2002年6月

日時 2002/6/30
銘柄 カオール88(シャトー・デュ・ケルー) 
産地 仏>南西地方>カオール
購入店 小山酒店
価格 1880円
コメント

月初めに飲んだ83カオールと同じシャトーの88年。83にときに感じたブショネっぽいニュアンスはこちらでも感じられるので、状態の問題というよりはこのドメーヌ、もしくはこの品種の特徴なのだろう。
色は濃いガーネットで、エッジにはオレンジ色がかっている。香りは消し炭、粘土、乾いた木質、それに中国のスパイスや黒いドライな果実。正直に言うと、決して心地よい香りではない。味わいは酸が力強く、果実味はややドライになっており、フィニッシュに粘土のような独特のフレーバーが顔をのぞかせる。
う〜ん、率直に言って、これは好事家向きのワインですねえ。 「カオールが年を経るととこうなるんだなあ。」と頭で考えながら飲むためのワイン。88年で2000円以下というのはたしかに格安だけれども、私にはその値段以上の価値は感じられない。
【81】

日時 2002/6/28
銘柄 コールドストリームヒルズ・メルロ・リザーブ98
産地
購入店 フルール・ド・プリムール
価格 いただきもの。
コメント

以前松原に寄った際、子供が生まれたお祝いにといただいたボトル。U保さん、あらためてありがとうございました。
色は濃いガーネットだが、エッジにはややオレンジの色調が見える。香りはカシス、ブラックベリー、スパイス、モカ、それに動物香。味わいは強めの酸の第一印象。豊かで濃縮された果実味となめらかなタンニンは良好なものの、バランス的に酸が勝っている感が強い。各要素の質感自体は高いだけに、もう少し寝かせてけばよかったか、という気も。
ピノノワールはすばらしかったコールドストリームヒルズだが、やはりピノに最適な地域となるとメルロにとってはやや寒冷、ということになるんだろうか。畑の位置まで把握してないから、知ったようなことは言えないのだけど…。
翌日:酸の突出感が減ってまろやかな味わいになった。
【86】

日時 2002/6/26
銘柄 ヴァケラス・ヴィエーユ・ヴィーニュ97
(タルデュ・ローラ ン)
産地 仏>コート・デュ・ローヌ
購入店 信濃屋
価格 3本で1万円。
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コートロティとともに3本1万円で購入したタルデュ・ローラン。3本ひと組はいいが、コートロティに続いてこのボトルも噴いた跡があるんですけど…。
エッジにややオレンジのニュアンスが見える濃いガーネット。香りは特徴的な、火を通したブラックベリーやプラム、墨、燻香、グリエした肉。味わいはニュアンスに富んでいて、甘くなめらかな果実味となめらかなタンニンがあるものの、この作り手にしては酒質が痩せ気味で、 鋭くピリッとした酸が中盤感じられるのがどうも…
97年は北部が比較的良好だったのに対して、南部は今ひとつだったと聞くが、前回のコートロティと比べるとまさにその通りの好対照な印象となった。
翌日:香りの迫力はなくなったが、味わいの方は、酸が落ち着いて飲みやすくなった。
【86】

日時 2002/6/24
銘柄 コート・デュ・ローヌ・バロン・ルイ99
(シャトー・ド・モンフォコン)
産地 仏>コート・デュ・ローヌ
購入店 信濃屋
価格 1980円
コメント

週末贅沢をしたので、この日は千円台のワインを。シャトー・ド・モンフォコンは、95年初リリースの新興ドメーヌ。AOCリラックを名乗る資格があるが、あえてコート・デュ・ローヌで通しているとか。
濃いルビーでエッジは鮮やかな紫。ブラックベリー、カシス、丁子、土などの力強い香りは、飲む前からアルコール度の高さと凝縮度の高さを感じさせる。はたして口に含んでみると、若々しく豊かな果実味がきめ細かなタンニンをマスキングしている印象で、しなやかな酸のバックボーンもあり、思いのほか上品なバランス。健全な構造と豊かな体躯を持ったなかなか秀逸なローヌで、ヘタなヌフパプよりよっぽどいい。3千円近い値付けでも不満は出ないと思う。
【87】

