2002年3月

日時 2002/3/28
銘柄 ジゴンダス99(Ch.ド・サンコーム)
産地 仏>コート・デュ・ローヌ>ジゴンダス村
購入店 ウメムラ (1980円)
コメント エッジが紫の濃いガーネット。ブラックベリー、カシスなどのジャム状の果実香、木質、中国のスパイス、それに土っぽい香り。味わいは甘く外交的な果実味を中心にほどよい凝縮感があって、素直なまとまりを見せる。酸はしなやかで良質、現時点でやや目立つ乾いたタンニンも時とともに溶け込んでゆきそうだ。全般にそれほど特筆すべきポイントがあるわけでなないが、そつなく中庸を得た仕上がりは賞賛されてよいと思うし、最近飲んだ中でもっともコストパフォーマンスに優れたもののひとつであることは確かだ。
【88】
感想 Ch.ド・サンコームは、パーカーさんが「(当主の)ルイ・バリュオールは、ローヌ南部でもっとも才能を感じさせるといえる若い醸造家」だと推奨するジゴンダスの作り手。以前は生産量の大半をネゴシアンに売っていたが、90年代になってからブドウ園元詰めの比率を増やしているとかいる。私も今回はじめて飲んだが、この銘柄が(プライスリーダーのウメムラ価格とはいえ)、2000円以内で買えるというのは相当に魅力的。即、買い足しに走るというほどではないにしても、次回ウメムラでワインを買うときに、ついでにこの銘柄もまた何本か買いたいな、と思わせるだけの魅力はある。

日時 2002/3/28
銘柄 タリウス・ピノノワール・ラシアンリバーヴァレー99
産地 米>カリフォルニア
購入店 ウメムラ (シャトーモンテリーナ97とセットで11800円)
コメント 濃厚だが透明度の高いルビーの色調はクラシックなピノへの期待を抱かせる。香りはシロップに漬けたチェリーやラズベリー、白いスパイス、ミネラル、それにゴムっぽいニュアンス。口に含むと、まだ硬く豊富な酸と、鮮烈な果実味とが拮抗して、豪快とすらいえる味わい。タンニンはなめらかで、時間とともに加わるミルキーなフレーバーが酸味をやわらげ、バランスを整える。大柄で目鼻立ちのクッキリしたピノだが、現時点では各要素がややバラバラでキツく、繊細さに欠ける印象。しかし、ポテンシャルは充分と思えるので、数年後にはそれらが溶け込んで複雑なすばらしい味わいになるかもしれない。【89】
感想 このところじわじわと名前が浸透しはじめているこのワイナリーは元銀行マンのティム・オルソン氏の趣味が嵩じて、友人のスコット氏と始めたブティックワイナリー。「タリウス」の名称は2人の星座「射手座サジタリウス」にちなんでいる。「ラシアン・リバーヴァレー」は、生産量284ケース、46%新樽のフレンチオークで13ヶ月熟成。清澄処理、濾過処理は行っていないとのこと。
今回飲んだ印象としては、全般的な傾向がカレラに近いものがあると思った。ただ、カレラより一回り大柄な分、繊細さでは一ランク 劣るといった印象。名醸畑として有名な「ピソニ・ヴィンヤード」銘柄もリリースしているそうなので、機会があればそちらも試してみたい。

日時 2002/3/26
銘柄 コート・ロティ98(ベルナール・ビュルゴー)
産地 仏>コート・デュ・ローヌ>コート・ロティ
購入店 優心美酒SHIMURA
価格 4500円
コメント エッジが鮮やかな赤紫の濃いガーネット。青っぽいハーブや黒胡椒などのスパイス、ミネラル、それにドイツ料理店のサワークラウドのようなちょっとすえた香り。味わいはジューシーで豊かな果実があって、タンニンもやわらかいのだけど、どうにも酸が強いのに閉口する。それも比較的シャープでトーンの高い酸。現時点では、はっきり言って、「酸っぱい」のだ。パーカーさんはこの銘柄に91点つけているし、しなやかで筋肉質な体躯は長熟の可能性も示唆しているようであるが、年月とともにこのバランスが改善されるのかは私にはわからない。
翌日:ブルゴーニュグラスで飲んだ(初日はボルドーグラス)こともあって、酸の突出感がなくなり、全般にこなれてやわらかい味わいになった。それでもまだ、フィニッシュには酸が支配的になるけれども。
【84→85】

