その9 モニュメントバレーで見たモノは


 前日の風邪も大分よくなり、一路、モニュメントバレーに・・・と行きたいトコですが、前にブライスキャニオンで会うたヒトの情報では、「モニュメントバレーでは、宿はないよ・・・」ということでした。

 資料とかを見ても、とにかく最高にいいところは、モニュメントバレー入口の「ゴールディング・ロッジ」というところ、もう、ココ、最高♪ モーテルとは言い難いほど高級らしいです。

 他に宿もない・・・という事もあるんでしょうが、メチャクチャ人気の場所で、飛び込みで・・・なんてとてもムリ・・・

 相当早くからの予約が必要なようで、他は、25マイル(40キロ)程グランドキャニオン寄りの「カイエンタ」というところか、20マイル(32キロ)程手前の「メキシカンハット」というところ位しかないようです。

 ということで、まず、宿を押さえることが先決だね・・・という結論でモニュメントバレーに向かいました。

 ところで、モニュメントバレー、ココは、今まで回ってきた「ザイオン」とか「ブライスキャニオン」・「アーチーズ」や、これから回る「グランドキャニオン」なんかとは違って「国立公園」ではありません。

 ネイティブ・アメリカン(インディアン(失礼)は、差別用語だそうで、今はネイティブアメリカンというようにしてるようですね)の居住エリアで、元々いた、彼らに管理してもらっている・・・というスタイルでやっているようです。

 本質的には、国立公園に準じた感じにはなってます。

 さて、宿ですが、モノの本によると、モニュメントバレーの公園前は、ゴールディングロッジだけ・・・というのは間違いないと思うのですが、手前のメキシカンハットも1軒しかない感じでした。

 というわけで、私は「カイエンタ」を勧めたのですが、結局メキシカンハットにすることになりました。

 ところで、途中、国道を走っていると、いかにもアメリカ! という感じの風景に出会い、途中で車を止めて撮影したりしました。

 早速、買ったばかりのテンガロンでカッコウつけてみたり、いかにもっぽい思いで写真ができました。

 この風景、後日、自動車のCMにも出た風景だったりします。

 さて、現場に着いてみると、どうやら、宿らしきモノは3軒。

 最初の所は誰もいなく、2軒目は宿だかどうだかもイマイチあやしい、で、最後の・・・という感じで見つけた3軒目、OKが出たのですが、まだ掃除中・・・ということで、入れてはもらえなかったのですが(まだ午前中だったモノで)、とりあえず、コレで一安心。

 コレでOKだ・・・という安心感で、モニュメントバレーを目指す、すると、早速、モノの本に出ていた宿が見つかりました。

 すると、メキシカンハットの村には4軒も宿らしきモノがあり、実は結構OKぢゃん・・・という結論になりましたが、まぁ、いいやぁ・・・

 メキシカンハットからモニュメントバレー公園までの間も、すごくカッチョいい風景がありまして、そこでも思わず写真コゾウしちゃいました。

 さて、そんな事しながらも、モニュメントバレー公園の入口につきました。ココは、ユタ州とアリゾナ州の大体境界になります。国道を挟んでユタ側から行くと左が公園、右がゴールディングロッジ方面になります。

 モニュメントバレーは、中に入っていく「ツアー」みたいなのがあります、コレを使うとかなり奥まで案内してもらえ、すごくいい・・・というハナシでしたので、それを使わないわけにはいかない。

 というわけで、ゴールディングロッジまで行ってみました。

 ツアーの申し込みはゴールディングロッジでやるらしいので・・・

 ちなみに、このゴールディングロッジ、高級モーテルだけでなく、レストラン、お土産やさん、プールなんかの娯楽施設もそろっており、「ゴールディングツアー」なる、公園観光もやってるのです。

 毎度おなじみの交渉シーン・・・

 「ハイ、スリーパーソン、アフタヌーンズ・ツアー、プリーズ」・・・

 大体、基本的にこんだけで、ハナシは通じるモノです。

 で、「13:30にこの前(受付前)に集合ね」という旨を伝えられました。

 この時点で、11:30・・・

 2時間の余裕で、昼食を取り、みやげ物屋さんとかにも行きました。

 昼食は、タコスをいただいたのですが、やっぱり、風邪が響いているのでしょうか? マメみたいなのが入ってるのですが、コレがまずい・・・ というわけで、いつもなら余裕こいて全部食えるはずのタコスが、おのこし・・・という事態になってしまいました。

 ところで、このゴールディングロッジのレストランには、ものすごい「タバスコ」(?)がありました。

 ビンはいわゆるタバスコのそれと同じ位なのですが、「ピストルマーク」が入っていて、なんか、メチャクチャ辛そうなのです。

 体調悪い私は、試す根性もなかったのですが、金さん、片チャンと試したんですが、ひーひーゆっておりました。

 コレ、いい土産になるね・・・会計のレジにはおいてあったのですが、どうせ、みやげ物屋にもあるだろう・・・ってつもりで、この場はほったらかし・・・

 コレが失敗で、みやげ物屋には、それらしいモノは発見できず、結局、その、メチャクチャ辛い調味料は手に入りませんでした。

 さて、そんな感じで遊んでいれば、大体ちょうどいい時間になっておりまして、ツアーバス(?)に乗り込みます。

 いかにも原住民っ って感じのお方の案内(といっても何いってるのかわかる由もナシ)で、公園へと入って行きます。

 カナダ旅行の時も思ったのですが、旅先で写真を撮りまくるのは、今や日本人ばかりではなく、アメリカ人だって、ゲシゲシ撮影してたりしております。

 今回は、場所が場所なので、1眼レフのカメラも結構見かけましたが、1列前にすわってたオヤジが持っていたのが、時の名機「α−7000」(アメリカ名:Maximam7000)というヤツで、レンズを見てみると、なんと、望遠ズームの「80〜200mm」というのがついておりました。

