その14 最後のメインディッシュ


 7:30に目覚ましがなる。

 さて、今度は、「Red Tour」だけじゃ物足りないので、長距離の「Blue Tour」の方も行ってみよう・・・コレを見ないと、片手オチであろうと思ったのです。

 宿から洞窟入口までは自動車で5〜10分程度、結構近いのです。

 前日のウチにエレベーターに乗るべく、お金を払っていたため、そのチケットを見せることで、コウモリが飛びだした洞窟からタダで「Blue Tour」に入ることができます。ずっと下まで下っていくと「Red Tour」につながっていくコースで、かなり距離が長い(3マイル/4,8km)コースです。

 前の日にコウモリの飛翔を撮ったあとの高感度フィルムが余ってたので洞窟の中はストロボなしで撮ろうと試してみました。

 長い坂を下りながら下の方を眺めると、「アメリカってゆーのは洞窟さえスケールが違うものなのねー・・・」と痛感する。その割に、「撮影しよう」という意欲がわくような所が今ひとつ出てこず、ひたすら見学してました。

 坂を下りきるとRed Tourのコースに当たり、見覚えがある所にでる。おトイレ休憩をして再びレッドへ、ストロボ有無の差を確かめるべく、まじめに三脚を使って撮影してみました。

 最後のエレベーターに乗る頃には11時位になってただろうか? 汽車は17時、あまりのんびりしていると、それこそ2〜3日に1本の汽車、ヤバイのでとっとと帰路につきました。

 延々20〜30キロに及ぶだろうストレートのコースを65〜70マイルでカッ飛んでいく。国立公園の入り口からエルパソの街までロクに待ちどころか村さえない!ちなみに距離にして約150マイル、220キロくらいあります。

 なんか、途中に寂れたガソリンスタンドらしきモノも見かけたのですが、どうやら、とうの昔に潰れっちゃった所のようでした。

 エルパソに着くと、街は結構にぎわっていまして、食料入手のために適当に入ったところが衣料品屋、ガッカリしつつも空腹だったので中のファストフード屋でスパゲッティーとホットドッグを食べました。コレが案外うまかったので、よかったなぁ・・・と。

 レンタカーを返すべくガソリン屋に入る、自動車を借りたことがある方にはじゃまくさい説明になりますが、レンタカーは満タン返しなもので・・・ ガソリンスタンドにコンビニ屋が併設されていることが多いのですが、今回の店はセブン・イレブンがあったのでそこで汽車の中用の買い物しました。

 元々、車を借りた空港のレンタカー屋で車を返しタクシーに乗り込む。その時、なんだかどこかで見たようなオヤジが仲間らしきヒトと話し込んでたのですが、どうも、エルパソ駅から空港まで面倒を見てくれたタクシー屋のオヤジみたいなんですね・・・

 金さんも片チャンも気づかなかったようで、そのハナシをしたら、そうかぁ? 見てなかったと返答・・・

 そんなこんなで旨い具合にエルパソの駅に到着しました。ところが話がウマ過ぎて、今度は時間が早すぎる。予定まで約2時間、うっかり外にでたらどう見ても、治安のよくなさそうな所でオッカナイし、気長に待つにしてもなぁんにもないような所で2時間の待ちは長いと言うモノです。

 そんな中、金さんが「30分、街にでてくる」と言いだした。心配しつつ30分で必ず戻る約束をして行かせる。

 そんな中、片チャンと、「金さん、30分で戻ってこなかったらどうしようかぁ・・・?」って少々心配しちゃいました。

 でも、金さんはちゃんと30分で帰ってきました。

 ところが、彼が帰ってくると、結構面白い店を見つけたらしく、教えてくれる。その後、私も行ってみました。

 駅の外は、煉瓦づくりの風景でいかにも治安が悪そうな雰囲気、しかも真っ昼間にして人通りがほとんどない。ドキドキしながら街を歩き、さっき教えてくれた店に入ってみました。中は「アウトドア・グッズ屋」らしく、「お金(カードがあるから関係ないけど)と、買ったモノを自分の家、そうでなくてもせめてトレドまで運べる手段があったら是非欲しいと思うものが結構ありました。

 もちろんすでに大荷物を抱えている私には手を出せるものはなかったのですが、「パイナップル」(いわゆるひとつの手榴弾ってヤツですか)が8ドル(もちろん使用は出来ませんよ)で売ってて、金さんが欲しがってましたが、後日談で友達に聞くと、そのパイナップル型のオブジェ、アメ横で600円くらいであるそうな・・・

 私が興味をそそったのは、やっぱり、登山使用のザックに、でっけぇマグライトでしょうか?・・・登山ザックは40ドル程度かな?・・・マグライトのでっかいのが20ドル(2000円程度)で手に入り、かなり心が動きました・・・使うところないですが・・・

 帰ったあとも時間があり、ぼけっと時刻表なんか見てると、どうもこの駅は、我々が乗る「Texas Eagle」号しか来ないらしく、妙に寂しい時刻表でした。ちなみにこの列車、週3回しか運転しないマイナーな列車なんです。

 さて、汽車なんですが、また1時間くらい遅れて到着、エルパソで20分の停車時分があるのだから「マケる(回復できる)」気がしたのですが、給水とかの都合でそうもいかないようで、きっちり遅れを引いたまま発車しました。

 コレで国立公園ツアーもすべて終わりました。あとは帰路につくだけです。多少寄り道はしますが。