日時 2002/3/23
銘柄 シャトー・ヌフ・デュ・パプ・キュベ・レゼルブ98
(ドメーヌ・デュ・ペゴー)
産地 仏>コート・デュ・ローヌ>シャトー・ヌフ・デュ・パプ
購入店 優心美酒SHIMURA
価格 5400円
コメント 濃いガーネットでエッジは紫色。しっかりしたジョンブがアルコール度の高さを物語っている。香りはダークチェリーなどのジャム状の果実、黒胡椒、燻製肉、それに腐葉土や厩臭。味わいはジャムっぽい濃縮した果実味の第一印象。中盤はこの凝縮感のある果実のフレーバーが口いっぱいに広がる。タンニンはやや乾いているものの、甘く熟しており、豊かな酸がしっかりとこれらを支えている。フィニッシュには土っぽいフレーバが口中を満たし、長い余韻を残す。ワインが土から生まれた農作物であることを改めて思い起こさせてくれるような古典的でパワフルな銘柄だが、人によっては、この土臭いフレーバーを野暮ったいとネガティブにとる場合もあるだろう。【87】
感想 ドメーヌ・デュ・ペゴーは、パーカー5つ星にして、「あの偉大なるアンリ・ボノーのスタイルをつくるだけの能力がある」と絶賛さしめているドメーヌ。スペシャル・キュベ「キュベ・ローランス」に加えて98年からリリースされた「キュベ・ド・カポー」も超高値で取引されている。パーカーさん自身「79年以降のすべてのビンテージを購入」していて、「優に20年はきちんと熟成できる」というこの作り手の、十分に熟成されたものをいずれ飲んでみたいものだ。

日時 2002/3/20
銘柄 トラモント・ドーカ98(ポッジオ・ボネリ)
産地 伊>トスカーナ
コメント シエナ在住のKYOMIさんから送っていただいた「エノテカ・トスカーナ」のボトルもこれが最後。トラモント・ドーカは、有名エノロゴ、カルロ・フェッリーニ氏によって、17.5ヘクタールの畑から生みだされるスーパートスカン。 セパージュは100%サンジョベーゼだそうだ。
エッジがややピンクがかった濃いめのガーネット。層をなすような、ブラックベリーのシロップ漬け、砂糖菓子、シナモン、ミントなどの香り。味わいはよく熟したジューシーな果実味を中心にシルキーなテクスチャーが印象的。構成はミディアムからフルボディで、酸はしなやか、タンニンはよく熟して溶け込んでいる。フィニッシュには木質的なフレーバー。グリップがやや緩めで、中盤舌の上をスルリと通り抜けるような軽さがあるのと、余韻がややアッサリしている点が気になるが、肩肘張ったところの無い、伸び伸びとした作りには好感が持てる。
送っていただいた3本のボトルのコンディションについて、総括すると、冬の間の輸送ということもあり、なんといっても空輸ということもあり、状態はとても良好と感じた。どのボトルも果実味が立体的で生き生きとしているのだ。 これなら4月中旬に予定されている通販サイトの展開にも期待が持てる。あと、残された課題は、夏場の輸送でどの程度の状態をキープできるかだろう。
【87】

日時 2002/3/17
銘柄 シャトー・ヌフ・デュ・パプ・レ・カイユ99
(アンドレ・ブリュネル)
産地 仏>コートデュローヌ>シャトー・ヌフ・デュ・パプ
購入店 ウメムラ
価格 2980円
コメント 実を言うと、私はシラー主体の北ローヌは好んで飲むんだけど、南のグルナッシュ主体のものはどうも苦手だったりする。(といいつつ、ブラインドでよく北と南を間違えるのだけど…)
とはいえ、最近、良作続きのこの地方。評価の高い銘柄が安価に入手できるのなら飲んで見ない手はない。

