前の日の物騒なハナシの余韻はヒトバンで何とか収まり、気を改めて、今度はグランドキャニオン国立公園に向かいました。
といっても、今度もそんなにハードな行程ではないと思いましたが・・・
実は、前の日に目ぇつけていた撮影ポイントがありました。方角からすると、こっちが西側だろうから、朝日が出れば、見事直撃になるからすげぇ写真になるだろう・・・
ということで、今回は、日の出前に宿をたち、そのポイントに自動車を止め、朝日の撮影の支度をしてました。
なんだかんだ結局、ブライスキャニオンの時と同様、曇りがちで、結局狙ったほどの写真は撮れなかったのですが、そのときに、思わぬハプニングがありました。
構えていると、突然、白のミアータ(ユーノス・ロードスター)が入ってきて、ガバッとナイスがたいの男が降りてきたかと思うと、何か叫んでいるのです。
もちろん、英語など分かるはずのない我々はめちゃくちゃびっくりし、挙げ句の果てに、金さんは「ホールドアップ」かも知れないから気をつけろ」と心配する。
さらに、テキさん、トランクから何か長いものを引っぱり出してきてそんな感じをさせる。
出していたカメラを持って逃げる準備もしたのですが、彼の長いもの、なんと、三脚でした。
どうやら、彼もモニュメントバレーをバックに自分のミアータを撮影したかったらしいのです。で、叫んでいたのは、「ココに車をおいちゃってじゃまにならないか?」というハナシだったようでした。
私らは全く問題なかったのでしたが、ところが、彼の三脚が調子悪い。気の毒なので貸してあげる旨話すと、気をよくして「Thank you」を連発し、調子の悪い三脚をカメラからはずそうと試みたのですが・・・今度は外れてくれない・・・
カメラはニコンの「F3」、モータードライブというヤツがついていて・・・と、こういうハナシをしてもわかる方しかわからないでしょうが、時のニコンの最高機種で、「モータードライブ」というのを外せばカメラとしては成立するはずだったのです。
で、その旨言ってみたら、カメラの電源をモータードライブの電池からとってるから、それはムリなのだというのです。
結局、彼はあきらめて自分の三脚で何とか写真を撮ってましたが、デキはどうだったのでしょうか・・・
我々は大体撮影を終えており、彼もなんとかカッコウついたようだったので、彼に別れを告げ、グランドキャニオンへと旅立ちました。
そこから30マイル(50キロほど)の「カイエンタ」という街のバーガーキングで朝食をとりました。
モノの本では紹介されていた「カイエンタのバーガーキング」、知るヒトは知る・・・というクラスの店のようですが、入るまで全然気づかず、注文していすに座ってから初めてその事実に気づきました。
というのは、モニュメントバレー近辺の原住民、ナバホの人々が太平洋戦争に参戦して戦果を挙げたお話で、日本の新聞記事、アメリカの新聞記事、英語の日本人に対する号令の説明やら、沖縄あたりで貰ったかとったかした、日本のグッズ、日本人が、アメリカの、ナバホの言葉を利用した暗号を解読できなかった話などを取り上げたり、いちばん目を引いたのは、日本語で「この文献などは、人種差別や対日批判の意思ではありません・・・?」なんてな事を書いてあったのですが、正確な内容は覚えてません。が、いろいろな批判に対する対応とは言え、それを、日本語で書いてあると、不必要に感心させられます。
腹に一物おさまって、また走り出しました。
この辺はすごいですねぇ・・・まっすぐな道・・・本当にまっすぐ・・・ひたすらまっすぐ・・・あぁまっすぐ・・・そういう感じの道で、ぱっと見、40キロくらいはまっすぐだったと思います。
まぁ、途中、アップダウンはあるのですが、ハンドル操作は全くと言っていいほど必要としない状態、上り坂を登ったあたりで、そろそろカーブかな? という感じでした。
業界根性の金さん、「ちなみによぉ、品川から○浜○行で40キロって言うとどの辺までいける?」
「う〜ん、金沢文庫・・・」
と言った私もビックリするほどの距離でした。品川から金沢文庫ねぇ・・・飽きるほどまっすぐでした。
ひたすら走り、グランドキャニオン国立公園にたどり着いたのは、昼頃になりました。
グランドキャニオン国立公園は、「ノースリム」と「サウスリム」ってのに別れております、一般的なのは、サウスリムの方で、日本人観光客のツアーなんかは大体こっちです、ノースリムというのはかなりマイナーなようです。
