ショートショート フィルムフェスティバル2003
in 北海道・札幌会場(6月11日-15日)

-23カ国から約90作品、 北海道ならではの多彩な特別企画も-

会場風景の画像です

掲載画像は実行委員会の許可を得て使用しています

 ショートショート フィルム フェスティバル2003in北海道が、6月11日から15日までアーバンホール(札幌市中央区南3西4、アーバン札幌7階)で開かれた。

 Two Men and a Wardrobe56か国、1,300本以上の応募の中から、23か国、約90の作品が選ばれた。アニメあり、ドキュメンタリーあり、コメディからシリアスなドラマまで、さまざまな味わいの作品がそろった。各プログラムに、名監督の初期作品や戦争と平和をテーマにした作品が盛り込まれ、北海道ならではの多彩な特別企画も用意されていた。

 ショートショートフィルムフェスティバルは、今年で5年目。それを記念して5人の名監督が生み出した初期の作品を、A-Fプログラムの最初に置いた。ことしのアメリカ・アカデミー賞で監督賞を獲得した「戦場のピアニスト」のロマン・ポランスキーが25、6歳の時に監督した作品の初々しさに触れることができる。「オール・アバウト・マイ・マザー」のぺドロ・アルマドバール、「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレーレス、「アバウト・シュミット」のアレキサンダー・ペイン、そして「ドーベルマン」のヤン・クーネンと、個性的な監督の作品が並ぶ。

 アカデミー・ショートは、アメリカ・アカデミー賞のショートフィルム部門の受賞作品を集めた、フェスティバルならではの企画。汽車に乗り遅れたおばさんが駅の食堂で意外な人とランチをともにする「ランチデート」は、みごとなオチに思わず笑みがこぼれるだろう。ことしは、戦争と平和について切実に考えさせられる年になった。「戦争と平和」をテーマにした各国の作品を集めている。第1次世界大戦の実話をもとにしたイタリアの「ROSSO FANGO」には、驚くべき結末が待っている。重い問いかけを残す。

北海道セレクション
  桃色心地 (1)「桃色心地」(島田英二監督、12分)は、手慣れた感じのラブ・コメディ。最後のオチにはやられたけれど、反応を計算している感じがやや鼻につく。

 (2)「無限の長さ」(池田学監督、19分)には、衝撃を受けた。現代が生々しく露出している。映像の質感もテーマと共振している。ギャグに置き換えることなく、最後までひりひりするようなシリアスさを貫いた姿勢は得難い資質。こういう作品に突然出会えるから、映画祭はやめられない。

 (3)「食事は冷蔵庫の中」(奥田悠太監督、2分)は、食べ物が、冷蔵庫の中に戻ってしまうコメディ。17歳の自作自演作品。とぼけた味が良く出ていた。

 (4)「アイロニーモード008」(アラキマサヒト監督、16分)は、求婚者と父親の家訓バトルが面白い。ギャグとシリアスのバトルでもある。エンドロールのセンスも抜群だ。

 (5)「 プラネタリウム 〜星空の記憶〜」(小野寺圭介監督、15分)。いつもながら、心にしみこんでくる演出力に感心させられる。今回は、子役も使った本格的なドラマ。ハートウォーミングのお手本のような仕上がりだ。

 (6)「YES HAND NAME」(登坂孝範監督、9分)は、どこかで見たような感じも受けたが、素直に楽しめたので、許そう。それにしても、ドロップキッカーズの面々は、頑張っている。

 (7)「札幌ひみつ指令」(黒田拓監督、13分)は、その壮大な妄想力、圧倒的なパワーに驚かされた。CGとギャグで力ずくでたたみかけてくる展開は、今後が楽しみ。

ジャパン・ショート
 

 「→」(Kunio Matsumoto監督、12:21、日本)は、「ゾウノハカバ」をめぐるストーリー。疲れた日本のサラリーマンの閉塞感が伝わってくる。

 「fish never sleep」(Gaelle Denis監督、06:00、イギリス)。ユニークなタッチのクールなアニメーション作品。不眠症カオコの目に映る築地市場はとても不思議な雰囲気だ。

 IKESU「behind」(Akira Sasaki監督、18:36、日本) は、まさにスリラー。男女の愛憎と時間的な錯綜をあやつる映像の構成がうまく、結構怖い。

