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むーどす島戦記リプレイ ⇒ リプレイ第11話:巨悪、襲来!:その2
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リプレイ第11話:巨悪、襲来!:その2
●目次
・
最後の因縁の敵
・
戦いの終わり
・
後日談
・
獲得報酬
・
獲得情報
・
GMの独り言
GM |
急いで行かないといけませんねぇ。 |
トゥ・ナ |
じゃぁ、ここでマーコットが馬に変身して行くか。 |
マーコット |
ここで?!w
そんなに離れてましたっけ?w |
とりあえずみんなは走って、ライトネスは馬で行くのでした。
現地に到着すると、ラーダ神殿が燃えていました。
ラーダ神殿の入り口付近には、顔が紫色に変色して死んでいる暗黒騎士が数人倒れていました。
一同 |
どっかで見た死に方だな…。 |
GM |
さて、そうすると、ラーダ神殿の中から黒づくめの集団が出てきました。
そしてトゥ・ナさん、お待たせしましたね。 |
トゥ・ナ |
? |
GM |
トゥ・ナさんの良く見知った顔、プゥが中から出てきたのでした。 |
トゥ・ナ |
あああ…。w |
一同 |
ここでか…。w |
マーコット |
そんな中ボスが居ましたね…w |
GM |
中ボス…かな?w |
トゥ・ナ |
姿を見かけた瞬間にとりあえずダガー投げます。 |
GM |
回避80%。先程までのバフは全部消えています。 |
トゥ・ナ |
しっかり当てましたw |
一同 |
さすがw |
GM |
ダメージください。 |
トゥ・ナ |
15です。 |
マーコット |
トゥ・ナさん以外この人の顔知ってましたっけ? |
GM |
知らないですね。 |
マーコット |
知らない人にいきなりダガー投げたんですね?
よし、敵と判断しました。w |
一同 |
w |
GM |
プゥには4人ほど黒づくめの子分が付き従っておりますが、
そのうちの1人がカミラ(サキュバスの姫)を肩に抱えています。
カミラは気を失っているようです。
どうやら、それを取り戻しに来たようですね。 |
マーコット |
取り戻す…? |
ヤトリシノ |
向こうから見たらそうなるのかな…。w |
マーコット |
考え違いを正してあげましょう。w |
プゥ |
ちぃ。いちいち抵抗するな。大人しく死んでいれば良いものを。
ただでさえ面倒臭いゴーストが邪魔をしてくるというのに!
お前たちのおかげで、また面倒な奴らが来てしまったではないか。 |
GM |
そういうとプゥは苦しみながらも足にしがみつこうとしていた暗黒騎士に
ダガーでトドメを刺しました。
暗黒騎士は顔を紫色にして絶命しました。 |
トゥ・ナ |
あの地縛霊はちゃんと仕事をしていたようだなw |
プゥ |
まぁ、丁度良い。面倒を掛けてくれたお礼に、お前らも殺してやろう。 |
疲弊しきっているパーティの最後の戦闘が、今、幕を開けるのでした。
トゥ・ナの攻撃、プゥに2回ヒットで、ダメージが13、12でした。
マーコットがプゥにブリザードを唱えます。ダメージが半減で20通ります。
アンスリュームがプゥにヴァルキリーズジャベリンを打ちます。ダメージを39与えます。
ヤトリシノがプゥを殴りに行き、2回通常当たり、1回クリティカルになります。
クリティカルで19、通常で24、27ダメージ。プゥに大ダメージを与えたようです。プゥが膝をつきます。
この段階でフラグが立ち、GMはイベントを開始します。
ライトネス |
ところで、こいつは何者だ? |
マーコット |
意外な人が冷静だw |
トゥ・ナ |
地縛霊生産機だ。 |
ライトネス |
あん? |
トゥ・ナ |
あー。あれだな。
ライトネスをスー○―サイヤ人みたく覚醒させるにはこう言うか。
地下牢でクエリッサをぼこぼこにして、ノーラッドを殺った奴だよ…。 |
ライトネス |
よし、殺す! |
ライトネスがそう言って戦おうとすると、プゥが突然、スー○ーサイヤ人のように変身し始めます。
そこには、グレーターデーモンの姿に形を変えた、プゥが居るのでした。
そして付き従っていた4人の暗殺者は、レッサーデーモンに姿を変えました。
プゥ |
ふ、人間風情が舐めおって!
