このジャック・カシューはリリース直後に購入したもの(01年9月)ですが、配送されてきたボトルはラベルが汚れるほどに見事に噴いてしまっていました。同時に送られてきたボトルがなんともない中、このボトルだけが激しく噴いていたので、やはり一部の風評の通り、ジャッカカシューのコルクは問題があるのかも、なんて思ったのですが、まあ早めに飲む分にはいいだろう、ということで返品やクレーム扱いにはしませんでした。
というわけでこのボトル、本来ならばもっと寝かせておいたほうがよいのでしょうけど、早々にこの週末開けることにした次第です。
抜栓してみると、上部の方まで見事に筋ができていて、上部には乾いたエキス分が付着しています。コルクはヤワで素人目に見ても、材質的にイマイチと感じられるものです。
色調は濃いルビーで、オレンジのニュアンスは見られず、エッジはピンク色です。香りは黒い果実やナツメグ、丁子、ブラックペッパーなどのスパイス、焦臭、それにバニラなど、華やかなものですが、まだ熟成香は顕著に現れていません。味わいは濃縮感のある果実味をしっかりした酸とやわらかなタンニンが支えており、骨格もしっかりしています。オークの風味がほどよく溶け込み始めており、濃厚な中にもクリーミーな酒質はまさにカシューのものです。これに中盤の表情の豊かさや調和のとれた余韻が加われば、もうほとんどクロード・デュガの世界なんですが、その辺の詰めが一歩足りないあたりが、このドメーヌがブレークしきれない所以といえましょう。それにしても、こうして改めて飲んでみると、やっぱり99年ってイイ年ですねえ〜。しかも値段は6Kという今では考えにくいプライス。もっと買っておけばよかった。【91+→92】
翌日:力強さは一歩後退した分、味わいの輪郭がくっきりとして、 含み香も豊かになり、非常に良好な味わいになりました。点数も上方修正。本当にもっと買っておけばよかった‥。
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