2010年3月

日時 2010/3/29
銘柄 オークセイ・デュレス07(アニェス・エ・セバスチャン・パケ)
感想 100329wine.jpg
この日開けたのは、先日うきうきさんで購入したアニェス・エ・セバスチャン・パケ。 最近濃厚な色調を見慣れた目からすると、淡めにすら感じる中程度のルビーの色調。フレッシュなラズベリーやイチゴ、ハーブ、シナモン、ミネラル、オレンジピールなど、いかにも純度の高そうな香り。飲んでみると、瑞々しくキュートな果実味のアタックのあと、ホワッと豊かな含み香が口の中に広がります。力強さはありませんが、しみじみと癒してくれる味わい。酸がとにかく綺麗ですね。長く寝かせようと思わずに早めに飲んだほうが吉でしょう。

というわけで、追加購入しようかと検索中です。07年は3k台前半からあるので、買い得感がありますが、楽天に残っている06年は結構高い。4.5Kを超えるとさすがに躊躇してしまいます。 06年の出来はどうなんですかね?

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日時 2010/3/26
銘柄 ジュブレ・シャンベルタン2007(ドルーアン・ラローズ)
感想 この日開けたのは、リカワさんのオークションで落とした07年のドルーアンラローズ村名。落札価格は3100円也。ドルーアン・ラローズは、かつて「小田島」に足繁く通っていた頃などにはよく飲んだものですが、良年にはそれなりな反面、作柄がイマイチの年などにはガッカリするような薄いボトルもあったりして(92、94、98など)、個人的にあまり印象のよくない生産者でした。 その後息子さんの代となって、ラベルもオシャレなものになり、最近は評判もよいようですが、このボトルは、いかんせんVTが07ということもあり、過大な期待はせずに開けてみました。 100327wine.jpg
グラスに注ぐと、透明感のある中程度からやや濃いめのルビーの色調です。香りはラズベリーやカシスなどのコンフィ状の果実、スミレ、ダージリン、ミネラルなどのアロマチックでクリーンなもの。飲んでみると、樽の要素がほとんど感じられず、香り同様にアロマチックな味わいですが、しっかりしたエキスがあり、酒躯は想像していたよりもずっと充実しています。村名ブルゴーニュとしてすごく秀でたものがあるわけではありませんが、一方でネガティブな要素もない、ある意味教科書な仕上がりだと思います。  今の時点でも(やや乾いたタンニンがあるものの)肉料理のお供などに活躍しそうですし、数年寝かせて熟成香が出てきた頃にはさらに美味しく飲めそうです。 というわけで、見直しました、ドルーアン・ラローズ。値段も手頃だし、これからは自宅用に少し揃えておこうと思います。
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日時 2010/3/25
銘柄 送別会で、神田須田町の「けむり」に行きました。古い民家?を改造した隠れ家的な燻製料理の店で、周囲には竹むら、やぶそば、まつや,いせ源などの老舗の著名店が立ち並びます。以前一度伺って、料理がなかなか美味しかった記憶があったので、再訪してみたのですが‥。
この日は失敗でしたねぇ。 まず、通された席が、(アタリハズレがあるのだと思いますが)狭いこと、狭いこと。隠れ家的とか古い家屋らしい趣とか言う以前に、荷物を置くと縮こまって座れなければならないような、基本的なスペース要件を満たしていない狭さでした。 加えて、店内ほぼ満員だったこともあり、明らかに店側の供給能力が不足。ひとつひとつの料理が出てくるのにとんでもなく時間がかかる上に、店員の目も行き届いていない感じなのが残念でした。 居心地の悪さに加えて、料理がなかなか出てこないとあって、これは飲むしかないということになり、ガンガン飲んでしまいました。(笑) 100326wine1.jpg
■プイィ・フュイッセ(ジャン・ジャック・リトー)
豊かでコクのあるプイィ・フュイッセ。蜜のような果実味とそれを支えるしっかりした酸。ミネラル感もありますが、ややしつこさを感じる味わいです。個人的にはもう少し軽快な方が好みです。