 「IKESU 」(Kenya Shimizu監督、03:31、日本)。優しいタッチの粘土アニメだが、結末はシリアス。うなぎとひらめの悲恋物語。

 「EYE」(Mipo O監督、16:00、日本)は、 少年の独白で物語が進んでいく。独り言と、回想風の映像が相乗効果を生み、少年の悲しみが、ひたひたと胸にしみる。

 「SUZUKI」(Keiichiro Kyuma監督、01:10、日本)は、CMのように日本の近未来の雰囲気を切り取るコメディ。おかしいけれど、悲しいような。「生SUZUKI」と口の達者な「マシンSUZUKI」がいるらしいが、「生SUZUKI」は、どんな人?。

 「TANAKA」(Clayton Jacobson監督、23:30、オーストラリア) 。 田中は、亡くなった叔父の葬式に出席すべく、オーストラリアへと赴く。そこで叔父の真実を知る。テーマとしては、新しいものではないが、丁寧に作られていて、無理のない自然な着地点に運んでくれる。今年は、オーストラリアの力作が目立つ。

アカデミー・ショート
 

 The Lunch Dateの画像「The Lunch Date」(1989年、アメリカ、11:00、Adam Davidson監督) は、気持ちの良くなる佳作。私たちの中にある偏見をスプリングボードにして、鮮やかなオチをみせる。

 「Manipulation」(1991年、アメリカ、07:00、Daniel Greaves監督)は、アニメーションの可能性をめいっぱいに楽しむ実験的な作品。想像力の豊かさに舌をまく。手塚治虫を連想した。

 「Election Night」(1998年、デンマーク、12:00、Anders Thomas Jensen監督)は、苦い味わい。リベラルな男性が、忘れていた選挙に参加しようと投票所に向かうが、さまざまな思わぬ障害が待ち構えている。

 「Bunny」(1998年、アメリカ、07:00、Chris Wedge監督)は、繊細な質感を持つCGアニメーション。わずか5年前には、CGの可能性に驚いたものだが、今では当たり前になってしまった。

 「I Want To Be」(1999年、ドイツ、34:00、Florian Gallenberger監督)。しっとりした中編の感じ。ホームレスを見かけ、ストリートチルドレンだった頃を思い出す男が主人公。人生の分かれ目についての痛々しい物語である。

 「The ChubbChubbs」(2002年、アメリカ、06:00、Eric Armstrong監督)は、めちゃくちゃ可愛くて楽しいSFアニメ。スターウォーズやETのキャラクターを見つけて遊べる。

アニマトリックス
 

  「アニマトリックス」オムニバス9作品のうち前半の5作品が上映された。会場は、ほぼ満員状態。子供たちの姿も目立ち、他のプログラムとは、やや異質な雰囲気だった。

 「ファイナル・フライト・オブ・ザ・オシリス」(アンディ・ジョーンズ監督)は、まさに「マトリックス リローデッド」への序章と呼ぶべき緊迫した内容。極めてリアルなCGによる濃密な映像的魅力が詰め込まれている。

 「セカンド・ルネッサンス パート1」(前田真宏監督)は、マトリックス・ワールド形成の歴史を解き明かす内容だが、いろいろと仕掛けがある。前田監督が子供の頃に見た戦争フィルムのパロディを多用し、戦争についての思考を迫る。好戦的なアメリカへの批判がうかがえる挑戦的な作品。「セカンド・ルネッサンス パート2」(前田真宏監督)も、戦争の悲惨を繰り返し繰り返し、つきつけてくる。「きれいな戦争」などないということを執拗にみせる。

 前田真宏監督の写真(4)「キッズ・ストーリー」(渡辺信一郎監督)は、「マトリックス リローデッド」の新キャラ・キッドが、覚醒したときの物語。静と動のコントラストが巧み。映像の疾走感が素晴らしい。「プログラム」(川尻善昭監督・脚本)は、あえて日本的な様式美を強調したマトリックス・ワールド。シリアスにドラマを盛り上げ、きれいにオチが決まる。

