2010年2月

日時 2010/2/28
銘柄 モングラーナ2007(クエルチャベッラ・イン・マレンマ)
感想 子どもが大きくなってきて、鍋とか焼肉とか、自分が参加できる料理を面白がるようになってきたので、このところ我が家ではホットプレートの出番が増えています。もちろん、カミサンがそのほうが楽だという裏事情もあります。 この日は、おたふくの「お好み焼きの素」を使って、お好み焼きに挑戦。 (実は粉モノ大好きな私です。) 100228.jpg
なかなか美味しくできましたよ。
お好み焼きと一緒に飲んだのは、久しぶりのイタものです。 「カマルティーナ」やモダンなキャンティクラシコで有名なクエルチャベッラがマレンマ地区で作る「モングラーナ」。 セパージュはサンジョヴェーゼ50%、メルロ25%、カベルネ・ソーヴィニヨン25%。ステンレスタンクで醗酵。マセラシオンを行った後、その一部だけ2〜3ヶ月間バリック熟成。残りはセメントタンクで熟成させるとのこと。 100228wine.jpg
グラスに注ぐと、濃い色調のルビーで、エッジはまだ紫が残っています。香りはカシスやダークチェリーなどの果実、丁子、ナツメグなどのスパイス、それにハーブっぽい青いニュアンスを感じます。飲んでみますと、若々しく充実した果実味があり、タンニンはよく熟していて、このクラスとしては質感の高いものです。3種のセパージュですが、無理やりこじつけますと、香りにはカベルネ、アタックから中盤のなめらかさはメルロ、フィニッシュにサンジョベといった印象でしょうか。(笑)クエルチャベッラの若いワインはオークを強めに感じることが多いのですが、この銘柄はあまり樽の要素を感じず、その分果実味がストレートに感じられます。ただ、現時点では香りにも味わいにもやや青っぽい要素が感じられますね。価格帯からしてそれほど寝かせるランクではありませんし、実際、今でも美味しく飲めるのですが、少し寝かせたほうがより美味しく飲めそうです。 ボトル半分ほど「プラティプリザーブ」に残しましたので、明日また飲んでみようと思います。

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追記:案の定、翌日のほうが各要素がなめらかになってよい感じでした。正直、あまり面白みのあるワインではありませんが、CP高いし、手堅い一本というところでしょうか。個人的にはもう少し高くてもキャンティクラシコの方を選びますね。
日時 2010/2/25
銘柄 ボーヌ85(ドラグランジュ)
感想 さて、「チョイ熟」検証、今回はドラグランジュです。
85年などといったらもはや「チョイ」のレベルではないだろうといわれそうですが、一応「チョイ熟」の定義は、「ショップで買えるチョイと熟成したもの」か「ショップでチョイと安く買える古酒」ということにしていますので。(ちなみに、手元で熟成させたものはチョイ熟対象外です。)
1792年ヴォルネイに設立されたドメーヌで、1972年にムルソーに移転。ボルドー・シャトーと見紛う程立派なドメーヌで、岩盤をくりぬいた地下二層にもわたる広大なカーヴには65万本ものストックを保管する事が可能。別途ヴォルネイにも10万本のカーヴを持ちます。「ブルゴーニュの真髄は長期熟成した味わいにある」との信念の下、自社カーヴで長期熟成させてから販売するという方針を貫き、現在の名声を築きました。古酒は地下2階の温度12度のカーヴで保管。基本的にリコルクは行わず、必要と判断したボトルのみリコルクしています。 栽培においては、厳格なリュット・レゾネを実践する生産者です。
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この生産者のワインは2度飲んだことがあります。一度目は平野弥さんで購入した90ボーヌ。これは状態もすばらしく、超ハイCPの古酒でした。これに味を占めて、他店で93のオークセイデュレスを買って飲んでみたところ、こちらはドライアウト寸前で残念な思いをしたものです。(といってもどちらも売価2000円台だったのですが‥) 今回は、かわばたさんで他の買い物に合わせて、85のドラグランシュを2本買いました。(正直に言うと、1本でよかったなぁと若干悔やんでいます。(^^;)
キャップシールをとると、コルクの上面にはカビがびっしりと生えていて、これは抜栓に苦労するかな、と思いましたが、実際は意外なほどあっさり抜けました。中盤ぐらいまで染みてきていたとはいえ、コルク自体かなりしっかりしていたところを見ると、リコルクかもしれません。香りはドライ系で、イチジクやアンズ、それに赤系のドライフルーツ、かつおだし、出がらしの紅茶など。リーデルでは比較的ウエットな香りが出ますが、ロブマイヤーIIIでは例によって乾いたスパイス香が支配的になります。
話がそれますが、このロブマイヤーIIIというグラス、なかなか実力を発揮させられずにいます。というのも、私が普段飲むような価格帯のブルにおいては、ほぼ例外なくリーデル・ヴィノムの方がしっとりとした香りになるからです。グラス上部のすぼまり方がきついせいか、グラス内のエアが滞留してしまうような印象を受けます。どちらも変わらないというのならまだしも、明らかにリーデルの方が私にとって心地よいところがなんとも悩ましいんですよねぇ。(^^; もっと上級の古酒になるとまた違ってくるのだろうとは思いますが‥。
さて、飲んでみると、最初の1〜2杯は例によってかなり儚げな酒躯であり、酸も立ち気味で、これは、飲み頃を逸したかな、と不安になりますが、飲み進むに連れて、印象は良くなります。とくにボトル下部のほうは充分なコクもあり、この価格帯としては文句のつけようのない古酒の味わいです。熟成のベクトルはリキュール系というよりは、ドライフルーツ系。不自然な若さを感じることはありませんが、85年のこのクラスとしては酒質がしっかりしていること、コルクがまだまだ健全なことなど、想像するに、リコルクしてからある程度時間が経過したボトルなのかもしれません。このボトルに関しては、購入して損したとは思いませんが、もう一度飲みたいかというと、ちょっと微妙なラインですね。とはいえ、値段も比較的安いし、タマ数も豊富なので、以前飲んで印象のよかった90年など、この作り手の他のビンテージを改めて飲んでみたくなりました。