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■ピーターレーマン・クランシー2008
ピーター・レーマン、昔よく飲みました。シラーズ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロのブレンド。ブラックベリー、ブラックチェリー、プラム、ビターチョコ、エスプレッソなどの濃厚な香り。味わいも重々しいものですが、この価格でこれだけの凝縮感ということを評価すべきでしょう。この店の燻製料理にはこれぐらい濃厚のものの方がよく合うかもしれません。
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■トルブレック・ジュブナイルズ2008
ラン・リグで一世を風靡したトルブレック。そういえば最近こちらもご無沙汰です。グルナッシュ60%、シラーズ20%、ムールヴェードル20%をブレンドしてタンク熟成。樽を使っていないので、クリーンなな果実味を味わえます。ダークチェリーやカシス、グラスハーブや白胡椒などのスパイス。飲んでみるとピーターレーマンのような、これでもか、という濃縮感ではなく、バランスとナチュラル感重視のベクトルです。個人的にはやや生臭いようなニュアンスが気になりましたが、同席された方には好評でした。
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前回好評だったカレーライスを〆に頼もうとしたら、この日はご飯ものが売り切れと言われ、デザートのファンダンショコラを注文したら、またここで30分近く待たされるなど、最後の最後までお店の供給体制に疑問符がつきましたが、料理はどれもなかなか美味しかったです。 ワインは燻製に合わせてということなのでしょう、濃いめのチョイスが多く、プライスは市価の2〜3倍の間ぐらいでしょうか。グラスは上質とは言えませんが、ボウル状のそれなりの大きさのものなので、ふつうに香味を楽しむことはできます。 そんなわけで最後に、よく飲んでよく食べたとはいえ、お会計がひとりあたり12000円と、こちらの目計算よりやや高めだったのが残念でした。おまえが高いワインを注文したからだと(実際はしていない)、私が責められましたよ。
日時 2010/3/22
銘柄 ボーヌ2005(ニコラ・ロシニョール)
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荒井酒店さんのオークションで、3Kで落としたボトルです。インポーターはエノテカ。ニコラ・ロシニョールといえば、昨年平野弥さん主催のワイン会で、05ヴォルネイ畑違いを飲ませていただいた時の印象が強く残っていますが、さて今回のボトルはどうでしょうか。 グラスに注ぐと、充実した濃いルビーの色調で、すぐに赤い果実のコンポート、スミレの花、オレガノ、シナモン、丁子、皮革などの素晴らしい香りが立ち上ります。ニコラロシニョールのワインは香りが本当に素晴らしいです。口に含みますと、よく熟した果実味が強い旨み感を伴って広がりますが、酸もしっかりしていて、やや乾いたタンニンも目立ちます。数年寝かせるとだいぶ表情が変わってくると思いますが、今はまだ早いのでしょうね。平野さんの会で飲んだヴォルネイ各銘柄と比べると、果実感はこちらの方が外向的なものの、フィニッシュはヴォルネイがミネラリーで綺麗だったのに対して、こちらはややジュワッとした感じです。 いずれにしても、ニコラ・ロシニョールはまだまだプライスもリーズナブルですし、お買い得な作り手の一人だと思います。薄旨系ではないですけどね。

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日時 2010/3/19
銘柄 ブルゴーニュ・ルージュ・キュヴェ・アリナール 06
(ベルナール・デュガ・ピ) 
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ウメムラさんで特価(4.5K)で出ていたときに購入しました。ACブルで5Kと聞くとCP的にどうかというところですが、そこはなんといってもデュガピですし、下の説明のように、AOC的にはジュブレイシャンベルタンを名乗れるもののようです。
中身はれっきとしたジュヴレ・シャンベルタン。国道74号線の東側にある平坦な区画の樹齢30年未満のぶどう樹から、ドメーヌではデクラッセし、ACブルゴーニュとしてリリースしている。初リリースは2000年。


