2005年5月

日時 2005/5/29
銘柄 オー・コート・ド・ニュイ・ブラン・クロ・サン・フィリベール 98
(メオ・カミュゼ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 すむら酒店
価格 失念
感想

もう5月も終わりですね。今日などは日中汗ばむような陽気で、そろそろ白の出番だと思わせてくれます。この日は、4年半前(2000年)に買って、それ以来セラーに入れっぱなしだった上記銘柄を開けて見ました。このメオカミュゼの白は、今やまったくつきあいのない酒店から、結構割高なお値段で買ったのですが、インポーターがフィネスということで、フィネシスト?の私としては、迷わずセラーで寝かせることにしたものです。グラスに注ぐと、色調は充実感のある麦わら色がかったイエローです。香りは柑橘系果実、洋ナシ、バニラ、それに砂浜で拾った貝殻のような強烈なミネラル感があります。時間とともにキノコのような熟成したニュアンスが見えてきますが、決して熟成香りが支配的なレベルにはなりません。味わいはとにかくミネラリー。(このよく残ったミネラル感こそが、フィネスの輸入したボトルの特徴だと私は勝手に思っています。)酸はいくぶんシャープで、柑橘を思わせる果実味とあいまって、爽やかで活き活きとした表情を持つ一方で、クリーミーで厚みのあるテクスチャーが酒質に落ち着きを与えて、第一級のシャルドネだと改めて認識させてくれます。とはいうものの、今の時点では、強烈なミネラルや鋭角的な酸など、かなり無骨でギラギラした印象が否めず、いかにもニュイの白、という印象を受けます。おそらく翌日の方がこれらが溶け込んで良好な味わいになるのではなかろうかということで半分残して明日の分に回しました。
【88】
翌日:相変わらずミネラルが際立ちます。なめらかさを増してクリーミーな感じが出てきましたが、バランス的には酸が後半ちょっとキツメに感じられます。