日時 2002/6/21

久しぶりにワイン会に参加。今回はyohさん主催で、89のルジェと90ジャイエ・ジルのエシュゾーの飲み比べがメインだ。集まったのは、他にF木師匠、うえはらさん、S田課長、まーやんさんという、またまた「濃ゆい」メンバー。(^^;
なお、メモをとらなかったのと、途中からヘベレケだったため、感想はかなりいい加減です。

銘柄

チェルヴァーロ00
(アンティノリ)


アンティノリがウンブリア州で作るシャルドネ。黄色い果実とマロングラッセ、バニラのフレーバーが心地よい。ややあっけらかんとしているが、バランスも良好で、フランスものとは明確に異なる個性がある。【88】

コルトンシャルルマーニュ88
(ルイ・ラトゥール)


最初温度が低く閉じ気味だったが、時間とともにヘーゼルナッツやバター、じゃこうなどの香りが全開になる。トロミもあるテクスチャー、酸がきれいで、良好な熟成状態。【93】

エシュゾー95
(エジュラン・ジャイエ)

白っぽいスパイスやヨード、やや過熟感のある赤い果実味がたっぷりと口中に広がる。まだ飲み頃には早いが、ソツなく仕上がっていて、素性のよさを感じるワイン。 写真とり忘れ。【89】


エシュゾー90(ジャイエ・ジル)


本日のメインイベント第一弾。これはスゴイ。華やかなスパイスやシロップに漬けたカシスやダークチェリーなどの複雑で陶然とさせられる香り。口に含むと、ボディはガッチリとしていて力に満ちているが、まだタンニンが固めで、飲み頃には早い印象。いったいいつ頃になったら熟成の頂点を極めるのだろうか。【95】


エシュゾー89(エマニュエル・ルジェ)

メインイベント第二弾。この頃のルジェのラベルはまだアンリジャイエっぽいタイプだ。抜栓当初、ピリッとした酸を感じたが、時間とともに落ち着いて、秀逸なバランスになった。90ジャイエ・ジルに比べると香りも味も格段に開いていて、外向的でピュアな果実味を中心にエレガントにまとまっている。ご本人が心配されたほど状態には問題なかったと思いますよ。 【93】


カレラ・ジャンセン・ピノノワール86

yohさんは最初、このボトルをブラインドで出すつもりだったらしいが、もしブラインドだったら、きっとDRCかデュジャックと答えていた。特徴的なマツタケやシナモン、オレンジの果実のフレーバー。ボディもあり、バランスも秀逸。これは実に印象的なボトル。 【95】


ターリー・ジンファンデル
    ・グリストビンヤード00


このボトルはまーやんさんから差し入れ。濃厚。高いアルコール度、強烈な凝縮感。それでいて、甘く今でも美味しく飲めてしまうところがスゴイ。
ただ、残念ながら私はもうベロベロ。(^^;

日時 2002/6/18
銘柄 シャトー・ヌフ・デュ・パプ・キュベ・ショーパン99  
(ドメーヌ・ド・ラ・ジャナス)
産地 仏>コートデュローヌ>CNP
購入店 ウメムラ
価格 3980円
コメント

ワールドカップやらボーナスやら社内異動やらで、周囲が慌しいが、我が家は粛々といつものペースで…。
ドメーヌ・ド・ラ・ジャナスはシャトー・ヌフ・デュ・パプの名門サボン一族の1つ。1973年より他のドメーヌに先駆けてドメーヌ元詰を開始、91年に息子のクリストフが参加すると、ドメーヌの名声はますます高まり、今では世界中に割当制で販売されているとか。色はエッジに紫が残る濃いガーネット。とても綺麗な香りは、ブラックチェリーやカシスのジャム、スミレの花、甘草、くんせい肉など、複雑さも兼ね備えている。味わいは甘くよく肥えてたっぷりした果実味をしっかりした酸が支えており、タンニンは果実味の奥に隠れている。厚みのある果実味が層をなすようなフィニッシュとジャムっぽい余韻。これは美味しい。まさに私がイメージしている通りの良質なシャトー・ヌフパプ。 【90】

日時 2002/6/16
銘柄 ブルゴーニュ・ルージュ2000
(G・ルーミエ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 フルール・ド・プリムール
価格 2700円
コメント