グラスに注ぐと、濃い色調のルビーで、エッジはやや紫がかっています。香りは当初やや閉じ気味でしたが、時間とともに、カシスや黒系フルーツ、シナモンやナツメグなどのスパイス、黒土、烏龍茶などの密度感のある芳香が立ち上ります。 味わいはピンと張った力のある酸がミネラリーな酒質の支えとなっており、果実味の凝縮度も十分ながら、単に濃いピノに終わらずに、エレガントさを感じさせるところがすばらしい。思いのほかオーソドックスにまとめられた、品位のあるワインです。ただ、余韻は比較的あっさりめで、この辺がデクラッセさせる所以なのかもしれません。生産者を告げられずにブラインドで出されれば、よくできた村名クラスと答えると思いますが(ちなみにAOCはあさってな答えをしそうです(^^;)、デュガピの村名だと偽って出されたら、やや物足りないな、と感じる、そんな微妙なラインですね。といっても、5K前後のプライスであれば、不満のありようもない品質ですが。もう1本購入しましたので、こちらは2〜3年寝かせてみようと思います。
翌日:香りがほとんど死んでしまったのが残念ですが、味わいは、ひと晩置いたカレーのように、よりこなれて充分なコクも出てきてきました。

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日時 2010/3/16
銘柄 ブルゴーニュルージュ99(メゾン・ルロワ)
感想 少し間が空いてしまいましたが、「チョイ熟検証」まだ続きます。 今回開けてみたのは、セラー専科さんの4時間限定セールで購入したメゾン・ルロワの99ルージュ。 レビューで結構劣化の指摘があったので、どうかな〜と思いつつ。
キャップシールを剥くとコルク上部にビッシリとカビ。抜栓すれば、コルクは上までびっしりと染みて重たくなっています。色調は濃いガーネットで、エッジはオレンジ色。グラスを近づけると、強くはありませんが、カシスやダークベリーのコンポート的な果実、イチジク、ヨード、スパイス、毛皮、皮革などの香りが漂います。ややキワドイ要素も感じはするものの、基本的には良い香りです。飲んでみると、ACブルとは思えないような凝縮感があり、ほどよい熟成感とあいまって、教科書的なブルゴーニュという印象。今がほぼピークでしょう。終盤にはやや醤油っぽいニュアンスが顔を出します。メゾンルロワのACブルというと、あまり積極的に買おうとは思わない銘柄ですが、こうして改めて飲んでみると、ツボを心得ているというか、さすがと唸らせる安定感がありますね。これが2980円は安かったです。もっと買っておけばよかったと少し後悔。 状態については、他のインポーターのものと比較してみないとなんとも言えないですね。とりあえず、翌々日に飲んだ小瓶の残りは香味とも生きていたことを付記しておくに留めます。
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日時 2010/3/13
銘柄 昨日は会社の仲間のホームパーティにお招きいただきました。 奥様はオメデタでもうすぐ臨月。しかも双子とのことでお腹はパンパンです。歩くのも大変そうなのに押しかけてしまって恐縮至極でした。元気な子が生まれることを祈って、みなで乾杯しました。

■ドゥ・スーザ・キュベ・コダリー 初めて飲む銘柄ですが、コレ、滅茶苦茶美味いです。上品で高級感のある泡立ち。ヘーゼルナッツやクロワッサン、白い花などの優雅で奥深い香り。飲んでみると、すべての要素のエッジが丸く、球体のような味わい。フィニッシュは調和がとれていて、フワッとした心地よい余韻を残します。さっそく自宅用にも買おうと思いましたが、結構なお値段なんですね。まあ、この実力なら納得ですが。
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■シャトー・カルボニュー・ブラン2002
ホタテやイカなどにあわせて。カルボニューの白は久しぶりです。かなり熟成を感じる色調ながら、香味にヒネたようなところはなく、ミネラリーで心地よい酸に食が進みます。なかなか自分から進んで飲むことのないボルドー白ですが、こうしてたまに飲んでみると、目からウロコ的な美味しさがありますね。
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■ファーニエンテ・シャルドネ96
これは珍しいですね。カベルネで一世を風靡したファーニエンテの96年です。春のこの時期にふさわしい華やかなラベル。抜栓してみると、コルクがボトルの側面に貼り付いていて、ボロボロに砕けてしまいます。いったんこして、デキャンタで飲むことになりました。ややヒネ香入っていますが、マロンやモカのフレーバーの充実した酒躯でした。もう少し早く飲んでやったほうがよかったのかもしれませんが、なかなか貴重な体験でした。
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■プリュール・ド・メイネイ2000
Ch.メイネイのセカンド。正直愛好家の興味をそそる銘柄ではありませんが、このボトルの特筆すべき点は、フランスからのハンドキャリーであること。構成要素は少ないものの、柔らかい果実味と穏やかなタンニン、しなやかな酸とがよくバランスされています。それに、現地ハンドキャリーもので常々感じていることなんですが、熟成しても動物的な要素があまり出てこずに、フローラルなニュアンスが残っているんですよね。美味しいです。

