新製時の形態分類
このページでは、営団地下鉄千代田線用の車両、6000系について紹介します。
・基本中の基本(ページ内リンク)
・製造区分・新製時の分類(ページ内リンク)
・6000系の現状
・制御機器について
・台車について
・冷房装置について
・その他雑多な話題
・他形式について(準備中)
基本中の基本
営団地下鉄千代田線は、綾瀬〜代々木上原間21.9kmの路線で、他に綾瀬〜北綾瀬間2.1kmの支線があります。
他に、相互直通運転を行っているJR常磐線綾瀬〜取手間と、小田急線代々木上原〜本厚木間が営団6000系の活躍範囲となっています。
両数は、本線用の10両編成35本と、支線用に3両編成1本が用意されていて合計353両があります。
また、同じ営団地下鉄所属で、06系10両編成1本と、支線用に5000系3両編成2本が千代田線用とされていて、これらも含めると369両が活躍しています。
6000系車両では、世界で初めてサイリスタチョッパ制御と、アルミ合金製車体を採用しているようです。
チョッパ制御については阪神7000系の方が先に実用化してしまったようですが、こちらは力行のみの制御であるなどの制約があり、
実質的に初めてであったのはこの6000系であると言っていいでしょう。
ちなみに編成はこんな感じです。1番上が量産車、次が2次試作車、1番下が1次試作車(ハイフン車)です。
チョッパ装置、VVVF装置などの制御装置を積んでいる電動車がM1、補機類を積んでいるのがM2系統の車両です。
←代々木上原・小田急線方面 | 綾瀬・常磐線方面→ |
◇ | | ◇ ◇ | | | | ◇ ◇ | | ◇ ◇ | |
CT1 6100 |
T2 6200 |
M1 6300 |
M2 6400 |
Tc1 6500 |
Tc2 6600 |
M1 6700 |
M2 6800 |
M1 6900 |
CM2 6000 |
CM1 6101 |
M2 6201 |
M1 6301 |
M2 6401 |
Tc1 6501 |
Tc2 6601 |
T1 6701 |
T2 6801 |
M1 6901 |
CM2 6001 |
CT 6000 -1 |
M1 6000 -2 |
CM2 6000 -3 |
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新製時の形態分類
- 形態分類を述べる前に、まずは製造年次の区分を明確にしておきたいと思います。
- ・1次試作車
- 1968年製で、車号は6000-1、6000-2、6000-3となっています。いわゆる「ハイフン車」というものです。
世界初のチョッパ制御車で、東西線で性能確認試験などが行われ、現在では抵抗制御に改造されたうえで北綾瀬支線で活躍しています。
- ・2次試作車
- 1969年製で、製造当時は6両編成、オール電動車でした。現在の6101・6201・6301・6401・6901・6001が該当します。
なお、この編成には1次量産車と同時に製造された付随車4両(6501〜6801)が組み込まれて10両編成になっています。
- ・1次量産車
- 1971年2月〜3月にかけて製造された車両で、6102F〜6113Fが該当します。
- ・2次量産車
- 1972年8月〜9月に製造された車両で、6114F〜6119Fが該当します。
- ・3次量産車
- 1977年9月〜10月に製造された車両で、6120F、6121Fが該当します。
- ・4次量産車
- 1981年4月〜9月にかけて製造された車両で、6122F〜6128Fが該当します。
後述しますが、このグループからは側窓が1段下降式になるなど、様々な改良が加えられています。
- ・5次量産車
- 1984年11月〜1985年2月に製造された車両で、6129F〜6132Fが該当します。
- ・6次量産車
- 1988年10月に製造された車両で、6133F、6134Fが該当します。
- ・7次量産車
- 6000系の最終増備車で、1990年9月に6135Fが製造されました。
- 次に各グループごとの新製時(現在では見られないものであれば新製時以外についての場合もあり)の特徴を述べたいと思います。今では確認できない項目もあり、推測によっている部分もありますのでご了承ください。