今すぐ地獄に落としてくれるわ! |
一同 |
あれ!!!? そっちが変身しちゃったよ!w |
トゥ・ナ |
魔神だったのかよ。w |
GM |
さて、という事でライトネスから再開しましょう。 |
ライトネス |
まぁ、何に形を変えようが、どうでもいい事だ。
殺るのは一緒だからな。
ランスチャージをします。
でも移動攻撃なんだよな。命中判定半分が結構キツイ…。 |
ルーシア |
ブレスを待ってくれるなら、掛けてから行動してはどうでしょう? |
ライトネス |
じゃぁ遅らせる。 |
ルーシア |
ではブレスを掛けます。全員にFS+20です。 |
ライトネス |
では攻撃!
くーーー…。4回外れ。^^; |
次のターンです。プレイヤー先行です。
トゥ・ナ |
プゥを殴ります。2回当たり。ダメージは11、13。 |
マーコット |
防御します。 |
アンスリューム |
プゥにヴァルキリーズジャベリン。ダメージは42です。 |
ルーシア |
トゥ・ナさんと前衛後衛の位置を変えてもらいます。
私の魔法阻害領域はそこそこ広いので、この位置なら
悪魔の魔法を全て使えなく出来ます。
それとマーコットさんのLP回復、20です。 |
ヤトリシノ |
プゥに攻撃。2回通常当たり、1回クリティカル当たり。
クリティカルで25ダメージ、通常で27、26です。 |
プゥに致命傷を与えたようです。プゥの首が切られて飛びました。
その次の瞬間、恐ろしい事が起きます。
プゥは何事も無かったように、その首を拾うと元の位置に元通りにつなげて見せたのです。
トゥ・ナ |
あああ…。小説で有ったわ…。
ロードスの上位魔神って死なない奴居るんだよな…。 |
GM |
一撃で死なない呪いと言いますか、祝福のような、というのが小説に有りましたね。
まぁ、そんなところです。 |
ライトネス |
レッサーデーモンにランスチャージをします。4回外れ…。あれぇ^^; |
さて、ルーシアが真ん前に来た事により、悪魔側の魔法が使えなくなった訳ですが、
そんなルーシアを見て、プゥがこんな事を言い出します。
プゥ |
ん? お前、悪魔の眷属だな?
お前からは我が主と同じ匂いがぷんぷんするぞ?! |
ルーシア |
私は、人間です…!
私は…人間なんです…。 |
プゥ |
嘘を付け!
そのような重厚で芳醇な悪の香りを漂わせておいて、
神の使いを装っているとは笑わせる!
早く姿を現して我が主を呼び覚ます儀式に参加せよ! |
さて、魔法を使おうと思った悪魔たちは、魔法が使えない事に驚いています。
このターンはこのまま終わり次のターンです。悪魔の先行です。
レッサーデーモンはさらに距離を空けて散開します。ルーシアの魔法領域から離れました。
そして、離れた3匹が、トゥ・ナに魔法を撃ってきます。トゥ・ナは抵抗に2回ほど失敗します。
デーモンは死の霧の魔法を使って来たようです。その魔法が掛かった瞬間、トゥ・ナは確かに死亡しました。
途端、世界が何か歪んだような感覚になり、トゥ・ナはLP1になって、
何事も起きなかったかのように、その場に立ちすくんでいます。
死亡した気がしたのですが、無しになったような、そんな感覚です。
その代わり、ルーシアが目から血を流しながら、トゥ・ナの隣で死んでいました。
これで、敵ラウンドの行動が終わります。
ルーシアの死体を見ながら呆然とするトゥ・ナ。
時が止まったかのようになります。
どのくらい時間が経ったのか分かりません。周りは全てが止まったように凍り付いています。
しばらく見ていると、ルーシアの口が開き、中から、黒く丸いスライム状の何かが出てきます。
それが姿を見せた途端、周りの悪魔も全て動きが停止します。
プゥ |
げぇぇぇっ!ルシフェル様! |
ルシフェル |
おいお前。
下っ端のくせにこの僕に攻撃を加えて未来が有ると思ってないだろうな?
死なない呪いが掛かってるからと舐め腐っているお前らのその呪いを、
僕が食べてやろう。w
この僕の糧になれる事を、光栄に思う以外無いよね?w |
プゥ |
お、お待ちください! |
ルシフェル |
ああ。あと逃げる事も許さないよ?