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■シャルムシャンベルタン2002(アルマン・ルソー)
私の持参品ですが、これはアタリでした。リキュール的な赤い果実やダージリン、梅、シナモンなどに加えて、皮革やスーボワ香が。味わいは上位銘柄のような力強さはないものの、クリーンな果実と伸びやかな酸があり、現時点で非常に美味です。ルソーの下位?グランクリュって、色も薄くてこれで長持ちするのか不安になりますが、よく熟成するものですね。状態も良好。

■デル・ボンディオ・カベルネソーヴィニヨン99
デル・ボンディオは、3代に渡ってブドウ造りをしてきたファミリーが3年前より始めたワイナリーで、1997年(1,600ケース)が初ヴィンテージ。 畑は、ロバート・モンダヴィやコッポラ等があるナパ・ヴァレーの中央に位置しており、ワインはオーパス・ワンやインシグニアのような高品質なワインに匹敵する、重量感とうまみの両方を兼ね備えた一級品です!

自分ではまず買うことのない銘柄ですが、なかなかどうして。リッチで豊かな、それでいて隙のない、よく出来たカベルネ。99でもまだまだ若々しいです。

■Ch.コスデストゥルネル95
私の持参ボトル2本目。10年近く前に購入したものです。う〜ん、どうなんですかねぇ。前のルソーに比べるとかなりガッカリな味わい。香りがまず立たない。飲んでみるとこなれてはいるんですが、重奏的な味わいに乏しく単調。95のコスってこんなものじゃないはずなんですが‥。劣化ボトルとまではいいませんが、暑い中を長いこと旅してくたびれてしまったような酒質です。同じ経路で買ったボトルまだあるんだよなぁ。鬱だ‥。

出てくる料理はどれも美味しく、ワインとの相性も良好。私の同僚、伺うたびに料理の腕を上げてます。旦那様がこれだけ料理が出来れば奥様も楽でしょうね。すっかりご馳走になりありがとうございました。
日時 2010/3/4
銘柄 ブルゴーニュ95(ラデュ・エ・リム)
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最近ウメムラさんがプッシュしている「ラデュ・エ・リム」。 Radiex et Rim (ラデュ・エ・リム)は、Route de Beauneに古くからネゴシアンを営むCave de NOLAYのオーナーMaurice Chenuと友人のRIMが、長年の豊富な人脈から、ブルゴーニュの優秀な生産者を厳選し入手した貴重な古酒のブランドです。 生産者の何世代にもわたる財産の結晶ともいうべき古酒は、人の縁があって初めて手にすることができ、その味わいは時間の流れという至福の喜びを飲み手に与えてくれます。ネゴシアンブランドのため生産者は隠れていますが、彼らが厳選したワインのレベルの高さに驚かれることと思います。
値段が安かったこともあって、95のルージュを買ってみました。 キャップシールをとると、経年を感じるコルク。もちろんノンリコルクですね。グラスに注いだ液体は、はかなげな色調のガーネットで、全般にレンガ色がかっています。芳香力自体はかなり弱めながらも、リキュール状の赤い果実、ダージリン、枯葉、小梅などが香ってきます。味わいは、よく言えば薄旨系、悪くいえば、単に薄いピノ(笑)。とはいえ、蔵出しならではのコンディションと、おそらくは95年というVTの恩恵により、薄いながらも隙の無い、それなりに引き締まった味わいに仕上がっています。15年経過の裾モノとしては上出来だと思いますし、2千円台で買えるのならCPは悪くないですね。ま、個人的には、もう一度買おうとは思いませんけどね。

追記:小瓶に入れ替えた残りを翌日飲みました。香りこそ衰えたものの、味わいの方は旨み感が全開で、まるで味の素をひとふりいれたような味わいでした。15年経過した裾モノが翌日まで美味しく飲めたのは嬉しい誤算でした。上に書いた「単に薄いピノ」という評価は訂正します。