感想 |
月初に開けてブショネだったカルテットの代替ボトルを送っていただいたので、6月の締めに開けてみました。バローロの畑で収穫されたネッピオーロの一部を有効に使うために考案されたというこの銘柄は、ネッピオーロのほか、バルベーラ・カベルネ・ソーヴィニヨン・メルローの4品種がブレンドされています。色調は濃厚なルビーで、エッジはピンク色です。香りはダークチェリーやカシスなどの黒い果実、杉の木、スミレ、オークなど、さまざまな要素が感じられます。味わいはアタックから凝縮感のある力強い果実味が口中に広がり、酒質は緻密で密度感があり、タンニンはキメ細かいものです。果実味はトロリと甘みさえ感じますが、後半にはかなり酸が優勢になり、それがよくも悪くも余韻を引き締めています。前回飲んだカロンセギュールと比べると、香りの要素などには結構共通点があるんですが、縦への伸びがあって、余韻が細く長く尾を引くカロンセギュールに比べて、こちらは力強いアタックの広がりと、キレのあるフィニッシュが特徴的。なんというか、口に含んでから飲み込むまでの「起承転結」が、メドックのワインとは全く異なる印象です。まあ、ボルドーワインとピエモンテのランゲロッソを比べること自体、無理のある話ですが。それにしても、アルド・コンテルノのワインには,全般に好印象を持っていますが、この銘柄もなかなか個性的で面白いワインでした。【89】 |