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日時 2010/2/23
銘柄 サヴィニー・レ・ボーヌ・ナルバントン(モーリス・エカール)
感想 多忙な日が続いて、なかなか家でゆっくりワインを開けられませんが、この日開けたのは、うきうきさんのSOYセールで購入したモーリス・エカールの01年。セールということで、購入価格はなんと2680円。
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ちなみに2005年からは息子のミシェルと妻のジョアンナの名前を冠したの「ミシェル&ジョアンヌ・エカール」の名前になっており、相続の関係で所有畑も3/4を売却してしまったそうです。国内ではあまり見かけませんが、正規輸入元ついてないんですかね?
グラスに注ぐと、かなり熟成を感じるガーネットの色調で、全般にレンガ色がかっています。香りはなかなかいい感じです。赤系果実のリキュール、スーボワ、鉄サビ、枯葉、それに少しばかり(よい意味での)生醤油っぽいニュアンスも。口にしますとややドヨンとした味わいで、しっとりとした果実味は残っているものの、終始酸が支配的なのがなんとも‥。ワイン単体で楽しむのはちょっと厳しい面もありますが、食事とあわせればもちろんOKですし、熟成したリキュール的な芳香が3000円以下で味わえたのですから、あまり文句はいえませんね。もう一度買うかと問われると、良年ならば、という感じですが。

追記:小瓶に残したものを翌日飲んだら、香りはやや衰えたものの、味わいにコクが出て酸の突出感がだいぶ後退していました。二日目のほうが印象良かったです。ということは、もっと熟成するんですかね〜。

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日時 2010/2/19
銘柄 ジュブレイシャンベルタン97(クルティエ・セレクション)
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このクルティエ・セレクションと、ルーデュモンのレア・セレクションを混同している方が多いと思いますが、レア・セレクションの方は、ルーデュモンの仲田氏が生産者から”シュル・ピル”(ラベルを貼らないビン販売)によって買い付けて、ルーデュモンのラベルを貼ってリリースしているもの。一方クルティエセレクションは、輸入元のヌーベルセレクションが、現地のクルティエたちを通してビン販売で買い付けたワインを共通のラベルを貼ってリリースしているもの。ルーデュモンは、ビン買い時のチェックやラベル貼りなどを行っているそうで、いわば監修のような立場とういことでしょうか。