ちゃんと死ぬまで戦わないといけない呪いを掛けてあげるよ。
ふははは。お前らの恐怖の感情、とっても美味しいね!w
この僕に娯楽を提供出来る喜びを、お前らに授けよう!w |
プゥ |
そんな! |
ルシフェルと呼ばれたスライム状の生き物はプゥたちに何かをしたようで、
プゥたちは苦しみながら何かに耐えているようです。
ルシフェルは悪魔に興味が無くなったようです。
一番近くに居るトゥ・ナに話し掛けてきます。
ルシフェル |
おい、そこのお前。 |
トゥ・ナ |
…。 |
ルシフェル |
お前だよ。 |
トゥ・ナ |
あ?! |
ルシフェル |
この馬鹿正直で真面目な女に伝えておいて欲しい。 |
トゥ・ナ |
あ、はい。 |
一同 |
w |
ルシフェル |
1つ。
いい加減、僕の魔法能力を引き出して命を縮める行為をするのを止めろ!
その度に止まっちゃう心臓を動かすの大変なんだよ! |
トゥ・ナ |
それ、もうちょっと詳しく! |
ルシフェル |
2つ。
ちょっとは、いかがわしい事をするとか、欲望にまみれてみるとか、
怒りまくるとか、さぼりまくるとか、嫉妬に狂って呪い殺すとか!
とにかくそういう事をしまくって、僕に栄養を寄越せ!
でないとお前の心臓である僕が死ぬ!
そしたらお前も死ぬ! |
トゥ・ナ |
後半は要らんな…。 |
ルシフェル |
3つ。
神の奇跡のつもりで、僕の魔法能力をちょぴっと掠め取って使うのを止めろ!
普通は激痛を感じながら奇跡とか使わないだろ!
いい加減気付け!
神の奇跡をこの体で使われるのも気持ち悪いから、とにかく余計な事をするな!
…じゃぁね。頼んだよ。 |
マーコット |
分かりました。これから毎晩、猥談をすれば良いんですね?w |
ルシフェル |
はわわわわわ!
心臓止まっちゃうー! |
GM |
そう言うと、そのスライム状の物はルーシアの口の中から体に入って行きました。 |
トゥ・ナ |
とりあえず状況は進んだのかな?一旦ルーシアの脈を測ります。 |
GM |
そうすると、手を取った時に、ルーシアの体が突然びくん!!
と跳ねるような動きをします。何回か激しく動きます。 |
ヤトリシノ |
AEDかw |
GM |
脈がある感じですね。 |
マーコット |
リザレクションポーション手に取ったんですけど、必要無さそうですね。w |
GM |
とりあえずルーシアが気付かないと回復が出来ないですね。
回復できるアンスリュームMP空っけつだよね? |
アンスリューム |
生命石持ってるよ?w |
トゥ・ナ |
こっちも持ってる。w |
GM |
そうか、余ってるのか。w |
トゥ・ナ |
じゃぁ、まず、行動かな。自分の生命石使うわ。
ルーシアのLP30回復します。 |
マーコット |
とりあえず戦闘中だと思うので続きで、防御します。w |
アンスリューム |
何かトゥ・ナが調子悪そう(LP1)だから、回復使ったげるよ。LP+30ね。 |
トゥ・ナ |
サンキュゥ。次は脳筋ズだな。w |
マーコット |
やっちゃってくださいよ、先生。w |
ヤトリシノ |
じゃぁ、殴るか。w |
プゥ |
クソがぁ!
ええい。そんなちんけな姿になった悪魔に何が出来る!