色はエッジに紫の残る濃いめのガーネット。香りはカシスやダークチェリーのジャム、甘草などのスパイス、それに漬物のようなやや「すえた」ニュアンス。
飲んでみると、過熟ともいえるようなジャムっぽい果実味のアタック。中間部には充分な広がりがあり、タンニンは甘く熟しており、濃縮した果実味中心の味わいはよくいえばフルーティ、悪くいえば、「クドイ」 。 2日目、3日目になるとこなれてまろやかになってはきたが…。
う〜ん、もはや「好き嫌い」の世界になるんだろうけど、私はこういうジャムっぽくてしつこい果実味のワインは好きになれない。 ちなみに、パーカーさんの評価は90〜92点だそうだから、こういうテイストが好きな方には値段も高くないし、よい選択肢となるだろう。
【86】

日時 2002/3/15
  テヌータ・デ・トリノーロ」を飲ませてほしいという私の我侭に応えてくれたうえはらさんと、以前からお互いのデュジャックを持ち寄りましょうと言っていた世田谷太郎氏とで、rouge-mayさんの(旦那さんの)お店『円座』に集まり、自然発生的なワイン会に発展。
銘柄 アンリオ・キュベ・デ・ザンシャントルール85
コメント rouge-mayさんより。このところワイン会に出てないこともあって、シャンパーニュを飲むのは実に久しぶりだ。アンリオは現在モエ・エ・ヘネシーグループの傘下だが1808年から続く伝統的なメゾン。全般にシャルドネの比率が高いと聞くが、この銘柄はシャルドネ55%、ピノ45%だそうだ。85年なのに、まだまだ元気で豊かな気泡。白い花、ハチミツ、焼きリンゴなどの香。味わいはふくらみがあって、なめらかな甘い果実味ときれいな酸がよくバランスされ、フィニッシュは雪が解けるように調和がとれいている。私の好みからすると少し甘めだが、エレガントによくまとまったシャンパーニュだ。【91】
   
銘柄 モルゴンV.V99(ギイ・ブレトン)
コメント rouge-mayさんからのブラインドは、「ロボコン大会」に出されたものと同じ銘柄という、同会に欠席した私たちのための粋な演出。明るめのルビーで、色調はそれほど濃くはない。赤系果実やチェリー、沢庵などの漬物の香り。味わいは、酸が丸く、果実味は甘く、なめらかで、上質のピノのような雰囲気がある。香りに好き嫌いが出そうだが、味わいはガメイの実力を再認識させるべきものだ。
【86】
   
銘柄 ロッキオリ・ロシアンリバー・ピノノワールリザーブ90
コメント うえはらさんからのブラインド。エッジに退色が見られるガーネットで、全般にオレンジの色調が感じられる。香りは、バニラ、赤系果実のコンフィ、シナモン、オレンジピールなど豊かな芳香。口に含むと、温かみのあるエレガントな果実味を丸くやわらかな酸がよく支えて、クリーンな味わい。きれいに熟成したレベルの高いピノ。こなれた味わいなのに、バニラ香がよく残っていたり、酸がやや控えめのバランスだったりするあたり、ブルゴーニュではなさそうだとは思ったけど、蓋を開けてみて、ロッキオリ、それも90年とは驚き。【93】
   
銘柄 クロ・ド・ラ・ロッシュ90(デュジャック)
コメント 私の持ち込みは、国内のショップで購入したもの。エッジがはかない色調になりつつある、やや濃いガーネット。赤系果実のコンフィ、シナモン、オレンジピール、それにバラやファンデーションなどのデュジャック特有の香り。時間とともに漬物やジビエっぽいニュアンスも出てくる。味わいは力強さはないが、しなやかな酸となめらかにとけこんだタンニンが果実味をよく支え、エレガントな熟成を遂げており、いわゆる「フィネス」を感じさせる見事なピノ。ただし以前F木師匠に飲ませていただいたボトルに比べるとやや腺が細く、熟成のスピードが少し速い気がした。【94】
   
銘柄 ボンヌ・マール90(デュジャック)
コメント

世田谷太郎さんの持参のボトルは、昨年、彼と私とが、お互いそれと知らずにワインビッドで競りあって、結局世田谷氏が落札したといういわくつきのもの。そのボトルをこうして一緒に飲めるというのも感慨深いというかなんというか。