日時 2005/5/24
銘柄 キャンティクラシコ2002
(クエルチャベッラ)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 cantina VINOVINO
価格 2980円
感想 平日ど真ん中の火曜日ですが、たまたま早く帰宅してみると、子供が二人とも昼寝中。鬼のいぬ間に、ということで、ワインを開けることにしました。さて、この日開けたのは、贔屓にしているクエルチャベッラですが、不作といわれる02年の出来はどうでしょうか?。グラスに注ぐと、そんなことを意識させないような、いつものように濃いルビーの色調。香りはバニリーな樽香がやや突出気味で、その奥からカシスやブラックベリーなどの果実、イチゴのキャンディ、ハーブ、ミントなどが出てきます。ひと口飲んでみて驚きました。「あ、甘い‥」。私の舌がおかしかったのでしょうか?アタックからなんだかキャンディのような甘ったるいフレーバーが全開なのです。補糖をしくじったのか?いやいやDOCGは補糖も補酸も認められないんじゃなかったっけ‥、なんて考えながら飲んでいるうちに、だんだん落ち着いてきたのか、甘ったるさはなくなり、バランスよくまとまってきました。ただ、酸がかなり緩く平板で、構造は強固とは言いがたい感じです。やや未熟な果実を思わせる青っぽいフレーバーも見られますが、モダンなオークがそれらを覆い隠すように実効支配?しています。全般に果実の弱さは隠しようもありませんが、テクニックによってよくリカバーしているなあ、という印象です。とりあえず半分残して明日の変化を試してみようと思います。
【87】
翌日:厚化粧な感じは相変わらずですが、まとまりが出てきて、前日より美味しくいただけました。
3日目:香りは弱まったものの、味わいは各要素が溶け込んでなめらかになりました。味わいだけなら3日目が一番だったかも。
日時 2005/5/20
銘柄 バローロ98(ピオ・チェザーレ)
産地 イタリア>ピエモンテ
購入店 ウメムラワインセラー
感想 このボトルはパオロ・スカヴィーノのバローロとセット販売で安く買ったものですが、今ショップのサイトを見ると、単体でも4980円と、かなりお安いプライスになっていますね。バローロ・ボーイズがもてはやされる昨今ですが、ここは中道路線。単一畑銘柄では、バリックを比較的多く使用する一方で、スタンダードのバローロは、セッラルンガ地区のネッビオーロから、主に大樽 と一部新樽を用いて熟成されるそうです。
色調は透明感のあるガーネットで、エッジにはややオレンジが見えます。香りはカシスやドライプルーン、鉄、タバコ、紅茶、枯葉などのトラディショナルなもので、データの通り、樽からのフレーバーはほとんど感じられません。味わいはやや乾いた、皮膜のようなタンニンがあるものの、しっかりとした腰のある果実味は魅力的です。全体の構造は中の上、というところで、余韻もほどほどに長く尾を引き、心地よいものです。人気のある銘柄とはいえませんが、なかなか良い仕事してますね。下手に5000円前後の混醸もののランゲ・ロッソ買うのなら(実は最近結構買ってるんですが‥)、こうした地味めの普及版バローロを飲んだ方が外す確率は低いかも‥。
【90】
日時 2005/5/17
職場の飲み会で行った鉄板焼きの店(銀座七ニ八)で注文した銘柄です。居酒屋のような店でしたが、なかなか練られたワインリストだなあと感心しました。
銘柄 カベルネ・メルロー2003(ケープ・マンテル)
私にとって思い出深いつくり手です。 というのも、かって豪州土産でいただいたケープマンテルのシャルドネを飲んで、ワインの熟成の面白さに目覚めたからです。若々しいルビーの色調。カシスやダークベリーなどの果実、ハーブ、バニラなどの健康的な香り。味わいはメルロらしいふくらみがあり、エッジが丸く、今美味しく飲めるということではこの日一番でした。上位クラスのような深みや陰影はありませんが、2000円台の市場価格を思えば、すばらしいコストパフォーマンスだと思います。あまり話題に上らない地味な銘柄ですが、いいものはやはりいいですね。
購入店 ジゴンダス01(ギガル)
普及クラスのギガルですが、このクラスでも、ギガルの銘柄はコートデュローヌを始めとして、決して軽んじることのできない出来のものが多いので期待したのですが…。
中程度からやや淡めのルビーの色調。赤い果実やスミレ、紅茶、キャンディなどの香り。 味わいはなめらかでバランスがいいのですが、ケープ・マンテルの後に開けたこともあって、ややエキス分が不足気味で、希薄な印象は否めません。あわせる料理によっては面白いかもしれませんが、この日のように、鉄板焼きやお好み焼きなどのメニューには、もっと目鼻だちのクッキリした味わいでないと埋もれてしまいますね。
コメント イスカイ99(トラピチェ)
ミッシェル・ロランと、アルゼンチンを代表する醸造家、アンヘル・メンドゥーサがそれぞれの得意とするメルローとマルベックという2つの葡萄から作り上げたプレミアムワイン。フルボディで力のある味わいですが、開けたては酸が目立ち、バランスがとれるのに多少時間を要します。全般にかなり硬くタニック、シリアスな印象で、ミシェル・ロランが関与した銘柄にしてはちょっと意外です。果実味に後退感があるのは、時期的なものなのか、保存の問題なのか…。
日時 2005/5/15
銘柄 グリッリ・デル・テスタマッタ2002
(ビー・ビー・グラーツ)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 湘南ワインセラー
価格 5880円
感想 2000年に鳴り物入りでデビューしたテスタマッタ。01ビンテージでその地位を確固たるものにしたそうですが、Terrificとまで言われた02ビンテージにういてはどうだったのでしょうか?その答えがこの「グリッリ・デル・タスタマッタ」です。
テスタマッタの2001年の生産本数は21000本でしたが、02年はわずか7000本まで選別。残り2/3の分をセカンドの『グリッリ・デル・ テスタマッタ』としてリリースしたのです。したがって、これらのキュベはセカンドといっても、瓶詰め直前まで、ファーストラベルと全く同じように扱われた、というのが各ショップの売り文句です。実は私は未だファーストラベルのテスタマッタを飲んだことがないので、価格的にも比較的手ごろなこの銘柄を入門編?として購入してみました。
ちなみにこのグリッリ・デル・テスタマッタのセパージュは、 サンジョベーゼ 70%、コロリーノ、カナイオーロ、モスカートネロ、マルヴァジアネラ 30%のブレンドで、フレンチオークで15ヶ月熟成されるとのことです。

