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高橋起一写真展繭の国を歩いて ―秩父・山中・佐久―秩父・佐久を撮ってきた高橋さんが開いた個展を紹介します。 期間: 1998年9月17日(木)〜 9月22日(火) 写真展案内 1984年は「秩父事件100年」ということで講演会や研究発表が様々な形で行われました。私はそういう空気の中で秩父の峠道を歩くようになりました。特に城峰山をとりまく地域、佐久の北相木村には強く引かれるものがありました。 明治時代初期の日本は、自由民権運動に代表されるようにあたらしい国をつくろうという若い力が全国的に沸き上がっていました。ここ秩父と佐久もその時代をいきていたのです。今から114年前(1884)の秩父事件を思いつつ同じ山道を歩くことは、私の中年人生の一つのエポックになりました。フィールドワークにも参加し生の資料にふれたときには「ああ、本当のできごとなのだ」という感動に心がふるえました。 山地を切り開き、畑をつくり、蚕をそだて、生糸を織り、長い時間をかけて作り出された山村風景の中に、人々のエネルギーや信仰を感じるのは私だけではないと思います。 私は物言わぬ山、谷、木、道、にカメラを向けました。そしてこの峠道は、山中谷を経て佐久にも通じているが百年の昔へも、21世紀へも、続いているのだと思いました。
オリンパスカメラクラブ 会員 高橋 起一
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