2002年7月

日時 2002/7/28
銘柄 リースリング グエベルシュヴィール2000
(ズィント・ウンブレヒト)   
産地 仏>アルザス
購入店 ウメムラ
価格 2780円
コメント

数日前に到着したばかりのボトル。もう少し休ませた方がいいとは重々知りつつ、セラーの中に他に飲みたい銘柄もなかったので、開けてしまった。
色は中程度のイエローで、かすかに黄緑がかっている。香りは華やかなグレープフルーツや白桃、アカシア、ミネラル、それにビニールっぽいこの品種独特のニュアンス。 味わいは厚みのある果実味を豊富な酸がよく支えて、豊かな中にも爽やかな味わい。辛口に仕上がった中に、果実の蜜のような甘いニュアンスが確かに、しかし節度をもって感じられ、温度が上がってもダルにならないところがいい。酸にもう少し伸びやかさと張りがあれば…。
【87】

日時 2002/7/25
銘柄 メリーヴェル・プロファイル96
産地 米>カリフォルニア>ナパヴァレー
購入店 ファインワインクラブ
価格 4420円
コメント

メリーヴェルは、「ハーラン・エステート」で有名なウィリアム・ハーランとロビン・レイルらの共同経営により1983年に創立したワイナリー。ミッシェル・ロランの助言により、フレンチ・オークの採用、フリーラン・ジュースだけの使用などボルドー・スタイルを目指しているという。スタンダードなカベルネやリザーブ銘柄もあるが、プロファイルはその中でも最高峰。ファインワインクラブの半額セールでこの価格で買えたのはラッキーだった。
もうひとつ、メリーヴィルといえば、 ワインスクールに通っていた頃、このドメーヌの担当者によるセミナーがあった。そのときいただいた名刺にラベルと同じようなV字型の切れ込みがあってカッコイイな、と感心したものだが、あれからもう5年もたつのかと思うと感慨深い。
色は黒みがかった濃いガーネットだが、エッジにはオレンジの色調が見え始めている。香りはブラックベリーのコンフィ、墨、八角やオリエンタルなスパイス、ビターチョコなど。味わいは果実味が豊かで甘く、タンニンはよく熟して溶け込んでいる印象。グラマラスでありながら、酸がしっかりしていて、ボテッとした感じにならないところがいい。テクスチャーにややキメの緩さを感じるのと、余韻に鼻に抜けるアルコール感がやや気になると思ってラベルを見たら、アルコール度は14.5%だと。
【88】

日時 2002/7/23
銘柄 シャンボール・ミュジニー99
(G・ルーミエ)
産地 仏>ブルゴーニュ>シャンボールミュジニー村
購入店 エノテカ
価格 失念。
コメント

エノテカのセールで購入したボトル。値段を書きとめておくのを忘れたが、たしか5000円以下で買えたと記憶している。色は村名とは思えないほど濃いルビーでエッジはやや紫がかっている。香りは、閉じ気味な中に、コンフィ状のブラックチェリーやカシス、スミレ、丁子などのスパイス、ミネラル。味わいは豊かなタンニンとトロみすら感じる果実味が高い次元でせめぎあうような印象。酸も豊かだが角はとれており、オークのフレーバーもでしゃばりすぎず適度に効いている。全体としての質感の高いテクスチャーはさすがだが、現時点では飲み込んだ後口中に残る収斂性もかなりのもので、村名といえども飲み頃はまだかなり先だと思わせる。それにしてもこの作り手の果実味の表情の豊かさ、甘味旨味の絶妙なバランスにはいつ飲んでも感心する。
【89】
二日目:ギュッと詰まった目が緩んで、やわらかく甘い果実味が口中にパァッと広がるようになった。美味しいですね〜。

