2002年2月9日〜


日時 2002/2/27
銘柄 プイイ・フュッセ‘プリミエ・ジュ’98
(ギュファン・エナン)
産地 仏>ブルゴーニュ>AOCプイイ・フュッセ
購入店 東急本店
価格 5520円
コメント 濃いめのイエローで、やや黄緑がかっている。香りは南の地方で作られたことを感じさせる、黄桃やパイナップルなどの熟した果実、バターキャンディ、バニラなどの濃厚な香りが主体だが、それらとともに、柑橘系を思わせる爽やかなニュアンスも感じさせる。味わいもまたしかりで、濃縮された果実味はただ濃いだけでなく煌くようなみずみずしさも持ち合わせており、豊かで丸い酸がそれをよく受け止めてている。中盤の広がりは自然で奥行きもあり、フィニッシュにはやや苦味を伴う。ややアルコールが浮いたようなところがあるのと、全般にイマイチ繊細さが乏しいことさえ目をつぶれば、ほとんどバタール・モンラッシェの世界。これなら、5000円超というプイイ・フュッセにしては異例な価格にも納得がいくというものだ。【90】
感想 週初めに風邪を引き、月曜、火曜と寝込んだばかりなのに、回復するやいなや、さっそくの飲酒。まあ白ワインには殺菌作用があるというし、などと妙な屁理屈で自分を納得させながら開けたのがこの銘柄。もっとも、久しぶりのワイン、ということをさしおいても、こいつは「相当に」秀逸なシャルドネだ。値段もこの地域のものにしては高いが、それなりのものは持ち合わせている。さすがギュファン・エナン。
それににしても、この作り手もさることながら、J・A・フェレしかり、ダニエル・バローしかり、コーディエしかり、アンドレ・ボノームしかり、マコン地区の一流どころは、ほんとうにすばらしいコストパフォーマンスのものが目白押しだとつくづく思う。

日時 2002/2/20
銘柄 セル・ジョベート97(ロッカ・デッレ・マチエ)
産地 伊>トスカーナ
コメント KIYOMIさんより提供いただいた、「エノテカ・トスカーナ」のワイン第二弾。
ロッカ・デッレ・マチエは、73年に設立された大手のキャンティ生産者だが、「ロッカート」などのIGTでも定評がある。この「セル・ジョベート」も、サンジョベーゼをバリックで12ヶ月熟成させたIGT。ラベルはややそっけないが、味のほうは?

色は濃いガーネットで、エッジはピンクがかっている。香りは濃縮感のあるブラックベリーなどの果実、 丁子などの乾いたスパイス、ジビエ、それに木質的な香り。味わいは力強い果実味の第一印象。酸は伸びやかで、中盤に充分な広がりもあり、オークのフレーバーがでしゃばらずに心地よく溶け込んでいる。層をなすようなフィニッシュはややカフェっぽいタンニンが残る。まだかなりタニックではあるが、各要素が充実した拮抗をみせており、今でもすでに美味しい。モダンな作りのすばらしいサンジョベーゼだ。

翌日:全く「落ちない」どころか、固さがほぐれてしなやかになってきた。
【87】

日時 2002/2/17
銘柄 バローロ94(SCANAVINO)
産地 イタリア>ピエモンテ州DOCG
購入店 エノテカ
価格 1100円(当時セールにて)
コメント 実家で夕食を食べた折、怖いモノみたさに挑戦してみたのがこのボトル。なぜ怖いモノか?というのも、このボトル、99年9月に購入して以来、2年半の間、実家の茶箪笥の中に放り置かれていたものだからだ。それも、エノテカのセールで6本購入したはいいが、決して誉められた味でなかったので、そのまま打ち捨てておいた、というのが実態。さて、2年半を経てどんな味になっているだろうか?(^^;

色は中程度のオレンジガーネットで、エッジには明確なレンガの色調が見える。こわごわ鼻を近づけてみると、これが驚き。赤系果実のリキュール、ダージリン、枯葉、黒蜜、ヨードなどの入り混じったすばらしい香り。陶然とさせられるような芳香だ。これは大当たりかと、口に含んでみると、いきなり現実に引き戻されてしまった。
果実味はドライフルーツのようにひからびており、酸が厳しく、乾いたタンニンも健在。特に酸の立ち方が、「これは通常の状態ではないな」と思わせるものがあって、ちょっと飲み込むのがコワイような印象。それでもひと口ふた口飲み込んでみると、フィニッシュにはイガイガした苦味が感じられて、余韻に醤油を煮詰めた旨み成分のなれの果てのような気分の悪くなりそうなフレーバーが残る。