 上映後、前田真宏監督をゲストに迎え、制作についての質問などにこたえた。「アニマトリックス」という企画が、「マトリックス リローデッド」の宣伝としてではなく、ウォシャウスキー兄弟からの発案で始まったことの意義を強調し、基本的な合意以降は「拍子抜けするほど自由につくることができた」と話した。「セカンド・ルネッサンス」では、前田監督が子供の頃に見たベトナム戦争のニュース映像などをもとに描いたことを明らかにした。前田監督が好きな作品は「マトリキュレーテッド」(ピーター・チョン監督・脚本)。

Aプログラム
 

 「Carmen」(アメリカ、18:00)は、アレキサンダー・ペイン(Alexander Payne)監督がオペラ「カルメン」をパロディーにしたコメディ。私の感性とは、ことごとくすれ違った。無神経な感じが嫌いだ。案山子

 「THE SCARECROW」(スペイン、09:15、Gonzalo Zona監督)は、奇怪な案山子の物語。仲間と思ったキリストの磔刑像に話しかける言葉に味わいがある。やがてキリストも案山子の仲間入りをする。とぼけていながら、辛らつでもある。

  「What's Wrong with This Picture?」(アメリカ、02:00、Jeffrey Travis監督)は、クレヨンと紙だけの子供の世界。単純なお遊びだが、最後の言葉が笑わせる。

 「You Should Make Movies」(ベルギー、08:30、Michel Vereecken監督)は、映画好きの男をテーマにしている。最後に種明かしが。がっちりとした構成だが、設定があまりにも壷にはまっている。

 「Supermarket Trolleys」(オーストラリア、01:00、Andrew Horne監督)は、 海から来たスーパーのカーゴの秘密。強引だなあと感じながら、奇想天外さに微笑む。

 「We who dance」(スウェーデン、21:00、Pil Maria Gunnarssone監督)は、結婚パーティを舞台にした作品。裏切りと和解、弱さと温かさ。人間に対する優しいまなざしを感じる。

  「(R)evolution」(オーストラリア、09:30、Michael Cusack監督)は、 アニメーション。最初の冷えた映像と粘土アニメがミスマッチ。笑えるがオチは平凡。

  「The Shot」(オーストラリア、10:00、Puven Pather監督)は、戦場カメラマンに託し、戦争の惨劇を、あえて血なまぐさく描いている。簡潔で力強い。エンドロールの映像も凝っている。

Bプログラム

 「TRAILER FOR THE LOVERS OF THE FORBIDDEN THINGS」(1985年、スペイン、18:00、Pedro Almodovar監督)は、若きアルモドバルらしい、アクが強くってパワフルな毒舌ミュージカルコメディー。色彩のセンスも抜群。ここまで吹っ切れていると、爽快だ。「Tricks」(オーストラリア、01:00、Andrew Horne監督)は、老犬の芸を見せる。オシッコねた。

 「THE BARBER」(フランス、 08:00、Jon Carnoy監督)は、ドイツ占領下のフランスが舞台。人の良さそうな床屋がナチス上官の喉に剃刀をあてるが、一瞬の迷いを振り払う。そして悲劇的な結末がやってくる。8分間の正統派反ナチ映画。「THOUGHT BUBBLE」(アメリカ、04:00、Billy Greene監督)では、新鮮な質感のアニメーションを味わった。 The Arsonist's Riddle

  「Swallow」(アメリカ、23:00、Frank Flowers監督)。大学への学資稼ぎのため、フロリダの高校生が危険なコカインの運び屋を始める。予想された結末までの辛い展開につきあわされる。後味も苦い。「The Arsonist's Riddle」(オーストラリア、04:00、Ben West監督)は、とても好きなテイストのアニメ。火をつけられることに恐怖し、火に包まれて苦悶するマッチ棒たち。執拗にマッチたちを燃やし続ける男。4分の幻想世界だ。

 「A very very silent film」(インド 、05:12、Manish Jha監督)は、静かだ。しかし映像の意味が分かってくると、驚愕で目をそむけたくなる刺激的な映像に変わる。どうしようもなく、やりきれない。インドのホームレスの女性たちは、死後も陵辱され続ける。静けさが痛い。

 「Peep Show」(カナダ、04:00、Robert DeLeskie監督)は、どこかで見たようなスタイルの男女のダンスによるセクシーな展開。ただ、ラストの切れは、なかなか良かった。「QIK2JDG」(アメリカ、05:00、Nick Spano監督)は、猛烈に汚いガソリンスタンドのトイレの中が舞台。壁に書かれたおびただしい落書きから伝わってくるさまざまな人々の屈折した切実な思い。そこから死刑判決へとつなげていくアイデアの飛翔力に感心する。