日時 2002/7/18
銘柄 ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニヤーノ
・ラ・コスタ・リゼルバ2000 (ピエトラフィッタ)
産地 イタリア>トスカーナDOCG
購入店 エノテカトスカーナ
コメント エノテカトスカーナのKIYOMIさんより送っていただいたボトル。色は黄金色がかった濃いめのイエロー。香りはパイナップルや黄桃、カリン、黄色い花、ミネラル、バニラ。味わいはまず思いのほか厚みがある果実味に驚かされる。酸は丸いがしっかりとあって、後半にナッティなフレーバーが苦味を伴って広がる。ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニヤーノって、よく言えば爽やか系、悪く言うとシャバシャバした味わいのものが多い印象があったが、この銘柄はずっしりしたストラクチャーがあって、実に豊かな味わい。おかげでクリームソースのパスタにもよく合いました。
【87】
日時 2002/7/16
銘柄 コート・ロティ98
(ロベール・ジャスマン)
産地 仏>コート・デュ・ローヌ
購入店 ウメムラ
価格 2980円
コメント 月、火、水と早めの夏休みを取得。といっても遠出するわけでもなく、子供の送迎やら車検やらセミナーやらと雑事をこなしているうちに時間だけが過ぎていってしまう。休みとなるとなぜこうも一日経つのが早いのだろうか。
そんな慌しい中、開けたワインは2月に一度飲んだのと同じ銘柄。
濃いガーネットで、エッジはピンクの色調。香りはブルーベリーやカシスなどの果実、スパイス、ドライハーブ。含み香にやや腐葉土というか厩臭が感じられるが、不快というほどではない。味わいは伸びやかな酸がグイグイと引っ張る感じで、タンニンは豊かな果実味の裏に隠れている印象。以前飲んだボトルほど腐葉土っぽいフレーバーは目立たず、総じて豊かで純朴な味わいに仕上がっているし、この価格ならコストパフォーマンスも良好と言えるだろう。
【86】
日時 2002/7/14
ありがたいことに、今年もレストラン・キノシタでの食事会に参加させていただいた。キノシタといえば、言わずと知れた「東京で最も予約が困難な店」。
今回はワインもお店のチョイスとのことで、料理同様、期待も高まる。
銘柄 シャンパーニュ(銘柄失念:確認中)

シャブリ・モンマン88
(ジェラール・デュプレシ)

やや麦わらの色調がかった落ち着いたグリーンイエロー。 香りは洋ナシ、ミネラル、白い花などが中心で、年代から想像するほど熟成香は出ていない。味わいもまだ若々しく、果実味がよく残っていて、丸く角のとれた酸とあいまって、なめらかなテクスチャーを実現している。時間とともに後半にややナッティーなフレーバーも出てくるが、酸がやや緩いこともあり、温度が低めのうちが締まりがあってよかった。
【87】

ジュブレイ・シャンベルタン84
(セラファン)

エッジにレンガの色調が見えるオレンジガーネット。赤系果実のリキュールやアンズ、枯れ葉、スーボワなど、年月を経たピノにしか出せないような香り。口に含むと果実味がよく残っており、酸もしなやかで、全体の構成は小さいながらも美しく熟成している。タンニンがややフィニッシュに残るのが残念だけれども、それはまあ無いものねだりというものだろう。正直、84年という厳しい年の、しかも村名でこれだけ綺麗に熟成したブルゴーニュを飲めるとは思わなかった。
【88】


Ch・ド・フェラン90
サンテミリオンに40ヘクタールの地所を持つ中堅どころのグランクリュ。エッジにオレンジが見える濃いめのガーネット。赤い果実のコンフィ、ヨード、土、スパイス。味わいはよく熟した甘い果実味の第一印象。といっても果実のボリューム感自体はそれほど大きくはない。酸はやや緩めで90年らしいデカダンな雰囲気が素敵。
名の知れたグランヴァンのような構成要素の豊かさや大きさはないが、状態も良く、まさに今飲むのに適したボルドーだ。
【88】

