JMAI 2000

インターネットで選ぶ日本ミステリー大賞 2000
Japan Mystery Award on Internet 2000

丸山利之
(日本経済新聞社)
e-mail maruyama@tokyo.nikkei.co.jp
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タイトル 著者名 投票得点
バトル・ロワイアル 高見広春著 +4点
時間を忘れて没頭できた、という点で本年度ベストエンタテイメント。
俗で悪趣味という意見もありましたが、40人以上のキャラクターを書き分けて、かつ混乱させない筆力は、驚嘆です。
2作目は、ガラッと作風がかわりそう。でも、角川からは絶対出版しないだろうなぁ、この人。
白夜行 東野圭吾著 +4点
最近の東野さんには、とてもいい風が吹いていますね。出す作品にハズレは全くない。
しかしどーして直木賞とれなかったかなぁ。人の気持ちが描けているのは受賞作だけ、みたいなコメントを見たけど、ホントに読んでるのかよ、審査委員。
主人公を直接描写しないで、外側から浮かび上がらせるって、すごいテクニックなんですけどね。
かえすがえすも残念。
青の炎 貴志祐介著 +3点
この人も、相当打率が高い作家ですよね。まあ、実力があるのでしょう。
読みながら、秀一クンに自分の高校時代を重ね、悲しくなりました。
最後の着地点はやっぱりあれしかないよね。
千里眼 松岡圭祐著 +3点
読んでいて時間を忘れました。超B級ノンストップ娯楽小説。
ハリウッドで映画にしてもらいたいぐらい。本格ミステリとしても悪くない出来。
てのひらの闇 藤原伊織著 +2点
世間の評価があまり高くないのが意外ですが、上質のハードボイルドですね。
「ミステリー大賞」のエントリー作としては、物足りないかな?
MISSING 本多孝好著 +2点
「このミス」が出るまでノーチェックでした。いいわーこれ。
でも、ものすごい寡作だよね、この人。
どんどん橋、落ちた 綾辻行人著 +1点
衝撃度では、No1。とくに、表題作と、2編めは圧巻。
再読する気になれないのが、難といえば難でしょうか。
イントゥルーダー 高嶋哲夫著 +1点
サントリーミステリー大賞受賞作としては久々(本当に久々。もしかしたら、樋口有介以来かも)の傑作。
社会派の形をとりながら、最後はきちっと本格テイストを出しています。
ラストが賛否両論ですが、これはこれでいいかなという気はしますが。
『二進法の犬』 花村萬月著 +1点
賭博のシーンが圧巻。哲学的なエンタテイメント。
これを、ミステリーといってしまってよいのか、という疑問はありますが。
熱き血の誇り 逢坂剛著 -2点
最後は、頭に来た作品を。
この人は、とても打率が高く、外れがないんですが、これはバツ。複線が全然生きてない。
「百舌シリーズ」や『燃える地の果てに』なんかで、狂喜乱舞させてくれたのに・・・もう。
帯を鵜呑みにしてはいけない、ということでしょうか。

[あなたが選ぶ日本ミステリー大賞特別賞]
特別賞名 装丁大賞
受賞作、受賞者等 この光と闇、服部まゆみ
授賞理由 ネタバレ内容はここをクリック
で、装丁ですが、こればっかりは図書館じゃ分からないでしょう。角川えらい。

[その他書きたいこと(総評、感想等)]
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