その宿主の体ごと、討ち滅ぼしてくれるわ! |
GM |
ということで、悪魔が動き出します。 |
ヤトリシノ |
じゃ、殴るね。w
プゥに4回攻撃。1回クリティカル、2回通常当たり。
クリティカルダメージ21、通常ダメージ20、21w |
ライトネス |
プゥにランスチャージ。4回攻撃。
2回通常当たり。ダメージは18、30。 |
脳筋ズの圧倒的な破壊力で、グレーターデーモンのプゥのLPがごりごり削られます。
次のターンです。パーティが先行です。
トゥ・ナ |
プゥにダガーを投げます。1回当たり、ダメージは15。 |
マーコット |
クロスアームブロック!(防御姿勢と言っている) |
一同 |
w |
アンスリューム |
コンポジットボウでプゥを攻撃します。
クリティカル当たり!w ダメージは13。 |
GM |
…死んじゃうんだけど。w |
一同 |
やった!w アンスリューム出来る子w |
アンスリューム |
いえーいw |
先程までのプゥは首が取れようが何しようが生き返りましたが、
今回は脳天にアンスリュームの放った矢が刺さったまま、
ゆっくりと後ろに倒れ、そのまま絶命しました。
しかしながらまだ残り4体のレッサーデーモンが居ます。
彼らは悲壮な顔をしながら戦いを開始します。
逃げたくても、逃げられないのです。
残りのレッサーデーモンは、アンスリュームの弓で1体、ヤトリシノの剣の猛攻で2体、
ライトネスのランスのクリティカル連発で1体、それぞれ討ち取られて死亡しました。
トゥ・ナ |
アンスリュームのコンポジットボウは魔神必中でも付いてるんじゃないの?w |
アンスリューム |
魔神必中の弓だったねw |
ライトネス |
ランスのクリティカル連発が出たから満足w |
ヤトリシノ |
最後を仕留めたので満足w |
さて、攫われそうになっていたカミラを抱きかかえながら戦いの成り行きを見ていたクエリッサが、
トゥ・ナにこう語りかけます。
クエリッサ |
ようやく終わったね。恨みが晴れた気分だよ。ノーラッドに伝えなきゃね。 |
トゥ・ナ |
それ、成仏しちゃうんじゃないの!?w |
一同 |
w |
さて、息を吹き返し、目覚めたルーシアに悪魔からの伝言を伝えます。
トゥ・ナ |
とりあえず、お前。今後一切の魔法、使用禁止な?
あと、そうだな。ちょっとでかい町まで行って、一緒に万引きしてこようぜ。w |
一同 |
w |
さて、それを聞いたルーシアは皆さんに土下座モードで頭を地面に擦り付けるくらいの勢いで謝罪を始めます。
ルーシアが語りだします。
ルーシア |
ライトネスさんを含め、どうしても、みんなに言い出せなくて黙っていました。
ごめんなさい…。
自分は魔術結社のダークマジシャンやダークプリーストが産んだ子供らしいのです。
悪魔の降臨の儀式で男女の交わりがあり、それで得た子供だったそうです。
その儀式は成功し、私が生まれました。
私の体そのものは人間なのですが、心には悪魔が宿っているのです。
魔術ギルドと魔術結社が争いをした際に、私は魔術ギルドに保護されたようです。
幼い頃に、悪事を働くように囁きかける心の声を聴いた事が有ります。
恐らくそれが悪魔だったのでしょう。
その悪魔の声を聴いた後、この体にマジックリアライザーの力が宿ってる事が分かり、
その後に宝石を埋め込まれました。
その後、私の中にある悪魔の声はしばらく聞こえなくなりました。
私は魔術結社ではずっとルーシィと呼ばれていました。
私に宿っている悪魔の名前がルシフェルであるらしく、それを意味する名前でした。
神官長に拾って頂いた際にその話をしたら、私に新しい名前を授けてくれました。
「天に輝くまばゆい星の光」を意味する「ルーシア」という名前でした。
確かに私が神聖魔法を使う時、時折激痛が走ったりする事は有ったのですが、
そういうものだと思い込んでいました。
これからはちゃんと修行して、神様にもっとお願いしようと思います。 |
ルーシアはマジックリアライズすると痛みが走るのが日常の事でした。
自分の体は魔法を使うと痛みが走るのだと思っていたのです。
今日の今日まで、神聖魔法を使うとたまに体が痛いものなのだと、思い込んでいたのでした。
ルーシアの体にいるのは悪魔の中でも王様級の悪魔です。
悪魔は降臨の儀式を経て、人間の赤子を苗床として育ち、
ある程度大きくなったらこの世にちゃんとした悪魔として顕現する予定でした。
ですが、魔術ギルド(賢者の学園)がフォビットマジックの掛けられた宝石をルーシアの体に埋め込んだ際、
悪魔が潜んでいる場所に偶然埋め込んだのでした。
そのため、悪魔は成長出来ないどころか、命を失いかねない状況となります。
悪魔として魔法を自由に使えない状態にされてしまいました。
ルーシアが願えば、かろうじてその能力を使う事が出来たのです。
