歌謡曲、日本のポップス


2000/3/12
 シュガー・ベイブ/ソングス('75)
 最近、空気公団とかキリンジとか、ティン・パン・アレー辺りの日本の70年代ロックを想起させる音楽を聴いているので、久々にこの盤取り出して聴いてみました。
 94年にリイシューされた盤の山下達郎自身によるライナーを読むと、その試行錯誤を伺い知ることが出来ます。しかし、日本にそれ迄に無いポップスを作ろうとする熱気と、それが受け入れられるのか?という不安感が混ざって聴こえてくるのが、わたしにとっての、このアルバムの魅力です。最近の余裕あり過ぎなヤマタツより個人的には好きかなあ。
 輪をかけて大貫妙子の歌声には、自信と不安が表れているように聴こえますが、彼女の「風の世界」、「蜃気楼の街」、「いつも通り」は、東京出身の人にしか理解不可能ではないか?と思わせる歌詞の内容で、その歌声、アレンジと相成って、いかにも東京ローカルなサウンドと感じさせます。田舎者には決して届かないところにある世界で、その為決して古く聴こえない、いつ聴いても鮮烈なポップス。
 しかし、割とアルバム全体的にまとまりがあるように感じられますが、最後の「シュガー」は蛇足なような気が、、、(爆)。




2000/3/9
 空気公団について書いた7日の内容を見ると、「で、何が言いたいんだ?」と自分でツッコミ入れたくなるような、端切れの悪いもの。率直に言えば歌詞が苦手、でも全体のサウンドは好き、ということになります。学生時代の優等生的な声で「〜だ」「〜た」で切れる男の子っぽい歌詞を歌われると、説教受けているみたいで、どーも違和感を感じちゃうんですよね。あースッキリした(笑)。そういうことから、歌がエコーが深く懸かっていて歌詞が聞き取りにくい「退屈」が一番好きかなあ。
 考えることに疲れたので、『ヒロミックス’99』を取り出して聴いてますが、、やっぱりいいわ。歌詞、曲、歌、サウンド、全てに渡って格好イイです。




2000/3/7
 空気公団『ここだよ』を聴くと、どうしても矢野顕子や、大貫妙子、吉田美奈子あたりを連想してしまいます。ヴォーカルの歌い方、歌詞の言葉遣いなどに特にその印象が強いです。先達に比べ、やや生命力が弱い、というか、押しの強さというものは感じられない、というかそういったところは良くも悪くも今のサウンド、と思わせますが。個人的には歌詞の世界より、バックの洗練されたサウンドに格好良さを感じます。あと矢野顕子や大貫妙子が好きな人が聴くと、無茶苦茶気に入るか、近親憎悪からただの物真似に感じるか、印象が真二つに分かれるのではないかと思います。と、どうでもいいことを考えさせずにはいられない、サウンドであります。



2000/1/27
小泉今日子/夜明けのMEW
('86)
 ふと、この曲を聴きたくなり、レコード手にとりターン・テーブルへ。アレンジ(=式部聡志)は時代を感じさせるテクノ・ポップ調ですが、聴いている間はそんなことを感じさせない、目くるめくメロディーが飛び出してくる、これぞ筒美京平と思わせるポップス。とくに「きぃみぃーを すぅべーて しぃいーって いるぅーと おもぉーおてぇーいたぁー」(作詞=秋元康)の部分の力技の展開には、映画「エイリアン2」、「ターミネーター2」(共にジェームズ・キャメロン監督)の「これでもかぁー」的展開を想起させるもので(なんのこっちゃ)、聴くといつもヘロヘロになってしまいます。しかし、何度聴いてもイイ曲です。
 本来は夏の「夜明け」に聴くのが相応しいのでしょうが、冬に聴いてもシミてきます。余談ですが、この頃のKYON2のシングル・ジャケットってアルバム・ジャケットと同じつくりで高級感あります。

 

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