それはともかくこのボトル、実にすばらしかった。クロ・ド・ラ・ロッシュよりさらにコンセントレーションのある赤系果実やバラ、ファンデーション、スパイス、ジビエなどの香り。味わいも力強く凝縮感があって、より線が太い。前銘柄が熟成のピークに近づいているのに対し、こちらはまだまだ上り坂で力がみなぎっている感じ。RPは、こちらが94点、クロ・ド・ラ・ロッシュが93点だが、比べて飲んでみると、この1点の差って皮膚感覚的にとても共感できる。もっとも、今回のボトルについては、銘柄間の差もさることながら、保管状態の違いも寄与しているのだろうけど。
どこかで同じ銘柄があったら、ぜひ手に入れたいところだが、きっと値段も半端じゃないでしょうなあ。【95】

   
銘柄 テヌータ・デ・トリノーロ99
コメント ワイナートで99点を獲得して、一躍有名に(かつ品薄に)なった銘柄。セパージュはカベルネ・フラン70%、メルロ20%、アルコール度はなんと16度。ちなみにWAの点数は92+と、それほど抜きん出た評価を得てはいない。そんなこともあって、ぜひ自分の舌で確かめてみたかった銘柄でもある。
紫がかった濃いルビー。トップノーズにハーブや汗っぽい香り、回すとカシスやダークチェリーのコンポート、白コショウ、キャラメル菓子、バニラ、ユーカリ。味わいはなめらかで濃厚な旨みを伴った果実味のアタック。中盤から、まるで二段ロケットのように果実の甘みが口中に広がる。これだけの凝縮感がありながら、一方で、どこかまったりしたような軽さがあるのはカベルネ・フランだからこそか。健康的でありながら、どこか蠱惑的な酒質。 いやいや、これは非常に印象的なワイン。
【95】
  私のクロ・ド・ラ・ロッシュは、国内の酒屋で購入、世田谷氏のものは悪名?高いワインビッドのものだったが、結果的には今回に限ってはワインビッドのものの方が状態は良好だった。それにしても、やっぱりデュジャックはいい。テヌータ・デ・トリノーロは、90デュジャック2本のあとということでさすがに影が薄くなるか、と思っていたが、全く違った存在感を見せつけてくれた。デュジャックやロッキオリが、昨年来私が飲みつづけてきたピノノワールのひとつの到達点とするならば、この銘柄は全く異なる新たな地平にたつような、そんな存在感があった。カベルネフランの可能性には、瞠目すべきものがあると再認識したし、この銘柄に99点をつけたワイナートの慧眼にも改めて感心した。カリフォルニアでもすばらしいカベルネフランがあると聞くので、ぜひそのうち試してみたい。
そして、「円座」は料理も美味しいし値段も安く、相変わらず居心地の良いお店だった。 アンリオは食前を飾るには贅沢すぎるような美味しさだったし、ロボコン大会と同銘柄という「粋な」ブラインドも楽しませていただいた。

我が家ではこの週末に家内が赤ん坊を連れて帰ってくるので、おそらくこの先数ヶ月はワイン会に出席できそうもない。しかし、今回の内容は、結果的に私にとって2002年前半の唯一のワイン会にふさわしい充実した会だった。ご一緒したみなさま、どうもありがとうございました。

日時 2002/3/13
銘柄 ニュイサンジュルジュ・クロ・デ・アルジエール99
(ドメーヌ・シャソルネイ)
産地 仏>ブルゴーニュ>NSG村プリミエクリュ
購入店 5250円
価格 藤小西
コメント

暗めの色調のガーネットで、エッジは99年にしては早くもはかなげな色調になっている。香りは、カシスやプラムのコンフィ状の果実、オレンジの皮、ロースト、土、キノコ、ジビエなど、色調と同様に、熟成した雰囲気がすでに見られるのが面白い。味わいは最初酸を強めに感じたが、時間とともにどんどんバランスが良くなる。旨みのある果実味を中心に、よく熟した豊かなタンニンと張りのある酸が心地よくバランスされて、しっかりしたストラクチャーを見せる。その一方で独特の熟成した雰囲気がなんとも個性的。過去飲んだワインの中ではプリューレ・ロックを彷彿させるものがあるが、 それもそのはず、 「ドメーヌ・ド・シャソルネー」はかのプリューレ・ロックの愛弟子であり、バイオダイナミズムの実践者として本国でも96年のデビュー以来注目を浴び続けている作り手である。ちなみにこの畑はロック氏の自宅のまん前の畑だとか。

