 藤田紘一郎 |
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脳梗塞で不自由な体がリハビリで動いた!!
東大病院でも専門講座開設、研究始まる
夕刊フジ 2004年12月3日
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■驚異の楽トレ 進化する加圧トレーニング
軽い負担の運動でも効果の高い「加圧トレーニング」に今や、当初の“怪しい”イメージはない。それどころか、そのメカニズムへの関心は、東大付属病院が産学提携で医学研究を目的としたプロジェクト「22世紀医療センター」でも専門講座が開設されるほどになっている。「脳に対する“刺激”がカギとなって、体内で劇的な変化をおこしていると考えられる」。東大病院の循環器内科の森田敏宏助手(39)も、医療分野での加圧トレーニングの有効性に注目する一人だ。
自らも加圧トレを体験してその効果に「最初はすごいビックリした」という森田助手は、心筋梗塞など心臓疾患が専門。10月に開講した同センターの「虚血循環生理学講座」にも所属し、治療に応用できるかどうか、データーを取りながら実地に試している段階だ。
■ノーベル賞も・・・と発明者の鼻息あらく
実際研究室の同僚の義父が「閉塞性動脈硬化症」という足先の血管が詰ってしまう病気で、指先が壊死しかかっていたのを、加圧トレを続けたことで見事に治療。「成長ホルモンなどと一緒に分泌されたVEGF(血管新生因子)が新たな血管を作ったと考えられる」(森田助手)という”成果”も出ている
民間病院の中には、骨折や靭帯損傷などの治療やリハビリや加圧トレを応用しているところもあり、効果的な治療実績を残している。加圧トレを発明した佐藤義昭さん(56)によると、「脳梗塞で動けなかった人がリハビリに加圧トレを取り入れたことで動けるようになった」という“奇跡”のような事例もあるのだという。
森田助手も「病気を対処的に治すのではなく、血管を強くするなど、加圧トレが根本的な治療となりうる可能性がある」という東大病院での研究に力を入れているのだ。
佐藤さんはさらに今年6月、医学分野での研究を積んでもらおうと医学専門家らに呼びかけ、「日本加圧トレーニング学会」を設立。学会誌の発行も英文で行う予定だ。
■素人の“生兵法”は絶対ダメ、命の危険も
「米ハーバード大など世界の研究者からも問い合わせがあり、日本初の新しい研究としてグローバルに広まりつつある」と自信を示す。
「今後、医学分野での研究が進み、画期的な仕組みであることが証明されてくればノーベル賞だって夢じゃありませんよ」と、加圧トレの可能性に佐藤さんの鼻息も荒い。
筋肉アップのトレーニングから始まった加圧トレが、世界の医療を支える画期的な治療法となる日は案外、近い将来に訪れるかもしれない。
ただし、ゴムやチューブを使った素人の“生兵法”だと、命の危険もある。くれぐれも専門家の指導を仰ぐことが肝心だ。(安藤寿人)
写真説明 リハビリや治療でも活用され始めた加圧トレーニングは今月5日、東大安田講堂でシンポジュウム(東大病院22世紀医療センター−主催)も開かれる
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高齢者の筋トレ 何歳でも効果が
毎日新聞 2004年11月4日
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■「こんな程度で?」くらいに
筋力トレーニング、略して筋トレ。転倒や寝たきり防止に効果があると高齢者が取り組むケースが増えている。
中高年者が筋トレを始める場合の注意点について、東京大学の石井直方教授(筋生理学)は「無理をしない。『こんな程度でいいのかな』と思うくらいがちょうどいい」と助言する関節や腱が弱くなっているからで「15回でけっこうつらい」が目安。
続けるうちに楽になったら、水の入ったペットボトルをもつなど体にかかる負荷を変えられるのも筋トレの長所。息をこらえると血圧があがるので、呼吸を止めないことが大切だ。「98歳で筋力がアップした人もいる。筋トレは何歳でも効果があります」と石井さん。
軽い負荷で短時間、短期間にけがや病気のリハビリにも効果が上がると、注目されているのが「加圧トレーニング」。手足の付け根を専用のベルトで適度に締めて血流を制限し、軽い運動をするトレーニング法。サトウスポーツプラザ(東京都府中市)の佐藤義昭さんが38年前から試行錯誤を重ね、トレーニング法として確立した。
血流の制限で、筋肉に疲れた時にでる乳酸がたまり、激しい運動をしたのと同じ状態になる。これを脳が察知すると、成長ホルモンが分泌される。「ホルモンは骨や筋肉の成長を促すだけでなく、脂肪を分解し、しわを減らしたり毛髪を増やす効果もある」と石井さんは言う。
加圧トレーニングで、それまで使われていなかった毛細血管に血液が流れるようになることも分かっている。しかし、血流の制限は危険が伴うので、自己流は厳禁だ。
スポーツウェアメーカーのフェニックスは、加圧トレーニング専用ウエア「カーツを」百貨店やスポーツ用品店で販売している。同社の講習を受けたアドバイザーが適正な圧を設定し、目的に合った使用方法をアドバイスする。
■日常生活でも筋力アップできる
転倒防止などのために足腰を鍛えたい場合は、どうしたらよいのだろう。アメリカ・エアロビクス&フィットネス協会(AFAA)ジャパン顧問の整形外科医、安藤邦彦さんによると、歩くには体のバランスを取り、体重を移動する必要がある。
そのためには、太ももの前やおしり、おなか、背中の筋肉を鍛えるのが重要。「椅子から立ち上がる時、足を少し椅子から離したり、大またで歩くなど、日常生活でも筋力アップはできます」と話す。
写真はAFAAパーソナルフィットネストレーナーの清宮忠さん実演による高齢者でも無理なくできる筋力トレーニング法です。 【石塚淳子】
腹筋運動
初心者は両手を頭に添えると首を使いすぎて痛める可能性がある。あおむけに寝たら両手を太ももに置き、太ももの上を滑らせるようにして両手をひざに近づけながら上体を起こす。1秒維持し、戻す。
背筋運動
両手を自然に広げて、うつ伏せになり、右手と左足を上げ、1秒維持して戻す。左手・右手と交互に。
スクワット
脚を曲げる時、ひざを前に出さず、上半身が前に倒れないようにする。正しいフォームの維持には壁に向かって立ち、ひざや額が壁につかないよにする。きついと感じる場合は壁に手をついても良い。
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攻めの健康法 加圧トレーニング
腕や脚にベルトをまいて 筋力を鍛え、血流も改善
アエラ増刊 2004年10月7日
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両腕や両脚に専用の加圧ベルトを巻いて締めてトレーニングする。今まで血流が悪く、使われていなかった末端の毛細血管にまで、血液が流れ込んで血流を促進する。筋力増強とともに、血圧を下げる効果も期待されている。
「通常のウエートトレーニングに比べ、短時間の軽い負荷で、ハードな運動をした時と同じくらいの効果がある。しかも関節にあまり負担をかけません」
加圧トレーニングで中高年のリハビリや健康増進を指導している東京・池袋の「アスリートサポート」の田中宏昭さん(44)は、そう話す。
■全身の血流改善を実感 短時間で体調調整
田中さんは1989年の全日本トライアスロン選手権優勝者。後にスポーツトレーナーに転身した。95年、テニスの松岡修造氏のウィンブルドン大会ベスト8進出をトレーナーとして支えた。そんな田中さんが加圧トレーニングを導入したのは5年前だ。
「まず、自分で試してみて、全身の血流が良くなるのが実感できた。当時苦しんでいた腰痛も楽になりました。自分自身のコンディショニングを短時間で整えられるので、とても重宝しています。」
加圧トレーニングのもう一つの効果に、成長ホルモンの分泌促進がある。
「成長ホルモンは、脂肪を落し、筋肉を引き締めます。全身的に若返る効果がある、小さな負荷でも、筋肉中の酸素が不足するため、脳を刺激して、筋肉の合成に欠かせない成長ホルモンの分泌と、筋肉の発達が促進されます」
そもそも加圧トレーニングは、ボディビルダーのサトウ義昭氏(56)が40年かけて開発したもので、日米欧など6ヶ国で特許を取得済み。全国に指導者が広がっている。
■成長ホルモンの分泌で病状改善やダイエットも
埼玉県のある女性(57)は一昨年11月、体力の衰えを改善しようと、田中さんの指導のもと、加圧ベルトを締めた状態でダンベル・トレーニングやウォーキングを始めた。
この女性は約5年前から、中高年女性に多いといわれるヘバーデン結節に苦しんできた。変形性関節症の一種で、両手の人さし指から小指までの第一関節が曲がってしまい、時折痛むという。
「整形外科にも行きましたが、『年寄り病だから』と相手にされませんでした。でも最近は血流が良くなるせいか、加圧トレーニングした4日後まで指の痛みをあまり感じなくなり助かってます」
成長ホルモンによる筋力アップや病状の改善、ダイエットやリハビリ、さらには若返りまで、加圧トレーニングの効果は幅広い。 (荒川 龍)
■こんな効果がある
1.けがや病気で血流の悪くなっている部分の血流も良くする
2.成長ホルモンの分泌を促し脂肪を落して筋肉をつける
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注目集める「加圧トレーニング」
乳酸も実は役に立つ!
