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サッカー
4月25日のスペイン戦のメンバーに、新たに、都築龍太(G大阪)、森島寛晃(C大阪)、三浦淳宏(東京V)、小野伸二(浦和)、柳沢敦(鹿島)を加えた布陣で、右ひざを手術した名波浩(磐田)、故障で治療中の中村俊輔(横浜)はメンバーから外れた。またセリエAの終盤、優勝をかけた争いを展開しているASローマの中田英寿については「あくまでも日本代表の利益を優先させる」と、ローマの優勝争いに関わらず、中田を日程中は拘束する方針を示した。 代表は22日からトーレーニングキャンプを行い、27日に再集合。31日のカナダ戦(新潟)に備える。また服部年宏ら磐田のメンバー4人は、アジアクラブ選手権のために22日からソウルに遠征し、新潟から合流することになっている。 会見前のトルシエ代表監督のコメント
◆一問一答(要旨抜粋): ──今回の代表選考のポイントはどこにあるか。スペインの際にはディフェンシブに、ということだったが 監督 ディフェンシブに戦う、ということに混乱があった。わかってほしいのは、対戦相手がいて、その対戦相手に対してどういった戦術を組むのかということである。みなさんだって、台風が来る、となれば雨戸を閉めるでしょう。私だって本当は雨戸を閉めたくなんかなかった(雨戸を閉める=DFを固める、か)。ただ、ボールが足元にない、自分たちの主張にない場合は、やらざるを得ない。誰だって攻撃的なサッカーをしたいでしょうが。問題は、選手の経験にある。どうか、稲本をミュンヘンに、どうか伊東をバルセロナに、どうか高原をアーセナルに、そして松田をマンチェスター、森岡をモナコに行かせてやってほしい。つまり経験が不足している。サッカーは、きょうは守備的、あすは攻撃的、という話で済むものではない、記者だって、みな試合を見ながら、誰が誰より優れているといったことをメモするだろう。監督の務めも同じで、12−0の試合をするわけにはいかない。と同時に、私が魔法の杖を持っているわけではないということもわかってほしい。 ──選手選考について伺っているんですが 監督 特にびっくり仰天することはないだろう。柳沢が入っているといっても、彼も何度もこれまでやっている選手だ。監督はたった2日の練習でハーモニーを生まなければならないのだ。
監督 なぜコーチングの問題だとばかり言うのか。ベンゲルでもアルディレスでもいい、なぜ責任や問題が常に監督のコーチングだけにあり、選手の問題だとは考えないのか。例えば、カナダのリストを見ると、90%がイングランド、スコットランドの強豪でプレーしている選手ばかり、あの国にはピッチなどないにもかかわらず、だ(環境がないのに、海外で経験を積んでいるということ)。選手の経験が足りないのだ。日本がクロアチアと、アルゼンチンと戦ったとき、日本はボール占有率でもシュートも上回っていた。これは、明らかに岡田監督のお陰であり、問題は個人の成熟度、決定力が足りない点なのだ。たとえ3部でもいい、2年間でもスコットランドやイングランドのリーグで経験をしてほしい。 ──質問の答えになっていませんが 監督 これから答えを言おう。要するに、こうしたレベルに達していない、経験のない選手をコーチするには、すばらしい監督が必要なのだ、ぼくみたいにね。 会見は、質問に答えるというものではなく、監督が自分の言いたいことだけを話すという恰好になった。 監督 スペイン戦の責任すべてがその人にあるわけではないが、選手の態度にある。まるで8歳の子供みたいに振る舞い、英雄気取りをした。自己満足をした結果だ。誰か名前はわかりますか?そう、上村なんです。彼は両足をケガしたみたいな恰好で、5分と(ロスタイム表示が)出たあとにピッチを去った。男として歯を食いしばるということ、最後まで責任を果たすということができなかった。彼は(帰国して)2日後にはJリーグに出ていて、スペイン戦を満足だったと話している。こうした選手は日本代表を務める資質がないし、選手にもそう話した。こういう態度の結果が、日本の敗戦になったわけで、スペインには、最後までがんばれない選手がいるということを教えてくれたのだから感謝したい。この話、(みなさん)書きますか?書かないでね。 ──中田選手の処遇はどうするのか 監督 それは岡野会長と話をしなければ。岡野会長が、もし私をローマのクラブ利益を守るために雇ったというのなら、中田を決勝トーナメントに入ったら(ローマの最終ゲーム6月10日にかかる)セリエに戻さねばならない。でも日本サッカー界の利益を守るために雇ったというのなら、日本最高のチームを作らねばならない。
「8歳の子供とは誰のことか」 上村がスペイン戦敗戦の要因だった、と監督自らが批判をした、あるいは責任をなすりつけた、と、文字だけならばそうセンセーショナルに伝えることができる。
この日の会見は、スペイン戦後、さまざまな報道から非常に気分を害しているといわれる監督には、最初からあまり居心地のいいものではなかったのだろう。名波、中村を欠くことも察することはできる。
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