タイトル |
著者名 |
投票得点 |
『盤上の敵』 |
北村薫著 |
+3点 |
私が所属するSRの会というミステリサークルでも、こういったベストテン投票を行う。そのときの基準は10点満点で、10点は「歴史に残るべき名作」9点は「各人のベストテンに入る優秀作」である。だから、10点や9点はでないのである。でも、それはなかなか納得できる基準であるので、今回の採点にも応用することにした。5点は「歴史に残るべき名作」4点は「各人のベストに入る優秀作」ということだ。そして、3点は(つまり、SRの8点)「ああ、面白かった。秀作」2点は(つまり、SRの7点)「まあ、面白かった、佳作」ということだ。だから『盤上の敵』は「ああ、面白かった。秀作」ということで |
『ハサミ男』 |
殊能将之著 |
+3点 |
ひさびさの○○トリック。ああ、懐かしかった |
『夜想曲(ノクターン)』 |
依井貴裕著 |
+3点 |
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『百器徒然袋−雨』 |
京極夏彦著 |
+3点 |
「鳴釜」レベルで3篇が揃っておれば、問題なしに4点だったのだが。 |
『長野・上越新幹線四時間三十分の壁』 |
蘇部健一著 |
+3点 |
併録されている倒叙短篇がうれしい。半下石が日本のコロンボになることを祈念する次第である。 |
『カナリヤは眠れない』 |
近藤史恵著 |
+3点 |
文庫書き下ろしで、こんな良い作品に出会えるとは……。このシリーズの続編を期待するむきもあるようだが、それは反対。あのキャラクターたちの成長を見てゆきたい気持ちは分からないでもないが、それはそれぞれの読者の心の中にあれば良いものでは。続編ができることによって、彼ら(彼女たち)のキャラクターとしての輝きが鈍くなってしまうような気がする(続編が失敗作になる、という意味ではない。誤解のないように) |
『双生児は囁く』 |
横溝正史著 |
+3点 |
平成の御世に、横溝正史の「新作」が読めるということは驚嘆に値する。
こちらはぜひとも続編を期待したい。あと、表題作に登場する双生児の探偵コンビ夏彦・冬彦はいい味をだしている。それも楽しい。 |
『私が彼を殺した』 |
東野圭吾著 |
+3点 |
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『迷宮の旅行者』 |
山前譲・編 |
+3点 |
これまた、平成の御世に大庭武年や宮原龍雄が読めるとは……。 |
『乱歩の幻影』 |
日下三蔵・編 |
+3点 |
最後2作品はアンソロジーから。『乱歩の幻影』は乱歩を題材にした作品の選集。おそらく、こういったアンソロジーには採られないであろうと思われていた蘭光生の「乱歩を読みすぎた男」を収録した勇気に一票である。 |