夕刊フジ 2004年7月27日 |
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■働き盛りのための健康法
運動によって生じる乳酸(疲労物質)は活性酸素を発生させ体をサピさせる原因といわれてきた。ところがものは使いよう、乳酸をうまく利用した「加圧トレーニング」に今注目が集まっている。
アンチエイジングの立場から加圧トレーニングに注目した日本鋼管病院内科・人間ドック脳ドック・米井嘉一室長は、平均年齢約38歳の男女20人で実験。専用の加圧ウエアを着て運動をした人と着なかった人とでは、乳酸の産生量に大きな差が出ることを発見した。
「注目は、成長ホルモンの分泌量。加圧ウエアを着た群では運動から15分後に分泌がピークに。これは乳酸の濃度の上昇を感知した脳が、成長ホルモンを分泌するからです。適度な乳酸は成長ホルモンの分泌を促すが、運動で瞬発的に乳酸を産生するのがよいのです」(米井室長)
筋生理学の第一人者・東京大学の石井直方教授の実験では、加圧トレーニング後分泌される成長ホルモンは運動前にくらべ100倍以上との結果も出た。脂肪を落とし、筋肉を引き締め、若返り効果があるとされる成長ホルモンだが10代後半がピークで30歳を境に急激に減少の一途。
それが加圧トレで成長ホルモンが分泌されるのだが、謎は血流にある。加圧で血流が適度に制限されると、普段使われていない毛細血管にまで血液が流れ込み活性化される。それを受け、筋繊維が活発に動き、結果、筋肉中に乳酸などの代謝物が産生され成長ホルモンが分泌される。
昨年4月、初心者向けに発売された加圧トレーニングウエア「カーツ」(発明者の佐藤義昭氏とフェニックスの共同開発)はすでに30代〜50代の男性を中心に2万5千人が購入した。ブームに火がつき始めた。
■加圧トレーニングを発明した佐藤義昭さん(55)は、中学1年から自己流ボディービルディング開始。高校3年生のころ、法事の際、正座で足がしびれた経験が「加圧」理論を生む。自分の体を人体実験に体のあらゆる部分を加圧し、理想のウエアを開発。
上腕と太股の付け根に専用ベルトで適切な圧力を加える。10分間、ウオーキングなど軽い負荷運動をするだけで、ハードなトレーニングをしたときと同じ効果が得られる。東大・石井直方教授との共同研究で加圧筋トレーニング理論を世界に発表、秋、米国進出が決定している。
■加圧運動が成長ホルモンと乳酸に与える影響」(米井嘉一氏調査)
対象は加圧トレーニングウエア着用10人、非着用10人(ともに平均年齢約38歳)
運動前の乳酸の平均値は1.1mg/dl、成長ホルモンの平均は5.4ng/mlだが、運動により、着用群の乳酸は2.6mg/dl、非着用群は2.5mg/dlに増加したあと減少へ。
また成長ホルモンは加圧運動の場合、15分でピークに達するが、着用群は15分後8.8ng/mlのピークまで順調に伸びたのに対し、非着用群はピークに達することなく減少し続け、4.5ng/mlにとどまった。
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注目集める加圧筋トレ
圧力ベルトで血流制限 軽い運動で大きな効果
東京新聞 2004年7月23日
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腕や脚のつけ根を専用の特殊な圧力ベルトで締め、血流を制限して運動する「加圧筋力トレーニング」が、中・高年者の筋力トレーニングやリハビリの現場などで広がっている。適度に血流を制限することで、軽い運動でも、より強い運動をしたのと同じ効果が得られ、無理せず筋力アップできるのが特徴だ。(橋本節夫学)
■中高年も無理なく
「はい、それでは足をあげまーす。一、二、三、四」。埼玉県所沢市の所沢スポーツケアセンター。トレーニングルームでは、東京・福生市から通う会社役員秋山栄子さん(七七)が、ペンチに腰を掛けて足の曲げ伸ばしに励んでいた。ももの付け根には空気で圧力が調節できる加圧用のベルトが巻かれている。
秋山さんは週に一度、ここで足や腕の曲げ伸ばし、ストレッチなど三十分間ほどの運動メニューをこなす。「歩くときに足元がふらつくようになって始めたんですが、一カ月ほどで歩き方が見違えるようになったと家族に言われました。今は週一回社交ダンスも楽しんでるんですよ」と笑顔で話す。
秋山さんの娘の典子さん(四九)は、四年前に脳出血で倒れ、医師から車いす生活を宣告された。しかし、加圧筋トレによるリハビリを続けたところ、一年ほどで歩けるようになった。「実は娘をみていて私もと思ったんです」と秋山さん。
■リハビリに威力発揮
同ケアセンセンターには、秋山さんのような高齢者も含め現在三十人ほどが週に一度、トレーニングに通っている。「最初は加圧ベルトを巻いているだけでも、筋力を回復させる効果があります。軽い運動でより大きな効果が得られるので、激しい運動ができない中・高年の人でも無理なく筋力アップできるのが利点です」と話す。
加圧筋トレは、もともとスポーツ選手の間で、効果的な筋力増強法として広がった。石井直方東大教授(筋生理学)によると、その仕組みはこうだ。静脈の血液の流れを抑えることで、筋肉に血液がたまり激しい運動をしたときと同じ状態になる。すると、血液中に乳酸などの疲労物質がたまり、脳を刺激して成長ホルモンが分泌され、筋肉の発達を促す。
石井教授の実験では、加圧運動時には安静時の百倍から三百倍の成長ホルモンが分泌された。一般的に20%程度の負荷で最大筋力の80%程度の運動をしたときと同じ効果があるとされている。
石井教授ば「軽い運動で大きな効果が得られるので、病気やけがで筋力が衰えた人のリハビリなどで特に力を発揮する。すでに六千例を超える症例もあり、驚くような回復効果を上げた例もある」と語る。
ただ、圧力の強さや加圧時間の調節には経験が必要。自己流でやると危険だ。加圧筋力トレーニング本部の認定を受けた指導者がいる施設は現在百五十カ所ある。
■加圧筋力トレーニング
フィットネスジム「サトウスポーツプラザ」(東京都府中市)の佐藤義昭氏(五六)が、三十五年以上かけて開発したトレーニング法。日米仏など六カ国で特許を得ている。最近は、筋力アップ以外にもさまざまな効果がわかってきており、平成十八年度にオープンする東大病院の22世紀医療センターに研究室が開設され、脳こうそくや動脈硬化などの臨床治療への応用も研究されることになっている。