- また、ところどころに音声ファイルが埋め込まれているのでぜひお聞き下さい。
- ・1次試作車
- 上記の通り、世界初の本格的チョッパ制御車で、登場時は6001〜6003を名乗っていました。当時は下回り全体がスカートに覆われて、また、ラインカラーが先頭部についてはヘッドライトのあたりまでしか回り込んでいないなど、様々な特徴がありました。現在では車号は6000-1、6000-2、6000-3となっています。
- 一番の特徴である、チョッパ装置の試験については、95kWの主電動機8台を一括制御することだけを共通項目として三菱、日立の順に行われたそうです。この際に、三菱チョッパの試験時は6001に制御装置を積み、6001と6002が電動車として使用され、日立チョッパの試験時には6003に制御装置を積み、6002と6003が電動車とされたようです。また、比較のために6002には抵抗制御の制御装置も搭載されていました。後には有楽町線向けの7000系投入に際し、同車に搭載予定のAVFチョッパの試験も行われました。さらにはVVVF制御の現車試験にも供用されるなど、様々な目的で試作車としての役割を果たしたようです。
- ・2次試作車
- こちらは量産車での使用を念頭においたチョッパ制御試験車で、登場時はオール電動車の6両編成でした。当時は6011〜6016を名乗っていました。現在では6101〜6401・6901・6001にそれぞれ改番されています。室内については、3次車までの共通事項として、化粧板は薄い茶色系統のもの、袖仕切は木目調、シートモケットは茶色(登場時は赤系だったようです)となっています。ただし、袖仕切の形状は量産車とは少し異なるようです。この編成のみの特徴としては、量産車とは電動車配置が異なることで、それに伴い、機器類の配置も異なっています。
- 制御装置は6101と6901に三菱製のものが、6301に日立製のものが搭載され、付随車でありながら6701にはパンタグラフが取手側車端部に1台、6801には電動発電機やバッテリーが搭載されています。制御装置については、1次量産車の途中、6108Fまで共通で、三相式の、各相の周波数が220Hzのものが搭載されています。そのため、このグループの車両では、低いチョッパ音を発していました。制御装置の更新が進んだため、この音は消滅してしまいましたが・・・。
- この2次試作車では、車体断面が異なることなどにより、小田急線への乗り入れは行われず、それに関する機器の搭載も省略されています。
- ♪三相チョッパ(三菱)走行音[sub60cma.ra/158KB] 直接再生
- 車両:6101号車
- 区間:大手町→二重橋前
- 日時:1998年4月12日
- 6101号車の走行音です。末期の録音で、この頃には回生ブレーキがすぐに失効するようになってしまっていたように思われます。
- ♪三相チョッパ(日立)走行音[sub60cha.ra/169KB] 直接再生
- 車両:6301号車
- 区間:霞ヶ関→国会議事堂前
- 日時:1998年4月12日
- こちらは6301号車の走行音です。この編成中では一番回生ブレーキがまともに動作していた車両のように思われます。頻繁に乗っていたわけではないので必ずとは言えませんが・・・。
- ♪三相チョッパ(三菱)走行音[sub60cmb.ra/171KB] 直接再生
- 車両:6901号車
- 区間:表参道→明治神宮前
- 日時:1998年4月12日
- こちらは6901号車の走行音ですが、聞けば分かるとおり、一瞬たりとも回生ブレーキは効いていません。少なくとも乗っていた区間では効いていた様子はありませんでした。それだけ更新直前は状態が悪くなっていたものと考えられるわけです。
- ・1次量産車
- 2次試作車と同じ6M4Tの編成であるものの、量産車では電動車は第3・4・7〜10車両に変更されています。パンタグラフは第1・3・7・9車両に搭載されていますが、特に大きな電力を要するような機器を積んでいない第1車両については徐々に撤去が進んでいます。制御装置については、2次試作車の項でも述べましたが、6108Fまでは220Hz三相式のチョッパを、6109Fと6110Fでは従来と同じサイリスタを、6111〜6113Fでは逆導通サイリスタを用いた330Hz二相式のチョッパ装置を搭載しています。どちらも素子の冷却は強制風冷式によります。
