これは非常に興味深いワインです。
かなり前に小田急ハルクのセールで購入したものなんですが、 ノンビンテージで、年号の代わりに「Anno MDCCCCIC」なる不可解な記号が記載されています。実はこれ、ラテン語の表記だそうで、1999年産という意味だそうです。AOC法上
ヴァン・ド・ターブルとなるため、年号が記載できず、このようなことになっているようですが、ヴァン・ド・ターブルといっても、あくまでAOC法の規定にそぐわないからということで、、モノ自体はラピエールの所有する「モルゴン」にある畑から出来る最高級キュベであるとのこと。実際、WA誌も1997年産に93点という高いポイントをつけているそうです。ボジョレーというと、どんなによいものでも2〜3年のうちに開けたくなるものですが、このクラスですと「10年の熟成にも耐える」そうです。というわけで、6年経過のこのボトル、どんな具合に熟成しているでしょうか。
キャップシールは、
最近では珍しくなった蝋封ですが、その効能なのか、抜栓してみるとコルクは非常に健全で、全くといってよいほど上に染みてきていません。(写真参照)
香りはイチゴやブラックチェリーなどの果実、バラ、スミレなどの清々とした中に、漬物っぽい熟成香も見られます。味わいは未だにフレッシュという言葉が通用するみずみずしい果実味がすばらしく、酒質はネットリと厚みがあります。酸は豊かですがエッジは丸く、タンニンは穏やかで、バランスも良好です。これはすばらしいですね。ボジョレーらしいジューシーさを失わない半面、口の中での表情の豊かさや含み香のすばらしさは、私がこれまで飲んできたボジョレーとは明らかに一線を画するものです。まさに芸術的なガメイと言えましょう。【91+】
翌日:さらに向上するかと期待しましたが、残念ながら香りが閉じ気味になってしまいました。でも味わいは初日と同等レベルをキープしていました。
4日目:一日開けて残りを飲んでみました。やや雑巾臭がまじりはじめてますが、まだまだイケます。
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