たて続けにダメージボトルを飲んだので、ここはひとつ状態の確かなものを、ということで、「フィネス」の輸入による2000年のルーミエを開けてみた。
色はやや濃いめの色調のルビー。香りは生肉やハーブ、赤と黒の中間位の果実、ミネラルなど。味わいはブルゴーニュ・ルージュとは思えないほど構成要素が豊かなのが嬉しい驚き。ジューシーで豊かな果実味をなめらかなタンニンとチャーミングな酸がよく支えており、じんわりとした旨みも感じられて、余韻もこのクラスにしては異例に長い。ただ、クロード・デュガのときにも感じたのだけど、酸がやや伸びやかさに欠けるのは(ACブルゴーニュだからというだけでなく)、このビンテージの特徴なんだろうか?
二日目:華やかに開いて、果実味もネットリと甘く、よりバランスのとれた味わいに。
【86】

日時 2002/6/15
銘柄 ニュイ・サンジュルジュ・オー・ブド98
(メオ・カミュゼ)
産地 仏>ブルゴーニュ>NSG村1級
購入店 いただきもの(訳ありボトル)
コメント プリューレ・ロックと一緒ににいただいた熱影響ボトル。当初の予想に反して、こちらの方がダメージが顕著だった。
キャップシールはクルクル回り、噴いた跡もなし。ただ、抜栓してみると、かなりコルクの脇の部分に染み込んでいる。
色はエッジにピンクがかった濃いガーネット。香りはカシスやダークベリーのリキュール的な果実、スパイス、土、それにややミルキーなオーク。色と香りだけでは、不健全な兆候は見られないんだけど、口に含んでみると、まず、セラーから出したてなのに、妙に生暖かいような感触が口中を支配する。化学調味料をかけすぎたような不自然な旨み感と、ただれたようなジリジリとした酸があって、時間とともにそれらの要素が強くなり、特に後半のバランスを乱してしまう。若くして許容範囲を超える熱を浴びてしまった典型的なダメージボトル。個人的にはこういうボトルを寝かせて熟成させるとどのようになるのかも興味があるところではあるが…。
【--】
日時 2002/6/14
注文していたワインを引き取りにフルール・ド・プリムールへ行ったら、「雛どりの会」とやらで大勢集まっていた。ちなみに写真は携帯デジカメ初の本格稼動のによるもの。
コメント パラドックス2000(ディディエ・ダグノー)
「シレックス」で有名なディディエ・ダグノーが今年初めてリリースした銘柄。 日本にはわずか36本しか入荷していないとか。
口に含んでみると、SB(ですよね?)とは思えないような厚みのある果実味がすばらしく、遅摘みを思わせるビニールっぽい甘いニュアンス が強い。中甘口に近いと言ってよいぐらい。チャーミングで上品な酸も しっかりあって、お見事。【89】

コート・ロティ・ラランドンヌ98
(ルネ・ロスタン)

「コートブロンド」と並ぶルネ・ロスタンのコートロティ単一畑銘柄。
カシス、ダークチェリー、ハーブや黒コショウ、それに軽いロースト香。 豊かでみずみずしい果実味、伸びのある上品な酸、なめらかにとけこんだタンニン。ギュっと詰まった酒質ではないが、必要にして十分な濃縮感と、どこまでもナチュラルなバランスが素晴らしい。もちろんまだ若くてもったいないけど、今でも美味しく飲めてしまう。さすがこのAOCのトップクラスの生産者だけのことはある。正直某所で飲んだレギュラーキュベとは天と地ほどの差があるように感じた。【92】

ムルソー・シャルム90
(レミ・ジョバール)

白桃などの果実の奥から、キノコやじゃこうのニュアンスを感じさせる熟成したきれいな香り。時間を置くと、ヘーゼルナッツのような心地よいニュアンスも。
口に含むと肉厚で力強い果実味がすばらしく、オイリーな酒質。酸はやや緩めだが、全体の構成は散漫にならないところがすばらしい。まーやんさん、ありがとう。
【91】

ロッソ・ディ・モンタルチーノ95
(ビオンディ・サンティ)

この辺からそろそろ記憶が怪しくなってくる。
よく熟したカシスやプルーンなどの果実、黒オリーブ、ハーブ。
際だった特徴はないが、バランスよく、ソツなく仕上げられたクラシックな伊もの。料理と併せたくなる。【87?】

