石垣・西表紀行2001

チャマル編  by BAJA

チャマル、こいつに関しては、情報不足な感が否めない気がする。

私が 知ってるのは発生初期、昼に盛んに飛び回る。発生後期は他のマルバネ 同様徘徊行動をとる。ススキの生えてる野原を飛び回る。幼虫は他のマ ルバネとは違いシイのフレークではなく、地下の腐植質を食べてるらし い。年によって発生数に非常にばらつきがあること。松の様な木の幼木に飛来している所を♂♀捕獲している映像もみた。 

10/27午後石垣某所、道路横断中の8♂♂をT氏が採集。 10/30午前石垣某所、道路横断中の3♂♂をT氏が採集。 事前に得られた情報はせいぜいこんなものであった。 11/1石垣入り、夕刻、上記の石垣某所へ行った。T氏の話ではチャ マルが採集出来るエリアは極限られているのだそうだ。徐々に高度があがりはじめ、ススキが生えるエリアに差し掛かり、こういう所なのかなぁと思い聴いてみるとまだ全然先であると言う。次第に細い木々が増え はじめ、雑木林に近い雰囲気に大木が混じるような樹層のエリアに差し かかった。この辺りからチャマルが採れはじめると言う。このまま高度を上げて行くと、樹層はシイ等の大木の極層林となる。この手前辺りまでの区間がチャマルの採集実績のある区間なのだそうだ。他のポイントの情景を知らないので、一概に言い切れないが、チャマルの発生ポイントというのは極層林の周囲をとり 囲む様に存在する樹層帯なのであろう。 

さて、実際の採集時の話に戻る事にしましょうか。チャマルの採集実績があるエリア手前に車を駐車し、道路の両端2名づつに分かれ、探しつつ登って行く事にする。チャマルを含め、歩くマルバネの速度は意外にもかなり高速なのであるという。従って、いればすぐにわかるそうだ。 道の両端には吹き溜まった枯葉や枝なんかが所々にある。こういう吹き 溜まりに隠れて見つかる事もあるそうなので、念入りに見て行く。程な く、エンダーさんが何かを見つけたらしい。チャマルの様だ、しかし、 そのチャマルは既に死亡しており、残念な事に大顎部が欠損し、蟻にたかられていた様だ。T氏によると死亡した個体はあっと言う間に蟻にたかられて、片付けられてしまうという。確かに小さめの赤い蟻が道路に 沢山みられる。時おり、動く物体はあるのだが、その多くはエンマコオロギ大の斑模様のちとカマドウマ似のコオロギであった。この後、ここでチャマルを見る事は出来なかった。

T氏が10/30に採集した3♂♂を生かしておいてくれた為、私達は生きたチャマルを見ることができた。はじめて見たチャマルはトカラノ コにも似たなんとも言えない美しいクワであった。 

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何とも言えず美しい

次にチャマルポイントをチャマル採集目的で訪れる事になるのは11/5である。この日は朝から天気が良く、採集日和であった。ポイントに 到着した我々は、前回と同様に道路の両端に分かれ、じっくりと探していくが、残念ながら、チャマルの姿はとうとう確認することが出来なかった。この時点で、T氏が10/30採集したチャマルは3頭とも生存 していたが、既にフセツがとれたりと、寿命が迫っているのがわかった。 採れなかった言い訳ではないが、T氏の採集状況、採集個体の衰弱ぶり等から考えて、10/27採集された時点で既に発生後期を向かえ、徐 々にその終盤を既に迎えていたのではないかと思われる。あくまで推測に過ぎないが、発生後の生存期間は1ヶ月前後なのではないだろうか。10月初旬位に野外活動をはじめて昼ブンブン飛び回り、10月末に徘徊して終る。当然ポイントや年によって違ってくるのだとは思うが。

チャマルのお話としては以上であるが、この日はエンダーさんがナナホシキンカメムシ&クロカタゾウムシなんかも採集し ておりました。キンカメはとっても綺麗な虫であるが、やはりカメムシ、 匂はとっても強烈でありました。

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臭いけどタコ採れしたナナホシキンカメムシ・・・侮れない美しさだぞ!

ほんでお話はなぜか11/5の夜に飛ぶ。この夜、ホテルの部屋での宴会終盤、今回の採集で得られた獲物の分配を行った。ルールは簡単、じ ゃんけんで勝ったものから好きな獲物をもらうだけである。T氏より提供していただいた物も含むクワがまず、順当に配分された。問題は最後に残った怪しい虫達である。じゃんけんで負けた私に残された選択、 それはケースの空きエリアが無くなった為にサキシマ♀と同居していた ホタルである。頭は採れ、腹はコナゴナ、足も何がなにやら怪しくなっ てしまっている。ルールで持ちかえって責任もって紹介する事になって いたので、渋々パーツを拾い集めて持ちかえる事になったのであった。 

 

 今回私が持ち帰った虫。下段8一番右がジャンケンで負けて持ち帰ったホタル。この形に復元するだけで2Hかかりました。

策謀編

サキシマヒラタ編

マルバネ編

グルメ編

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