マジックリアライズ能力は、元々は悪魔の能力だったのです。
ルーシアが魔法結社に強奪されて以降、死ぬか生きるかの瀬戸際までマジックリアライズ能力を酷使するため、
何度も心臓が止まります。
このままではこの体が壊されてしまうと考えた悪魔は、幼いルーシアの心臓に同化し、
死なないようにするので精一杯となっていたのでした。
これで、ルーシアの秘密の全てが明らかになりました。
――1人の神官が、今ようやく、己の身の上を仲間に語る事が出来た。隠すことはもう何も無い。
聖女に付き従いし邪悪の子は、己の信仰に向き合いながら、再び修行を始める。
正しい神聖魔法をいつかちゃんと使えるようになる為に。
さて、ラーダ神殿前の戦いが終わりました。
どうやら、川向こうの戦いも全て終わったようです。
続々と人や妖魔がラーダ神殿前に集まってきます。
川向こうの戦いでは、神に召されたローランドを除いて、奇跡的に死者は出なかったようです。
森に避難していた村民もちらほら戻って来たようです。
捕えた魔術結社の魔法使いから、襲撃の目的が聞けました。
カノンの魔術結社の主要施設を潰したのが、ブラス村の領主と聞いて、
ブラス憎むべしとなり、そこを滅ぼすと決めたらしいです。
そこで得た死体や生贄を使い、ブラス村近くで新たな拠点を開こうと画策していたようです。
また邪神復活のための清らかなる生贄をさる魔術師から所望されていたので、
それも調達するつもりだったようです。
その名前を聞き出そうとすると、魔術師達は燃えて居なくなってしまいました。
また、捕えたマーモ軍残党の目的も聞き出せました。
マーモ軍残党はアシュラムたちの支配に納得のいっていない、略奪などを行いたい残党でした。
魔術結社の魔術師たちと結託して、戦い場所を求めて再びヴァリスに侵攻したかったのです。
そこで力を付けて、アシュラムたちを倒す、などと、夢のような事を考えていたのです。
さて、続々とここに人が集まってきている中、カノン自由軍のザップがヤトリシノに話しかけてきます。
ザップ |
助けに来たぞ。ヤトリシノよ。
今度は間に合ったようだな。
お前の戦い振りも直に見れた。強くなったな。
率直に言おう。俺と共にカノンを解放しないか?
良い返事を期待している。待っているぞ。 |
ザップはそう言って、去って行きました。
さて、戦いは全て終わり、ようやく安堵していると、今度は、リスモアから50名程の兵隊が到着します。
また、神託を聞きつけた聖騎士や神官戦士たちが続々と聖騎士詰め所辺りに集まって来ています。
街道には村人も含め、戦いが終わった妖魔や神官戦士・暗黒騎士・オーシャンパーティなどが集まっています。
その皆が注目している中、7歳くらいの男の子が、馬に乗ったまま、ライトネスの10m先位に現れます。
小さいなりにキリっとしたかわいい子です。
馬の上からライトネスに向かって用件を伝えます。
彼の名前はアスカル。ライトネスの弟で、辺境伯爵オルトソン家の長男。次期当主です。
アスカル |
リスモア領主、ウェルスガルト・フォン・オルトソンが名代として、
アスカル・ギル・オルトソンが、元騎士ライトネスに伝える。
ライトネス。
貴女はもはや当家とは何のゆかりも無い存在となりました。
既に騎士の資格も有りません。
当家の名前を騙る事も許されません。
そのつもりで、今後は立ち回れるよう、切に望みます。 |
ライトネス |
そうか…ではアスカル…。あなたがここを治める事になると…? |
アスカル |
当家としては、この土地は聖女である貴女が治める事を前提に進呈したつもりです。
ですが噂では、貴女の聖女の認定は取り消される見通しとの事。
そうなれば、この土地は当家に返還されるものと思っておりました。
ですが、ファリス神殿としてはファリスの加護を受けた聖地として保護する予定で、
ここは既にファリス神殿の管轄であると主張しています。
それだけならまだしも。…ライトネス。
貴女の身勝手な振る舞いに拠って、この地域には既に異国人や様々な種族や
妖魔が居ついている状態との事。
当家としては管轄の責任もはっきりしていない状況であり、
それらを討伐するなどの手出しをする事すら出来ません。
当家の預かり知らぬところで、とんでもないことをしてくれましたね。
全くもって迷惑な話です。
ああ、困ったなぁ(棒読み) |
ライトネス |
…。 |
アスカル |
当家としては、引き続き、この土地の所有権、治政権について、
正式にファリス神殿と協議を申し入れるつもりです。
速やかに解決したいものですが、この協議は長引くかもしれませんねぇ。(棒読み)
その協議が解決するまでは、この土地は、異種族対策も含めて、
その決定を下した村民自身で、責任を持って対応・統治を行い、
問題が起こるようであれば自分たちの手で解決願います。