- 室内関係では、化粧板、袖仕切(但し形状は少々異なる)、シートモケットとも2次試作車と同様です。特に、第5・6車両間を除く連結部はきのこ形の広幅貫通路で独特の姿になっています(2次試作車、2次量産車も同じ)。
- ・2次量産車
- 2次車とはなっているものの、1次車との共通点が非常に多いグループです。メカ面では6111F以降と特に差はありません。外観上では、2次試作車、1次量産車では客用ドアと比べてはるかに背の高い乗務員ドアの上端ぎりぎりまであった窓が、この2次車ではやや小さくなっています(但し、原形で残っている車両は現存しません)。
- ♪二相風冷チョッパ(日立)走行音[sub60chb.ra/206KB] 直接再生
- 車両:6917号車
- 区間:明治神宮前→代々木公園
- 日時:1998年4月26日
- 2次量産車である6917号車の走行音です。3次車までの車両では床下から風の音のようなものが聞こえるわけですが、これは素子の冷却のために送風機が作動しているためです。4次車以降では冷媒を使用しているため静かになっています。
- 現在ではこのタイプに該当する編成は全てチョッパ装置換装か、VVVF化改造されてしまったためこの音を聞くことはできません。三菱の音がないのは単に録音しようと思ったときには現車がなかっただけのことです(^^;
- ・3次量産車
- 代々木上原開業と、小田急への直通運転開始に向けた新製車で、小田急乗り入れ用の機器が標準装備となっています。このグループでもメカ面での相違はありません。6000系の特徴である、きのこ形の広幅貫通路については、第5・6車両間のほかに、第3・4車両間、第7・8車両間でも一般的な貫通扉付きの狭幅通路となったため、編成中で6ヶ所のみとなっています。また、2次車までは背の高かった乗務員室扉については、ごく普通の、客用扉と同じ高さのものに変更となりました。
- ・4次量産車
- 東西線の輸送力増強のために5000系を捻出することと、千代田線の増発を行うために新製された車両で、この頃には半蔵門線用の8000系も完成しており、それに準じた様々な改良が行われて新製されています。最大の特徴は、側窓が、従来の上下方向に非常に小さい2段窓から、大きな1段下降窓にされたことが挙げられます。室内関係では、袖仕切、シートモケットは従来と同じですが、扉間の座席が7人掛けに変更されています。化粧板の色も従来車と同じです。
- このほかに、もう一つ大きな変更点として、8000系同様に、冷房搭載準備工事が行われている点があります。新製から7年たった1988年に冷房化されたようです。また、制御装置関係では、1次車途中の6111F以降と同じく逆導通サイリスタによる330Hz二相式のチョッパ装置ではあるものの、素子の冷却方式がフロン沸騰冷却式とされました。
- また、外観上特に目立つものとして、このグループから国鉄時代の常磐線用無線アンテナが設置されたことも挙げられます(※注、今となってはわからないのですが、従来車も搭載されていた可能性は否定できません。但し、4次車では間違いなく残っているのでこう書かせていただきます)。
- ♪二相フロン冷却チョッパ(日立)走行音[sub60chc.ra/458KB] 直接再生(56kbpsモデムorISDN回線専用)
- 車両:6926号車
- 区間:新松戸→馬橋
- 日時:2000年2月12日
- 注意:RealPlayer5.0以上専用形式
- 4次車である6926号車の走行音です。4次車から6次車まで大差はありません。また、日立製、三菱製とありますが、これも差の出る要素ではないようです。車内放送も入っていますが、隣の10号車で暖房故障があったそうで・・・。その放送のせいで隣から人が移ってこないかと心配したんですが、それもなかったのでちょっと安心しました。また、停車後に少しチョッパ音が鳴っているわけですが、これの謎は未だに分かりません。装置をリセットしているとか、そういうことなんじゃないかとも思えるわけですがね。