私どもも回るコースの関係もありまして、ポピュラーな「サウスリム」に行きました。
比較的天気のいい状態で見て回りはじめたビューポイント、たしかに雄大な風景なんです、間違いなく・・・
ところが、ザイオン、ブライスキャニオン、アーチーズ、モニュメントバレーと、すんげぇ岩山を見たあとのグランドキャニオン、こう、なんか、感動というモノに欠けます・・・
途中、なんか天気があやしくなったなぁ・・・と思ったら、いつの間にか降り出してきまして・・・
仕方なく車内で昼食をとったのですが、その内、降り出した雨のはずが、なんか、ゴチゴチ言うようになり、外を見てみたら、なんか、白いのがころころしてるのです、どうやら「氷」です。
金さんも片チャンもどっちかというと雨男だとかで、ありゃりゃ・・・とか思いっきりツッコみを入れちゃいましたが、すごいことになっている・・・
ちなみに、モノの本によると、10月(行ってるとき)の一月の降水量は28mmだそうで、「一月分降ってるんぢゃないの?」・・・雨男は笑ってました。
その内、氷・雨もおさまってきまして、また見学を続けました、なんか、それまでのただデカイのが、「枯山水」みたいな感じになってきまして、コレもまたよし・・・という感じになりました。
「この、霧にむせぶ大渓谷をプリントして、(ちょっとコワオモテの)先輩に「グランドキャニオンに行って来ました・・・」って言ったらウケるかな?」「おまえ、また雨降らせたの!?」って言われるだろうなあ」は金さんの弁。
それから、夏場は自動車では入れない「ウエストリム」というところも、秋になれば自動車で入っていいようで、奥の方に行けました。
その内、天気も晴れてきまして、コレは、夕方に勝負したらかなりいい感じになりそうだね・・・
という予想が的中しました。確かに、赤い岩の山、朝夕の赤い日差しに照らされるとすごくいい感じになるのです。
そこに来て、雨上がりの光、少しもやった感じ、もう、すべてがいい感じなのです。
3人して大喜びして風景を楽しみ、フラッグスタッフという所まで移動し、宿を押さえました。
帰りは結構な渋滞を抜け、宿のあるフラッグスタッフへ。80マイルの距離は2時間半くらいで行ったような気がしましたが、途中から腹が痛く(と言うより便意が・・・)なり、よく解らない・・・(^_^;)
まぁ、モーテルは、押さえてあったので、心配なく宿泊できるのですが、食事をとろうということで、街の方に出てみました・・・が、コレという感じの店が見あたらず、途中に、お酒をおいていそうな店は見つけました。
しばらくしたら、レストランは見つけたのですが、店の名前が、「Dragon Palace」とかゆうとこで、店の前になんか、ヤバげな単車もおいてある・・・
ヤバイかなぁ・・・とかいいながら店に入ってみると、なんと、龍がいる、なぁんだ、中華屋かぁ・・・と、一安心しました。
で、料理を頼む前に出て来たジャスミン茶、コレがメチャクチャうまいのです。日本にいた頃、変な味・・・とか思っていたこのお茶、今まで西洋風の茶もしくはコーヒーだったのが、お茶・・・この感動がまず大きかったです。
で、頼んだ食事がまたおいしい・・・今までやっぱり東洋風の食事にありつけなかったのがこんなにダメージになっていたのでしょうか?
もう、感動モノで、感謝のチップ(一応、この国では、チップをおいていくのが礼儀です)を多めに置き、店をあとにしました。
そして、余った料理(テイクアウトができるのもアメリカの魅力でしょうか?)をつまみにビールを・・・というわけで、先ほど私が目ぇつけていましたお酒をおいてある店に行きました。
しかし、入ってみると、お酒の店・・・というより、てっぽの店なんです・・・
ボウガンあり、ナイフあり、てっぽあり、自動小銃ありと、デンジャラスなモノがゴロゴロしています。
さすがにビビって写真どころではなかったので、その風景を・・・って訳にはいきませんが、とにかく、オートマチックの拳銃が300ドル(3まんえんくらい)、ちょっとよさそうなのでも500ドルくらいで買え、上にぶら下がっている、自動小銃(機関銃だわな・・・シロートが見れば)が2000ドル程度と、なんか、見てはいけないようなモノを見てしまい、すげぇショックでした。
まぁ、いけないことをしてるわけでもなく、その奥にあるビールを手に取り、会計を済ませ、グランドキャニオンで感動したネタ、中華うめぇ・・・というネタ、そして、この国って、やっぱり物騒だなぁ・・・とか語り合い酔っぱらうのでした。