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東大病院、22世紀医療センター構想の連携企業3社を発表
Med Wave 2004年6月30日
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東京大学医学部附属病院は6月30日、新たに設置する産学協同プロジェクト「22世紀医療センター」のパートナー企業として、具体的な計画について合意に至ったとして新たに3社との連携を発表した。
連携が正式決定したのは、武田薬品工業、アンジェスMG、サトウスポーツプラザの各社。東大病院では今年4月に同様の提携が決まった企業6社を発表しており、これで提携企業は9社になる。新規提携が決まった3社の研究プロジェクトの概要は次のとおり。
武田薬品工業:統合的分子代謝疾患科学講座
サブタイプを考慮した代謝疾患の臨床試験システムを構築し、低コストで効率的な代謝疾患改善薬の創製を実現する。このため、患者由来情報の統合解析手法や治療応答性、副作用発生のモデリング環境の構築を目指す。
アンジェスMG:先端臨床医学開発
遺伝子治療学や幹細胞医学、材料工学を用いた心血管疾患の新規治療法開発と臨床応用を目指す。併せて新技術と新規遺伝子などに関する知的所有権取得を進める。
サトウスポーツプラザ:加圧トレーニング・虚血循環生理学講座
四肢の近位部(体幹側)をベルトで圧迫して加圧し、血流を制限した状態で筋力トレーニングを行う方式。通常よりも低い負荷で筋肥大がおきるのが特徴。本講座ではこの加圧トレーニングを中心に、各種疾患患者におけるリハビリ効果などを検討する。
22世紀医療センターは、2006年度竣工予定の東大病院新中央診療棟(第2期)内の2フロアに設置する。 |
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加圧トレーニングでリハビリ
軽い負荷 無理なく 効率よく けがの回復も早く
読売新聞 2004年6月27日
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手足の付け根を特殊なバンドで締め、血流を制限して運動する「加圧トレーニング」が、病気やけがで衰えた筋肉を回復する運動療法(リハビリ)の現場でも広がっている。軽い負荷でも、効率よく運動効果を得られるのが最大の特徴だ。 (科学部 片山 圭子)
「一、二、一、二」東京・立川市の井上整形外科クリニックに、元気よくかけ声が響く。川崎市から週に一度通う主婦Aさん(56)がベンチに浅く座り、足の曲げ伸ばしに励んでいた。左ももの付け根には、加圧用の太いベルト。トレーニングは一回一時間あまり。軽い運動のようだが、額に玉の汗が浮かぶ。
骨盤と大腿骨(太ももの骨)をつなぐ股関節が機能しなくなる「大腿骨頭壊死」と、Aさんが診断されたのは一年半前。腎臓の病気で数年間、ステロイドホルモン剤を内服した副作用と考えられた。
主治医は人工関節の手術を勧めたが踏み切れず、たまたま知った同クリニックにかけつけた。「以前はつえをついて歩くのがやっとでしたが、今は坂道もスタスタ。こんな日が来るなんて」と笑顔を見せた。
同クリニック院長の井上浩一さんは、二〇〇〇年から本格的に加圧トレーニングを診療に導入。ひざのじん帯手術や骨折後のリハビリなどで希望する患者に行っている。「機能回復は人によって違うが、痛みが取れ、筋力をつけることで病気の進行が抑えられる」と話す。けがの場合も、無理せずに早くトレーニングを始められるため、回復が早
まるという。
加圧トレーニングは、もともとスポーツ選手の間で効果的なトレーニング法として広がった。主に静脈の血流を適正な圧力で制限することにより、最大筋力の10−30%の軽い負荷の運動でも、激しい筋力トレーニングを行ったのと同じ効果が得られる。筋肉内に乳酸などの疲労物質がたまった状態を脳が察知し、筋肉を作る働きがある成長ホルモンの分泌を促すためだ。
東京大教授の石井直方さん(運動生理学)の研究によると、加圧運動時の成長ホルモンの量は、加圧なし安静時の二十−百倍以上に達した。元々体内にある成長ホルモンの分泌を促すので、身体への悪影響はないことがわかっている。
感覚的に楽な運動ではないが、実際の負荷が軽く、筋肉組織が破壊されたり、関節やじん帯などへの負担は少ない。このため、身体を思うように動かせない手術後の患者や、高齢者の運動にも取り入れることが可能になった。
加圧用の器具は、ゴムの特殊なべルトに圧力センサーがついている。これを腕の付け根やももの付け根に巻いて使う。圧力や加圧時間は病状によって違う。
病気やけがのリハビリでは、専門的な知識や経験が必須。止血帯などを安易に使い自己流で試みるのは危険だ。講習を受けて「加圧指導者」の資格を取った医師ら医療従事者は三十人を超え、脳こうそく後のリハビリなどに取り入れる病院も出てきた。
■日常の運動に取り入れる
リハビリ以上に重要なのは、けがを防ぐこと。中高年は、年齢とともに筋肉が衰え、日常生活で思わぬけがをしがちだ。けがで動かなくなり、ますます筋力が低下する悪循環に陥ることも多い。寝たきり予防のためにも、ふだんから筋肉を鍛えておきたい。
健康な人なら、市販の加圧ウエア(上下で約3万5000円)で日常の運動に取り入れることもできる。ウエアを販売しているフェニックス(本社・東京都渋谷区)では、散歩に加圧を取り入れる「加圧ウオーキング」を勧めている。足の屈伸や、踏み台昇降などの軽い運動も有効だ。自分に合った使い方を専門家に相談してみてはどうだろう。
■加圧トレーニング
トレーニングジムを営むサトウスポーツプラザ(東京都府中市)の佐藤義昭氏が、約30年前に開発したトレーニング法。手足の付け根を特殊なべルトで締め、主に静脈の血流を制限して運動する。日米仏など6か国で特許を得ており、現在、医師やスポーツトレーナーなどを含め、このトレーニング法の講習を受けた「加圧指導者」が全国各地で活動している。
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転ばぬ先の筋トレ 中高年も鍛え 老後を元気に
日本経済新聞 2004年6月20日
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中高年者の筋力トレーニングが関心を集めている。体が強く若々しくなる。日ごろから鍛えて強い筋肉を「貯筋」しておけば、高齢になっても足の運びが軽やか。転倒して寝たきりになるのを防ぐことができるという。転ばぬ先の筋トレはいかが。
