その17 そして帰還す・・・


 朝5時、目覚ましが鳴る。う〜ん・・・いい目覚めだ。

 さて、頼んでおいたモーニングコールは? その内電話も鳴る。時間的に心配な部分もあり、とっととフロントにおり、チェックアウトしました。

 タクシーは前もって5:30に来るよう依頼してあったので、タクシーが来るまでフロントのニーちゃん(前の日のレストランでウェイターも兼任してるみたい)と話していると、どうやら、彼は、日本に知人が居て、日本の話は結構好きらしいんですね。

 そんなこんなで盛り上がってるウチにタクシーが到着し、とっとと駅へ向かいました。

 まだ夜が明ける前、静かなこの都市のハイウェイを走るタクシー、なんとなく風情があります。きっと、外人が首都高をこんな感じでのっかってると同じ様な感想を持つのでしょうか?

 さて、セントルイスの駅はアムトラック・ステーションとユニオン・ステーションとが別々になってるらしく、ユニオンの方に行っちゃったらどうしようと思ったのですが無事アムトラックの方に連れてってくれました。

 駅の到着は6時、汽車は前日にこの駅まで乗ってきた列車の続きなのですが、あの列車(テキサス・イーグル号)は、2〜3日に1本の列車で、セントルイスからは毎日運転の変な列車です。その代わり、セントルイス出庫(始発)は3両の短い編成、それでも結構空席があります。

 汽車は予定通り、7:35にセントルイスを発車。ところがいつのまにか15分くらい遅れる。この調子じゃあシカゴはやっぱり1時間延かなあ・・・と思ってるといつのまにか回復運転していて、定時になってる。それを3回くらい繰り返し、シカゴには定時に到着しました。

 車内は、普通客車が3両(それでも「スーパーライナー」って言う2階車ですが)なので、車内販売みたいなモノは基本的にありません。いままで、ずっとにぎやかな列車に乗ってたので、少々寂しいモノはありました・・・

 今回の旅行で、もっとも時間にシビアなのがここ、シカゴ、しかも最後に寄るこの時間帯なのです。というのは、予定だとシカゴ着が13:35、で、ゴール地点のオハイオ州トレドに行く汽車の発時刻が5:10。このわずか3時間35分で買い物ツアーを強行するつもりでしたので、シカゴ着はなんとしても定時でなければならないのでした。
 
 と言うわけで3人3様に行きたいところへ行く。いきのシカゴで安い皮ジャンを見つけておいた、TJ−Maxと言う店で早速皮ジャンを(84ドル・8400円くらいか)購入、時間に余裕があれば背広なんかも見てみたかったのですが、アメリカのサイズがなんだかよく解らない。全く見当違いのサイズを持って相談したら、オカアチャンが親切に教えてくれたのですが、簡単に見つかりそうになかったので断念。

 あとは、ハードロック・カフェへ行って姉夫婦用のTシャツを買ってやり、マクドナルドの1号店に行ってメシを食おう。

 その時、謎の東洋人に声をかけられた、何せこっちは英語はテンでダメ、内容はあまりよく解らなかったのですが、彼は上海の人で、どうもアメリカには嫌気を感じてるのではないかと思えました。

 もし、中国に行ったら、上海には行って見ろと結構強調してましたが、とにかく、アメリカの物価が高くて困ってるようなことを言ってましたので、日本はこの倍くらいはするのでは・・・と話すと、かなりビックリしてました。

 ところで、シカゴの街というのは、歩いてみるとすごく風情を感じるイキな所ですねぇ・・・

 最新鋭って感じのビルと、年代物のビルなどが、なんか、こう、うまいおさまりで林立しているというか・・・夜はちょっち危険もあるみたいですが、昼間ならそんな心配もないようですし、是非、機会があったら歩いて欲しい街だなぁ・・・と思います。

 きっと、東京あたりも、戦争で焼け野原になってなければ、きっとそんな感じになってたのかなぁ?・・・って歩きながら思いました。

 食事のあと、タクシーに揺られシカゴの駅へ・・・ 前もって打ち合わせていた待合所に行くと、まだ相棒どもは居ない。暫くすると2人が到着。サスガは鉄道屋・・・本能的に安全側へ持っていく習性があるらしく、打ち合わせていた集合時刻よりかなり早い時間に集結してしまったのでした。

 汽車でメシを食う都合があるから、その辺のマクドナルドで何か買っておけとの指示で、ビック・マックのセットを購入。そのご、駅の待合室とかで記念撮影したり、売店をながめたりしてました。

 帰りの汽車は、Capitol Limited(キャピタル・リミッテッド号)と言うニューヨーク行きの列車です。乗車の際に、車掌に行き先を申告するのですが、トレドは、(Toledo)と書くのですが、発音は「トリード」なのです。私も他のお客が「トリード」と何人かが発音していて気づいたのですが、金さん、「トレド」と言って「What?」と聞き返される始末。急いでツッコミ入れたのですが、「なら、おめぇゆってくれりゃよかったじゃねぇか・・・」って金さんには気ぃ悪くされちゃいました。

 さて、汽車は順調そうに走る・・・様で結構遅れる。結局着いたのが22:15の20分遅れの22:35分。トレドの駅でも結構乗降はあったのですが、その風景を感じながら大荷物を持って待合い室に上ると、待ちかねた表情のWさんがそこに居ました。

 最後に、駅で3人、記念撮影をしてWさん宅に帰還しました。

 そして、車からカバンを出すときに「ブチッ」私のカバンの最後の砦、ピンがイカれオシャカになりました。

 セントルイスの公園でその現象が出てから、いつ切れてもおかしくない状況だったのですが、よくここまで耐えた!とストラップが完全に逝かれたカバンをほめちゃいました。

 そして、私たちのアメリカ大旅行は、幕を閉じるのでした。