国立公園の旅もこれにて終わり、あとは汽車でスタート地点は「オハイオ州・トレド」に向かいます。
途中、セントルイス・シカゴに立ち寄るのですが、この、エルパソからセントルイスまでの行程が、汽車旅の中では圧倒的に長くなります。
どのくらい長いかって?・・・というと、月曜日の夕方17:00に乗車して(とはいえ1時間遅れの18:00〜だったのですが)、水曜日の朝6:55まで・・・と言うくらい長いです。要はまあ、36時間くらい乗るわけだわな・・・
とか言いつつも、汽車に乗ったら寝よう・・・というクセが体についちゃったらしく、乗ると寝ちゃうんですね・・・結局、寝たり起きたりで、ダラスというトコまでほとんど寝ておりました。ダラスには火曜の17時頃の到着です。
ダラスでは、何両か併合(増結)して、とっとと発車、これで、1時間の遅延も少々回復しておりました。
ダラスの駅構内を散歩してたからでしょうか? 結構目ぇさえてきまして、その後はちゃんと起きていたので金さん、片チャンと遊んでいると、車掌が「ディナー、6:30or7:30」とかいいながら歩いてくる。
そこで、シカゴ〜デンバーの汽車で出会った、コロラドのヒトと結婚したという東京出身のママさんの「汽車のディナー、結構悪くないよ」というハナシを思い出しました。
金額的にも高くないぞ・・・というハナシも聞いていたので、早速、7:30からのディナーを申し込みました。
それまで、食事というと、店で買った食パンにハムとかをのっけて無理矢理のごとく食っていた食事から解放される・・・それだけでいきなりパワーアップした私も、ルンルン気分でラウンジカー(食堂車)に行き、席を確保しました。
ところが、思わぬハプニング! 4人掛けのテーブルに3人、安心して座っていると、その内相席者の方が座ってきました。それも、ラウンジカーの係の案内で・・・そのお人は年の頃30歳くらいの女性で、見た感じ上品そうな方でした。
困ったことに3人の内、金さんは結構ナイフとフォーク使いが達者で問題がないのですが、人様に自慢できるほどの田舎モノな私と、気の長い江戸っ子である片チャンが器用に操れるわけもなく、今まで、デニーズとか、レストランでは他人様が混ざったことなどなかったから良かったのですが、今度こそはそうはいかなくなってしまいました。
しかも、何か英語で出来る話題があればいいのでしょうが、当時、日本語でさえおねーさんと話すにあたってツカミを取るのが旨くない我々が英語でそないな事出来るはずもなし。
彼女には悪いことをしたと思う。何が悪かったって、話もろくに出来なかったこともそうであったのですが、ナイフ、フォークの使い方をカンニングしていた我々に完全に気づいていたからねえ・・・
それ以外はコレと行ったオソソはなく、一応無事にラウンジカーを脱出、その後、就寝。それまで、食事中にも話してたのですが、どうも、この汽車、エラく飛ばしてるんです。ラウンジカーにいるときも、車内は結構揺れていて、いままでこんなに揺れていたのは記憶にないんです、ついでに、一応、3人とも業界人、車輌の速度観測はある程度できるので、飛ばしてるかどうかくらいは感覚でわかるんですね・・・
「マキに入ってるべ(回復運転をしているときの業界用語?)」と話してたのですが、どうやら相当本気だったのね・・・と認識したのがセントルイスに着いたときでした。
さすがに、それまで寝まくっていた私、なんだかウトウトしながらでよく眠れなかったのですが、気づいたら6時近く、寝しなに、完全にリラックスできる服装になってる金さんは、早めに着替えるから、気づいたときに起こすよう言われてたのですが、見に行くともう居ない。すでに着替えに行ってた様でした。
6:30頃、どこかの駅に到着した。窓の前方の方を見ると、「ゲートウェイ・アーチ」(アメリカ西部開拓のシンボルだそうな・・・)が見える。急いで睡眠中の片チャンを起こす。「ついたみたい・・・」って。何と、1時間遅れの汽車が、遅延を約1時間半も回復しチマイやがったのです。
一応、時刻表では「7時到着」だったのですが、要は30分も早着したわけですね・・・
さて、モノの本には、セントルイスのユニオンステーションには、150の専門店街があり・・・なんて、すてき滅法な事が書いてあったのですが、降りてみると、ちょっち殺伐とした大都会があるだけ・・・ショッピングモールなんかありゃしない・・・
とりあえず、荷物を置くために、「バスティーポ」を探す。アメリカは、バス路線(この国の高速バスみたいなモノ)の方が鉄道より発達していて、そこへ行けばコインロッカーならまずあるそうなんです。
こうなると、一度裏切られたモノの、なにか会ったときの参考書にしているモノの本を引っ張ると、「13.St〜」なんて書いてあるモノだからてっきり「13.ストリート」かと思ってそのつもりで必死に探しても見つかりゃしない。よく見ると、それもそのハズ。〜.13.St.Louis〜になっていて、どこかの13番地だったのでした・・・
それに気づき、察するに、地図だとこの辺だべ・・・結構遠いね・・・おんぢゃ、タクシーだねぇ・・・と、結構簡単に決まり、移動しました。それにしても、私の鞄のストラップを止めているピン、2本ついているのが1本破損し、この1本が逝かれちゃったら、肩掛けができなくなります、そうしたらこの重たい荷物、メチャクチャピンチやなぁ・・・と少々青ざめました。
さて、バスティーポに移動し、コインロッカーを使おうとしたら、荷役のオヤジが、「1個2ドルで預かってやるよ」と声をかける、そうなると、コインロッカーを使うより間違いなく安く上がるのです。ありがたいことでしたが、「何時まで?」というオヤジの質問に、金さん、「16時まで」ってまじめに応えたのは少々ビックリしました。
24時制って日本固有のモノって言うアタマが私にはあったので・・・
もちろんアメリカでは通用せず、すぐ気づくかな?・・・って思っていたのですが、気づく様子がなかったので「4.pm」とフォロー。その後、金さんにその辺のハナシをしました。
そして、セントルイスの街散策が始まるのでした。