この97ジュブレイはリカーワールドさんのオークションで落としたうちの一本。落札価格は2750円でした。 抜栓したコルクは底の部分から全く染みておらず、出荷してからの管理状態のよさを物語っています。グラスに注ぐと、中程度からやや淡いレベルのガーネットで、全体にオレンジがかった色調です。香りは強くはありませんが、しんみりとした赤系果実のコンポート、オレンジの皮、梅、紅茶、枯葉などのトラディショナルなもの。味わいはかなり熟成感を感じさせるもので、力強さや凝縮感はなく、こちらもしんみりとした印象です。酸は比較的強めで、やや乾いたタンニンも感じられます。どこの生産者のものかは知るよしもありませんが、澱もなく、エキス分もやや薄めで、清澄とフィルターを強めにかけている印象を受けます。村名といっても、せいぜい一流生産者のACブルのレベルですが、10年以上熟成したボトルでありながら(安いところで)4Kを切る値段と、状態のよさを考えれば、試してみる価値はあると思います。 クルティエ・セレクションって、他にも5K台のシャルムシャンベルタンとか、2kを切るACブルの古酒とか、なかなか面白そうなものもありますね。過大な期待は禁物かもしれませんが、そのうち追加購入して試してみたいところです。

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日時 2010/2/18
銘柄 取引先の方が転勤となったので、送別会を兼ねて、新橋のピッツェリア「ドォーロ」に行きました。 毎度おなじみ、料理も美味しくコストパフォーマンスのよい店ですが、ここのもうひとつの楽しみはこの手の店としては充実したワインリストです。さまざまな銘柄をボトルだけでなく、カラフでも注文することができます。もっとも、この日は3人だけだったので、乾杯のビールのあと、以下の2本を注文するに留めました。
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モンテ・チェリアーニ・ソアーヴェ2007
(テヌータ・サンアントニオ)

店員に薦められるままに選んだのがコレ、テヌータ・サンアントニオのソアヴェです。キラキラしたミネラル感と力のある酸。ボンゴレのパスタなどに合いそうです。ただし味わいのベクトルはシャバシャバ系なので、チーズの効いたピザなどにはやや力不足かもしれません。
ボルゲリ・ロッソ2006(マッキオーレ)
定番中の定番銘柄。やや面白みに欠けると思いつつも、白が今ひとつだったので、手堅い線で行きました。まず、ボトルの状態がとても良好。仕入れ先を見たら、なんと某誌でご一緒しているやまもと酒店さんのシールが(笑)。 ボルドーグラスに鼻を近づけると、カシスやブラックチェリー、八角、リコリス、それにビターチョコなどのイイ香りが漂ってきます。飲んでみると凝縮感のある果実をよく熟したタンニンとしなやかな酸が支える、バランスよく外向的な味わいです。3000円前後で一般に入手しやすい銘柄としては、最高峰のひとつではないでしょうか。
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結局3人でビールジョッキ1杯ずつプラスワイン2本。よく飲んでよく食べました。
日時 2010/2/13
銘柄 サントーバン・アン・レミィ2002(ドミニク・ドゥラン)
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「チョイ熟」第二弾は、新年の志村さんの福袋に入っていたドミニク・ドゥランのサントーバン・アン・レミィ。ビンテージは2002年です。 蝋封のコルクを抜くと、コルクほとんど染みておらず、保存が良好だったことを伺わせます。色調はかなり濃いイエロー。香りはこれでもかというようなマロン香に加えて、パパイアや黄桃などのフルーツやキンモクセイなどの強い香りです。口に含むと、酸がしっかりしており、コッテリとした果実味をよく支えています。中間部での旨みの広がりはスゴイものがありますが、味わいは何処までも素朴な印象。と書くと聞こえがいいですが、悪くいえば、垢抜けない味わいでもあります。でも、こういう香味が好きな方もいらっしゃいますよね。もう一度買おうとは思いませんが、3本1万円の福袋価格なら、買って損したとも思いません。
購入時にはあまりCP良好とは思えなかった志村さんの福袋ですが、前回のゲルベといい、なかなか面白い出会いを演出してくれました。