色調は凡庸年であること、そしてセカンドということを意識させないような、真っ黒に近い堂々としたルビーです。香りは品のよいオークやバニラ、少し火を通した黒い果実、スパイスなど、それほど複雑さは出ていませんが、焦点のピタリとあったような気持ちよさがあります。味わいは濃厚な色調から想像するよりずっとエレガントで、殊になめらかなテクスチャーは出色です。バランス的にやや酸が勝っていますが(ちょっとクリスピーな独特の酸はコロリーノの個性でしょうか?)、タンニンはやわらかく、わりと早い時期から美味しく飲めそうなところがいいですね。 これがファーストラベルだと、今の時点ではもっと手ごわいのでしょうが‥。
私はあまりセカンドラベルというジャンルは信頼していない(同価格帯のファーストラベル銘柄の方が良い場合が多い)のですが、この銘柄には素直に感心しました。半分残して、翌日の変化を見てみたいと思います。 【90】
翌日:テクスチャーのキメは緩くなりましたが、その分トロトロと甘いビターチョコのようなフレーバーが乗ってきて、あっけらかんとした酸とあいまって、モダンなサンジョベーゼらしい外向的な味わいになりました。2日目の方が美味しいです。
3日後:1日空けて、3日後に飲みましたが、多少の衰えは見られるものの、まだまだ美味しく飲めました。
日時 2005/5/13
銘柄 シャトー・ド・ポマール97
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 平野弥
価格 3300円
感想 平野弥さんのいわくつきのセール品を私も購入してみました。
(詳しくはこちら
シャトー・ド・ポマールはゴーニュの村名ワインで唯一“シャトー”と名のることが許されている単独所有畑だそうです。そういえば、「シャトー・コルトン・グランセ」はグランクリュですし、「シャトー・ド・ラ・トゥール」や「シャトー・ド・ムルソー」「シャトー・ド・ピュリニーモンラッシェ」などはあくまでドメーヌ名だけですね。ぶどうの平均樹齢は40年。重々しい形状のボトルは17世紀当時にデザインされたものを現在もそのまま使用されているそうです。 ワインは新樽を50%も使用し2年間オーク樽で熟成。ブルゴーニュにしては珍しく、基準に満たないものはセカンドとしてリリースしています。
色調はやや濃いルビーで、エッジはやや退色が進んでいます。香りはカシスやダークベリー、紅茶、ミネラル、甘草、それにスミレなどのフローラルなニュアンス。やや熟成感が出始めていますが、クリーンで心地よい香りです。味わいは、保存温度が低めだったこともあるのか、先日のデュガの97年と同様、立ち上がるのに時間がかかりました。しかし、十分に空気に触れさせてやると(約1h後)、柔らかな果実味が花開いてきました。豊富なタンニンに対して、酸はやや平坦ですが、それでも今美味しく飲むことができるのは97ビンテージらしいところです。データによると新樽比率は結構高いようですが、決してオークや凝縮した甘い果実が目立つようなモダンなスタイルではなくて、透明感のある味わいが魅力のクラシカルなタイプに仕上がっています。5000円を超えるとちょっと悩ましく思えてきそうですが、今回の3000円台の価格ならなら文句なしのCPですね。もう1本購入した99年については、しばらく寝かせて熟成した味わいを楽しむか、比較の意味も兼ねて早々に飲むか、たぶん前者になりそうです。
【88】
日時