 途中、寄っちゃぁ撮影ポイントだとかゆって、ガイドが案内するのですが、オヤジ、撮影するのにメチャクチャ苦労してるのです、せっかくのカメラももったいないなぁ・・・と思い、ワイドズームのレンズを貸してやって、試させてみると、オヤジ、すごく気をよくしておりました。

 本当でしたら、ほとんど空いている「35〜200」ってヤツを貸したかったのですが、コレは、旧型は対応しないレンズだったので、私がそれを使うことになりました。

 モニュメントバレーは、まぁ、西部劇の基本とでも言いましょうか? そういう感じの「メサ」というのがあります。 岩山というか、テーブル場の台地といいましょうか? そんなモノのことなのですが、すごく雄大です。

 途中、「ジョン ウェイン ポイント」というところがあるのですが、すごく感じのいいところで、ツアーが着くと、馬に乗った少年が先っちょの方に行ってポーズをとるのです。

 何かと思ったら、結局、チップ目当てのアルバイトみたいなモノなのですが、確かに様になっており、いい感じでした。なお、この場所、HONDAの某ミニバンのCMのコマにも入っておりました、見た瞬間、「あ、ココだ!」とわかるほどでした。

 ツアーも後半にかかった頃、だんだん、曇りだった天気も晴れてきて、夕方にはかなりいい感じになってきました。今回の旅行中最高の写真が撮れることを確信した私は少し過剰に燃えてました。食事前、ポイントを探したのですが、思うところがなく、じゃあビジターセンター前で・・・と言うことに決まり。

 しかし、国道沿いの入口が結構いい感じ、今思えばそこで置いてってもらうのも手
だったと思ってるのですが、後の祭り、それでもまあまあの感じで撮れ、よしよしという感じでもありました。

 ところで、ビジターセンターに着いたとき、オヤジが、なんかチョッカイを出してきてて、何事かと思ったら、ツアーに行かないか? という誘い。こっちは、必死こいて三脚を支度して、夕日で最高に焼けているメサを撮りたい、事情がわかるととっとと蹴散らし、ポイントへ行って撮影しました。

 結構いい感じで撮影でき、ものすごく幸せな気分で3人してメキシカンハットの宿に戻りました。

 部屋にはいると、思ったよりいい感じの部屋で、近くにはマーケットもあります。

 結構遅くまでやってまして、最高の気分のところでビールでも補給して・・・とばかり、マーケットへ行き適当に補給してると、おカァチャン、「Where are you from?」「ジャパン」・・・

 そうすると、すごく深刻な表情をして言うんです・・・

 とにかく英語なので、単語単語しかわからなかったのですが、「マグニチュードエイトポイント○○」「グラインド」「ハンドレッヅピープルア〜キルド」・・・

 私が聞き取ったコトバはこんだけです・・・

 想像して下さい・・・

 そんなの、旅先で聞こうモノならほぼパニックです・・・

 マグニチュード8以上で、グラインド・・・って事は揺れたわけだろう?

 挙げ句にゃ大勢が死んでるワケだベェ?

 どう考えても東海地震だよなぁ・・・

 買うモノは買っておいて、この先の作戦会議をば、「何百人モノ人間が死んじゃってんじゃあどう考えても東海地震だよなあ・・・」「とりあえず、トレドに連絡だ」「もしそうだったら成田には降りれないだろうから関空だわな、そこからどう帰るかが問題かな・・・」「会社の仲間は生きてるかな?」

 とりあえず、話を聞いたのは20時頃、「22時にはテレビでニュースを放送するら」という店のオカアチャンの話なので、状況は必ず解る。しかし、ヤバイ話は、急ぎたくなるのが人情。

 金さんは、お世話になってるトレドの親戚宅に連絡を取ったら、「こっちには連絡はないか確認してみるから後ほど・・・」とのことで、片チャンは、東京の彼の父の会社にかけたところ、「地震、大きかったよ・・・プツッ」「つながったんだから大丈夫か?」「も、切れるのが早すぎる・・・」今度は私が・・・ 小銭(25セント)の持ち合わ がないので、店で両替してもらって、かけてみる。最初に$6.25入れなければならないので大変、25枚ですから・・・

 家にかけたら、なんと不在! 目の前真っ白な状態で危機感を感じたのですが、後で考えれば、日本は5日の11時半、母は集金に行ってるはずで居る方がおかしかったんですね。こうなればヤケクソだとばかり会社に電話する。

 「地震? 大きかったよ。震源は北海道でこっちは震度3、影響はないよ。」

 やっと人心地がつきました。ああ、帰るところはまだあった・・・部屋に帰り仲間に報告とついでに、前回、カナダで金さんの親戚に指摘された「日本地図」を持って行ったので、それを持って店に報告、オカアチャンたちは、「それは良かった」と笑ってくれました。

 その後、テレビを見てたら、やってるやってる、津波の模様を・・・って、コレ、ハワイとちゃうかぁ?

 でも、確かにすごい地震だったんだねぇ・・・あ、コレ、NHKのネタだよ・・・そんな感じでテレビに食い入って見ちゃいました。

 とにかく、我々には帰る場所はあるらしい、旅はまだまだ続きます。