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日時 2010/2/8
銘柄 ニュイ・サンジョルジュ・レ・サンジョルジュ2001
(フレデリック・マニヤン)
感想

これからしばらく、自ら人柱となって、断続的に「チョイ熟」ワインの検証をしてみようと思います。

「チョイ熟」というのは、「チョイと熟成したワイン(10年以内)」、あるいは「チョイと手軽に買える熟成ワイン」という意味です(造語)。
決して「チョイ熱」ではありませんので、念のため。

この日は、第一弾として、うきうきさんで購入したフレデリック・マニヤンを選んでみました。フレデリック・マニヤンはミシェル・マニヤンの息子さんが作るネゴシアン・ブランドです。(ちなみに今はミシェル・マニヤンのワインもすべて息子のフレデリックが作っているそうです。)2000年前後のビンテージはWA誌で高評価されたりして、結構人気だったものですが、最近のVTはあまり見かけませんね。インポーターが取り扱いやめたんでしょうか。ちなみにこのボトルは「JALUX」のものでした。99年や2000年のものは以前よく飲んで、そこそこ印象がよかったこともあり、期待して開けてみました。

濃いめのガーネットの色調で、エッジにはオレンジがみてとれます。香りは黒いフルーツのコンポートやリキュール、スーボワ、甘草、皮革など。陶然とする、とまではいきませんが、スワリングするたびに良い香りが立ち上ります。 味わいは果実味を支える酸がやや強めで、凝縮感は1級筆頭の畑としてはちょっと物足りないレベルかもしれません。タンニンは溶け込んでいるものの、フィニッシュにかけて舌の両脇にややイガイガした感じが残るのがマイナスです。余韻も期待に反してアッサリしてます。決して劣化ボトルというわけではないのですが、ちょっと要素が抜けてしまったような感じがあり、きっと現地で蔵出しを飲んだらもっと美味しいのだろうな、と思わせる味わいです。 前日の02ラルロには遠く及びませんが、売価5K台ですからね。価格相応というところでしょうか。
このあとは、クルティエ・セレクション、ラデュ・エ・リム、ドラグランジュなどが登場予定ですが、さてどうなることやら。

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日時 2010/2/6
銘柄 NSG・クロ・デ・フォレ・サンジョルジュ02(ラルロ)
感想 100206wine.jpg
最近実家では、母と弟が晩酌にワインを嗜んでいるとか。この日は子供たちと実家に行ったのですが、交通手段がクルマでなく電車だったこともあって、一緒に飲もうとセラーのワインを一本持参してみました。
ラルロは、正直、あまり好きな生産者ではありませんが、子供のVTの02年ということで、他の銘柄と一緒に購入したものと思われます。わりと熟成も早いようですので、そろそろ開けてもよかろうと思い、チョイスした次第。
グラスに注ぐと、エッジにはオレンジが入って、いい感じの色合いです。香りがすばらしい。ラズベリーやカシスなどのややトーンの高いリキュール状の果実、ダージリン、枯葉、シナモンなどのスパイス、良い意味での漬物、それにマツタケやキノコなどが渾然一体となって立ち上ってきます。味わいもまさに熟成のピークといった印象。やや細身ながらもコアがきっちとしていて、ジュクジュクになっていないところはさすが看板銘柄です。惜しむらくは、味わいの後半に微妙に苦みが顔を出すこと。これさえなければ、ワイン単体でも際限なく飲めてしまいそうなんですが‥。

ラルロの支配人ジャン・ピエール・ド・スメ氏は元々デュジャックで共に仕事をしていた人だそうですが、99年からビオディナミを導入し始め、03年に完全にビオに移行したとのこと。02年はちょうど移行期というところでしょうか。たしかに、香りにデュジャックやDRCに通じるマツタケっぽさを感じる一方で、シャソルネイなどに近い感覚もあったかな、と。最近は値段が高くなってしまいましたが、03年や04年なども改めて飲んでみようかと思いました。
それと、飲み方は人それぞれとはいえ、これを氷で割って飲んだり(母)、一気飲みする(弟)のは勘弁してほしいと思いました。

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