「みんなでのばそう健康寿命、使えば無くなるお金の貯金、使ってためよう筋肉貯筋、老後に備えて貯金と貯筋」大きな声で歌うのは早稲田大学スポーツ科学部の福永哲夫教授。つられて口ずさみながら中高年の人々が屈伸運動を始める。
「貯金は困ったときの備え。体に何かあったときのために蓄えておくのが貯筋です」。「お金と違って、使わないと貯まりませんよ」。会場がどっとわく。
福永教授は健康づくりの講習で「貯筋のすすめ」を説いている。年を重ねても筋肉の量を保つよう呼びかける。足の筋力が衰えると、すり足になる。つまずいて転倒すれば骨折しかねない。そのまま寝たきりになる恐れがある。
歩くのに必要な太ももの筋肉の量は二十代は体重一c当たり二十五cという。ところが四十−四十五歳以降は毎年一%ずつ落ちていく。十cを下回ると自分の体重を支えきれない。十cが寝たきりになるかどうかの境目だ。
太ももの貯筋に有効なのがイスに座ったり、立ち上がったりを繰り返す運動だ。若い人ならば約十秒間に十回。中高年は同二十秒間か、少し負担に感じる速度で十回繰り返すのがコツ。無理は禁物だ。こまめな運動が貯筋につながるという。
中高年が今さら筋トレと思うかもしれないが、驚くほどの効果が表れている。
全国二十の自治体に対して健康作りを指南している筑波大学大学院の久野譜也・助教授によると、筋トレを続けたある七十歳の人は運動習慣のない同年代に比べて、背骨や骨盤を支える大腰筋が断面積で五倍近く大きく太くなっていた。運動を一年続けたら歩行速度が毎秒約十p速くなった人もいる。
筋トレといっても、中高年の場合は体への負担をできるだけ軽くしたい。長時間続けるのも難しく、効率よく鍛える最新のトレーニング法への関心が高い。
「一週間に一回、三十分ほど体を動かすだけで疲れなくなった」。四十代の女性Aさんは引き締まった体で事もなげに言う。手足の付け根をベルトで締め付けたいでたちに秘密がある。
腕の曲げ伸ばしや屈伸だけで、みるみるうちに手足の血管が浮き出した。その姿は激しい運動をした後のようだ。五十代の女性Bさんは「腰痛もなくなった」と驚く。
この運動法は加圧筋力トレーニングと呼ぶ。考案したサトウスポーツプラザ(東京・府中市)の佐藤義昭社長は「手足の付け根の静脈をベルトで適度に締め付けると、軽い運動でも激しい運動と体が錯覚し、効果的に鍛えられる」と解説する。
加圧式の研究に取り組む東京大学の石井直方教授は「加圧式だと数分の運動が、へとへとになるぐらい長時間運動したときに相当する効果をもたらす」と話す。三カ月続けて筋肉の量を二割増やした六十代の人もいるという。
加圧式で効果があがるメカニズムは十分に解明できていないが、血流が制限され、体内の疲労物質の量が激しい運動をしたときのように増えるためとみられる。石井教授らは、筋肉線維が太くなるだけでなく、成長ホルモンの分泌が促されることを確認した。特別な遺伝子が働くようで、血管を作る作用もあるとみている。
佐藤社長は空気圧で手足を締め付ける専用機器を自分のスポーツクラブで活用しているほか、販売している。スポーツウエアを製造販売しているフェニックスと共同で、手足の付け根を締め付けるベルトを取り付けられる専用のTシャツやタイツも商品化している。ただし、使用するときには専門トレーナーの指導に従う。
石井教授は「せっかくの筋トレも事故があっては元も子もない」と戒める。頑張りすぎず、痛みがあればひかえることが大切だ。
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正座のしびれヒントに佐藤義昭氏が30年かけて確立!腕と脚の血流を”適度に ” 制限する方法が6カ国で特許
最近「急にゴルフの飛距離が伸びた」「健康な顔色になった」なんていう人、近くにいませんか?
もしかしたら内緒で「加圧トレーニング」と取り入れているのかも・ ・ ・。サトウスポーツプラザ(東京・府中)の佐藤義昭氏(56)が30年以上かけて発明したこのトレーニング法は、日本をはじめ6カ国で特許を取得している。腕と脚の血流を「適度」制限して行う奇抜な発想はスポーツ界のみならず、リハビリテーションや治療、医療の現場にも広がっている。
■成長ホルモン
ライバルには知られたくない。世界初のトレーニング法「加圧」を取り入れているプ
ロ野球選手やJリーガーなど、トップアスリートは「名前を公表しないでくれ」
というほど、効果絶大らしい。団体で取り入れている女子バレーボール日本代表の最近の強さを見れば納得がいく。
最大の特長は、軽い負荷で大きな効果を得られること 。腕と脚を適度な圧力で締め血流を制限することによって、短時間の軽い運動でもハードなトレーニングと同じような状態を作り出す。筋肉のメカニズムがいい意味でだまされるのだ。負荷が軽いので関節などには負担にならず、中高年の健康増進にも効果を発揮している。
眠っている細胞を呼び起こし、正常なカラダに修復する。発明者の佐藤氏は加圧のメカニズムを簡単な例えで説明してくれた。「カラダの中で100人が働いているとして、70人が働かなくなると具合が悪くなる。加圧によってその70人のうち30人を起こすんです」。流れを制御された腕や脚で血液が行き場を探し、使
われていなかった毛細血管にも流れるようになり、成長ホルモンを活性化する。
正座から ヒントを得た。「筋肉を太く大きくしたい」と常日ごろ考えていた高3の時の佐藤氏が、正座のしびれがトレーニング後の張りに似ていることに気付いたのがきっかけだった。その後30年間、自らのカラダを実験台に失敗を重ねながら方法論を確立
し た。
■介護予防必要
これからの高齢化社会を救うトレーニング法ではないだろうか。佐藤氏は「私もそうだが今後3,4年で戦後のベビーブーム世代(団塊の世代)が60歳を超える。増えていく高齢者が介護される立場でなく、自分で歩いて自分で食べられるよう、介護予防
していかなくてはいけない」と話す。95年に東大の石井直方教授と共同開発を始め、
日英独など6カ国から次々に特許を取得。脳梗塞で1年間寝たきりだった患者が1カ月で歩けるようになるなど、次々と新しい効果が明らかになっている。
昨年3月には JAMSS(有人宇宙システム)と共同開発事業契約を結び、無重力状態での筋力維持など、その方法論は宇宙にまでおよぶ。
スポーツ界から始まった新しいトレーニング法が現在、あらゆる分野で注目されてい
る。
Q.成長ホルモンって何