ということで、やっぱりイカレていた。もともと酒質の弱めな94年のバローロ、それも1000円で購入したワインをふた夏も常温で越させたのだから無理もない。
それでも、今回はすばらしい香りを体験できただけでもよしとしよう。
【--】
日時 2002/2/15
銘柄 コート・ロティ98(ロベール・ジャスマン)
産地 仏>コートデュローヌ>コートロティ
購入店 ウメムラ
価格 2900円
コメント ウメムラおすすめの銘柄。私も2本ほど買ってみた。ほんとは99年の方が評判がよいらしいのだけど、買い損ねてしまったのだった。誰か飲ませてください。(笑)
エッジにピンクがかった濃いガーネット。ブラックチェリーやカシスのコンフィ状の果実香、ハーブ、アジアンスパイス、それにかすかな厩臭が加わる。(が、決して不快ではない。) 味わいは濃厚な果実味のアタック。酸はクリーンで伸びやかであり、タンニンはよく熟していてやわらかく溶け込んでいる。どちらかというと酸主導のバランスで、豊富なエキス分とあいまってしっかりしたストラクチャーがある。全体的にやや野暮ったいというか無骨な印象は拒めないが、値段を考えれば十分すぎる味わいだ。【86】

日時 2002/2/12
銘柄 ヴィノ・ノヴィレ・ディ・モンテプルチアーノ97
(TALOSA)
産地 伊>トスカーナDOCG
コメント

ワインスパイラル」でもご活躍中であるシエナ在住のKIYOMIさんがお勤めのワインショップ「エノテカ・トスカーナ」が4月よりネット販売を始めるそうだ。それに関連して、「ワインの輸送後のコンディションをチェックしてほしい」という、恐れ多くもありがたいお申し出をいただいた。国際エコノミー便(航空便)で送られてきたのはトスカーナワイン3本。私ごとき素人がプロフェッショナルな評価をできようはずもないので、コメントは、あくまで「消費者代表」としての視点です。
送られてきたダンボールの梱包はきちんとしていて、開けてみるとボトル、ラベルとも何ら問題なし。2週間ほどセラーで寝かせて、まずはこの銘柄から開けてみた。

色はピンクがかった濃いめのガーネット。香りは最初閉じていたが、ゆっくりと開いてくる。カシスのジャム、干しプルーン、黒コショウや丁子などのスパイス、それにオーク。味わいも最初固かったが、抜栓後2時間もすると、厚みのある果実味としなやかな酸とのバランスがとれてくる。中盤にはしっかりした広がりがあり、オークの風味が心地よく溶け込んでいる。フィニッシュにはややザラザラしたタンニン。こちらでは無名の作り手だが、構成のしっかりしたなかなかすばらしいワインだ。あとは価格次第だろう。 【86】

問題のコンディションについては、、果実味が立体的で生き生きとしていたし、翌々日まで極めてよい状態を保っていたことなど、今回のボトルに関しては問題ないどころか、(ヨイショでなく)日ごろ口にする多くのイタリアワインより良好な気さえした。これって航空便の強み?1本だけで判断を下すのは早計なので、結論は残りのあと2本を飲んでからにしたい。


日時 2002/2/9
  夕刻から東急本店に繰り出して、2000年のブル白と99年のボルドーを味見。
銘柄 ピュリニー・モンラッシェ・トリフィエール2000
(ミシェル・コラン・ドレジェ)
コメント 黄緑がかったやや淡めのイエロー。熟したグレープフルーツ、ミネラル、バニラ。味わいはアタックこそ果実味が強く前面に感じられるが、中盤伸びやかな酸が広がり、しっかりした構成を見せる。大きくはないが、密度感のある引き締まった味わいで、時間とともに表情が豊かになる。【89】
銘柄 シャサーニュ・モンラッシェ・シャン・ガン2000
(ギイ・アミオ)
コメント 黄緑がかった中程度のイエロー。熟した柑橘系の果実に加えて、白桃のような甘い果実香、ミネラル、花蜜、それにやや強めのバニラ香。味わいはすなおでフルーテイな果実味が心地よい。酸はしやなかにこれを支え、中盤豊かな広がりがある。際だった凝縮感や深みはないが、すなおできれいな作り。【88】
銘柄 Ch.トロロン・モンド99
コメント エッジに紫の残る濃いルビー。カシスやブラックベリー、丁子などのスパイス、バニラや木質的な香り。味わいはふくよかなやわらかい果実味が持ち味。酸はおだやかだが、現状ではやや乾いたタンニンが目立つ。もっともキツさはないので今でもすでに美味しく飲めるが。【88】
銘柄 Ch.パヴィ・マッカン99
コメント トロロンモンドとこの銘柄とは、隣同士の畑だとか。エッジに紫の見える濃いルビー。ブラックベリー、ユーカリ、ロースト、八角などのスパイス。味わいはなめらかでシルキーな果実味のアタック。果実味はやわらかく、酸は伸びがあり、緻密なタンニンとあいまって、繊細にバランスがとれている。コンセントレーションがありながら十分な広がりも持ち合わせているところがいい。【91】