2005/5/4

銘柄 ランゲ・ドルチェット・ヴィサディ2003
( ドメニコ・クレリコ)
産地 イタリア>ピエモンテ
購入店 湘南ワインセラー
価格 2180円
感想 バローロボーイズの名門によるドルチェットです。ドルチェットというと、 どう頑張っても高貴で深遠なワインにはなりそうな気はしませんが、バローロ・バル バレスコや上位のバルベラが結構なお値段になってしまうこともあり、ピエモンテのワインでもこの ぐらいのプライスで日常的に美味しく飲める銘柄を見つけたいところです。 色調は濃いルビーで、エッジはまだ赤紫です。 香りは、カシス、プラム、ハーブ、スミレ、それに木質的なニュアンスがまざります。口に含むと、アルコール度が結構高くて、アタックにはフレッシュな果実味が広がり ます。酸は穏やかですが、結構豊富なタンニンがあって、フィニッシュには かなりの収斂性を感じます。そのせいもあって、中盤から後半の印象は どちらかというとシンプルです。 まあ、この品種の限界というと辛らつですが、私自身がドルチェットにあまり惹かれていな いこともあり(だったら買うな、という話もありますが…)、正直、単体で飲むには、面白みがないと いうか、ツライと感じてしまいます。あくまで食中酒として、肉系の料理と一緒に愉しむの に向いていそうです。 【86→87】
‥と書きましたが、翌日になると各要素のまとまりが出てきて、飲み心地が グンと向上しました。初日の印象だけだと、かなりキビシイものがありましたが、 2日にわたって飲めること、価格もリーズナブルなことなど、日常の食事 のお供としてはなかなかよろしいのではと思います。

日時 2005/5/3
青葉台ワイン会at 吉祥寺ボナペティ



感想

メニル・トラディション85(アラン・ロベール)
ゴールデンデリシャスやカリン、金木犀の香り。 豊かなコクとしつこくならない綺麗な酸による見事なフィニッシュ。
シュバリエ・モンラッシェ94(M・ニーヨン)
シャンピニオン的熟成香の奥から白桃やバニラ、白い花がほんのり。エレガントな果実味とエッジの丸い酸によるツルリしたテクスチャーが特徴的。
オークセイ・デュレス2001(シャソルネイ)
フランスよりハンドキャリーのボトル。国内流通もので見られる臭さやひからびた感じは皆無で、オレンジピール的果実味がとてもフレッシュでした。
ジャッカス・ビンヤード・ジンファンデル2001(マルティネリ)
オレンジや赤い果実の暖色系の香りと味わい。アルコール度は高いが、味わいはシツコくならずバランスがとれている。秀逸なジン。
シャトー・ヌフ・デュ・パプ・ラ・レーヌ・ド・ボア2001(モルドレ)
分厚いけれどもクリーンな果実味。各要素がぎっしり詰まったような密度感。 まだまだ若いですが、熟成させるとさらに凄くなりそう。
‥ここで2本アルコール度の高いのが続いたおかげで、後半かなりツライことに‥。 (^^;
ミュジニー91(J・ドルーアン)
染み入るような香りですが、決して動物臭や土臭い方向に行かないのはミュジニーならでは。 継ぎ目のないヌルリとしたテクスチャー。数年前よりずいぶん近づきやすくなっていますが、それでもまだ早い感じです。
Ch.ラフィットロトシルト79
この日飲んだ中でも別格的な強さのある熟成香は見事。 ただし、味わいは水っぽくエキス分が枯渇気味で下り坂でした。
X-mur 2001(ドメーヌ・ラ・スフランディエール)
プイイヴァンゼル地区のレアな貴腐シャルドネです。ちなみに2000はX-tasteという名でリリースされていたそうな。貴腐とはいえ、飲み口は爽やか系で、鈍重さがないのがいいですね。ブラインドだといったいどこの甘口だか全くわかりませんでした。
Ch.ラヴィルオーブリオン・ブラン90
重油系の熟成香をトップノーズに感じます。味わいは酸が緩く、独特のテクスチャー。正直あまり感心しない味わいです。ブラインドで出されたのですが、古白ボルドーなんて滅多に飲まないので全然わかりませんでした。
‥と、この辺で臨界点を超えてしまったようで‥
ヴォーヌロマネ・クロ・デ・レア99(ミシェル・グロ)
ボトルの写真は撮ったものの、味わいについては全く覚えていません‥。
さらにもう一本、ブランドで出されたのですが、どうしても銘柄を思い出せません。ビンテージは93というのだけは覚えているのですが‥(^^;