なお、その際の村の代表には、そもそも統治に関わっていた人材を
引き続き据えて頂くよう願います。
それが為されない場合は、オルトソン家の名誉に賭けて、
全武力を以て、事態を解決する事も辞さない構えですので、
そこは重々ご承知おきください。
以上! |
リスモア兵士が持つ長い槍の柄が、その口上が終わったと同時に、がしゃり!と一斉に地面に打ち付けられます。
一糸乱れぬ動きです。
さて、その口上を終えると、アスカルが馬をライトネスの方に静かに寄せてきて、小声で言います。
アスカル |
という事ですので、姉上。
自由に、やっていい、という事ですからね?(にっこり)
実家に置いてある財産等は、後日ひっそりと届けさせます。
あと、リスモアとブラス村との商取引を今後はご検討ください。
その話については私を通して頂きますよう、お願いします。
当家が潤う事を期待しています。w
(そう言ってウィンクする) |
ライトネス |
ありがとう…アスカル…。 |
ライトネスは立ちながら、静かに泣いています。
GM補足:
オルトソン辺境伯爵の立場でいくと、この領域を自分の領地だと主張すると、そこにいる妖魔などを討伐し、
治安を回復させる行動を行わなくてはなりません。
ヴァリスですので「妖魔、だめ、絶対」の立場をオルトソン家が担保しなくてはならない訳です。
また無関係だとすると単に領土が無くなるだけとなり、その他の者がこの地を紛争地域として鎮圧する、
などの口実を与える事になってしまいます。
そのため、治政問題の未解決地域とする作戦に出たようです。
ライトネスを勘当する事により、オルトソン家としてはライトネスが行う行動についてはオルトソン家に責任はない、
と言い張るつもりです。
あくまで聖女の持ち物として進呈したと言い張り続けるつもりなのです。
つまりここは、聖女が治める土地という認識を主張する訳です。
聖女がそこを治めているんだから、我々は手出しが出来ないぞ。
聖女が治めないんだったら、その土地は我々の物だから聖地なんて認めないぞ。
と、ファリス神殿に協議を持ち掛けようとしている訳です。
そしてこの協議は、永久に解決しないように画策します。
お互いにメリットが有るようにして、未解決のまま固定するつもりなのです。
これは父オルトソン辺境伯爵の、娘に対する最大限の支援です。
なお、この作戦は齢7歳のアスカルの発案でも有ります。
アスカルはリスモア、ファリス神殿、ブラス村でそれぞれにメリットがある状況にして、
この関係を固定化する作戦を立てたのです。
ファリス神殿の立場でいくと、この地は神が祝福を授けると神託をした地域です。
聖女が治める事となっていましたが、妖魔と一緒に暮らす事を選択するなど、やや都合の悪い状況となっています。
この戦いで殉死したローランドを聖者として祭り、だからここは聖地なのだ、という名分にするつもりです。
(ローランドさんの像が立ちますね!これがサンローランか!w)
聖女の土地として進呈された場所なので、聖女の認定を解いたとすると、
リスモアから聖地など知った事か、と言われてしまいます。
妖魔については神託により討伐命令が下れば恐らく戦争する気で戦う事になりますが、
現時点でそのような神託は降りていません。
表向きは妖魔との共存など容認はしませんが、聖地である事が維持出来るなら、
延々とリスモアと協議し続けるという選択肢を取るでしょう。
聖騎士団としては妖魔が住んでいる地域がヴァリス領内にある事が問題だと主張するつもりでした。
ライトネスの騎士資格をはく奪したので、騎士であるライトネスがこの地を治める道理が無くなり、
代わりにリスモア領主が討伐軍を差し向けるか、騎士団に討伐の助力を求めると考えていました。
リスモア領主はそのどちらもせず、聖女に進呈した土地で起こっている事であり、
現状はリスモア管轄では無いが、ファリス神殿との間で協議が未解決であり、
なんぴとたりとも手出し無用、と言ってくるとは思っても無かったのです。
ライトネスは騎士団より騎士資格をはく奪するとの連絡を受けた為、
騎士としてこの領土を保全する必要性が有りません。
ライトネスがオルトソン辺境伯爵令嬢の立場だったなら、
オルトソン家の責任問題となるのですが勘当という扱いになりました。
勘当された身である為、この地の領主という大義名分は消滅します。
ですが、リスモアはこの自治区を従来通りの支配体制でないと認めない、
と釘を刺してきています。
要するにはライトネスが事実上の長でなければ、この自治体制を認めないという訳です。
ライトネスはこれにより、実家との縁は切られ、領主としての税収を確保する運営でなく、
「仕事」という枠組みを通して、経済で村を統治する手法を編み出すようになっていきます。
さて、話は元に戻ります。
GM |
だれかこの決定に、異議が有る人、パーティ内に居ますか?