A.カラダのあらゆる部分の新陳代謝をコントロールし、その名の通り、カラダの成長を促す。体脂肪の分解、筋肉の形成などさまざま。個人差があるが、運動中睡眠中に多く分泌され、思春期以降、年齢を重ねるごとに分泌されにくくなる。成長ホルモンは加圧した腕や脚だけでなく、血流によって全身に行き渡って作用する。
Q.なぜ加圧で成長ホルモンの分泌が促進されるの
A.トレーニングを行うと、筋肉に疲労物質の乳酸が蓄積される。これを脳が察知する
と、成長ホルモンが分泌される。通常のトレーニングでも分泌されるが、加圧によ
り、軽い負荷でより多くの分泌を促進できる。
Q.加圧トレーニングを始めるには
A.必ず指導者の指示を受けて行うようにする。発明者の佐藤氏に直接指導を受けるには、加圧筋力トレーニング本部のサトウスポーツプラザへ。または全国各地で専門的知識をもった「加圧指導者」のいる各支部で行うこともできる。
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体脂肪減に挑みました 筋トレ後の運動で効果的に
朝日新聞 2004年5月11日
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昨年11月にハーフマラソンを完走した後も運動を続けています。4月8日の測定では身長167センチ、体重66キロ、体脂肪率17,8%、BMI(肥満度の指標)23,7.薄着の季節が近いので、あと2キロ体脂肪を減らしたいと考え、36歳の私が効果的なトレーニング法を探ってみました。
BMIは、体重(`)を身長(b)で2回割った値。日本肥満学会は25を超えると肥満だとし、22を理想としている。私の理想体重は、61,4`。一気に減らすのは難しいので、1カ月で体脂肪2`減を目標にした。体脂肪率は15,2%になるはずだ。
純粋な脂肪には1グラム9`カロリーのエネルギーがある。石井直方・東京大教授(筋生理学)によると、体脂肪には水分なども含まれ、1グラムのエネルギーは7`カロリーほど。体は脂肪以外に糖やアミノ酸も燃料として使うため、運動で体脂肪を1グラムなくすには14`カロリーほど消費する必要があるという。2`なら、2万8千`カロリー分の運動をしなければならない。
石井さんは「筋力トレーニングをランニングやウォーキングなどの有酸素運動と組み合わせるといい」と説く。
筋トレをすると脳の下垂体で成長ホルモンができる。成長ホルモンは筋肉をつくる上、体脂肪を脂肪酸とグリセロールという物質に分解することが分かってきた。
体内で実際に燃焼するのが脂肪酸。「まず筋トレで脂肪を分解し、脂肪酸が血中に出てきた頃に有酸素運動をすれば効率よく体脂肪を減らせるはず」と石井さん。
また、肥満に詳しい京都市立病院糖尿病・代謝内科の吉田俊秀部長によると、成長ホルモンには筋肉などでエネルギーを熱として発散させるのにかかわる遺伝子を活性化させる働きもあるという。成長ホルモンが効率化のカギになりそうだ。
そこで、石井さんらの研究で、軽い負荷でも高負荷と同程度の成長ホルモンが出るという「加圧筋トレ」を調べてみた。専用のベルトを腕や脚の付け根に巻き、血流を制限して筋トレをする手法だ。
東京都府中市でスポーツジムを経営する考案者の佐藤義昭さんを訪ね、加圧ベルトを実際に巻いてもらった。じっとしているだけで手足が内側から張るような痛みを感じ、ゆっくり動かすのがやっと。強く締めすぎると、血流が滞って血栓ができる危険があるという。本格的な加圧筋トレは、講習を受けた指導者のもとでしかできない。
石井さんらは40〜60代の女11人に4カ月間、加圧をして上腕を鍛える約10分間の筋トレを週2回の割合でしてもらった。強度は最大筋力の約半分だったが筋肉の量と筋力は約2割増加。加圧しないで最大筋力の8割で鍛えたのとほぼ同じだった。
スポーツ障害患者のリハビリに活用する施設もある。3年前に本格導入した井上整形外科クリニック(東京都立川市)の井上浩一院長によると、早い例では復帰までのリハビリ期間が従来の半分近くで済む人もいるという。
1月から週1回通う大学職員伊藤祥子さんは、トライアスロン大会のアマチュア女性部門で優勝経験を持つ本格派。昨秋の大会で右のひざと足首を痛めてしまった。
右脚の付け根にベルトを巻いて加圧し、約30分かけてスクワットなどをする。最近は足首の痛みはほとんどない。「ひざの調子をもっと良くして、年内に大会に復帰するのが目標」と話す。
■消費力ロリーなどの目安
35〜50歳の女性7人を対象として大阪体育大の豊岡示朗教授らの研究によると、時速4.6`、5,4`、6.4`で1時間ウォーキングをした時の消費力ロリーはそれぞれ平均201、248、342`カロリー。体脂肪の減り方に大差はなかった。ジョギングだと、体重(kg)と走った距離(km)をかけた値が、消費力ロリー(`カロリー)に近い。
体脂肪率には、BMIほど標準的な指標はない。メーカーのタニタは18〜39歳の男性で11〜21%などとしているが、同じ人でも機器や時間帯で変動する。専門家は「長期的な変化に注目を」と助言。
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からだのお話し
加圧筋力トレーニング 軽い負荷で大きな効果
日本経済新聞夕刊 2003年12月17日
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きつい練習をなるべく避けて筋力をアップさせたい、とは一流のアスリートに限らず、誰もが思うこと。腕や脚の付け根を専用のベルトで締め、適度に血流を制限した状態で筋肉を鍛える方法をご存知だろうか。軽い負荷で大きな効果を得られるこのトレーニングが、スポーツやリハビリの現場で広がりつつある。
「高校時代、正座のしびれは何かに似ている、とひらめいたのがきっかけ」と都内でジムを経営する発明者の佐藤義昭氏(55)。ふくらはぎの筋肉を強化するトレーニングで追い込んだ状態とそっくりと気づき、「人工的に血流を減らして負荷をかければ、筋肉が太くなるかも・・・」自らの肉体を実験台に、試行錯誤を重ね、三十年以上もかけてノウハウを確立した。
その名は「加圧筋力トレーニング」。腕や脚の付け根に幅約三センチの専用ベルトを巻き、ごく軽いダンベルなどを使い運動を繰り返す。すると十五分後、成長ホルモンが運動前の平均値の百倍以上に増加。これが筋肉に作用し、太くするメカニズムだ。すでに東大の石井直方教授(筋生理学)との共同研究でさまざまなデーターを取得済みという。