ひとりあたり約2本。いやあ、よく飲みました。へべれけの状態で最寄駅から自転車をこいで帰ったら、猛烈に酔いが回ってしまい、頭がガンガン。翌朝はひどい二日酔いでした。

日時 2005/5/2
銘柄 ジュブレイシャンベルタン97
(クロード・デュガ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 酒家なかみち
価格 6000円
感想 この村名デュガは購入後3年ほど実家のセラーで保存していたボトルですが、97年ということで熟成のポテンシャルもそう高くなさそうだし、そろそろ飲み頃かなと開けてみました。色調は濃いめのガーネットで、エッジがやや複雑な色になり始めています。香りは当初全く寡黙そのものでしたが、時間とともに黒い果実や鉄などの金属系の香り、スパイス、セメダインなどが現れます。特に金属系の香りが顕著なんですが、ジュブレイシャンベルタン村に特徴的な赤サビ系の香りというよりは、もっと無機質な、正直ややネガティブな印象を受ける香りで、セメダイン的なニュアンスと相まって、ボトルが極端に還元的な状態だったとか、あるいは何らかの変質があったのかもしれません。(‥とエラソーなこと書いてますが、正直この辺はよくわかりません。)さて、味わいはというと、香りほどエキセントリックではなくて、果実味と熟したタンニンによる甘苦いフレーバーが口の中を満たします。酸が当初かなり幅を利かせていましたが、やや温度を下げてやるとあまり目立たなくなり、代わりにどことなくボルドーチックなタンニンが前面に出てきます。いずれにしても、素直に美味しいとはいいずらい味わいです。う〜ん、悩ましいですねえ。クロード・デュガについてはリリース直後のものは結構飲んでいるのですが、あの若い頃のわかりやい美味しさというものはここにはなくて、しんねりむっつりした味わいには困惑させられます。飲み頃をはずしたのか、そもそも97年のデュガは熟成させるとこんなものなのか、あるいは前述のとおり、ボトルに何らかの変質があったのか‥。
【87?→89】
翌日:もうほとんど諦めていたんですが、なんと‥。香りはきれいな黒い果実に熟成香が加わり始め、味わいは果実味のふくらみが出て、すごくよくなっていました。やはり初日のボトルは還元状態にあったようです。
日時 2005/5/1
銘柄 レ・フォール・ド・ラトゥール02
産地 仏>ボルドー
購入店 東急
価格 6000円
感想 いわずと知れたラトゥールのセカンドです。02年と言えば、私の娘のビンテージでして、当然ラトゥールも1本買い込んであります。ファーストラベルの実力を垣間見たいいという気持ちもあり、セカンドといえどもまだまだ飲むのには早いのを承知の上で、試しに開けてみました。濃いルビーで、エッジはまだ赤紫の色調です。香りは典型的とでもいいたくなるような、ブラックベリーやカシスなどの黒い果実、スパイス、黒鉛、ハーブ、少しばかりの土っぽさ、それに高級そうなオーク香など。口に含むと思いのほかやわらかい味わいで、果実に甘みが乗ってくるには多少時間がかかりますが、やや高めの酸とよく熟したタンニンとがエレガントにバランスされて、今でも美味しく飲めることに軽い驚きを覚えます。時間とともに、モカっぽいフレーバーが甘い果実味に溶け込んで、さらにすばらしい味わいを見せてくれるようになります。もともとレフォール・ド・ラトゥールはセカンドの中でも群を抜いていると言われていますが、この02年も非常にレベルが高いですね。これがセカンドなら、ファーストラベルの方はさぞすばらしかろうと、期待も高まろうというものです。ちなみに、同じ1級のセカンドであるカリュアド・ラフィットやパヴィヨンルージュ・ド・Chマルゴーがこのレベルに達しているかというと、個人的にはかなりの差があるように思います。
それにしても最近は、ボルドーにしてもイタリアにしても、若いうちに開けるとシブくて口が曲がりそうな味の銘柄って、減ってきましたね。【91】
翌日:より各要素が渾然一体となって、外向的な味わいになりました。