バローロ93(ピオ・チェザーレ)
まーやんさんよりブランド。‥って、もうベロベロなんですけど。(^^;
凝縮感はないが、透明感のある果実としなやかで強めの酸が印象的、だったような気がする。もっと若いワインかと思った。【?】

他にひとくちふたくち飲ませていただいたワイン
・フィクサン・プリミエクリュ(畑失念)96(ドミニク・ローラン)
・ボンヌ・マール98(ドルーアン・ラローズ)

日時 2002/6/11
銘柄 ヴォーヌロマネ・レ・スショ97
(プリューレ・ロック)
産地 仏>ブルゴーニュ>ヴォーヌロマネ村1級
購入店 いただきもの(訳ありボトル)
コメント 某所で、熱のダメージを受けたと思われるボトルを2本いただいた。
どの程度熱を浴びたのかは定かではないが、状況を聞いたところでは、去年の夏場に、30度前後ぐらいで1ヶ月程度置かれた、という位のものだと思う。
キャップシールをとると、ベットリと噴いた跡。グラスに注げば、エッジがかなり不健全と感じられる色調。こりゃヤバイかな、と思いながら香りを嗅いでみると…。

これがすばらしくよく開いていて、赤と黒の中間ぐらいの果実のリキュールやオレンジの皮、ダージリン、マツタケ、それにアーシーなニュアンスが全開なのだ。
口に含むと、柔らかな果実味が感じられ、酸はチャーミングで、心地よい広がりがある。 若くしてこの熟成した雰囲気ムンムンの香りと味わいはプリューレ・ロック独特の世界だ。フィニッシュにやや湿ったタンニンが残るとはいえ、全般にほどよくこなれてバランスもよく、大変美味しく飲めてしまうことに、なんだか複雑な気分にさせられる。

プリューレ・ロックは、ビオディナミを標榜する作り手。SO2不使用ということもあり、熱には弱かろうと、半ば諦めて抜栓したのだけど、予想以上に酒質がしっかりしていたということなのだろうか。少なくともこれ単体で飲めば、はっきりとダメージを判別できないレベルだったのが意外だった。もちろんまったく変化がないというわけではなくて、口中での「ひんやり感」がないとか、フィニッシュがややイガイガしているとか、「ど真ん中のストライクではないが、ストライクゾーンから外れてはいない。」というような レベル。もっとも、そういう私自身、このボトルがいわくつきのものだと知らずに飲めば気づかなかったかもしれないし、実際、このぐらいのボトルは市場でも平気で流通している…。
とまあ、いろいろと考えさせられた一本だった。遠からず、もう1本のメオカミュゼも試してみたい。
【89】
…と賞賛したものの、翌日は、すっかりマディラ香に支配されて飲めないような代物になってしまっていた。 やっぱり熱を浴びた影響なのか…。
日時 2002/6/7
銘柄 コート・デュ・ローヌ1999 グラン・レゼルヴァ
(シャトー・デュッグ)  
産地 仏>コートデュローヌ
購入店 優心美酒SHIMURA
価格 2980円
コメント

和紙風のラベルと蝋のキャップシールが素敵なシャトー・デュッグ。日本ではあまり知られていないが、パリの有名レストラン「タイユヴァン」のリストにも載っている銘柄だとか。セパージュは、グルナッシュ60%、シラー30%、カリニャン10%。 にしかたさんのサイトでも紹介されいている。
色はエッジが赤紫色の濃いルビー。香りは生っぽいラズベリーやブルーベリー、乾燥ハーブ、タイム。口に含んでみると、やわらかくたっぷりした果実味のアタック。アルコール度は高いが、酒質はどこまでもジューシーで、豊かだがなめらかなタンニンと上品な酸がこれを支えている。際立って凝縮感があるというタイプではないけれども、果実味のみずみずしさが出色で、ブドウ本来の良さを素直に引き出した味わいは賞賛されてよいと思う。
【88→89】
翌日:味わいに落ち着きが出てきて、さらに印象がよくなった。