Cプログラム

 Golden Gate「Golden Gate」(ブラジル、21:00、Fernando Meirelles/Katia Lund監督)は、「シティ・オブ・ゴッド」の短編版といえる。暗くならず明るすぎず。リオのストリートキッズの姿がリアルに伝わってくる。

 「A BULLET」(メキシコ、10:00、San Juan/ Ibon Antunano監督)は、今年のグランプリ作品だが、私は高く評価しない。反社会的な人間を抹殺していくと男の病気が快方に向かうが、やがて男も犠牲者に。痛すぎる。危険すぎて好きになれない痛みだ。

 「Q」(オーストラリア、03:35、Jeremy Weinstein監督)。長い行列。なかなか進まずに、いらいらする人たち。一発芸的なアイデアを、かなり引っ張ることで味わいを出した。

 「The Provider」(アメリカ、20:23、Matt Smith監督)は、全プログラムの中で、もっともグロテスクで不気味だ。異様な雰囲気が立ち込めている。ここまでくると、さすがに評価は分かれるだろう。

 「One Minute」(オランダ、01:10、The Good Guys監督)は、高齢者の華麗なダンス作品。素直なカメラワーク。見ていて心地よい。

 「Left-Handed」(カナダ、10:00、Baoqi Ye監督)。1979年の中国が舞台。学校の先生に指摘され、父親は子供の左利きを矯正しようとする。だが右手を怪我して、子供の辛さを実感する。ストレートでてらいのない物語。

 「PAROLES PAROLES」(フランス、04:00、Ron Dyens監督)は、熱気球を使った、のどかな無声映画へのオマージュと思わせて、あっと驚く展開を見せる。

 「Hitchhiker」(オーストラリア、 01:00、Andrew Horne監督)。ヒッチハイクねたとしては、オーソドックスな部類に入る。

 「IT'S NOT ME, IT'S NOT YOU」(イスラエル/イギリス、10:40、Davide Sordella監督)。恋人たちの運命を変えるイスラエル・パレスチナ問題。ひりひりするようなリアルな結末が、長く後をひく。やりきれない。

Dプログラム

 「Two Men and a Wardrobe」(ポーランド、15:00、Roman Polanski 監督)は、ポランスキー監督、25歳の作品。演技は下手だが、出演もしている。海からタンスを担ぎ現れた男たちのてん末。なかなかシュールな設定で、映像の切り取り形に才能を感じる。

 「Lucky Day!」(ベルギー、16:00、Frederic Ledoux監督)は、まさにブラック・ユーモア。ホームレスにとっての幸運は、つかの間の夢だった。後味悪い。

 「Ten Minutes Before Dying!」(カナダ、05:00、Michel Cayla監督)は、ジャカルタ刑務所の独房の壁に書かれた処刑の直前の囚人たちの落書きについてのドキュメンタリー。5分では短い。もっと掘り下げてほしいテーマだった。

 「The Terror of the Invisible Man」(アメリカ、01:20、Adam Roffman/Wayne Kimball監督)は、周りから笑いが起こったコメディー。透明人間になった科学者が、世界を驚かせようと家の外に出る。見る前に予想したオチが適中したので、私は笑えなかった。

 「THE MEAT GAME」(オーストラリア、18:46、Shannon Sleeth監督)は、手堅い構成によるドキュメンタリー。オーストラリアでも食肉処理工場で働いている人たちが差別されているということを初めて知った。驚いた。

 「Whistling in the Building」(オーストラリア、01:00、Andrew Horne監督)は、タバコと口笛をかけた1分のコメディ。「分口笛」が笑える。

 ROSSO FANGOの画像「CRY FOR BOBO」(スコットランド、09:34、David Cairns監督)。ピエロのボーボーにさまざまな悲劇が襲いかかる。ドタバタの限りを尽くして、最後に哀愁も感じさせるコメディ。この味は懐かしい。

