10年ぐらい前に8割ぐらいは読んだ事あるのだけど、今回は全部読んでみようと思い図書館で借りる。ノンフィクションなんだけどSF的な内容と思った印象は前回と変わらず。今では、利己的遺伝子やミームという考えもそれ程衝撃的に感じない。ドーキンスが最初に書いた、人類は遺伝子によって操られているというホラー的な意識が「パラサイト・イブ」や「らせん」の原点になっているのは間違いない。
複雑系やALifeやゲーム理論について知識を得た現在では、より理解しやすい。
映画「アナザヘブン」の原作、というかノベライズなのか。映画そのままで特に目新しさも無い。ビジュアルの感覚も一緒。文章がイマイチかなあ。
上巻でいやになって、とりあえず下巻は保留。
→ その後下巻を読むが…詰まらなかった
1978年に書かれた、リー・ニコルズ名義で発表された作品。
京都でジャズ・クラブを経営し店でも歌手として人気があるジョアンナは、鋼鉄の手の男に襲われる悪夢に悩む。京都旅行中の私立探偵アレックスは、偶然ジョアンナを記憶にある顔だと気づく…。
隠された過去の記憶、国家的な陰謀にラブロマンスを絡ませている。恋愛部分に比重が多いのが、他のクーンツ作品に無い部分。ストーリテーリングとか上手いけど、ちょっとクーンツの味とは違う。
ちりばめられた日本趣味の数々の詳しい描写が逆に鼻についてしまった。
ブラム・ストーカ賞最優秀長編賞受賞作。発表は1998年で、1999年のキングの自動車事故の前の作品
メイン州デリーのベストセラー作家マイク・ヌーナンが主人公。妻の突然の死の後、深刻なスランプに陥り、奇怪な悪夢を繰り返しみるようになる。ダークスコア湖畔、黒人歌手セーラの名前がついたセーラ・ラフスの地で、妻セーラの謎の行動が明らかになる。また知り合った母娘のマッティーとカイア。大富豪で土地の権力者マックス・デヴォアとの対立…と人間関係、隠された過去の事件と絡み合っていく。凄く面白いのだけど、何しろ冗長。スタンダードな幽霊小説だけど、キングに書かせるとやはり一味違う。
小説家という職業、思いが判るという意味では面白い。メアリー・ヒギンズ・クラーク、トム・クランシー、ジョン・グリシャムなど有名どころの著者名が出てくるのも楽しい。
英国作家ペン・ライスのデビュー作。舞台はオーストラリア、オパール採掘のメッカであるライトニング・リッジ。ケリーアンという8才の少女。彼女だけに見える二人の友達はポビーとディンガン。ケリーアンの兄のアッシュモル。
ポビーとディンガンが父親の採掘場で行方不明になってしまい、ケリーアンは重い病気で寝たきりになる、アッシュモルは妹を救うためにふたりを見つけるために奔走する…
まあ、面白いし、スパッとした結末のつけ方など見事なんだけど、ちょっと物足りない所もある。
訳者後書きにはあらすじがすべて書いてあるので、前に読んでしまうとがっかりかも。
一家惨殺事件の遺族秋葉泰子、犯人の娘である都築未歩。不幸な事件のその後、交錯する二人の運命…。
事件の発端からの書き込みの上手さには舌を巻いた。また上申書で明らかになる加害者の意識。被害者遺族への感情移入から、一気に加害者への同情と精神的なジェットコースターを味合わせてもらえる、この上手さは素晴らしい。ここだけでも読む価値充分に有り。
しかし、その後はなんとも言えず、平凡でがっかり。最初のニ章はホントに素晴らしい。後半が同じ勢いだったら、素晴らしい名作になったと思うのに。
世田谷の一家惨殺事件を連想させるが、この小説の方が先。
科学者の色々なエピソードを集めたもの。様々なエピソードはそれぞれ面白いけど、中途半端。
自説に固執して脚気の治療を誤り多数の犠牲者を出した森鴎外、エジソン、ジェンナーなど有名所から、青色発光ダイオードの中村修二なんて最近のものまである。
離婚問題から逃れるために東洋旅行に出たリチャード・ゴードン(1858-1918)。明治後期に日本を訪れた英国人博物学者の探訪記。
没後90年を経て孫の手によって発見された絵入り、写真入り全八巻の日記を翻訳したもの。明治後期というのに江戸の生活が充分に感じられる。後半は日露戦争に突入して、その時代背景が判るのも面白い。ゴードン・スミスがヘンな部分に共感したり、同じ西欧人にヘンに反発するのが興味深い。
本木克英監督、小林聡美主演の映画「てなもんや商社」の原作。
エピソードは映画とは同じで無いが、会社の萬福中国貿易株式会社、上司の華僑の王課長、主人公の光などの設定はほとんど同じ。中国でのトラブル、酒の付き合い、自分の間違いを認めない中国人など、「中国人のまっかなホント」を思い出す。
服飾関係のこの会社の中国での苦労も、ユニクロの事を考えると、現状はずっとよくなっているんだと思うけど。
→ 映画「てなもんや商社」感想
坂東眞砂子のエッセイ。恐怖小説を書くと身の回りで奇怪な事が起きる…という「身辺怪記」が表題になっているが、別に恐怖体験をまとめたエッセイでもない。執筆における調査の、旅行、もっと生活の身の回りの小さな出来事などの様々なエッセイ。「死国」、「狗神」の様な土着的な話も多いが、「南方浄土」の章では、タヒチ、バリ、アンタルヤなど旅行の話もあり南国好きが垣間見られる。
溜まりにたまった本をどうにかするためにオンライン古本屋を開く事になった著者の奮戦記。
本に対する愛情や暗中模索で店を作って行く様は、素直に読んでいて面白いし、実行力には関心する。読んでいると、なんか買ってあげなきゃ、という気がしてくる(^^;)。