日時 2002/6/5
銘柄 Ch. コス・デストゥルネル78
産地 仏>ボルドー>メドック2級>サンテステフ村
購入店 US出張時購入(Morrel&co.)後3年間セラーで保管
価格 10000円位
コメント 93コスの印象が非常によかったので、今度はセラーにある古いビンテージを開けてみた。このボトルはアメリカへ出張したときに、NYのメジャーなワインショップで購入したもの。キャップシールはクルクルと回ったがシールを剥いでみると少し噴いた跡がある。コルクはかなり染みて重くなっているがまだしっかりしている。
ボルドーグラスに注いでみると、エッジにはっきりとオレンジの見えるガーネットで、濃い色調。香りはカシスやブルーベリーのドライな果実、黒土や朽ちた木、麦わら、ナツメグなどのスパイス。味わいは、抜栓当初は酸が目立ったが、次第にリキュールのような果実味が前面に出てきて、張りのある酸とのバランスがよくなった。タンニンはなめらかだが、やや存在感を強く感じ、余韻には麦わらっぽいフレーバーと果実の甘味。熟成した古酒の味わいを満喫できた一方で、全般に果実味が枯れてきている印象もあったので、この時期に飲んだのは正解だったかもしれない。ボトルのコンディションは、噴いた跡があったわりには健全といえるものだった。【89】
日時 2002/6/2
銘柄 Ch. コス・デストゥルネル93
産地 仏>ボルドー>メドック2級>サンテステフ村
購入店 やまや池袋西店で購入後3年半セラー保管。
価格 失念(7000〜8000円位?)
コメント こいつは驚きの一本。まず抜栓してみて、最下部以外ほとんど染みていない新品のようなコルクに期待が高まる。色は濃厚なガーネットで、エッジがやや透明な色調になり始めている。深く染み入るような複雑な香りは、シロップに漬けたブラックベリーやカシス、墨汁や黒鉛、アジアのスパイス、ロースト香、それに黒土などのニュアンス。口に含むと、トロリとした果実の第一印象。果実味は充分な凝縮感があって甘く、それを支える伸びやかな酸とネットリしたキメ細かいタンニンにより、継ぎ目のない、それでいてピタリと焦点の定まった、非常に質感の高い味わいを見せる。93年というとオフ・ビンテージの印象が強いが、そこはさすがスーパーセカンド、きっちりと「良い仕事」をしているし、時期的にもちょうど飲み頃だったのだろう。今年飲んだボルドーの中ではナンバー1、私が過去に飲んだ93年のボルドーでもベスト3に入るすばらしさ(あとの2本はムートンとクリネ)。
シャトーの実力の高さと、状態のよさと、飲んだタイミングのよさとが、見事に合致したおかげで、なかなか出会えないようなすばらしい味覚体験をさせてもらった。【93】

…と思ったら、二日目はすっかり「ヘタって」しまった。

日時 2002/6/1
銘柄 カオール83(シャトー・デュ・ケルー) 
産地 仏>南西地方>カオール
購入店 小山酒店
価格 2280円
コメント 83年のカオールである。カオールといえば、南西地方を代表するAOCであり、主品種にマルベック(オーセロワ)を用いることで知られ、その色の濃さから「黒ワイン」などとも呼ばれる。ソムリエ認定試験などでよく出題されるが、私の場合、実際に飲む機会はあんまりないし、ましてこの年代となると貴重。ちなみにこの銘柄のセパージュはマルベック73%、メルロ20%、タナ7%とのこと。
色は濃いめのガーネットで、エッジにかなりオレンジが入っているが、まだしっかりした色調。香りはさて、ん??。墨や黒土、醤油やプラムなどの香りにまざって、コルキーな臭いがグラスに充満する。う〜ん、ブショネだろうか?まあ、飲めないというほど酷いものではないし、時間とともに気にならなくなるので、こういうものだと言われればそうかと思ってしまう。ブショネっぽいんだけど、そうとは言い切れない。黒に近いグレー。実に微妙なところだ。
気を取り直して口に含んでみれば、 味わいは適度に枯れていながらも、果実味がたっぷりと残っており、タンニンはなめらかになっていて、張りのある酸とあいまって、穏やかな、それでいてしっかりしたローヌあたりの古酒のような味わいをキープしている。ブショネっぽいニュアンスさえなければ、この価格で味わえる古酒としては出色のものだったと思うのだが、はたして真相はどうだったのか。近いうちに一緒に買った88ビンテージを飲んで判断することにしよう。
【?】