ショートフィルムの世界2003

5月10-18日、札幌のピヴォ5階特設ミニシアターで開催


ピヴォ会場風景


 6月の本イベントに先駆け、5月10日から18日まで、札幌市中央区南2西4・ピヴォ5F特設ミニシアターで「ショートフィルムの世界」が開催された。

 ショートショート フィルムフェスティバル2003in北海道のプレビュー上映、映画祭の内容解説とともに、札幌のショートムービー監督である小野寺圭介、アラキマサヒト、島田英二各氏らの制作秘話も紹介。18日には塚本晋也監督が来札し、「ショートフィルムの魅力と映画作り」と題するスペシャルトークも行われた。

 初日の10日には、アクティブフィルムメーカーズの小野寺圭介監督が、作品の上映を行いながら、音楽と映像の関係など制作活動について率直に語った。小野寺監督は、現在25歳。「並木道」(2000年、11分)が、2001年のジャパン・ショート・ショート部門で入選している。監督・撮影のほかに、ピアノ演奏で音楽も担当しているのが特徴。現在は、さまざまな経験を積みながら、脚本の勉強に力を入れている。ストーリー展開が巧みで、心にしみる作品が持ち味だが、デビッド・フインチャ−監督を意識したエッジ感覚の作品「dive」もあり、その振幅をどう生かしていくのか楽しみだ。

塚本晋也監督のトーク最終日の18日に行われた塚本晋也監督のスペシャルトークには、たくさんのファンが集まった。塚本監督はいつもの飄々とした語り口で、映画制作について説明した。「作品を作ろうとしてもスタッフがいなくて、母親や弟に手伝ってもらった。作品をつくっているとスタッフが呆れてやめてしまい、最後は1人だけでコマ撮りしていた」「『鉄男』を作ったが、試写では誰も振り向かなかった。皆帰ってしまった。外国で賞を取ると、掌を返したように引き合いがきた」など、若い作家たちを勇気づけるようなエピソードが、次々に明らかになった。スタッフがいない、お金がないと制作を諦めている人たちには「とにかく作れ」と激励し、「スランプになったことは」という質問には「忙しくて、スランプという言葉を忘れていた。脚本につまっても、とにかく書くこと。そうすると自然に書けるようになる」と、前向きなアドバイスを送った。多くのことを自分でやってしまうので、制作期間が長くなってしまうが「43歳になり、人生の先が見えてきたので、ペースを上げて2年か1年半に1作のペースにしたい」という嬉しい発言もあった。今も昔ながらのリニア編集を続けている塚本監督が、避けて通れない新しい技術とどう格闘するのかも、興味深い。

ピヴォ会場風景



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Visitorssince2003.04.30