学校とは何か

学校とは何でしょうか。学校では読み書きをはじめとして色々な科目の勉強をさせられますが、色々な科目というのは結局のところ読み書きの細分化です。科目ごとに内容は異なるものの、そこでは読み書きの能力が問われるのでペーパーテストというものがあるわけです。つまり、学校というのは現代社会における広い意味での読み書きを勉強するための場所だと考えられます。

現代社会というのは文明社会であり、文明というのは視覚言語に支えられていると考えられます。読み書きの勉強とは視覚言語の習得ですから、学校というのは非文明的な存在である子供を文明に適応させるためのシステムであると言えます。学校では視覚言語として蓄えられた文明的知識が教科書という文書で子どもに伝えられます。

また、文明社会というのは大きな社会であり、大きな社会において人間は意識的に自らの行動を制御することが求められます。学校はそういうことの訓練をするところでもあります。だから、学校では遅刻をしたり、宿題を忘れたり、授業をサボったりしてはいけないということになっているわけです。

ところで、文明とはモノの構築であって本質的に拡大する傾向がありますが、我々の文明はもうこれ以上拡大できそうにありません。このまま拡大すれば破綻しそうな状況です。したがって、我々は文明の本質に逆らって規模の維持または縮小に向かう必要があるでしょう。文明というものの本質に逆らって方向転換する必要があるのですから、子どもを文明に適応させるためのシステムである学校のあり方も変える必要があります。

我々は非文明的存在である子どもから何かを学ぶべきなのではないでしょうか。大人は子どもより知識は多くて当り前ですから、大人が子どもから学ぶことというのは知識ではありません。それは文字で伝達することが困難なものでしょう。文字で伝達することが困難なものを学ぶのは時間と手間が必要で面倒なものです。しかし、それは考え方次第で双方にとって面白いことでもありえます。