還暦を過ぎてレギュラーツアーに挑戦するゴルファー杉原輝雄も実践者。衰えた体力の回復を狙一九九六年から佐藤氏の指導を受け、一年で太もも周りが7センチ、上腕の周りが3センチ太くなり、「筋肉に弾力性が出て三十歳代の体力に戻ったと実感した」。
ただ、見よう見まねは非常に危険。佐藤氏自身、ノウハウ確立まで多くの失敗を重ねた。「自転車のタイヤチューブで脚を強く縛りすぎ、しびれが止まらなくなったこともあった」。自己流は厳禁、専用器具を使い、専門の指導を仰がなければならない。
ケガの早期回復などにも威力を発揮し、今後は宇宙飛行士や競走馬の訓練への応用も決まっているという加圧筋力トレ。興味があれば、全国各地に百五十人以上いる専門の指導者に相談してみよう。 |
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1回数分 60代も20%筋肉太く 腕や脚にベルト 血液の流れ制限 注目の運動法
腕や足の付け根をベルトで締め、血液の流れを制限した状態で行う新しい運動方法
「加圧筋力トレーニング」が広がりを見せている。軽い付加で大きな効果を得られるのが特徴だ。けがや病気のリハビリ治療にも幅広く活用され始めている、新トレーニング法を実体験してみるとー。
「軽く握りこぶしを作ってください」加圧筋トレ専門トレーナーに言われ、記者は肘を上げてこぶしを握りはじめた。トレーナーは慣れた手つきで幅3cmほどのベルトを腕の付け根に巻く。痛みはないものの結構キツイ。血圧の測定器で最大に加圧された状態よりもきつく感じる。手のひらがみるみる赤くなる。
「血液が流れ込む動脈は締め付けず、静脈を締めている状態。完全に締めてしまうと、血液が流れなくなり白くなります」トレーナーが説明する。500g程度の軽いダンベルを上げ下げしてみる。15回もすると筋肉が張って疲労を感じる。5分ほどで締め付けたベルトをはずすと、ふわっと腕が軽くなった。
「軽い負荷で筋力が付くというのは、従来の常識から言えばナンセンス。最初は全然信じていなかった」。加圧筋トレを科学的な研究テーマにしている石井直方・東大教授(筋生理学)が話す。加圧筋トレの発明者で特許を持つ佐藤義昭氏(サトウスポーツプラザ代表)から依頼され研究を始めたという。
石井教授は47歳の今も現役のボディービルダーだ。昨年15年ぶりに出場した社会人大会で優勝した。「加圧筋トレに取り組んだ結果、以前の5分の1のトレーニング量で現役復帰できるまでになった。効果を身をもって体験した」
「60代の女性20人に、週に2回、5分から10分程度、腕に加圧した状態でダンベル運動を4ヶ月続けてもらった。平均で20%、多い人で30%程度筋肉が太くなるという結果が出た。しかも、直接トレーニングの対象にならない筋肉も20%ほど肥大した」
石井教授がこれまでの実験結果を説明する。さらに「加圧してトレーニングすると、疲労物質である乳酸の血中濃度が著しく上がる。脳は激しい運動をしているといい意味でだまされ、成長ホルモンを大量に分泌する。運動して15分後には、ピークに達し、運動前の平均値の100倍にもなる」と加圧筋トレが、効果を発揮するメカニズムを解説する。
成長ホルモンは
@骨、筋組織の成長促進A体脂肪の減少B免疫の活性化Cしわの減少といった効果があるとされる。
石井教授は「米国の研究で成長ホルモンの投与で皮下脂肪が落ち、筋肉が引き締まって若返ることが知られてきた」と言う。
加圧筋トレは、ゴルファーの杉原輝雄プロやサントリーラグビー部、三菱重工長崎野球部などのトップアスリートたちが取り入れ、効果を上げている。
軽い負荷で、大きな効果が得られるため病気やけがのリハビリにも取り入れられている。
「これまでに延べ6000人の方にリハビリとして加圧筋トレを実施した」というのは、小田切病院(川崎市)の小田切研一院長だ。小田切院長は「69歳の寝たきりの患者に加圧し、足の曲げ伸ばしなどの運動をしてもらった結果、筋肉が60%肥大、自力で歩けるようになった。5年間寝たきりだった96歳の患者が、1ヶ月で歩けるようになったケースもあった」と紹介する。
効果的な加圧筋トレだが、石井教授は警告も忘れない。
「加圧筋トレが効果を上げるには厳密な条件がいる。例えば強い圧力をかけ過ぎると、血液が全部筋肉から絞り出されて虚血状態に陥る。見よう見まねは大変危険だ。 |
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血液の循環抑え、大きな効果
五輪を科学する〈中〉
朝日新聞夕刊 2001年9月4日
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腕や脚の付け根にベルトを巻き、血液の循環を少し抑えた状態で筋力を使う。不思議なことに、こうすると、軽い負荷でも体を強く刺激でき、筋力増強に有効なことが最近の研究で分かってきた。「加圧筋力トレーニング」と呼ばれる。
指導者は不可欠で、素人が安易にまねるのは危険。
社会人野球の強豪として知られる三菱重工長崎が実施しており、効果のほどを探った。
■きつい運動に相当
シドニー五輪日本代表に選ばれた杉内俊哉投手(現ダイエー)が所属する三菱重工長崎は、チームをあげて加圧筋力トレーニングに取り組んでいる。
トレーナーの高西文利さんが、選手一人一人の体調に合わせて圧力を調整しながら、腕と脚の付け根に弾力性のある専用ベルトを巻く。締め具合を調整し、血流を制限する。完全に遮ってはいけない
。
トレーニングのメニューは、腕を曲げる運動(カール)やスクワットといった基礎的な筋トレ、野球の基本動作、ストレッチなどをこなしていく。五分から十分ほど続ける。重さニキロほどのダンベルを使う程度で、負荷は非常に軽いが、選手達の実感は「腕や脚にすぐ張りが来てかなりきつい」
杉内投手は一年間、加圧を実践してきた。身長175cm、体重70キロだったのが、
筋肉がついたことで80キロに増えた。「普通の筋トレもしているけれど、加圧は体づくり、筋力アップに効いていると思う」という。
三年間続けている投手の後藤隆之さんは「球が毎年速くなり、今年は最高で149キロ。故障がちでしたが、今はけがもありません」と高く評価している。
■成長ホルモン濃度上昇
記者も加圧を試した。高西さんに両腕の付け根を締めてもらい、軽いダンベルを上げ下げする。すぐに腕がパンパンに張ってくる。数分後にベルトをはずすと、何とも言えないすっきりした感じが、しびれた指先まで下りてくる。
軽い負荷なのに効果が高いのはなぜか。