- 6次車になるとなぜかチョッパ音が他の編成よりも大きく聞こえるようですが、この6926号車もそれと同じくらい大きな音がしているようです。でもその分マイクを構える場所をモーター付近に動かしてしまったのでチョッパ音は普通にしか聞こえないでしょうね。
- ♪二相フロン冷却チョッパ(三菱)走行音[sub60cmc.ra/560KB] 直接再生(56kbpsモデムorISDN回線専用)
- 車両:6330号車
- 区間:柏→北柏
- 日時:1999年12月16日
- 注意:RealPlayer5.0以上専用形式
- こちらは5次車である6330号車の走行音です。三菱製では28番や30番などで時折このようにノッチオフ時までチョッパ音が聞こえている場合があります。どういう条件の時にこうなるのかは分かりませんが、普段は他編成のように60km/h程度でチョッパ音は途切れるようになっています。上記編成では途中で切れる場合でも普通の編成よりは長く鳴っているということも多いようです。
- 二相フロン冷却式チョッパの走行音2本はどちらもRealAudio5.0-32kbps Music Mono形式を採用しています。
- ・5次量産車
- 1985年4月のダイヤ改正における輸送力増強用に新製された車両で、このグループでも冷房は準備工事とされ、1988年から1989年にかけて本搭載されています。メカ面では特に4次車との差はないものの、室内関係では、妻面、貫通扉、袖仕切の化粧板が緑色のものに変更されています。シートモケットは4次車と同じ赤です(登場時は緑だったようです)。また、車体断面がやや変更され、屋根の半径が10000mmから6000mmになり、その分室内の天井高さが45mm高くなったそうです。
- このほか外観上の特徴としては、常磐線用無線アンテナが、このグループでは妙に細いものに変更されています。それともう一点、ドア窓の大きさが従来車よりもやや縦方向に大きなものになっています。これは3次車までの車体更新車でも採用されています。もちろん、ガラスの支持方式が変わったためのものです。
- ・6次量産車
- 1988年10月ダイヤ改正での増備車で、このグループは6000系初の新製冷房車となりました。メカ面ではやはり変更はありません。室内関係では、5次車では袖仕切等に緑色の化粧板が採用されましたが、この6次車ではそれらが全て薄い緑色に変更されました。シートモケットも緑系に変更され、床もツートンカラーになっています。
- 外観上では、第1車両のパンタグラフが廃止されたことと、国鉄がJRに移行し、常磐線無線はJR統一の無線に変更されたため装備されていない、という程度の違いがあるだけです。
- ・7次量産車
- 6000系最終増備車で、1991年3月改正での増発用です。この車両では、当然6次車同様に新製時から冷房装置が搭載され、室内は6次車とよく似ていて、シートモケットは緑、化粧板類はほとんどクリームに近い薄緑、床はツートンカラーとなっています。一方で、室内についてはLED式の車内案内表示器が設けられるという大きな特徴があります。同時にドアチャイムも鳴り、車外スピーカも装備され、自動放送装置も搭載されています。
- 外観上では車外スピーカ用のスリットがあることと、ラインカラーがフィルム貼り付けに変更されたことが特徴となっています。
- このほか、制御装置関連では、3次車以前の車両の制御装置更新時にも使用されている、01・02・03・05系と似たシステムで、GTOサイリスタを使用したチョッパ装置を搭載しているという特徴があります。
- ♪6135F走行音(三菱GTOチョッパ)[sub60cme.ra/220KB] 直接再生
- 車両:6935号車
- 区間:馬橋→北松戸
- 日時:1998年10月23日
- 7次車である6935号車の走行音です。JR線内ですがしっかり車外スピーカーを使用しています。起動時には2段階のチョッパ音をたて、しばらくするとチョッパ音が大きくなり、音が途切れる直前にやたら低い音に変わるのが分かると思います。また、ノッチオフの時にも音が出ます。
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