 「ROSSO FANGO」(イタリア、13:00、Paolo Ameli監督)は、もっとも驚き、その後、長く考えさせられた作品。第一次世界大戦の実話。戦場で負傷したドイツ兵を助けたイギリス兵は、あとで自らの行為を激しく悔やむ。ストーリーの衝撃力だけでなく、最初のおびただしい墓標の静ひつな場面、弾丸が飛び交う激しい戦場描写が、とても素晴らしい。

Eプログラム

 「Le Dernier Chaperon Rouge」(フランス、26:00、Jan Kounen監督)は、エマニエル・ベアール主演のミュージカルホラー「赤ずきん」。見ごたえのあるアイデア満載のファンタジーでもある。

 「Another Life」(アメリカ、12:00、Tracey D'Arcy監督)。男女のシリアスな駆け引きが続く。何が真実か。私は最後まで迷った。

 「Vincent」(ベルギー、04:38、Gert Embrechts監督)は、ほろ苦くて少し甘い物語。

 「Based on True Stories」(ブラジル、15:00、Gustavo Moraes監督)は、独裁政権下のブラジルを描いた短編。新聞に載った独立記念ケーキのレシピの意味がラストで明らかになる。

 「Boomerang」(オーストラリア、05:30、Carla Drago監督)は、実話に基づいていると言う。珍しく直球なウンコねた。ここまで来ると痛快。毎年、こういう笑いのショートもないと。

 THE BALLの画像「Gee Dad, You're Fantastic」(オーストラリア、01:00、Andrew Horne監督)は、このシリーズにしては、やや薄味。

 「CROSSING」(アメリカ、12:00、Jeremy Passmore監督)。当り屋として生きる青年の本当の目的が明らかになる。不思議な雰囲気が漂う。

 「THE BALL」(モザンビーク、05:00、Orlando Mesquita監督)は、意外な切り口でエイズ対策の難しさを知らせるドキュメンタリー。こういうスタイルもあるのかと驚き、感心した。モザンビークでは、エイズ予防のために配布されているコンドームが、少年サッカーのボールの芯として使われている。

Fプログラム

 「The Lamp」(ポーランド、1959年、09:00、Roman Polanski監督)。人形の無気味さと不思議な魅力をとらえていて、さすが。ポランスキー26歳の作品。

 「Splatterfly」(オーストラリア、01:00、Andrew Horne監督)。このシリーズでは、もっとも好き。くすくす笑いのひと粒。

 「EARTHQUAKE」(イギリス、01:30、James Brett監督)は、ぶるぶる人形が活躍する。地震をテーマにしたアイデア勝負の一作。

 「Last Stand」(アメリカ、22:51、Gabe Torres監督)は、ネイティブ・アメリカン・ラコタ族の少年とアメリカ人騎兵隊の兵士の友情と悲劇のドラマ。感動的だ。しかし、ラストシーンは不要ではないかと思う。月並みな救いは作品を軽くする。

 The Platformの画像「The Platform」(ニュージーランド、04:00、Robin Walters監督)。ショートショートのお手本のような切れ味。音楽と映像もスタイリッシュだ。

 「Broken」(アメリカ、17:00、Patrick Downs監督)は、憎めないタイプの警官の奮闘ぶりを描く。重くならない心あたたまるラストでにやり。良きアメリカ的な味。

 「NIGHT OUT」(アイルランド、03:45、Jason Tammemagi監督)は、ユニークなアニメの質感。華やいだ土曜の夜のロマンスを見せてくれる。

 「The Leak」(アルゼンチン/キューバ 、13:00、Benjamin Avila監督)。ミレニアム前日のキューバ。ドキュメンタリーのようなタッチが印象的だ。

 「ASTRAY」(スウェーデン、06:00、Marlene Hoegmark監督)。どちらが夢か現実か。6分間のミュージカルコメディを楽しんだ。


●ショートショートフィルムフェスティバル2003in北海道・試写会報告

●ショートフィルムの世界2003(5月10-18日、札幌・ピヴォ)

pinショート・ショート・フィルム フェスティバル札幌独自サイト

●Short Shorts Film Festival オフィシャル・サイト


●ショートショートフィルムフェスティバル2002サッポロの記録

●アメリカンショートショートフィルムフェスティバル2001サッポロの記録

●アメリカンショートショートフィルムフェスティバル2000in札幌の記録

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Visitorssince2003.04.30