東京大学の石井直方教授(筋生理学)らの研究で、最大筋力の20%しか負荷をかけていないのに、加圧筋力トレーニングを終えて15分後には、成長ホルモンの血中濃度が安静時の約290倍になっていることが分かった。
一般に、非常に強度の高い筋力トレーニングでも、成長ホルモンの濃度は約100 倍までしかあがらない。血流の制限でたまった代謝産物が神経を刺激し、脳に働いてホルモン分泌を促す、と石井さんはみる。この研究をまとめた論文は今年1月、米国の応用性理学の専門誌に掲載された。
また、筋電図を使って加圧時の状態を調べたら、負荷が最大筋力の40%でも
、ほぼ全部の筋肉が活動していた。「血流が制限されると、筋肉は大きな負荷がかかったときと同じように、働かざるを得ない状態に追い込まれるのではないか」と石井さん。
■安易なまねは禁物
ただし、やみくもに締めればいいわけではない。締めすぎると血管が傷ついたり、炎症を起こしたりする心配もある。
石井さんは「安易にまねるのは危険。指導者が必要だ」と話す。
加圧筋力トレーニングを考案したのは、東京府中市でフィットネスクラブを経営する佐藤義昭さん。きっかけは高校3年のとき(1966年)の法事だった。お寺で正座し、我慢できずに姿勢を崩してふくらはぎをさすったら、筋トレの直後のような張りを感じた。「トレーニングと血流の抑制には何か関係がある」とひらめいた。
佐藤さんは自分の体を実験台にした。自転車タイヤのチューブで縛るなどしてトレーニングを繰り返し、最適な方法を探った。今春までに日米欧で加圧筋力トレーニングの特許を取得した。この方法を使ってトレーニングの指導をする場合は、佐藤さんの講習を受ける必要がある。
加圧筋力トレーニングは少しずつ広まっている。佐藤さんのもとには、国内のゴルフやボウリングなどのプロ野球選手も通っている。シドニー五輪を機会に、世界の注目を集める可能性も出てきた。
■手術後のリハビリにも応用 筋力低下を防ぎ、復帰早める。
加圧筋力トレーニングは手術後のリハビリテーションにも応用されている。福岡市の正樹会病院は、ひざのじん帯を切断した運動選手が再建手術を受けたあと、筋力の低下を防ぐために加圧筋トレを採り入れた。
ひざのじん帯の手術の場合、入院は3〜6週間かかる。手術後は装具などで関節の動きが制限されるので、脚を動かすことが減り、筋力が低下する。運動選手にとっては重大な問題だ。
同病院のトレーナー、藤野英明さんは専門誌で加圧の存在を知り、2年前に導入した。何も手に持たない軽めのスクワットや、かかと上げなど数種目で効果を比べた。加圧してのリハビリは、普通のリハビリに比べ筋肉の減少を半分程度に抑え込めることが分かった。「体を動かしにくい人にぴったりのトレーニングです」と藤野さん。この結果は昨年、日本臨床スポーツ医学会で発表された。
医師から「圧迫で血管に傷害が出る」などの反発もあった。そこで、循環器や血管の病気のある人や高血圧の人などを除外し、慎重に実施している。最近は医師の理解も得られたという。(注:2004年6月現在、東大循環器内科でも加圧の効果を確認されています)
同病院の佐田正二郎副院長は「術後、早めの時期から始めたほうが結果はいい
。患者さんの中には痛みが減ったという人もいる」と話す。
開発者の佐藤さんは「軽い負荷で効果があるという特徴を生かし、高齢者の運動に生かすことも考えたい」という。
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老いを支える技術
肉体の衰え 内から回復 「縛る」だけで筋力アップ
読売新聞夕刊 1998年7月23日
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年をとると、体力は確実に衰える。その限界に独自開発の運動法で挑んでいるのが、東京都府中市のスポーツジム「サトウスポーツプラザ」だ。腕や足の付け根を専用のベルトで軽く縛って筋肉を鍛える「加圧筋力トレーニング法」という手法を指導している。
桜井賢三さんは、慢性関節リウマチのため左足のひざを曲げることができなかった。
セイ子さんは右肩があがらなかった。ところが、「この運動を1ケ月ほど続けたら、かなり良くなった」という。
きちんとした指導を受けて縛らないと、逆に危険だが、それ以外は通常とほぼ同じ。筋力トレーニングを数十分間続ける。当初は半信半疑だったという賢三さんは 「足のひっかかりが取れた感じ。筋力もついた。血行も良くなった気がする。」 と、笑みを浮かべる。
ジムを経営する佐藤義昭さん(49)が約30年前に考案した。「正座すると足が張る。そこから、ひらめいた。軽い運動でも効果は抜群で、関節や骨が弱った高齢者にも最適」と話す。
筋力を増すには従来、思い切り力を出したときの約70%以上の力を使う運動が必要とされてきたが、30〜50%でいいという。たとえば5kgの重りを持ち上げる事で7kgを使うのとほぼ同じ効果になる。
佐藤さんのジムには、常時約20人の高齢者が通う。プロゴルファー、杉原輝雄さん(61)も、この手法で体力を保ち、トーナメントに参加している。
なぜ「縛る」という単純な方法で効果があるのか。
東大大学院総合文化研究科の石井道方・助教授は、そのナゾに挑んでいる。
まず効果を検証。平均年齢58.3歳の女性11人に16週間にわたり週2回、この手法で上腕運動をしてもらった結果、最大事の約40%の力の運動で従来法と同じくらい筋力があがった。
「縛る」と筋肉に酸素を供給する血液の量が減る事に秘密があるらしい。
「過酷な運動をしたときのように筋肉の酸素が不足し、筋肉の合成が進むためではないか」と石井さんは言う。
「筋肉が酸素不足」という情報が脳に伝わり、脳が筋肉の合成に欠かせない成長ホルモンを大量に分泌させる司令を出す仕組みだ。
成長ホルモンは通常、血液1ミリリットル当たり0.1ナノグラム(ナノは10億分の1
)で、従来の運動時も、約0.5ナノグラムまでしか増えないが、石井さんの測定によると、「縛
る」運動では開始後15分に通常の100倍以上に達していた。
膝を伸ばす筋力は、70歳で30歳の約半分。80歳で約3分の1に減る。
米国では、80歳以上の高齢者が転倒死する例も急増中だ。さらに、筋力の低下は、内臓の病気にもつながる。それだけに石井さんは、「筋力が増える仕組みは分からない事もまだ多いが、『縛る』だけで筋萎縮を防ぐ効果もみられ、寝たきり予防などにも応用できそう」と、期待している。
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プロゴルファー杉原輝雄63歳 加圧式トレーニングでガンが消えた!