翌日:初日からしてずいぶん熟成した雰囲気だったので、二日目は衰えてしまうのではと思ったが、なんのなんの、果実の甘みとボデイのふくよかさが増し、より魅力的な味わいになった。おそるべし、ヴィオデナミ、ってか。
【89】


日時 2002/3/11
銘柄

シャルムシャンベルタン99
(クロード・デュガ)

産地 仏>ブルゴーニュ>ジュブレイシャンベルタン村特級
コメント 某所で、スゴイ銘柄をテイスティングさせていただいた。デュガのシャルムといえば、グリオットと並ぶ超レアアイテム。最近のオークションでは5万円なんていう価格もついているようだが、その実力はいかに?

色はエッジがまだ紫色の非常に濃いルビー。香りはトップノーズにハーブやユーカリ。回すとエーテルやミネラル、白胡椒、金属的な香り、それに汗っぽいような複雑なニュアンスが感じられる。まだ閉じ気味で、花開いているとはいえないが、ポテンシャルの高さは充分に実感できる香りだ。

口に含むと、濃縮されたとてつもなく濃くみずみずしい果実味が広がる。タンニンは膨大だが、その質感が羽毛のように軽いのに驚かされる。思いのほか酸が強めなためか、全体にピンと張ったような構造の強さもある。しかし、それでいて酒質はあくまでジューシー。力任せなところが皆無なのが、このワインの非凡なところだ。後半はこの酸を中心にスパイシーで調和のとれたフィニッシュが形成され、余韻も非常に長く残る。 華やかにして耽美的。 濃厚だけど軽い、そして丸い。
今、飲んでしまうのはあまりにもったいないと思う反面、すでに美味しく飲めてしまうところが末恐ろしい。

それにしてもこの銘柄、どう評価したらいいのだろうか。
いわゆるピノらしくないといえばピノらしくない。 ブラインドで出されれば、かなりの確率でシラーと答えたかもしれない。 こうしたスタイルへの好き嫌いはあるだろうし、熟成能力についても不明の部分はあるが、しかし、その水準の高さは疑う余地は無い。
さすがに5万10万と言われると退いてしまうけれども、2万〜3万ぐらいまでなら払っても後悔することはないだろう。いや、その位の価格で手に入るなら、是非欲しい。(笑)
ただし、さすがに99年は、飲むには早すぎたけど。
【94】

日時 2002/3/3
銘柄 リースリング・タンゲン・クロ・サンテュルバン99
(ズィント・ウンブレヒト)
産地 仏>アルザス
コメント 黄緑がかったやや濃いイエロー。香りは黄桃、カリン、黄色い花、ミネラル、燻香、それにビニールっぽいニュアンス。味わいは華やかで豊かな印象。濃縮感のある果実味がチャーミングな酸とよくバランスされて、口の中で中盤ジワリと広がる丸く角の取れたテクスチャーが見事。フィニッシュには苦味がやや強めに感じられる。ウンブレヒトが所有する名醸畑にふさわしいすばらしいワインだが、酸に以前飲んだビンテージのようなキレがなく、全般にややキメが緩いのが気になるといえばなる。少し低めの温度で飲みたい。
【88】
感想 今日はひな祭り。カミサンの実家に行ったら、思いがけず食卓にはこの銘柄が。よく冷えたリースリングは刺身などの料理にマッチしたが、クルマだったため、飲めたのは1杯だけ。よほど悔しさが顔に出ていたのだろうか、帰り際に、先方の好意で、余ったボトルをいただけることになった。
家に帰ってさっそく飲んでみると、温度が上がってしまったためか、運搬のショックのためか、どうも、全般に散漫でこじんまりした印象。 この銘柄の名声を思うと、期待はずれだなあ、なんて思っていたが、冷蔵庫で小時間も冷やすと、ぐっと締まりが出て立体的な味わいになった。やっぱりワインを飲むときの温度は重要だ。