…居ないですね?
では先に進めます。 |
涙を拭ったライトネスは、ぐるりと辺りを見回します。
その話を聞いていた、村民や、周りに集まっていた戦士たちや、妖魔たちの誰もが、
ライトネスの治める村という内容に反対意見は無いようです。
ですが、駐屯所に立て籠っていた聖騎士が数名、そこにしゃしゃり出て来ます。
聖騎士A |
チビが何いってやがる! |
聖騎士B |
ふざけるな!引っ込め! |
聖騎士C |
事は国の大事だぞ!
リスモアの小僧如きが何を偉そうな事を! |
そうすると、アスカルの護衛をしていた1人の騎士が、神業的な速さで距離を詰めて、
その発言をした数人の騎士の首を、あっさりと跳ね飛ばします。
そして、血だらけの剣を持ったまま、このように威圧します。
リスモア騎士 |
当家次期当主、アスカル様の名誉を著しく傷つける暴言は、
その命でもって償う事となる。
まだ何か言いたいなら、掛かって来るが良い! |
その言葉と共に、リスモアの兵士は臨戦態勢です。
一糸乱れぬ動きで、槍を持ち、いつでも戦える態勢となります。
熟練度の高さがうかがえます。
それを見ていた聖騎士たちは静かになります。
ライトネスは苦笑します。
この場に集う者たち。
ここに住んでいた村民たち。
カノンやマーモから移住して来た者たち。
神の声を聞きつけてやって来た聖騎士たち。
ローランドに付き従った神官戦士たち。
ザップに率いられたカノン自由軍の兵士たち。
マーモから逃げ延びてきた暗黒騎士、暗黒魔術師、暗黒神官たち。
異種族のドワーフや、オーク、ハーピー、ジャイアント、トロール、ライカンスロープなどの妖魔たち。
青の冒険者やクリス、ベイオース、シャーロット、セラフィ、カミラ、クエリッサやノーラッド。
そして自分たち。
それぞれが、この地を守る為に戦った者たちだった。
それらの人々がライトネスに注目する。
ライトネスは、この村の暫定的なリーダーとして、剣を高く掲げながら高らかにこのように宣言した。
ライトネス |
我々は、神より祝福を与えられたこのブラスの地を守り切った!
この地には、邪悪や妖魔などと呼ばれる者は元よりいない!
ここに居るのは、神の声を聞く聞かざるに関わらず、
神の命に従い、この地に集い、命を賭してこの地を守った、
ガーディアン(守護者)だけだ!
私はこの地を治める者として、ここに宣言する!
この地を守る意思のある者は、全て、ガーディアンとして認める!
祝福の地ブラスは、ガーディアンが住まう村だ!」 |
ライトネスは、剣を高く掲げたまま、その宣言を終えます。
その時、太陽の光が建物の陰から移動し、ライトネスをちょうど照らす位置になりました。
白い鎧と、掲げた剣は、その太陽の輝きを受け、光り輝きます。
その場にいた一同は、それを見て喝さいの声を上げます。
戦士や農民や、魔術師、神官などの職業の枠を超えて、
人間やハーフエルフ、ダークエルフ、その他の種族の壁も超えて、
ヴァリスや、マーモ、カノンなどの、国境をも乗り越えて、
この地を守る意思がある者は、全てが「ガーディアン」として認められる村が、ここに、誕生したのです。
この戦いは、神の敵である超大型の敵を倒した話としてでは無く、異形の集団が襲って来て、
それぞれの戦士たちが倒したという話に変わっていきます。
それらを守ったのは、その地域にいた色んな種族の戦士や魔術師や神官だった、
という話に変わっていくのです。
何しろ、炎の精霊王が現れただの、氷の精霊王だっただの、実は大型トロールだっただの、
ヴァンパイアだよ、ドラゴンだ、ヒュドラです、だの、出てくる敵が多過ぎて、
誰がどう聞いても盛り過ぎで信じられない話ばかりです。
それが一斉に襲って来ただけでも現実味が無いのに、一つの巨大な生物だったなど、
この地で戦いを見ていない者は、誰も信じませんでした。
(マーコット曰く:しかも悪魔にトドメを刺したのはダークエルフだですからね…w
誰も信じませんよw)
またもう一つ。
聖女の元に集まれという神託は、いつしか、聖者の元に集まれだった、という話に変わっていきます。
ライトネスが聖女だという話は、いつの間にかあまり言われなくなり、
この村に「片腕の聖者ローランドが誕生した」という話の方が大きく伝わるようになります。
この村が祝福された村になったのも、多種多様な戦士が集うようになったのも、
本来は聖なる乙女ライトネスが生み出した奇跡と言えなくもないのですが、
聖者ローランドとそこに集ったガーディアンがそれを成した、という話に置き換わるのでした。
この争いを生で見ていた吟遊詩人ベイオースがそのように歌い、世に広めています。
もちろん、実際に戦いに参加していた人たちは、それが真実とは違うと知っています。
