2000年11月26日(日)
NEXT→

吉祥寺の「ボナペティ」にてワイン会。
今日のメンバーはJordanさん、Nappeさん、よもぎねこさん、えりかさんというツワモノぞろい。ワインは各自持ちより。いやいや、いろいろと勉強させていただきました。(ついでによく飲みました。)


銘柄 アラン・ロベール・メニル・セレクシオン
感想

色は暗くてよくわからないがかなり濃いめの色調に見える。気泡はおだやかでキメが細かい。香りは最初熟したリンゴ、シナモン、軽めのイースト香、それにフローラルな香りだったが、時間と共に、甘栗やクリームブリュレのような香ばしく甘い香りが立ち上ってくる。(焼き芋の皮、との声も。)口に含むと豊かな甘い果実味が印象的で、しっかりした酸とのバランスよく、後半からフィニッシュにかけてハチミツのようなフレーバーが広がる。全体的にとても練れた味わいで、スティルワインのような雰囲気を感じる。余韻の長さが出色。えりかさん、ごちそうさまでした。【90】

銘柄 エルミタージュ86(シャプティエ)
感想

白ワインの大御所Jordanさんの持ちこみ。色はよくわからないので省略(以下同)。香りは86だけあって、熟成香がバンバン。トップノーズにジビエやなめした革のような、まるでピノノワールのような香り。とても熟した洋ナシやカリン。さらに回すとミネラルやハーブ、柑橘類、ビニールなど多種多様な香りが出てくる。味わいはヌルリとした果実味、南のワインらしく酸がやや大人しめで、フィニッシュにかけて感じる苦味が不思議なバランスを保つ。最初のうちはややミッドパレットに虚ろさを感じたが、時間と共にまろやかになりふくらみも出てきた。とても面白いテクスチャーをもったワインだ。
【86】

銘柄 ブラインドその1
感想

よもぎねこさんの持ちこみはブラインドにて。「珍品」だとか。
トップノーズにユーカリやミントの独特なフレーバー。回すとオレンジの皮や柑橘類の香り。さらにその奥からゲーミーなニュアンスも感じるが、全般には香りのトーンは高めだ。 味わいは果実味にふくらみがあって甘く、チャーミング。酸は豊かだがやわらかく、 タンニンもなめらかに調教されている。果実味が豊かなところからするとボーヌ?でもそれでは順当すぎるので、コートシャロネーズあたりの良い生産者?あるいはオレゴンとかNZとか…(要はわからないのだ。(^^;)【85】
→答え:ヴォーヌロマネ・ゴーディショー96
         (マーシャル・ド・グラモン)

ラ・ターシュに隣接する小区画のプリミエクリュ。なるほど珍品とはこういう意味だったのね…。

銘柄 ブラインドその2
感想

お店からの出題は難問。
香りはとても独特の酸っぱい香り。レッドカラント、小梅、それに漬物のようなジビエのような香り。味わいはしっかりした強めの酸が中心のバランス。果実味がその酸の内側に隠れてい感じ。これは飲んだことない類のワインだ。この酸の強さからすると、コトー・シャンプノワかアルザスあたりのピノノワール?【72】
→答え:ブルイイ96(Chateau de Prieure)
な、なんとガメイだったとは…驚き。 それよりさらに驚いたのはこれをJordanさんが正解されたこと!しかも出たとこ勝負でなく確信を持って答えていたのはさすが。

銘柄 シャンボール・ミュジニー71(ルイ・ラトゥール)
感想

Nappeさん持ちこみ。赤系のドライフルーツ、ドライフラワー。キノコ、かつおだし、スーボワ。味わいはほどよい甘みと旨みのある果実味が印象的に口中に広がる。酸は豊かでタンニンはとけこんでいて、バランスも良い。30年近くを経たボトルなのに、果実味はグラスの中で生き生きとすらしており、コンディションの良さを物語っている。フィニッシュにも果実の甘みと旨みが絶妙に余韻を残し、ある程度時間をおいてもへたることはなかった。すばらしい状態!【90】

銘柄 Ch.レオヴィル・ラスカズ81
感想

私が2年前に小田急ハルクのセールで購入したもの。
香りはブラックベリーやカシス、湿った土、木の根、甘草、スモーキーなニュアンスもある。凝縮感のある果実味はまだ若々しさすら感じ、酸は豊かでしなやか、タンニンもよく溶け込んでいるが、各要素はまだまだしっかりしていて、さらに熟成を続けそう。フィニッシュはこれらの要素が層をなして長い余韻を味わえる。持ちこんだ本人も驚くコンディションの良さ。しっかりした構成とすばらしいバランス感はさすがラスカズ。 【89】

このあと、下北沢の「ウイスキー・キャット」へ。
銘柄 Ch.ベルリケ90
感想

これはまた珍しいサンテミリオンの特級銘柄。
プラム、ブルーベリーのシロップ漬け。甘草、土っぽい香りも。ほどよい熟成感があって、やわらかい果実味と丸い酸がしなやかな味わいを形成するも、タンニンがやや強めで収斂性を残す。フィニッシュにはややモカっぽいフレーバー。そこそこによく出来たサンテミリオンらしいワイン。【85】

 

銘柄 イエルマン・ピノグリージョ98
感想

イタリアの白ワインの銘醸地フリウリ・ベネツィア・ジューリア産。トップノーズに熟したグレープフルーツなどの柑橘系の香り、ハーブ、白い花、ミネラル、キャベツのみじん切り。しばらくおくとカリンやフルーツケーキのような華やかなフレーバーが出てくる。味わいはアタックに強めの溌剌とした酸を感じ、ふくよかな果実味とのバランスがすばらしい。時間とともに酸は落ち着いて丸みを帯び、当初とは全く異なるまろやかな表情を見せる。面白いワインだ。【85】

銘柄 最後にまたブラインドで。
感想

カシス、プラム、スパイス、スモーキーで丁子や甘草などのスパイスのニュアンスもある。味わいは比較的スリム。酸が伸びやかでタンニンはしっかりしている。果実味はクリーンだけど凝縮感はあまりなく、ミッドパレットがやや虚ろな表情。順当に行くと、マルゴーかサンジュリアンあたりのブルジョワ級と答えそうだが、リストの中から選ぶとすると、プピーユでしょう。【78】
プピーユ96
これはブラインドというよりは「推理」でした。(^^;


お開きになったのは、結局夜中の3時半。いやいや、よく飲んだこと。