どのワインも大物ではないけど、正しく年月を経て綺麗に熟成を遂げた素晴らしいワインたちでした。
MASAさん、Shinさん始め主宰者のみなさま、ありがとうございました。
日時 2002/7/9
銘柄 プイイ・フュッセ・レ・クレイV.V2000
(ダニエル・バロー)
産地 仏>ブルゴーニュ>マコネ
購入店 ウメムラ
価格 2450円
コメント 久しぶりの白。選んだのはマコネ地区の定評ある作り手によるもの。色は輝きのある濃いめのイエロー。香りはグレープフルーツや柑橘系の果実、ミネラル、黄色い花、バニラ。口に含むとほどほどの凝縮感と優しい果実味によるナチュラルな広がりがあり、クリアな酸がバランスを整えている。後半には爽やかな酸味とともに苦味がかなり感じられる。価格を考えると驚異的にコストパフォーマンスの高いシャルドネだといえるし、以前飲んだ同じ作り手の『アン・ビュラン』に比べるとこちらの方が今の時点で外向的な表情を見せている。もっとも、熟成のポテンシャルとなるとこの両者の評価は逆転するかもしれないが…。
【88】
翌日:白桃や洋ナシのフレーバーが優勢に。
日時 2002/7/8
銘柄 モンテクッコ・リゼルバ98
(テヌータ・ディ・モンテクッコ)
産地 イタリア>トスカーナDOC
購入店 いただきもの(エノテカ・トスカーナ
コメント エノテカ・トスカーナのKIYOMIさんより送っていただいたボトル第二弾。前回、「課題は夏場の輸送」と書いたら、6月になってわざわざEMS郵便で送っていただいた。ただ、残念(?)なことに、このボトルたちが到着したのは、梅雨時の異例に気が下がっていた時期(到着日の最高気温は18度)だったので、おそらく日本国内での熱の影響はほとんどないに等しいと思うけれども。
モンテクッコはモンタルチーノに隣接していつ98年認定の新しいDOC。ビアンコ、ロッソに加えて単一品種のサンジョベーゼとヴェルメンティーノの4種類の呼称が認められている。リゼルバは2年間の熟成。
色は濃いガーネットでエッジは紫。香りはカシスやブラックベリー、黒オリーブ、丁子に加えて、オークの心地よいロースト香。口に含むと力強さはそれほど感じないものの、みずみずしい果実味と明朗な酸、それにしっかりしたタンニンがあり、たっぷりした豊かな味わいを見せる。フィニッシュはやや木質的なフレーバーと収斂性を感じるけれども、もう少し寝かせればタンニンがこなれて柔らかい味わいになりそうな予感もある。見慣れないDOCだが、このボトルに関しては、状態もよく、なかなか現代的なサンジョベーゼだという印象を受けた。
なお、写真のラベルが破れているのはたまたま梱包時のミスとのことで、今後配送時にはこのようなことがないように 気をつけるとはKIYOMIさん自らの弁。
【86】
日時 2002/7/5
銘柄  
産地

仏>ボルドー>メドック1級

購入店 シンガポール(JASONS)で購入後、3年半セラー保管
価格 16000円位
コメント シンガポール旅行の折購入してきたボトル。当時はボルドーがまだ高かった時期なので割安感があったが、今となっては普通の値段だし、灼熱のシンガポールで購入ということで状態も心配。ということで、記念日でもなんでもない週末に開けてしまった。
色は濃いルビーだが、エッジの部分がやや和らいでピンク色っぽくなっている。 香りはブラックベリーのコンフィ、中国のスパイス、杉の木、ロースト、ココア。94年というとタニックで手ごわい印象があるが、このボトルの場合、タンニンはなめらかなに溶け込んでおり、むしろ力強い酸が全体の構成を引っ張る感じがある。酒質は力強く充分な粘性もあって、フィニッシュにはココアっぽいフレーバーが口中を満たす。う〜ん、やっぱ、いいですねえ、ラフィット。濃厚でありながら精妙、優雅さと屈強さが高次元でバランスしている。きっとそこそこの熱は浴びているのだと思うけど、酒質が強いせいか、コンディションは思ったよりずっと真っ当に感じられた。 【92】
…と初日は思ったけど、翌日は雑巾臭が出てすっかりヘタッてしまっていた。
日時 2002/7/2
銘柄 ニュイ・サンジュルジュ・プルミエクリュ99
(ドメーヌ・ド・ラルロ)
産地 仏>ブルゴーニュ>NSG村1級
購入店 信濃屋
価格 3980円
コメント AXA保険が所有する、モダンなラベルのドメーヌ・ド・ラルロ。やや地味な存在ではあるけれども、醸造責任者のジャン・ピエール・ド・スメ氏はかのデュジャックの弟子でもある。
色はエッジにピンクがかった濃いめのルビー。香りはまだ閉じ気味だが、シロップに漬けた赤系の果実、シナモン、紅茶など典型的なもの。口に含むと厚みがありながらも透明感を失わない果実味が印象的で、酸、タンニンとも豊かで質感があり、とてもクラシックな味わい。
デュジャックのような明確な個性こそないものの、この価格帯としては非のうちどころのないピノだといえるし、今飲んでもそこそこ飲めるが、数年寝かせれば、より複雑で豊潤な味わいが花開きそうな予感を感じさせる。セラーに余裕さえあれば、数本買い込んで手元で熟成させたいワインだ。【88】