ですが、ライトネスがそう歌うように、その吟遊詩人に願ったのです。
本来ならば伝説級のモンスターを倒したというような歴史に残るような話であるはずが、
頭のおかしい奴らが何か言っていやがる、という風に思われる事により、
ブラス村のこの戦いの話は歴史の舞台に登場する事は有りませんでした。
ライトネスは騎士ではなくなりました。
英雄譚に出るような騎士を夢見た時期も有りましたが、守りたい仲間を守れたのだと実感したから、
ライトネスはもう十分満足でした。
ライトネスを聖女、と表立って呼ぶ者は殆どいなくなりました。
元より聖女の呼び名は、呼ばれ慣れてないライトネスが嫌がるものだったので、
誰も口に出しては言わなくなったのです。
ブラス村を襲った大きな事件はこれで終わります。
巨悪は倒れ、ガーディアン達が誕生し、1人の聖女である騎士が、その役目を終えました。
そして、係争地域のリーダーとして、別の戦いに新たに身を置くようになったのです。
ブラス村は、後に、守護者の住まう村「ガーディアンズビレッジ」と呼ばれるようになり、
長らく繁栄する事となるのでした。
・経験点 0点(最上位レベルのため、経験点追加無し)
・所持金 追加無し
・所持品 追加無し
・パーティ資産 追加無し
・無し
本作品のメインストーリーである、巨悪討伐編がここで終了いたしました。
聖女に付き従っている邪悪、魔神復活を目論む悪魔などの邪悪、そして魔術結社から生まれた巨悪など、
様々な悪が絡まりあって押し寄せてくる。
それを仲間が総力で迎え撃つ、という展開となりました。
一部この世を去るキャラクターは出たものの、最後には幸せな大団円を
迎える事が出来たのではないか、と思っています。
巨悪討伐自体はライトネスシナリオであったので、彼女が主人公のように
リプレイはまとまっておりますが、ここに来るまで、
1年間のプレイヤーの皆さんのプレイが無ければ、この話は成し得なかった事です。
GMとしては感無量です。
ここまで来れたのはみんなのおかげです。本当にありがとう。
あと、残すは追加回のみです。そちらもお楽しみに。w
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●本コンテンツについて
・本コンテンツは同好者の間で楽しむために作られた非公式リプレイです。
・2021年にオフラインセッションでプレイしたものをまとめたものとなります。
・動画制作とリプレイテキスト公開を同時進行しております。
・個人の趣味で行っておりますので、のんびり製作しております。気長にお待ちいただきながらお楽しみください。
・原作の設定とは無関係の設定が出て来たりしております。あくまでこちらのコンテンツは別次元のお話と思ってください。
・本コンテンツの制作にあたり、原作者様、出版社様とは一切関係がございません。
・TRPGを行うにあたり、皆が一様に分かる世界観、共通認識を生んでくださった原作者様と、楽しいゲームシステムを販売してくださった関係者の方々に、深く感謝申し上げます。
●本コンテンツの著作権等について
・本コンテンツのリプレイ・ショートストーリーの著作権はむーむー/むーどす島戦記TRPG会にあります。
・本コンテンツのキャラクターイラスト、一部のモンスターイラスト、サイトイメージイラスト等の著作権は、むーむー/マーコットPさん/アールグレイさんにあります。
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【プレイヤー】
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・マーコットP
・ヤトリシノP
・むーむー(GM)
【挿絵・イラスト】
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【キャラクター(エモーション・表情差分)】
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【使用ルール・世界観】
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(C)KADOKAWA CORPORATION
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原案:安田均、水野良、著者:高山浩とグループSNE
出版社:角川書店
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【リプレイ製作】
・むーむー
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