週間現代 2001年5月7日発売
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ある日突然、医者からガンだと告知された。それから約1200日、ガンは身体に影響を与えないくらい小さくなっていた。
そんな奇跡的な体験をプロゴルファー杉原輝男氏が語り尽くした。なぜ、ガンは消えたのか?あらゆる手段を使ってガンに立ち向かったという杉原氏が教える最も有効だった方法とは? |
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これは世界的にも特許が認められている方法で、まず腕や足の付け根をバンドでぎゅっと縛る。すると、筋肉が7000m級の高山にいるのと同じ無酸素状態になり、結果、軽い負荷でも筋肉が酷使されていると脳が勘違いして、成長ホルモンという物質を通常の100倍近くも出すというものです。
毎週1回、この加圧式トレーングをするようになってこの5月で丸5年になりますけど、これのいいところは、この歳になっても、成長ホルモンが活性化することですね。私はこのトレーニングがガンにもいい影響をもたらしたと思っています。
「抗ガン剤は飲んでいません」
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杉原プロが加圧式トレーニングに通う東京・府中の「サトウスポーツプラザ」の代表・佐藤義昭氏は、「このトレーニング方法は、ホースの先を狭めて水を勢いよく出すのと同じで、筋肉を適度に締めつけて血管を狭めることで血流を促そうというものです。そうすることで、新しい血管がつくられ、末梢神経が活性化するわけです。
このトレーニングによって成長ホルモンがより多く分泌されることは学術的に証明されていますが、同時にガン細胞を抑制する免疫細胞も活性化すると考えています」
としたうえで、杉原プロのガン細胞を小さくさせたもうひとつの可能性について、こう続ける。
「なんといっても杉原さんの気力でしょう。自宅のある大阪から。ここまで毎週欠かさず通ってくるパワーは並大抵ではありません」
おかげで、この5年間でかなりの筋力アップにつながったと思いますね。ゴルフの飛距離は230〜240ヤード。できれば。もう少し伸ばしたいところですが、このトレーニングは、健康には非常にいい。
加圧式トレーニングを始めたのは、ガン治療のためではありません。ガン告知を受けるよりずっと前から、あくまで筋力増強のためにやっていました。それにこのトレーニングによって分泌される成長ホルモンがガン細胞に抑制効果があることがわかってきたのは、ここ1〜2年のことじゃないですか。
抗ガン剤については、正直、もらってもあまり飲まなかったです。じつは今ももらってはいますけど、飲んでいません。それでもガンは小さくなったのだから、やはり自分で試したアガリクスとか加圧式トレーニングがよかったんでしょう。
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鈴木国博 (極真会館) インタビュー
月刊フルコンタクト空手 2002年6月号
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現在、加圧筋力トレーニングを実践している極真のトップファイター・鈴木国博にそのメリットと今後の展望を語ってもらった。 |
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Q. 加圧トレの効果とメリットは? |
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A. 短い時間の中で追い込めるっていうか、時間の短縮ができるというのが一番ですね。きつくなったところからも技が出しやすくなったですよね。ドロドロの状態からでもスムーズに技がでるようになった感じですね。
あと、筋肉が柔らかくなったと思います。ウェイトで追いこんでも前みたいに、パッツンパッツンに張ることが無くなりました。パンプアップしても、弾力性があるというか、カチカチにならない。ケガもしにくいですよね。感覚的にケガの回復も早くなったし、筋肉痛も起こさなくなりました。
いつもだったら、後半になると体が立ってくるんですよ。そういう欠点があったんですけれど、体勢がキープできる。バランスがとれるようになったんで、それが一番変わりましたね。
一番実感できるのは持久力ですよ。本戦の一発目で蹴った蹴りが延長戦でも蹴れれば負けないですよ。向こうが落ちてもこっちが落ちなければ絶対勝つわけですから。持久力があれば、自分の体勢も崩れないし、焦ることも無いし。持久力に余裕がないから、どっかでパニックを起こしたり、次ぎの試合のことを考えたりするじゃないですか。 |
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ヤセられない理由は筋肉がないからだった!
加圧筋力トレーニングでダイエット筋肉をつける
TBSスパスパ人間学 2002年6月6日
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ヤセられて、しかも若返る!夢のようなダイエット筋肉とは!? |
その秘密とは成長ホルモン!ヤセられて、若返る!
ダイエット筋肉の正体とは成長ホルモンが出る筋肉!
成長ホルモンとは・・・?
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ダイエット出来ない女性たち、全員の共通点は「筋肉が衰えていた」 |
こちらはダイエット失敗歴7回、筋肉が老化しきっていると発覚した久保さん、37歳。
・身長153p ・体重は75.3s ・最大胴回りは105.4p。 かつては38sだった!
久保さんが、たったの5年間で2倍にまでなったのは、合わなかったダイエットと、ムリな絶食によるリバウンドの積み重ね。
このままではキケンな久保さんの体を、CTで輪切りにして見てみると脂肪(緑色の部分)が、お腹の周りにも内臓にもビッシリ!
5年間で体重が2倍!体は超キケン域。コレぞ肥満と老化の同時進行!原因はすべて筋肉不足なのです!
しかし!運動しろと言われて出来るくらいなら、こうはなっていないはず・・・。そんなダメなアナタにも、実は筋肉をつけられる方法があったのです!その秘密とは成長ホルモン!ヤセられて、若返る!ダイエット筋肉の正体とは成長ホルモンが出る筋肉!
成長ホルモンとは、文字通り、子供から大人に成長するために体の機能の発達を促すホルモンで、筋肉を作ると同時に脂肪を分解します。
さらに、免疫力のUP、美肌効果、視力まで回復してくれるという若返りながらヤセられる夢のホルモンなのです。
しかし!この成長ホルモンは、16歳前後をピークに、後は年と共にドンドン減少してしまうのです。では、成長ホルモンを分泌するにはどうすればいいのでしょうか?
成長ホルモンが100倍以上も出る加圧筋力トレーニング。なんとこのトレーニングはベルトで縛るだけ!太ももにベルトを巻いて10分行うと100倍以上の成長ホルモンが分泌されるのです。
そこで早速、ダイエット老化状態の久保さんも、この夢のダイエット筋肉を簡単に手に入れる方法に挑戦!
まずは、成長ホルモンを簡単に出すための秘密、このベルトを久保さんの太ももの付け根にギューギューと巻いて行きます。そしてただ歩くだけ。1回30分、1週間に1回のトレーニングで良いというのですが、コレどう見ても運動をしているようにはとても思えません。見た目にはラクそう。
でもやってる本人が筋肉に感じるのは、例えば1時間エアロビクスをしているような筋肉の疲労感だと言うのです。たったコレだけの動きで、果たして久保さんの筋肉に成長ホルモンは出ているのでしょうか?
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● トレーニング前0.08ナノグラム → トレーニング後13.38ナノグラム・・・加圧筋力トレーニングをやる前と後で測定してみると、なんと成長ホルモンが一気に167倍!コレは成長期のピーク時の分泌量だと言うのです!
たった30分で、久保さんの体が一気に若返っちゃいました!
コレって一体どういう事!?
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・ 筋肉は体の生命線! 筋肉は臓器を動かしたり、姿勢を保ったり、コレが無くなったら生きられない!そう、筋肉は体の生命線なのです。
・ 酸素を運ぶ血液・・血液は筋肉の活動源、「酸素」を運びます。ジャンジャン血液が運んでくる酸素を受け取って、筋肉は疲れ知らずのパワー全開!
・ その時!腕がベルトで締まり始めました。すると・・筋肉への扉が閉まって、血液は入る事が出来ません。酸素が届かなくて筋肉のイライラがピークに!つまりこれが加圧トレーニングをしている状態なのです。
・ そして無酸素状態になった筋肉の中に登場したのが乳酸。乳酸は、筋肉が「疲れた」「ダルい」と感じるアノ状態を呼ぶ、筋肉の代謝産物です。
筋肉からのSOSを受けて登場したのが成長ホルモン。筋肉を作り、脂肪を分解する夢の若返りホルモンです!
筋肉のために乳酸を押し出そうとする成長ホルモン。
しかし、出口も閉じられているため、押し出すことが出来ません。成長ホルモンは、筋肉を救い出そうと、仲間をドンドン増やします。ベルトによって血流が制限され、筋肉の中が無酸素状態になった結果、成長ホルモンがたくさん分泌されたのです。
・ その時!腕のベルトがはずされました! 扉で塞き止められていた血液が一斉に流れ込んできました。血液は留まっていた乳酸を勢いよく流し出し、代謝します。さらに分泌された成長ホルモンは、血液に乗って全身を巡ります。そして!到達したのは、たっぷりと蓄えられた脂肪の壁。
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成長ホルモンは、脂肪を「脂肪酸」と「グリセロール」に分解して血液中に流します。つまり、成長ホルモンがたくさん登場すれば、それだけ体中の脂肪が分解されるのです。
ただし、この加圧筋力トレーニングは血液の循環を制限するので、専門家の指導が無いと出来ません!
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